普通少女は殺し合いの最中でも普通でした ◆/sAkD3yaFE
「こ、殺し合い…?」
某高校2のへ組に在籍する日塔奈美は、現状を把握しきれていなかった。
いきなり転移させられたと思ったら、青いタヌキに殺し合いがどうのと言われたのだ。
決してあの人形に見覚えがあるとかそういうことはないはずだ。
アニメのキャラが実際に出てくるなんてないない。漫画じゃあるまいし。
ただそういうのを抜きにしても、私は困惑していた。
そりゃあ自分の周りでも、殺伐としたことは起こっている。
主に先生をめぐる三角関係ならぬ多角関係によって。
だが誰かを殺すなどということは今までなかった。
むしろあれだけ武装した女生徒たちが、平穏無事に過ごせていること自体が異常なのかもしれないが。
「こ、こういう時どうしたらいいのかな…」
とりあえず警察に連絡しようと思ったが、当然のごとく携帯電話は没収されていた。
先生なら間違いなく「絶望した!」と叫ぶだろう。そして悲観しつつも、なんとか生き延びようと尽力するだろう。
風浦可符香なら間違いなく「殺し合いだなんてありえません!これは神聖な儀式です」と言いそうだ。その言葉に先導されてしまう人も少なくないかもしれない。
木津千里に至っては「きっちり殺し合いなさい」とでも言って、暴れまわるかもしれない。本人が聞いてたら間違いなく私は土に埋められているだろうが。
日塔奈美にはそのどれも備わっていなかった。
先生みたいに悲観するでもなく、可符香みたいにポジティブでもなく、千里ほど行動力を持ってない。
故に彼女は学校の教室で頭を悩ませていた。
だが自分がどのように行動すればいいのか、わかりそうにもなかった。
「…とりあえずバックの中身だけでも確認しよう」
そう考えバックから出てきたのは、金属バット。
殺し合いなのだから凶器があってしかるべきなのだが、なんというか…。
「うーん…なんていうか、普通ね」
「って普通って言うな!……!?」
つい反射的に答えてしまったが、周りには自分しかいなかったはずだ。
あるいは考え込みあまり、人が近づいたことにすら気づけなかったのかと思った。
しかし再度見渡しても誰もいない。
「?……ああ、悪いわね。これを身に着けていると人から見えなくなるんだった」
とそんな声が聞こえたと思うと、突然目の前に人が現れた。
制服をきているところを見ると、おそらく自分と同じく女子高生だと思われる。
手に何か布を持っているみたいなので、おそらくそれで透明化していたのだろう。
「え、えといつから覗いてたの?」
「多分最初から、なにやら考え込んでたみたいだから一部始終覗かせてもらったわ」
独り言を言う癖がなくて本当に良かったと思った。
「あ、私日塔奈美です」
「私は涼宮ハルヒよ」
どこかで聞いたことがある名前だと思ったが、気のせいだと思うことにした。
主にアニメの名称だったようなとか考えてはいけない気がする。
先生ほどではないが、私もスルースキルをそれなりに備えているのだ。
●●●
涼宮さんの話はなんというかカオスだった。なんというか可符香と話させたらとんでもないことになるだろうなとは思えた。
曰く、これは不思議を求める彼女からすると歓迎すべき事態である。
曰く、あのロボットと仲良くなってみたいとのこと。
曰く、しかし人を殺すだなんてそんなナンセンスなことは認められないとのこと。
よってこれからあのロボットと話すために一致団結して、ロボットを説得するんだとかなんとか。
この行動力は千里級かもしれない。不思議なことのほうに行動の重みが向いていなければ、さぞかしクラスの人気者だったであろう。
「というわけで、これからこの場にいるみんなを説き伏せてあのロボットと話をしてこようかと思うんだけど、奈美さんはどうするの?」
「え?私?…涼宮さんがいいならついて行ってもいいかな?」
「もちろん!私たちSOS団は来るものは拒まないわ!」
「え?本当!?」
てっきり普通すぎて拒否されるかと思ったのだが。
「だって貴方あまりにも普通すぎるもの、きっと裏では戦場を駆けた超高校級の兵士に違いないわ!」
「は、はは…仮入部でお願いします」
そういうわけで、SOS団(部長&仮入部員)は行動を開始することにした。
【F-3 学校内部 初日深夜】
【日塔奈美@さよなら絶望先生】
【状態】:普通
【装備】:制服
【道具】:支給品一式、不明支給品(0~2)、金属バット
【思考】
基本:殺し合いには乗らない
1:とりあえず涼宮さんについていく。
【涼宮ハルヒ@涼宮ハルヒの憂鬱】
【状態】:健康
【装備】:制服
【道具】:支給品一式、不明支給品(0~2)、透明マント
【思考】
基本:殺し合いにのらず、会場の人を説得する。
1:これからどこへ行こうかしら…。
2:奈美さんの技術に期待がかかるわ…!(わくわく)
【金属バット@現実】
野球に用いる道具。しかし殺し合いではたいてい撲殺のために用いられる。
【透明マント@ハリーポッターシリーズ】
ハリーポッターが所持しているマント。
身にまとうことで姿を常に隠すことができる。
そのため一時間以上身につけていると30分間首輪からアラームが鳴り響いてしまう。
最終更新:2013年02月27日 01:50