みるな。【みるなまる】
窓際で、楽しそうに笑って外を見る
その視線の先に、俺は居なくて
その視線の先に、俺は居なくて
「ごーき」
俺が呼びかけてるのも、気付かないくらい、その人に夢中なの?
「みるな」
ほんのちょっと、強引だけど
「うわっびっくりした。えいじ?」
「そんな顔で、あの人を見るな」
「そんな顔で、あの人を見るな」
視界を俺の上着で閉ざして
退けさせないように手で押さえつけて
これなら、俺の事も見えないけど、あの人の事も見えないでしょ?
退けさせないように手で押さえつけて
これなら、俺の事も見えないけど、あの人の事も見えないでしょ?
俺の声にだけ、集中してくれたら
そしたら、あの人の事なんか忘れちゃうでしょ
そしたら、あの人の事なんか忘れちゃうでしょ
俺に、夢中になって
「えいじ?」
突然どうしたのかと困ったように、公輝が俺の名前を呼んだ
「…びっくりした?俺が呼んでるのに、全然気付かないから、驚かしてやろうと思って」
「…えいじ?」
「もう少しだけ」
「もう少しだけ」
どうか、このままで居させて下さい
end
end
好きな人の好きな人を、俺も好きにはなれません