ゆめにっき「窓付きが生きている」説 まとめ

絵:マツリ氏

筆者:lz(管理人)
最終更新:2013/3/20

この考察は「窓付きが幸せであり、生きている」といったハッピーエンドの考察になります。
またなるべく矛盾点の少ない考察をするため、「確定とうけとれる考察の使用」、「ゲームファイル内部の使用等」がございます。ご了承下さい。


■はじめに


"ゆめにっき"。

「夢の中を探索するゲームです」。
説明書にはそれだけしかかかれてないゲーム。

主人公窓付きはごく普通の少女。
だけども何故か部屋から出れない。

彼女は夢の中を探索するけど、その夢はおかしな夢ばかり。
自分の部屋から必ず始まって開けられないはずの扉を易々と開け夢を冒険する。

変身が出来る「エフェクト」という存在。
そして、そのエフェクトを捨てて見ることが出来るエンディング。


全てが謎に包まれたゲームだった。

何故彼女は部屋から出れなかったんだろうか。
どうして最後にエフェクトを捨てて飛び降りたのだろうか。

部屋から出ればいいのに、どうして"死"を…?


私はエンディングを見た時、後悔した。
窓付きの背中を押してしまったことを。

でも、もし。

押す理由があったとしたら。

死んだという描写なんてない。
そもそも死ぬ理由なんて明確化されてない。

だけどずっと一緒に冒険してきたんだ。

エンディングの時だけではなく、エフェクトを集めるときも、捨てるときも。
強制起床イベントを見るときも…そして行動するときも。

ずっと一緒だった。

だからきっと何らかの理由があったんだ。


■世界観について


●[ゆめにっき世界]

窓付き達が居る世界。
プレイヤーは"窓付きの別人格である"。
(またセコムマサダ先生がプレイヤーという説もある)

●[夢世界]

窓付きの夢日記による明晰夢。
悪夢のように見えて悪夢ではない。(これは重要なこと。)


■大まかな時系列

【1】

友好関係は良く、ポニ子達と「交換夢日記」を書いて楽しんだりしていた。

【2】

ふとあることから体にコンプレックスがあることを気にするようになる。
友人の前からも姿を消すようになり自殺したいとも考え自虐的になり心の傷を負っていた。

【3】

みんながゲームをやってる時の時系列。
引きこもって友達に渡せなくなった夢日記をひたすら自分一人で書き進め不思議な夢を見るようになる(明晰夢)
そして"プレイヤー"という存在が窓付きの背中を押し、窓付きをやる気にさせた。
「交換夢日記」の思い出が夢の中に現れるようになる。

【4】

窓付きはエフェクトを集めることによって自分を強くすることが出来、心が強くなる。
その頃、ポニ子達は窓付きに会おうと部屋の外から声をかけようとするが窓付きに応える勇気はなかった

【5】

窓付きは自分の醜いところを克服し、友達についに顔を出す。
マンションは1、2階であり部屋の扉は何重にも鍵をかけていたためしょうがなくベランダから飛び降りることになる。
窓付きは勇気を振り絞るが、飛び降りれない。"プレイヤー"はそっと彼女の背中を押す。

「君はもう大丈夫、僕達とはこれでお別れ。」

そして応えた窓付きはジャンプして飛び降り、ポニ子たちに支えられ元の世界に…。



■時系列毎の考察

゜は下の項目の「■補足」からご確認ください

【考察する前に】

  • 窓付きの年齢は?

服装、友人と思われるオブジェの存在、夢の規模等から予想されるのはまず学生ということ。
そして性的オブジェと思われる存在(きゅっきゅ君、チャック)から高校生と予想する。


  • 窓付きは何故扉から出ようとしなかった?

