① 私が高校の頃、学年別身分制度(?)が存在した。上級生が本当に偉かった訳ではなく単に「そうゆうもの」だった。下級生は廊下で上級生に会うと挨拶をしなければ失礼とされた。上履きのヒモが学年別に色違いなので、1年生などは自分と違う色のヒモを見た瞬間「ンチワーッス!」紐で学年が分かったの??へぇ~~~~~~~
② 新入生は「団歌練習」という名の洗礼を受ける。先生公認の下、学校の裏山に整列して校歌や応援団歌の練習をさせられる。先輩オーラを発散しながら応援団幹部がチェックして回り、声が小さいと見るや、目の前に立ちふさがり威圧感たっぷりに怒鳴る。いわく「キャネッ!!」
③ わが母校には立派な弓道場がありクラブ活動も盛ん。先輩が弓を射る時後輩は的の傍の安全な位置に直立して掛け声をかける決まり。当たれば「アタリッ!」外れれば「ザンネン!」。私の級友が入部してこいつをやった。矢が的を射た瞬間彼は怒鳴った。「アタ~リ~~♪」三日で退部。
四日町、鍛治町、清川町が交わるT字交差点。松與商店の向かいの角に近江屋という横手やきそば屋があった。建物がビルに建替えられた後もしばらく営業していたが1980年代には廃業したと思われる。もともとラーメン屋よりも焼きそば屋の方が多かった横手において、なぜ近江屋が特別であるのか。現在、横手やきそばと言えば、「茹で麺、ひき肉、目玉焼き、福神漬」と食材とトッピングの妙を特徴として紹介されることが多いが、横手やきそばの真魅力は「麺、出汁、喉越し」にあるのではないかと筆者は思っている。ひき肉も目玉焼きも入っていない、いわゆる「並」を食べた時に、最も横手やきそばらしさを感じることができるのではないだろうか。その点で言えば、近江屋は「並」の旨い店であった。勿論、「肉玉」はさらに旨いのであるが。近江屋の麺とソースと出汁の絶妙のバランス、食後に皿に溜まるほどの量であるにもかかわらず辛すぎないソースに喉越しのいい麺。未だに近江屋に匹敵する横手やきそばは食べたことが無いのである。ここまではあくまで筆者の私見であり、自分だけの味の記憶であったわけだが、最近になり同じ様に近江屋をBest of 横手やきそばと推する同胞が現れた。それが東京西荻窪のTheロック食堂のオーナーである。彼もまた近江屋のそれを雨だれ焼きそばと称して絶賛している。