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やる夫スレの仲間たちはバトルロワイヤルに巻き込まれたようです◆m8iVFhkTec




目の前に広がるのは、ただただひたすら深い闇だけ……

気がついた時には、自分はその闇の中で立ちすくんでいた。

自分は今まで何をしていたのか? どうして自分がここにいるのか? ……何一つとしてはっきりと思い出せない。

ただ、普段通りの何気ない一日を過ごしていた最中に、何の前触れもなくこの漆黒の世界に放り出されていた。



何一つ視界の無い空間で、周囲からはざわざわとした声だけが聞こえていた。
「ここはどこだ?」だとか、「いったい何が起きているの?」だとか、誰もが困惑したような独り言をつぶやいている。

気が付いてから1分ほど経っただろうか。
一人一人のざわめきが徐々に大きくなり、騒がしくなろうとした頃に。
カコンッ、という音……スポットライトが点けられた音のようだ……その音と共に視界の上の方に、光に照らされた何者かの姿が見えた。
ざわめきは止まる。この瞬間に誰もの視線がそこの一点に集中していた。
静寂の中で、何者かは軽く周りを見渡すと、咳払いをし、やがて口を開いた。

「う ふ ふ ふ …… みなさま、今回はお集まりいただき、どうもありがとうございます。
 それでは自己紹介します。はじめまして、僕ドラえもんです。今回はよろしくお願いします」

ドラえもん。そう名乗ったソイツの姿は人とは大きくかけ離れていた。
空のような青と雲のような白い体色、雪だるまのような形状、手足の先は丸く、腹部には大きなポケットが付けられている。
満面の笑みを浮かべたまま、ドラえもんは両手を広げて話を始める。

「それじゃあ、さっそく本題に入ります。
 おっほん……。みなさんがここに呼ばれたのは、あるゲームをしてもらうためです。
 ルールはとっても簡単。これから飛ばされるフィールドの中で、それぞれ好きな方法を使って……」


 ―――――最後の一人になるまで、殺し合いをしてもらいます――――


再び沈黙が訪れる。ドラえもんの声がエコーとなってはっきりと闇の中に響いていた。
エコーが止んだ頃に、一人の男が罵声をあげた。

「ふ、ふざけるな! 私たちには普通の生活があるんだぞ!
 馬鹿馬鹿しいことを言うんじゃない! 早くここから出してくれよ!」

その声をきっかけにして、他の人々も続けて怒号を飛ばし出す。

「そうだそうだ!」「いい加減にしろ!」「どういうつもりかしら!」「誰が殺し合いなんかするもんか!」「お前マジ帰れよ!」
「元の場所へ帰してよ!」「我々は抗議するお!」「てゆうか死んでくれよ!」「ふざけんじゃねぇー!」「ハゲタヌキ野郎!」
「降りてこいコラァ!」「私は絶対嫌だからね!」「アンタを先に殺すぞ!」「一人でやれよカス!」「ハゲタヌキが!」「最低!」

周囲は相変わらず漆黒の闇の世界、その中で人々の怒号と抗議の声だけが聞こえていた。
きっと誰もがこんなふざけた催しに反対なんだろう。
そして、抗議をすることでその意志を示す。
その中でも俺だけが……俺だけが際立って違ったようだ。

「くひ……くひひひ……くはっ、ぎゃはははははははははははははははははは!!!!」

俺は笑った。
声を張り上げてバカ笑いをした。

「ぎゃはーーーーっはっはっはっはっはっはっはっは!!!」

異様な様子を感じたのか、罵声が少しずつ減り、俺の笑い声だけが木霊していた。
相変わらず、まるで張り付いてるかのような笑顔を携えながら、ドラえもんは俺達を見下ろしている。

「ひぃぃっっっ!! ひぃぃっっっ!! ははははははははははははははははははははははは!!!」
「だっ、誰だ笑っているやつは! これのどこに笑う要素があるって言うんだ!?」

戸惑ったような誰かさんの声が聞こえる。
俺は笑い声を抑えて、その誰かさんの質問に答えてやる。

「いやぁ~、だって素晴らしい話じゃないか。殺し合いをさせてもらえるんだろ? 人を好きに殺していいんだぜ? お前ら、何か不満なことあるのか?
 ……おいアンタ、ドラえもんとか言ったな。これは"ゲーム"なんだよな? だったら自由に人殺ししても構わないよな? 捕まったりしないよな?」
「そりゃあもちろんさ。心おきなく殺してくれて構わないよ! みなさんも、好きなように殺し合ってください」
「ほら、だったら何の問題も無いじゃねえか! お前らの中にも、俺みたいに殺人が許可された事に喜びを感じている奴はいるんじゃないか? なぁ?」

俺は興奮して、喜びを抑えることが出来なかった。
俺の名前はキル夫。昔から、『人を殺すこと』に至上の快楽を感じていた男だ。
そう、そんな俺にとって、この"殺し合い"に呼ばれたことは願ってもいないチャンスだと思った。
考えてみろよ、許可を得た上で人を殺せるんだぜ。素敵な話だとは思わないか?