具体的に説明すると「窓付き自身に何らかのコンプレックスまたは苦手意識があり、それが原因で引きこもるようになった」である。
ゲーム時系列では自分のもう一つの人格である"プレイヤー"に勇気付けられ、そして友人であるポニ子たちの応援を聞いて
窓付きは成長していく。「何か自分に悪い所があっても、それが一つの個性。」


  • 食事は?トイレは?

どちらも問題なくしていた。
ダメムリ時は扉の向こう側で様子を見に来たポニ子達が窓付きのことを呼んで心配したり応援していた可能性がある。
でもその気持ちを受け取れず「ダメムリ」と答えたという解釈である。


  • 窓付きの"敵"は?

"自分自身"だった。


  • 窓付きの夢は悪夢ではなかった?

窓付きの夢は明晰夢゜1である。
明晰夢ということは夢の内容は現実の状況が反映される可能性が大きい。
反映されるということは現実の世界で何らかのトラウマ要素がある場合、かなりの数の強制起床イベント゜2が確認出来るはず。
さらに繰り返し同じ夢を見てるのにも関わらず悪夢というのなら何故すぐに自分で頬をつねって起きないのか不明である。

よって悪夢ではなかったと解釈出来る。


  • エフェクトは?
自分のなりたいもの(願望、★まじょ★、★ねこ★等)や自分が克服したいもの(耐性、★ふとる★、★ぶよぶよ★等)、そして現実への不安(逃避、★ほうちょう★、★めだまうで★等)と解釈出来る。

特にゆめにっきv0.09の場合、★ふとる★は鏡から取得することが出来た。
窓付きは外見を気にしていた可能性も高い。


【1】

  • 窓付きは人間関係がよかった

理由としては夢の住民の状態である。
夢の住民、ポニ子、モノ子といったオブジェには強制起床イベントがない。
またエフェクト★ほうちょう★でそれぞれ倒せる物が多いことから強すぎることも、トラウマ要素と見られるものもまったく確認できない。
この考察では"仲がよかった"と解釈する。

家族との関係も悪くはなかったとも解釈できる。

なお鳥人間も同様の理由であり、トラウマを感じるほどではなかったと解釈できる。
私は「窓付きを心配する悪役を演じる優しい夢の住民」と解釈している。
理由としては「窓付きの非行や自殺を止めようとする行動が見られるから」である。

ギロチン部屋や針山エリアでは首を切るや針=自殺や殺人をさせないように発狂鳥人間が居て、ロウソクエリアでは蝋燭 = 命の灯火だから神速鳥人間が居る。
ピクニックでは自分たちをあくまでも良い人だと思わせたくないために入れさせない。
(窓付きには若干逆効果にも見えるがそれで窓付きが「またこうやって仲良く遊びたい」と思わせるための策士だったのかもしれない。)

つまりツンデレである。


  • 交換夢日記とは?
窓付き一人が見ている夢としては莫大な大きさというところが不自然である。
なので多くの人の夢が重なったと解釈することが出来る。

それを可能とするのが"交換日記"である。
窓付きやポニ子達が友好関係がよかったと解釈できるのならばこの可能性も充分に可能であり、
明晰夢との関連*3をつけることも可能である。

交換日記をすることにより窓付きはいろんな人の情報を手に入れ、死体さんから★しんごう★が取れる理由やモノ子の変化の理由など知り得た可能性がある。
なお、窓付きは日記に夢の内容を書いていたと解釈する。



【2】

  • 何故傷つくことがあったのか?
そのような出来事があったのではないかと予想できる根拠が4つある。

一つは強制起床イベントである赤の王様である。
赤の王様が出現する前に扉が一つあるが窓付きの部屋の扉と一緒の扉である。
階段を登って入ってきてることから窓付きの部屋の中に赤の王様が居ることになる。
そして強制起床ということは自分の部屋に嫌悪感を持っていると解釈が出来る。

また赤の王様は絵描きルイス・ウェインの猫の絵にかなり類似している。
ルイス・ウェインは精神疾患(統合失調症)を発症していた。

参考:統合失調症(精神分裂病)で変化していくルイス・ウェインの猫の絵
http://www.kotaro269.com/archives/50378250.html
窓付きも猫と関与が若干あるため精神疾患を発症していた可能性がある。

