アットウィキロゴ

グリーン・グリーン ◆NIKUcB1AGw




幼き魔術師、ユーノ・スクライアは、森の中にいた。
自然の中で生きるスクライア一族である彼にとって、本来なら森とは心安らぐ場所のはずであった。
だが今、彼の心はひどく乱れていた。
それもそのはず。ユーノは今、殺人ゲームの舞台に立たされているのだから。

(まいったな……。さすがにこんなことが起きるなんて、思ってもみなかった)

首輪に手をやりその冷たい感触を確認しながら、ユーノは顔をしかめる。

(殺し合いなんて、断じて行わせるわけにはいかない。何とか、止める方法を見つけないと……。
 けど、僕一人でそんなことできるのか? せめて、この場になのはがいてくれれば……。
 って、何を考えてるんだ僕は!)

ユーノは大きく頭を振って、脳裏に浮かんだ考えを打ち消す。
親友である彼女がこんな危険なゲームに巻き込まれているなど、あってはならない。
むろんそれは、他の友人たちについても同様だ。
ユーノは、このゲームに参加させられている知り合いがいないことを天に祈る。

(うーん、どうも動揺が収まらないな……。ここはまず、自分の現状を確認することで平常心を……)

自分のデイパックに手を伸ばすユーノ。そのとき、彼の背後から何かが動く音が聞こえた。

「誰!?」
「なんだ、ガキじゃねえか……。お前みたいなのも、参加させられてるのかよ」

振り向いたユーノが見たのは、緑の革ジャンを着た大柄な青年の姿だった。
青年はゆっくりと、ユーノに向かって近づいてくる。

「俺はウヴァって者だ。お前は?」
「……ユーノ・スクライアです」
「おー、ちゃんと名乗れるじゃねえか。年の割にはしっかりしてやがるなあ」

微笑を浮かべると、ウヴァは無造作にユーノの方へ左手を置く。

「さて、ユーノ。会ってそうそうこんなこと言うのもなんだが……」
「なんでしょう?」
「死んでくれ」

次の瞬間、ウヴァの右手に握られたナイフが、ユーノの胸を切り裂いた。

「があっ!?」

ユーノはとっさに背後へ跳び、致命傷を回避していた。だがそれでも、負った傷は浅くない。
彼の着ていたパーカーが、みるみるうちに鮮血を吸って赤く染まっていく。

「ん? 仕留めたと思ったんだがなあ。やっぱり道具に頼るようじゃ駄目か。
 確実に殺すなら、自分の手でやらねえとなあ」

けだるげにぼやくウヴァの体が、金属音と共に変化していく。
数秒の間にウヴァは、大柄な青年から虫のような頭部を持つ怪物に変貌していた。

「ウヴァさん……。あなたは、殺し合いに……」
「まあ、あのよくわからねえ生き物の言うことを聞くのは少し癪だがな。
 全員殺せば帰してくれるっていうんなら、そうするさ」
「……!」

この男を野放しにしてはおけない。そう判断したユーノは、右手に魔力を集中させる。

「チェーンバイン……」
「遅いぜ!」

しかし魔法が発動するより先に、ウヴァの蹴りがユーノの腹にめり込む。
ユーノの体は地面を転がり、巨木の幹にぶつかって止まった。

「が……あ……」
「まだ生きてるのかよ、めんどくせえ。頭もぎ取るか? そうすりゃさすがに死ぬよなあ?」

若干のいらだちをにじませながら、ウヴァは再びユーノに近づいていく。
死のイメージが明確にユーノの頭をよぎった、そのとき。

「いやっふううううううう!!」

緑の弾丸と化した一人の男が、ウヴァに激突した。

「うおおっ!!」

完全に予想外だった攻撃を受け、ウヴァの体は大きく吹き飛ぶ。
一方ぶつかってきた男は、悠々と大地を踏みしめた。

「やれやれ、早くもこんなひどい状況に出くわすとはね……。大丈夫かい、君」
「な、何とか……」
「おい! なんだてめえは!」
「僕は天下にその名をとどろかすスーパーヒーロー、マリオブラザーズの片割れ! ルイージだ!」

体を起こしながら叫ぶウヴァに対し、男はルイージと名乗って大見得を切る。

「君、ここは僕に任せろ! 早くここから逃げるんだ!」
「いえ、僕も戦います! あまり強くはありませんけど、少しは役に立つはずですから」

木を支えに立ち上がりつつ、ユーノはルイージの言葉に反論する。

「気持ちはありがたいが、無茶だ。そんな傷で……」
「けど、この状況を作ったのは僕です。本来無関係のあなたに、全てを任せるわけには……」
「やれやれ、まだ小さいのに頑固な子だね。仕方ない」

ルイージはポケットから液体の入った瓶を取り出すと、その液体を口に含んだ。
そして大声で「わっ」と叫ぶ。すると彼の口から、カタカナの「ワ」の形をした物体が飛び出した。