……だが、俺の呼びかけに素直に答えるものはいなかった。しばしの沈黙が走る。
それは俺の発言に引いているのか、それともあまりの正論に言葉が出なかったのか……まぁ、どっちでもいいことだ。



「……ア、アンタ、頭おかしいんじゃないのか!? どこの誰だか知らんが、ここから出たら即刻通報してやるからな!」

その沈黙を破ったのは、さっきから出しゃばって抗議していた男の声。

「う ふ ふ ふ ……。こんなに乗り気な人がいてくれて僕はとっても嬉しいです」
「おっ、お前もだからな青ダヌキめ! 今のうちに覚悟しておけよ!」
「……それに比べて、皆さんはどうもやる気が起きてくれないみたいだね。しょうがないなぁ……」

わざとらしい身振りをしながら、ドラえもんは嘆く。
そして奴はおもむろに腹のポケットに手を突っ込み、そこからスイッチのようなものを取り出した。

「このボタンを押すとね……」

カチッ、とボタンを押され、続けて『ピ――――』とタイマーのような音が聞こえた。
もう一つのスポットライトが下の方に照らされる。
そこには中年の男の姿。呆然とした顔でキョロキョロと戸惑っている様子だった。
どうやらその電子音は、そいつに巻かれている首輪から鳴っているようだ。

「……って、父ちゃんじゃないかお!? 父ちゃんがさっきから怒鳴ってたんだお!?」
「う ふ ふ ふ……。みんな見てごらん。まず、この首輪からこんな風に音が鳴ってね……」
「な、なんだこれは……なんなんだ!? おい、止めろ! 何をするつもりなん」

中年の男がそう叫んだ瞬間

―――スパアァン!!!

……首輪が破裂した。中年の頭部は何処かへ吹き飛び、ちぎれた首からは噴水のように血が吹き出していた。
スポットライトが消える。誰もが唖然としたのか、破裂音がクリアに響き渡る程の静寂が訪れていた。
吐き気が出そうな程の鉄錆と、肉の焼けるような強い匂い鼻を刺激した。

「父ちゃん……えっ……? う、うそ……だお……?」
「こんな風に爆発するんだ。みんなにも同じ首輪が巻いてある。ただし、気を付けないと……」

『ピ――――』

またしても、どこからか無機質な電子音が鳴り出す。

「うそっ……カナの首輪が……ちょ、ちょっと! なんでなの!? お願い、早く外してよ!」

カコン、という音がして、スポットライトが一人の少女を照らす。
黄色い服を纏った少女は、首輪を外そうと必死に引っ張りながら、青ざめた表情でドラえもんに懇願する。
ドラえもんは少し哀んだの表情を浮かべていた。

「それ、無理やり外そうとすると爆発する仕掛けになってるんだ。そうやって勝手なことするからいけないんだ」
「っ……!? そ、そんなぁ! お願いいいいィィィィ!!!!嫌嫌嫌ああぁぁぁぁぁあああ!!!!止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めてえええぇぇぇーーーっ!!!」
「諦めるんだな」

ドラえもんは冷たく言い放つ。
少女の顔は絶望に染まり、大粒の涙をボロボロと零していた。

『ピ――――』

「嫌ぁ……嘘だよこんな……死にたく」―――スパアァン!!!

少女の言葉を遮り、非情な破裂音が闇の中を響き渡る。




もう首輪に触る者も、意義を唱える者も、誰一人としていなかった。




「おっほん、それではそろそろ細かいルール説明に入ります。静かに聞くようにね。
 この後、皆さんは殺し合い会場のフィールド、建物が立ち並ぶ小さな島に、それぞれランダムな場所に飛ばされます。
 その際に君たちのすぐ近くに、支給品を入れた四次元デイバックを置いておくから、しっかり中を確認するように。
 支給品として食料のパン、水の入ったペットボトル、会場の地図にコンパス、あとメモ帳と筆記用具、懐中時計、電池式ランタンを入れてある。
 あと、それぞれランダムに殺し合うための武器……ランダム支給品がいくつか入ってるから楽しみにしててね。
 そして、メモ帳とは別に"黒い紙"が入ってるけど大事にしてね。今から六時間後に参加者たちの名簿が浮き上がる仕掛けなんだ。

 それと、六時間ごとに一度、会場内に放送を流します。その時点までの脱落者、そして禁止エリアについて発表するから……おっと、そうだった。
 禁止エリアっていうのは、地図に書いてあるマス目ごとに進入禁止区域を設ける仕組みのことだよ。
 もしも、その指定された区域に残っていたり、侵入したりすると、首輪から警告が流れる。
 それに従わなければそのまま首輪が爆発する。気をつけてね。う ふ ふ ふ ……」

時おり誰かのすすり泣きが聞こえたが、ドラえもんの言葉は遮られることなく、一息に説明がなされた。

「その首輪を外そうとしたり、禁止エリアに入らなければ爆発することは無いんだな?」
「そうだよ」

俺の確認のための問いに、ドラえもんはにこやかに答えた。

「力に自信のないって方も安心してください。その首輪にはもう一つの効果があって、強力な参加者の能力はある程度弱めているんだ。
 つまり、何の力も無い人でも、いい武器があれば誰でも殺せる。諦めなければ、ちゃんと勝ち残れる可能性はあるんだよ」

ドラえもんは付け加えて言った。

「もう質問はないかな? ……大丈夫そうだね」

ガコンッ、と音がしてスポットライトが消える。
ドラえもんの姿は消え、またも完全なる暗闇が戻ってきた。

「48時間以内に最後の一人として生き残ったら、ちゃんとその首輪を外してあげるからね。
 そして優勝賞品として、君たちのどんな願いでも叶えてあげる。僕に不可能なことは何にも無いから期待してていいよ。

 …………それじゃあ、そろそろ始めようか。みなさん、頑張って殺し合いに勝ち抜いてください! う ふ ふ ふ ふ…………」

ドラえもんの笑い声が徐々に遠ざかり、意識が少しづつ遠くなっていく。
あぁ、ついに始まるのか……待ちに待った殺し合いが……
意識が途絶える直前まで、俺の顔は喜びと笑顔で満ち溢れていた。




【やる夫のとーちゃん@やる夫派生 死亡】
【金糸雀@Rozen Maiden 死亡】


【主催者 ドラえもん@ドラえもん】



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やる夫 やる夫が犯罪を暴くようです ~導入編~
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最終更新:2013年03月02日 14:26