「あずにゃ~ん」
「もう、やめてくださいよ!」
いつもの部活。いつものじゃれあい。
私があずにゃんに抱きつくのも幾度となく繰り返されていて、違和感も何もない。
「あずにゃんはかわいいねぇ~」
「もう、抱きつきすぎです」
「いいじゃ~ん。減るもんじゃないし」
そんな日がずっと続くと思っていた。
けど……。
「あ~ずにゃん!」
ある日のことだった。
私はいつもみたいにあずにゃんに抱きついた。
「あっ……ちょ、唯先輩……っ!」
けど、あずにゃんの反応がおかしい。
「今はだめです……っ!」
何だか体をよじって変な声をあげる。
いつもと違う反応。そのせいで、私はあずにゃんを離してしまった。
「はぁ……はぁ……、もうやめてくださいよ」
思わず離しちゃったけど、何だったんだろう、あの反応。
「ねぇ、あずにゃんどうしたの?」
「何でもないです」
「本当に? 顔が赤いよ?」
「本当に何でもないです!」
むきになるところがますますあやしい。これは気になる!
「ねぇ、教えてよぅ」
「わっ! だから今は抱きついちゃ……あっ!」
「教えてくれたら離すからさぁ~」
「あっ……。お願い……だめなの……っ!」
私が抱きつく力を強くすると、手に何か当たった。
「何これ?」
「さ、触っちゃだめです!」
あずにゃんが止めるのも聞かずに、私は手に当たったものを触った。
「あっ……! くぅ……!」
これを触る度にあずにゃんが変な声をあげる。
「本当に、やめてください……!」
しばらく触っていると、それが固くなってきた。
「……まさか!」
私は、あるものに思い当った。
「もしかして、あずにゃん……」
「い、言わないでください!」
「ノーブr……んぐぅ!」
あずにゃんが慌てて私の口を抑える。
「言っちゃだめです!」
「んんん! わ、わかっ……わかった……から!」
あずにゃんは顔を真っ赤にして、ようやく私を開放してくれた。
「はぁ……苦しかった」
「唯先輩のせいですよ! 調子に乗ってあんなにいじくって……」
「……もしかして、私が触っていたのって、ちk……」
「ああああぁ! だめです! 言っちゃだめです!」
「わかった、わかったから!」
そうか、だからあんな声を……。
「でも、何で今日はそれなの?」
「……実は、今日体育があったんですけどそのときに壊れちゃいまして」
「それはまずいね……」
「だから、落ち着かなくて……」
ブレザーを着ているから目立たないけど、何だか突っ張っている感じはする。
「ごめんね、あんなに触っちゃって……」
「死ぬほど恥ずかしかったんですからね!?」
「ごめん……」
でも、何だかかわいかったな……。
「だから、今日は帰ります……。こんなんじゃ部活なんてできませんよ……」
「わかったよ。気をつけてね?」
「で、ではこれで失礼します!」
そういうと、あずにゃんは走って帰っていった。
1人残された私は、今まであれを触っていた手をまじまじと見つめて、恥ずかしくなった。
「あずにゃんの、あれを触っちゃったんだよね……」
あんなにかわいい声を出すんだ……。
そう思った途端、色んな妄想が頭を駆け巡って、頭から湯気がボンッ! と出た。
「わ、私ったらなんてことを……」
我に返った私は、顔を真っ赤にしながら部活に急いだ。

END


  • でもそれが予行練習だね♪ -- (あずにゃんラブ) 2013-01-12 07:01:29
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最終更新:2010年12月08日 09:41