二つ目は窓付きが取得する一部エフェクトである。
上記エフェクトでも解説されているがゆめにっきv0.09の場合、★ふとる★は鏡から取得することが出来たことから
外見へのコンプレックスがあったと予想できる。
★うんこヘアー★は自分の髪型を嫌っていたり、★ぶよぶよ★は体が強くなかったと解釈出来る。

三つ目はタンスの透明窓付きである。
これは二つ目のエフェクトと類似している解釈だが、「お洒落や自分を魅せるといったアピールしていた感情をなくし、服とか全てをタンスの中に収めた」と解釈した。
つまり昔のアピールしたいという気持ちごとタンスに押し込んだ…って感じ。
透明窓付きはその感情の名残である。

四つ目は割れた窓ガラスである。
下記の【1&2】で解説されている。


【1&2】

  • 何故ゲーム時系列前にそのような設定を作ったか
ゲームファイル内部に「ベランダ.xyz」ファイルというのがある。
そのファイルはチップセット(主人公が冒険するために作るマップチップのセットのこと)ファイルです。

susie等のツールを使用して画像を見てみるとベランダ.xyzファイルには一つだけ不自然なチップセットがあり、窓付きの部屋とベランダを行き来する窓ガラスが蜘蛛巣状に割れているチップセットがあります。
(一部の人はただの蜘蛛の巣では?という解釈も有り。)

このチップセットは今までのバージョンで一度も使われることのなかったチップセットだそうです。
(v0.08、v0.09、v0.10確認済み)
ゲームの時系列では窓ガラスが割れている、ましてやヒビさえも入っていません。

これらを私は「割れている窓ガラスはゲーム時系列前の窓付きの心境ではないか」と解釈しました。
まず、窓ガラスはエンディングの舞台であるベランダと窓付きの部屋を結ぶオブジェであり、大切なオブジェと解釈出来ます。
また窓付きという名前の"窓"、【2】の赤の王様の考察である「窓付きの部屋に対する嫌悪及び窓付きの心の感情」、窓付きの胸にある"窓"ぽいプリントから 窓 = 心と解釈しました。

そしてどのバージョンでも使われていないことから「時系列前の窓付きの心境」と予想したのです。
もし昔のバージョンで使われてたとしても「昔のバージョンでは使われていた」=「昔の窓付き」と解釈出来るため同じ解釈を通すことが出来ます。

【3&4】

  • "プレイヤー"?

かなり難しい解釈になるが簡単な話、「私達」。
夢の中を探索していくことによって芽生えた感情と解釈。
彼女を操作しているのも、彼女を強制起床イベントに導くのも、エンディングに導くのも全て私達が操作して行なっているから。
メタな解釈ではあるが事実導いていなかったら彼女は今頃どうしていたのだろうか。

  • 前向きになる…?

彼女はエフェクトを回収することによっていろんな事を学習し、いろんなことを思う。
このままの自分を受け入れてくれるのだろうかと不安になることもあれば、ヤケになることもあるだろう。
(それが原因で明晰夢の特性によりポニ子がウボァになったりした。)
過去に見ていた悪夢を夢日記を見ることによりまた思い返すことになるがその悪夢にも立ち向かおうとするようになるだろう。

【5】

  • 何故扉から出なかった?

高さがあまり無い二階に自分の部屋があったから、及び友人がベランダから窓付きを呼んだから。


  • 何故階段が?

元々あった。
"窓付き"は階段があることを知らなかった。(見ようとしていなかった。)
しかしエフェクトを捨てることにより窓付きは外に出たいという気持ちが強くなり階段が見えたと解釈する。


  • エンディング後は?

