アシッドクロウラー




通常モンスター
星3/地属性/昆虫族/攻 900/守 700 
巨大ないもむし。 
強力な酸をはき、何でも溶かしてしまう。 


6スレ目 256 :名無しプレイヤー@手札いっぱい。:2013/01/05(土) 20:54:02.96 ID:1J6tZnXT0

プチモスを彷彿とさせるキモチワルイ見た目が特徴の地属性・昆虫族……ん?
名前はアシッド【クロウラー】……ん?
そういえば同じく地属性・昆虫族で同じ名前の【クローラー】というカードが存在していたような……。

そう。
実に約18年の時を経て、ついにこのカードにはクローラーという同族が誕生したのだ。
プチモス?いやアイツとは見た目が似ているだけで全然関係ない。こいつはクローラー、星杯伝説上の生き物だ。
え?レベルが3だしリバースじゃないし、ステータスの法則性から外れている?
確かにそうだ。その疑問はもっともである。しかしそれは今から私が説明する事を聞けば全て納得する。
では早速だが《アシッドクロウラー》の性能を見ていこう。

当然だが通常モンスター故、クローラー固有の効果は持ち合わせていない。
それもそのはずだ。何せこのカードは18年も前のシンクロもエクシーズもリンクもいない遠い過去に生まれたカード、それは仕方ない。
モンスターなので《クローラー・デンドライト》で墓地に送れる、通常モンスターなので《思い出のブランコ》《黙する死者》等で簡単に場に出す事ができる……などなど、戦線維持や展開に非常に役立つモンスターだ。
とはいえ下級クローラーは貧弱。クローラーの能力値は加速する環境と《アシッドクロウラー》を基準に作られたのだから仕方ないのだが。
本家であるこのカードもその法則に従い900/700という破産のステータス。これでは心細い。
そこでそれを補助、あるいは強化するためにデッキに入れたいカテゴリに属していない打開カードのご登場である。

順を追って説明しよう。
まずクローラー効果モンスターは以下の共通テキストを持っている。

(X):表側表示のこのカードが相手の効果でフィールドから離れた場合に発動できる。
(同名カード)以外の「クローラー」モンスター2体をデッキから裏側守備表示で特殊召喚する
(同名カードは1枚まで)。

つまり相手の効果で除去されフィールドを離れる事が悪いことではなく良いことなのである。
しかもクローラー効果モンスターは全てリバースモンスターであり、例え相手がこの虫の増殖を嫌って殴りかかってきても容赦なくリバース効果で戦況を打開できる。
また《大樹海》によって上記の効果を発動できなくても同レベルの昆虫族をサーチする事ができる為、《アシッドクローラー》は無理だが他のクローラーモンスターを手札に加えて次の展開を助ける。
さらにこの《大樹海》で引っ張ってこれるレベル2の昆虫族モンスターには、環境デッキにも入っている《増殖するG》が存在する。
レベル2・地属性・昆虫族に500/200のステータス……【俺の英語版《Maxx "C"》はクローラーのCだぜ!】と言っているようなカードである。クローラーの語源となっている英語の「crawler」はCから始まるのだ。

当然その言葉の先駆けである《アシッドクローラー》を基準に作られたのがクローラーの正体なのは言うまでもない。
《アシッドクローラー》のような通常モンスターが持ち合わせている「簡単に場に出せるメリット」を「効果テキストとして持っている」破格のカードである。
こうして場にねばり強く残り続けたクローラー達を素材にリンク召喚をする。
クローラーのリンク2……ではなくご紹介する打開カード《ミセス・レディエント》だ。
ミセスの攻守上昇はクローラーリンクの300よりも数値が高い500アップであり《アシッドクローラー》の攻撃力は1400になり《キラートマト》に相打ちができる。
加えて風属性の攻撃力を下げるので1体出すだけで攻守差は1000。《ドラゴンフライ》には完全に打ち勝つことが出来る利点がある。
ここにクローラーリンクモンスターが居たならば自身の攻守アップと合わせて《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》すら殴り倒せるのだ。
またクローラーリンクの2回攻撃付与のような追加効果打点強化に一役買っており、これでモンスターが倒せないという心配は無い。

と《アシッドクローラー》はレベルが3だが、リンク召喚にレベルは関係ないのでレベル2のクローラーと共にリンク素材にしよう。
リンク以外を使いたいのならば破壊する事で《大樹海》をトリガーに《甲虫装機ホーネット》《ゴキポール》をサーチでき、クローラー仕込みの【昆虫族】に切り替える事もできる。
クローラーを組み込むという事はすなわち《クローラー・デンライト》の効果が最大限に活躍するという事だ。墓地に送れるモンスターには何の制限もなく、これは《おろかな埋葬》と同じ効果なので混ざりモノにも使える利便性を持っている。
また通常モンスターの為手札にあれば《リンク・スパイダー》で場に出すこともでき、合わせてリンク2のモンスターをするりと出せる。
通常・昆虫族モンスターサポートのカードである《G・ボールパーク》なども相性は抜群である。

次に紹介する打開カードは、モンスターではなく永続魔法《一族の結束》である。
《一族の結束》は攻撃力をなんと800も上昇させる魔法に相応しい能力を持つカードなのだ。
クローラーは種族どころか属性まで同じなのでこのカードの効果を最大限に有効活用でき、足りない打点を埋めてくれる為とてもありがたい。
加えて《一族の結束》は永続魔法なので《番猫-ウォッチキャット》でサーチができ、サーチの際に自身の効果で除外されるため獣族の番猫はクローラー達の団結を邪魔しない。
また番猫は自身の効果で特殊召喚ができる為先行で一族の結束を伏せる事で相手に高打点モンスターで突破されるというプレッシャーを与える事ができる。
それで相手の展開に支障が起きればまさに招き猫とでも言うべきか。

先ほど紹介した《ミセス・レディエント》が墓地に送られるのが心配?という方の不安にも親切で何も心配はない。
ミセスは戦闘・効果で破壊された場合、自身の効果で墓地の地属性を回収できる為自分をEXデッキに帰還させる事ができる。また先ほど説明した《リンク・スパイダー》も地属性でありこのカードの対象である。
クローラーに対応した星遺物永続罠カードである《星遺物の交心》なら、相手は打点を下げる為+クローラーの増殖を嫌ってミセス選んでEXデッキに戻そうとしてくるに違いない。
そうなったらこっちの思うつぼである。誰もがミセスの魅力に惑わされ、着々と勝ちに歩みを進めるクローラー達の一致団結を邪魔しないのだ。

一族と共に戦いに挑める……昆虫である《アシッドクローラー》にとって、それは実に長い。18年である。
一族の結束、これは下位・クズカードの仲間にされていた彼が待ちに待ち続けた至福の時なのである。ミセスはその時間を大切なモノにする為、自ら囮の役目を担った。
美しい友情である。まさに交心だ。
パラディオンとして活躍する《クローラー・パラディオン》もいることだし、クローラー達のこれからの活躍に期待したい所である………。

さて。
ここまで読んでくれた諸君は何か重要な【見落とし】をしていないだろうか?
さも当然のように存在していた小さな虫の事である。

《アシッドクローラー》だ。

《アシッドクローラー》は《アシッドクローラー》ではなく《アシッドクロウラー》なのである。

これこそが《アシッドクロウラー》を評価する点に置いて必ず挙げる必要のある要素、【誤認アドバンテージ】である。
このカードは前述の通りクローラーモンスターとなんら違う点は存在しない。地属性・昆虫族・低ステータス・低レベルと何拍子も揃っている完璧なカードである。
確かにクローラーは効果モンスターがほとんどで急に通常モンスターがやってきたら違和感を覚える事はある。しかしだからなんだというのか?
このカードは通常モンスターでありクローラーが所持している強力な効果を持ち合わせていない。
相手からすればクローラーが急に弱体化したようなモノで、そこに礼はされても逆に文句を言われる筋合いはないのである。

例え文句を言われてもこのカードを場に出す時に(発音がクローラーに似てはいるが)クロウラーと言ったのは事実であり、地属性・昆虫族なのはカードを確認すれば分かることだ。
一悶着あればそれはそれでよし、逆に相手が小心者でそれを口に出せなくても、相手がこのカードに対してなんらかの思考を始めれば全ての歯車は狂い始める。あまりの出来事に息も絶え絶えになる事は間違いない。
そして相手が呼吸困難な状態に陥ったその瞬間、トドメとばかりに《アシッドクロウラー》のテキストをニヤリとした表情で相手に言い聞かせるように音読する。
《アシッドクロウラー》の効果外テキスト……既にお察しの通り「なんでも溶かせる強力な酸」とは、すなわち「酸素」の事である。
こうして自らのこの悪状態が、呼吸によって体内に取り込んでしまった《アシッドクロウラー》の「なんでも溶かせる強力な酸」のせいだと気が付いた時、相手は絶望する。

もう、こいつには…《アシッドクロウラー》には、勝てない。

満身創痍でサレンダーを宣言し、再起不能。見事デュエルに勝利する事ができるのだ。

このように人間が虫を見たときに感じる嫌悪や恐怖は、例えカードになったとしても人間へと牙をむく。
昔のカードには《アシッドクロウラー》のような気味の悪いカードが数多く存在している。
現代の遊戯王では闇のゲームのように死人が出ないように安全性が考慮されており、加えて時代と共にイラストは移り変わったおかげか、もうそこには確かな壁が存在する。
《アシッドクロウラー》はこの【遊戯王の時代の流れ】を自らが持つあらゆる要素によって体現し、デュエリストに思い出させるカード。


歴史に刻むべきカードなのである。
15スレ目 679名も無き決闘者 (ワッチョイ 6dc4-Kal0)2018/12/21(金) 12:16:48.90ID:m9PICy+k0


最終更新:2019年04月29日 11:02