野獣、死すべし◆3aTFo8qFWg
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γ´⌒`ヽ
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( ´-ω) ぼく、殺し合いに巻き込まれました
(:::::∪::)
し─J
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:: ゝ :::::......ノ:;;..:::::::ヽ ザパァアァァァ‐─────‐‐‐ ‐ン
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「寒い……」
ひゅううと冷たい風が吹く夜の海辺を、彼は歩く。
突然訳の分からないところへ呼び出され、殺し合いを命じられた。
なんてふざけた話だろうと思ったものの、あの場所で首を飛ばされた二人は確かに現実のものだった。
ここは人を殺す場所である、そういう認識が彼に当たる夜の風をより一層冷たくする。
お気に入りの暖かいしまむらのセーターも、ニット帽も貫いて風が彼を撫でる。
ぶるる、と身を震わせながら、明かりのない夜を歩いて行く。
「あ……」
踏みしめる大地が草原から光の射すコンクリートに変わった時、彼は一人の女性を見つけた。
すらっとした水色の髪の毛、オレンジ色の全身タイツにそれを覆い隠す法衣。
横顔はどこか憂いを帯びた表情で煙草をふかしている。
急いで傍に駆け寄り、お気に入りのセーターに煙草の臭いが写りそうになるのをお構い無しに、彼は話しかけた。
「あの、寒くない?」
思ったとおりの事を、真っ直ぐに。
女性は返事することもなく、気だるそうに此方を振向いてから、ゆっくりと立ち上がった。
「あの……」
見下される感覚に、彼は少しの恐怖心を抱いてしまう。
それでも、こんな殺し合いの中だから、誰かと喋って居たい。
どれだけ服を着こんでも、心の寒さだけはどうしようもないのだから。
「あの!」
勇気を振り絞って語りかけた彼の額に押し付けられたのは、彼女が先ほどまで吸っていた煙草だった。
「うあ”あ”あああっ!!」
想定していなかった事態に、彼は思わず仰け反り、背中から倒れこんでしまう。
煙草を押し付けられた額が、ひりひりと突き刺さるように痛む。
何が起こったのかということを理解するよりも、痛みにただ怯えることしか出来なかった。
「げうっ」
落ち着く間もなく、鋭い蹴りががら空きの腹部に叩き込まれる。
昨日の夜に食べたおいしいハンバーグが、内臓を伝って口まで上ってくる。
酸っぱい嫌な感触が口に広がると同時に、それをぶちまけて行く。
「おえっ、あぎゃっ!!」
不快感を噛み締めると同時に、今度は何かが突き刺さる感覚を覚える。
どこに? 丁度腰のあたり。
何が? 淡い光を放つ剣が。
誰に? ぼくに。
そこまで理解したとき、ヘリポートを照らす光よりも明るい何かが、自分を包み込んだ。
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「あ」
真っ黒の消し炭になったそれを蹴飛ばし、彼女はぴしゃりと顔を叩く。
「殺しちゃいました……」
やってしまった、という顔をしながらも、彼女に罪悪感という三文字はない。
もうちょっと楽しみながら嬲っても良かったかな、なんて考えているくらいだ。
「はあ、フィリスはやっぱり勇者様のあの艶っぽい声じゃないと、物足りないです」
たった今殺人をした法衣の女、フィリスの表情は暗い。
なぜなら、セーターの彼を殺すまでのプロセスで「満足」出来なかったからだ。
満足? 殺人と言う重罪において何を言っているのか?
