純「あ、動いた」
憂「目が覚めたみたいだね」
純「きょろきょろしてる。何があった、って顔してるね」
憂「目が覚めたらいきなりお姉ちゃんの部屋にいるんだもんね。びっくりしてもおかしくないよ」
純「あ、扉の方に向かった。憂、ロックは?」
憂「大丈夫だよ、あの扉開かなくしてるから」
純「ほんとだ、ガチャガチャしてるけど開かないね……あ、諦めた。でも、意外に取り乱さないね、梓」
憂「閉じ込められたといってもおねえちゃんの部屋だからね。きっと誰かの悪戯だと思ったんだと思うよ」
純「ふふ、しかしさすがの梓も私らがここから監視してるとは思うまい」
憂「さて、梓ちゃんはここからどうするのかな」
純「見ものだね。……動いたよ、まずは……机?」
憂「ノートを見てる……きっとおねえちゃんがちゃんと勉強してるか気になったんだと思う」
純「はあ、そういう優等生な行動は求めてないわけ。分かってないなあ、梓は」
憂「大丈夫だよ、純ちゃん。ほら、ああしながら周りの様子をこっそり伺ってるでしょ?誰か隠れてないか確認してるの」
純「ほんとだ……じゃあ、誰もいないって分かったら……」
憂「そう、これからが本番だよ、純ちゃん」
純「あ、ノート置いた。次に向かうのは……ベッド!」
憂「基本だよね」
純「うおっ!すごい勢いでダイブしたよ!うわ、すごい枕抱きしめてる!すごいごろごろしてる!」
憂「さすが梓ちゃん。ああやっておねえちