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だれでも歓迎! 編集
嘘【うそ】



「あのー…誰だっけ」
「…千葉です」

申し訳なさそうに僕に問いかけ、答えるとさっきとは考えられない笑顔を見せ。

「あー!そうだ千葉君だ」

3年の瑛士先輩と、1年の僕が…なぜ二人で体育館にいるかと言うと、文化祭のステージ作りにイス並べ…全クラスの体育委員が集まり日替わりで二人づつ分けられ。

…で、今に至る。

「あーあ、暇だなぁ」

あきらかに暇じゃない状況なのに、イス5つも持ってるのに。変な人

「もう少しで終わるじゃないですか」
イス3つ両手に持ちながら言うと先輩が「千葉ー、ちっばー、ちばばーん」と素早くイスを並べながら口ずさんでる、ますます変な人だ。

自分も負けじと素早くやってみるけど足にひっかかったり倒しちゃったりで余計に遅くなって、先輩がまたイス5つ両手に持ち大股でこっちへ向かってくる


白く細い腕に少し汗をかきながら手の甲には何本もの線を浮かせた先輩に見とれていた。

「千葉、何してんねんー」と下手な関西弁を使いながら僕が倒したイスをなおしてくれる。

なんだか悔しくて走ってまたイスを取りに行き6つ手にもち引きづりながら小股で歩く。
先輩が近付く気配がした、走って来てくれた。

「無理すんなよ」
と片手に3つずつあるイスを一つづつ取ってくれた

「まず4つやで千葉」
と同じ足取りで歩いてくれた

「…甘やかさないでくださいよ、できるんですから」

先輩の余裕の表情とか下手な関西弁にイラっときた。

「怖い怖いー、怖いやんけ千葉ー」

馬鹿にしたような笑顔で頭を撫でられ、ムっとした表情をすると

「あ、ごめん…。千葉君怒らないでく、」
何も言わず抱きついた、ムカつくから。身長が足りなくてしたい事もできないけど。

「千葉じゃなくて、一磨って呼んでください」

黙っていた先輩、ふっと笑うと手を回してくれた。

「かずま。」

「…はい」

体を離して先輩の顔を見ると嘘のない優しい笑顔で、目線を合わせてくれて

「一磨、一緒に帰ろ」

と手を握ってくれた。

先輩の事が少し分かった気がした。


(僕たちは寄り添って)(僕はしがみついた)

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