その理由は、彼女が快感だと思う出来事が、常人とは違って異常だからだ。
勇者一行が魔王バラモスを倒し、いわゆる「下の世界」で大魔王ゾーマを討伐した。
そして勇者は「ロト」となり、下の世界で末代に至るまで語り続けられていた。
その仲間である三人のうちの一人が、彼女だ。
彼女は僧侶と言う聖職者でありながら、人を救うことを億劫としていた。
と、いうのも、救ってしまえば彼女が愉しめないからだ。
彼女は生まれながらにして変態であり、常人では理解できない奇人だった。
その点さえ除けば、若くして高い法力を持つ立派な聖職者だと言うのに。
その一点だけが、彼女にとっての唯一の欠点だった。
なぜ、彼女は僧侶でありながら人々を癒すことを拒んだのか。
答えは簡単だ、人々の苦悶の声を聞くことが出来ないからだ。
傷を癒してもらった元気な人間は、何事も無かったかのようにケロリと活動を始める。
彼女としては苦悶の声を長く聞いていたいのだが、聖職者と言う立場である以上、そうもいかないのだ。
だったら聖職者を辞めてしまえばよかったのだが、苦しみに悶える人間は僧侶を頼る。
この関係上、どうしても彼女は聖職者を辞めずに居た。
そんな時、彼女はある一報を手にする。
アリアハンの勇者オルテガの娘が、魔王討伐の旅に出ると。
彼女は、考えた。
勇者の娘と言うのは、どんな声で「鳴く」のだろうかと。
しかも、魔王討伐の旅ならば長期に及ぶ事は予想できる。
傷ついた勇者の傷を癒し、また傷つく様を見て満足する。
なんて夢のような"無限輪廻"だろうか。
頭に描いた楽園に飛び込むために、聖職者として酒場に飛び込み、勇者の仲間として共に歩むことを決めた。
そして、彼女は予想通りの楽園を掴んだのだ。
あまりにも艶っぽく、色っぽく、この上ない至高の悲鳴を、独り占めできるような環境を手に入れたのだ。
だが、それは魔王を討伐するまでの間。
大魔王ゾーマを討伐したと同時に、勇者はどこかへと旅立ってしまった。
その日以来、消えない欲求不満と共に、自堕落の生活を送っていた。
そう、昨日まで。
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そして、彼女はこの殺し合いに招かれた。
勇者の艶っぽい声という甘美な果実を奪われて久しい彼女に、甘い甘い蜂蜜のような誘惑が舞い降りてきたのだ。
「人を殺しても良い」というのは「人を傷つけても良い」ということ。
あの世界ですら許されなかった、たった一つのことがまかり通る世界。
そして、彼女は始めの場所でしっかりと目に焼き付けていたのだ。
「鳴」かせれば、極上の声を響かせてくれそうな、可愛い女の子の姿を。
「うふふふ……」
恐ろしく軽く、それでいて殺傷能力に秀でている、勇者の雷を操る剣を片手に、彼女はヨダレを啜る。
待ちかねた、待ちかねすぎた。
いつか、この溜まりに溜まった欲を晴らして見せると。
今が、正にその時。
殺人が許された世界で、彼女は己の「欲」を満たしに行くのだ。
勇者のような上玉の悲鳴の持ち主が居れば、傷つけては癒しを繰返すのも良いかもしれない。
長く悲鳴を楽しめるのならば、かつて勇者に従ったようにその者に従うのも良いかもしれない。
なんにせよ、まずはこの溜まりに溜まった不満を爆発させるのが最優先だ。
「楽しみですね」
輝く目をギラギラと光らせ、彼女は求めて行く。
彼女の心を癒しうる可能性を持つ存在の元へ。
野獣が、殺し合いに産み落とされた少女達へと、這いよっていく。
【しまむらくん@2ちゃんねる 死亡】
【残り 69人】
【H-8/ヘリポート/深夜】
【フィリス(女僧侶)@ドラゴンクエストシリーズ】
[状態]:欲求不満
[装備]:ルビスの剣@ドラゴンクエストシリーズ
[道具]:基本支給品一式、不明支給品(1~5)
[思考・状況]
基本:欲求不満の解消、及び良い声で鳴く少女の探索
1:とりあえず女の子が居たら「鳴」かす
2:男はまあ……適当に……
3:いい悲鳴の子が居たら、従っても良い
《支給品詳細》
【ルビスの剣@ドラゴンクエストシリーズ】
GB版ドラゴンクエストⅢに出てくる最強の武器。
隠しボスであるグランドラゴーンを25ターン以内に倒すと手に入る。
攻撃力は脅威の160(参考:はがねの剣は+33)かつ、勇者専用魔法であるギガデインが撃ち放題。
しかも全職業が装備可能という、トンデモ武器
最終更新:2013年07月28日 22:52