安心【あんしん】
「前田ー」
突然声をかけられて、思わずビクッと体が動く
後ろを振り返ると、そこには熊木が居て
後ろを振り返ると、そこには熊木が居て
「…ビックリしたー熊木かー。もー驚かすなよー」
「ごめんごめん。いやーインターホン押したのに出て来ないから居ないのかと思ったんだけどさ、行くって今日行ったじゃん?居なかったら居なかったで家で待ってようと思って入ってみたら前田居たから」
「ごめん、テレビに見入ってたわ」
「ごめんごめん。いやーインターホン押したのに出て来ないから居ないのかと思ったんだけどさ、行くって今日行ったじゃん?居なかったら居なかったで家で待ってようと思って入ってみたら前田居たから」
「ごめん、テレビに見入ってたわ」
熊木は俺のクラスメイトで、週1でお互いの家に泊まりあう仲
そんな仲だからお互いの家の合鍵まで持っている
そんな仲だからお互いの家の合鍵まで持っている
「何見てたの?…ああ、これかぁ。前田ってホント加藤さん好きだねぇ」
「憧れてんだもん当たり前じゃん!」
「どうかなぁ?…あ、このコーナーって外人さん出るやつでしょ?」
「そーそー。外人さんかっこいいよなー」
「なー。…っていうかさ、俺ずっと思ってたんだけどこれのポーズってさ、だぶるゆーだよね。一人でやるか二人でやるかの違いで」
「憧れてんだもん当たり前じゃん!」
「どうかなぁ?…あ、このコーナーって外人さん出るやつでしょ?」
「そーそー。外人さんかっこいいよなー」
「なー。…っていうかさ、俺ずっと思ってたんだけどこれのポーズってさ、だぶるゆーだよね。一人でやるか二人でやるかの違いで」
熊木のその発言に思わずキョトンとしてしまう
「あれ、だぶるゆー知らない?あの元モー娘。の…」
「分かる分かる。っていうか俺も同じ事思ってた。そんな事思うの俺だけだと思ってたから、びっくりした」
「あ、なーんだ前田も思ったんだー。俺だけ時代遅れだから思っちゃったのかと思ったわ」
「あれ、だぶるゆー知らない?あの元モー娘。の…」
「分かる分かる。っていうか俺も同じ事思ってた。そんな事思うの俺だけだと思ってたから、びっくりした」
「あ、なーんだ前田も思ったんだー。俺だけ時代遅れだから思っちゃったのかと思ったわ」
熊木が俺の隣に座って、笑った
「…や、熊木が時代遅れなのは事実だけどー」
「こらこら。怒るぞ」
「こらこら。怒るぞ」
可笑しくなって笑うと熊木が優しく頭を撫でてきた
「俺も見ていい?」
「おー」
「おー」
熊木はこの番組を何故録画しているのかとかは聞かなかった
勿論聞かずとも分かったのだろうけど
番組を巻き戻して最初からにしようとすると、熊木がそれを止めた
勿論聞かずとも分かったのだろうけど
番組を巻き戻して最初からにしようとすると、熊木がそれを止めた
「このコーナーからでいいよ」
俺が一番胸が苦しくなるこのコーナーが、再び始まる
「ほら、前田、ピースして」
「え?」
「え?」
言われるがままにピースをすると、熊木が手をひっつけるように近づけて同じようにピースをした
「ほら、二人揃って、だぶるゆーでーすって」
「何その裏声」
「何その裏声」
例のあのポーズの部分
あのやりとりが凄く苦しかった
知っている二人がどんどん仲良くなってっちゃって、俺だけおいてかれる気がしたから
だから本当はちょっとだけ嫌だったけど、こうやって二人でやると不思議とそれを感じなくなった
あのやりとりが凄く苦しかった
知っている二人がどんどん仲良くなってっちゃって、俺だけおいてかれる気がしたから
だから本当はちょっとだけ嫌だったけど、こうやって二人でやると不思議とそれを感じなくなった
「ダメだ、これからこのコーナー見る度熊木思い出しちゃう」
「何でー!俺そんなに変な声だった?」
「熊木いっつも変だけどそれ相応に変な声だった!」
「酷い!そんな酷い事言う奴にはこうしてやるーこちょこちょこちょー」
「うっわやめろよ!あははっちょ、ホントっ…やめて!ごめん!謝る!謝るから!」
「何でー!俺そんなに変な声だった?」
「熊木いっつも変だけどそれ相応に変な声だった!」
「酷い!そんな酷い事言う奴にはこうしてやるーこちょこちょこちょー」
「うっわやめろよ!あははっちょ、ホントっ…やめて!ごめん!謝る!謝るから!」
熊木は、凄い
俺の事ホントよく分かってるって感じ
熊木のおかげで、前よりあのコーナーが好きになれた気がした
俺の事ホントよく分かってるって感じ
熊木のおかげで、前よりあのコーナーが好きになれた気がした
(今度は熊木ん家で何かDVDでも見よー)
(おーいいね!何が見たい?)
(おーいいね!何が見たい?)