「えっ?」
「すまない、ちょっと荒っぽく扱わせてもらうぞ!」

驚愕するユーノの体をつかみ、ルイージはそれを「ワ」の内側に乗せる。
「ワ」はユーノを乗せたまま、どこかへと飛び去っていった。

「てめえ! 待ちやがれ!」

ユーノを追いかけようとするウヴァ。だがルイージの回し蹴りが、その前進を阻む。

「勘違いするな。君の相手は僕だ」
「そんなに先に死にたいかよ……。いいぜ、殺してやる!」

ウヴァの拳がうなりを上げて、ルイージに襲いかかる。
しかし、ルイージはそれを紙一重で回避。カウンターをウヴァの顔面に叩き込む。

「ぐうっ!」
「まだまだぁっ!」

攻撃の手を緩めず、さらにルイージは攻撃を続ける。
拳が、蹴りが、次々とウヴァの体に叩き込まれていく。

「調子に乗るなあっ!」

だが、ウヴァもやられっぱなしではない。ルイージの攻撃の合間を縫い、強引に拳を繰り出す。

「くっ!」

とっさにガードしたものの、ルイージの体勢が崩れる。ウヴァはその隙を逃さず、連撃を叩き込む。

「ちいっ!」

劣勢を仕切り直すべく、ルイージは大きく後ろに跳躍。ウヴァとの距離を空ける。

(こいつ、強い……。だが、勝てない相手じゃない。焦ることなく、冷静に戦えば……)

構えを取り直し、ルイージは再び距離を詰めようと大地を蹴る。
その刹那、闇夜の森を緑の電光が駆け巡った。

「があああああ!?」

電撃をまともに浴び、ルイージは絶叫をあげながら膝をつく。
その電撃がウヴァの攻撃であることを彼が理解したときには、全てが手遅れだった。

「俺が肉弾戦しかできないと思ったか? 残念だったなあ!」

一気に距離を詰めると、ウヴァは首輪に守られていない首のわずかなスペースに鋭い爪を突き立てる。
その一撃はルイージの頸動脈を破壊し、血の雨を降らせた。

(ああ、クソ……。僕っていつも、詰めが甘いんだよなあ……。少年、せめて君だけは逃げ延びて……)

自分が逃がした少年の身を案じつつ、ルイージは事切れた。


◆ ◆ ◆


その頃、ユーノはかなり離れた巨木の上にいた。
コエカタマリンによって飛ばされ続けた彼は、木の枝に服が引っかかりそこに下りていたのだ。

(僕のせいだ……。僕がもっと冷静に行動できていたら!)

ユーノは、おのれを責めていた。
ナイフでの攻撃程度、防御魔法を使えば……いやそもそも、バリアジャケットさえまとっていれば無効化できたのだ。
それができなかったために自分は深手を負い、助けに入った男を危険にさらす羽目になってしまった。
では、なぜできなかったのか。それはユーノが、ウヴァに対して警戒を怠っていたからだ。
友好的な態度で現れたウヴァに対し油断し、攻撃される可能性を考えなかった。
ここは、殺し合いの舞台だというのに。

(自分の未熟さがいやになる……。とにかく今は、この傷をふさがないと……)

ユーノは先ほどから回復魔法で、自らの傷を癒やしていた。
しかし、傷口は未だふさがらずにいる。

(痛みで、魔法に集中できないせいか……? それとも、何か他に理由が……。
 なんでもいい、早く治ってくれ! 手遅れになる前に……)

すでに自分を助けた男は命を絶たれているという残酷な事実を、少年はまだ知らない。


【B-3 森 初日 深夜】

【ユーノ・スクライア@魔法少女リリカルなのは】
[状態]重症(治癒中)
[装備]なし
[道具]支給品一式、ランダム支給品(1~3)
[思考]
基本:殺し合いを止めたい
1:元の場所に戻り、ルイージを助けたい
[備考]
※参戦時期は「A's」終了後です。


【B-2 森 初日 深夜】

【ウヴァ@仮面ライダーOOO】
[状態]ダメージ(中)
[装備]なし
[道具]支給品一式×2、朝倉のナイフ@涼宮ハルヒの憂鬱、コエカタマリン(残り9回分)@ドラえもん、ランダム支給品(0~4)
[思考]
基本:優勝を狙う
[備考]
※参戦時期は不明。完全体にはなっていません。
※制限により、ヤミー生成はできません。
※体内のコアメダルにも爆弾が取り付けられており、首輪が爆発すると連動してこちらも爆発し、ウヴァを殺害します。
 本人はこの事を知りません。

【ルイージ@スーパーマリオシリーズ 死亡】
【残り67人】


※支給品解説

【朝倉のナイフ@涼宮ハルヒの憂鬱】
ご存じ、キョンを襲撃した際に朝倉涼子が使っていたナイフ。


【コエカタマリン@ドラえもん】
飲んでからしゃべると、その言葉が実体化して飛んでいく薬。
今回は10回分の量が支給されている。




14:電撃!! 閉ざされたセカイを守る人の驚愕 Escape from The World 時系列順に読む 16:○○先生、戦争がやりたいです……
14:電撃!! 閉ざされたセカイを守る人の驚愕 Escape from The World 投下順に読む 16:○○先生、戦争がやりたいです……

GAME START ユーノ・スクライア [[]]
GAME START ウヴァ [[]]
GAME START ルイージ 死亡

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2013年02月24日 02:22