最近、私の存在がこの世界にとって必要なものなのか、わからなくなってきてる。
教室では、
和「このままじゃニートよ」
とダメ人間のレッテルを貼られる。
部室では、
律「憂ちゃんに唯のいいところを全部吸い取られたなw」
と妹の下位互換扱い。
紬「お菓子いっぱいあるわよー」
とたくさんの借りをつくっては恩返しもできず、
澪「ボケーとしてないで練習するぞ!」
と同級生に叱られ、
梓「もっとしっかりしてください!」
と後輩にも叱られ、
家では
憂「おねえちゃんは何もしなくてもいいから」
と役立たず扱い・・・・
私はなんのために生きてるんだろう・・・・我が侭で、だれにも何もしてあげられず、迷惑ばかりかけてる・・・
唯「私はこの世界に生きててもいいのかな・・・・」
私は雨の降る中、以前ゆいあずの練習をした川原に来てる。ずぶ濡れだ。
部室を飛び出して30分が経つ。理由はいつもの流れの中で
あずにゃんに言われた一言。
梓「唯先輩!いいかげんにしてください!どうしていつもそうなんですか!練習しないなら帰ってください!」
そして逃げ出してきた。その言葉にイラッときて、寂しくなって・・・・練習しない私が悪いのに・・・
私はあずにゃんが大好きだ。でも、そのあずにゃんにも嫌われたようだ・・・私がダメ人間だから・・・
好きな人から嫌われてる世界ほど絶望的なところは無い・・・この世界は私には合わないのかな・・・
いっそこの世界からも逃げ出したい。私は川を見ながらそう思った。
この川に飛び込めば楽になれるかな・・・?
唯「もうなにもかも嫌になっちゃったよ。」
そう言って立ち上がる。そして一歩一歩川へ近づく。足が水に浸る。川の中心部に行けば体全体が水に浸かるだろう。
また一歩、一歩と川の中心部へ足を運ぶ。
雨のせいで流れが激しい。私の濡れた足を川の流れがまた濡らす。
膝まで川に浸かったとき、声が聞こえた
梓「ゆいせんぱーい!!」
私の大好きな人の声。可愛らしい声。
その声がだんだん近づいてくる。どうして?帰れって言ったのは君なのに・・・
梓「唯先輩っ!!」
大好きな人が近づいてくる。でもその表情は私の好きなものではなかった。
梓「唯先輩っ、唯先輩っ!!」
彼女は不安と驚きと焦りと悲しみの表情で私の腕を引っ張る。私は川原に引き戻された。
梓「何しようとしてるんですか!!まさか死ぬ気じゃないでしょうね!?」
私は俯いて答えない。答えれない。でも、答えの代わりに涙と嗚咽がでた。止まらなかった。
唯「うく・・・・ひぐっ・・・ひっく・・・」
梓「・・・すみませんでした唯先輩。あんなきつく当たってしまって」
そういってあずにゃんは私の体を抱きしめた。彼女から抱きつかれるのはこれが初めてだ。
梓「言いすぎたと思って謝りに行こうと思ったら川原に人影を見つけて、それが唯先輩だとわかって・・・」
梓「でも、だからって、川に飛び込むなんて・・・・私・・唯先輩が、もしあのままだったら・・・ぐすっ・・・ひっく・・・」
あぁ、私は好きな子を泣かせちゃったな・・・やっぱりダメな人間だ・・・
梓「そんなに私の発言が嫌だったんですか・・・・私・・・そんなになるまで唯先輩を追い詰めてましたか・・・?・・・ごめんなさい・・・唯先輩・・・・」
あずにゃんが謝ること無いよ・・・全部、私が悪いんだから・・・・
梓の家
私はあずにゃん家に来ている。雨と川の水でびしょびしょだったのであの川原から近かったあずにゃん家でお風呂を貸してもらった。
どちらも先に入るのを譲り合い、埒があかなかったので二人ではいることになった。
唯「ごめんね、あずにゃん。お風呂まで借りちゃって・・・」
お風呂に浸かりながら私は言う。
梓「あのままだと風邪引いちゃうじゃないですか」
シャワーを浴びながらあずにゃんが言った。
唯「でも、ホントになにからなにまで私が悪いんだから、あずにゃんは気にしないでね?」
梓「そんなこと言われても・・・あんなことをする
きっかけを作ったのは私だし・・・」
唯「あずにゃんにあんなこと言われるような私がわるいんだもん。私が・・・ダメダメなのが悪いんだ・・・・」
また嫌な気持ちになる。涙が出てくる・・・あずにゃんに心配掛けたくないのに・・・
私はあずにゃんに自分の抱えてた心の問題を話した。
自分がどうしようもないダメ人間なこと。他人に迷惑ばかりかけて他にはなにもしてあげれないこと。好きな人に嫌われたんじゃないかということ。
ありったけあずにゃんにぶつけた。あずにゃんはそれを優しく受け止めてくれた。
梓「唯先輩は自分で思っているほどダメな人間じゃないですよ。唯先輩にも良い所がたくさんあります。」
梓「律先輩みたいに面白い所、澪先輩みたいにかっこいい所、ムギ先輩みたいにほのぼのとしてる所、憂みたいに優しい所。そして唯先輩と一緒にいるととても安心できます。」
梓「それに唯先輩はけいおん部にとって大切な存在です。唯先輩がいなかったら廃部になってたそうですし、唯先輩がいなかったら私だってけいおん部には入らなかったと思います。唯先輩に惚れて入部したんだから・・・」
梓「憂にとっても唯先輩はとっても大事な人のはずです。憂、教室で毎日唯先輩のことを嬉しそうに話してますし。」
梓「それに唯先輩は皆を笑顔にしてるじゃないですか。それはけいおん部にとって一番必要なものだと思います。」
梓「唯先輩は役立たずなんかじゃありません。唯先輩がいないとけいおん部は成立しないんだから。もっと自信を持ってください。」
梓「あと、私が唯先輩を嫌いになることなんてありえません。これは絶対覆らないです。もし私が唯先輩に嫌われても、迷惑かもしれませんが私はずっと唯先輩を好きでいます。」
梓「私は唯先輩のこと大好きだから。いつも口では素直に言えないけど、いつも抱きつかれたりして喜んでるんだから、だからそこだけは安心してください」
唯「うぅ・・・あずにゃん・・・・ありがと・・・」ギュ
梓「ちょっ、は、裸で抱きつかれるのはかなり恥ずかしいんですけど///」
唯「ごめん。もうちょっとだけ。」
私は大好きなひとの温もりを感じた。
私の大好きな、大好きな人の笑顔を見ながら。
- 唯先輩…もう川はダメだよ…? -- (あずにゃんラブ) 2013-01-10 00:35:47
- でも実際問題、律の発言は傷ついてもおかしくない。唯憂の仲だからいいんだけど -- (名無しさん) 2013-01-15 01:18:16
- 憂ちゃんのはただ、単にお姉ちゃんに怪我をしてほしくないだけなんだろうけど・・・確かに聞き方次第では・・・ -- (唯ちゃんラブ) 2017-11-14 21:39:04
最終更新:2011年03月31日 13:56