自分のコンプレックスや嫌いなところを個性として捉えることが出来て気にしなくなる。
その後ポニ子達と仲直りし、また幸せな学生生活を歩むことになる。


  • クラゲは?

私はクラゲではなく彼岸花と解釈し、彼岸花の花言葉である「再会」が意味していると解釈。


  • タイトル「ゆめにっき」との関与性は?

  • 交換夢日記がなければ明晰夢を見ることはなく、解決しないままだった。
  • プレイヤーという存在がいなければ窓付きは永遠に迷うだけだった。
  • 夢の住民が協力してくれなければプレイヤーと窓付きはエフェクトを集めるやる気など出なかった(たぶん)。
  • 友人たちが居たからこそ、悪夢になることはなかった。

たくさんの人達のおかげで窓付きを救うことが出来た。
そして夢日記のおかげで彼女は自分と闘うことができた。


■補足


゜1 明晰夢(めいせきむ)

夢の中で「これは夢だ」と自覚できる夢のこと。
窓付きは頬をつねっていることから夢だと自覚していることが分かる。

明晰夢には特徴があり、自分の思ったことを叶えてしまうこと。(ふと思ったことでも反映することがある)
美味しい物が食べたいと思えば美味しい物が出てくるし、手からビームを出したいと思えば出すことが出来る。
筆者も明晰夢を経験したことがあり、口からビームを出すことに成功している。


゜2 強制起床イベント

強制起床イベントはv0.10では3種類確認されており、FCダンジョンエリアのイベント(通称FCバグ)、魔女イベント、数学世界チャック通路先の扉イベント(通称赤の王様)がある。

基本この3つのイベントにはトラウマ要素があると解釈が出来る。
恐怖や緊張状態になると心拍数が上がり脳が活性化され、目覚めるからである。


゜3

明晰夢を見る確率を上げると言われているのが"夢日記"であり、"明晰夢"と関与があってもおかしくないと思われる。
何故確率が上がるのかについては「夢日記をつけることにより夢の内容を記憶することができ、夢の中でこれは夢だと思い出せるから」である。


■…



主人公窓付きはごく普通の少女。
友人と遊び、家族と仲良く過ごし毎日が充実した暮らしをしていた。

彼女には尊敬している人が居た。
それは周りの友人達だった。

私より可愛い、私よりお話が上手い、私より性格がいい…

なによりその中でもポニ子が一番の憧れだった。


彼女は精神疾患を発症していた。
それが原因で上手く人と話せない。

そして知らず知らず、人の傷つけることを言ってしまった。

相手の体のこと、気にしていることを言ってしまったのだ。

相手は言い返すように彼女のことを散々に言った。


――貴方なんか嫌いだよ



窓付きは気づいてしまう。
自分のした過ちと、自分が目指していたことに近づくのは無理ということを。

彼女は自分の部屋に引きこもるようになった。
寝て起きて、寝て起きて 同じ生活を何度もした。


ある日渡しそびれていた物を思い出す。
引きこもる日の前日に貰った交換日記。

彼女は友人たちの出来事を思い出すためページをめくっていく。

思い出に浸った後、彼女はまた繰り返し寝る。寝る。寝る。

暇潰すために日記には寝てみた夢の内容を記していった。
誰にも読まれることなんてないのに。そうだというのに、暇だから書くしかなかった。



そして彼女はある不思議な夢をみるようになる。

自分の部屋の夢。
そしてあんなに出たくなかった部屋の外。
「本当は出たい」という感情が大きくて。


そうして彼女は夢の中を冒険する。



■すぺしゃるてんくす


これらの考察をするきっかけになったTwitterやpixiv、ニコニコ生放送のゆめにっきユーザーさん方々
そして、窓付きの幸せを願っていた実況者やんわり氏と"ゆめにっき"にこの場を借りて感謝を申し上げます

ありがとうございました。




皆様の考察のヒントになったら幸いだと思っています。

以上。
最終更新:2018年01月12日 19:40
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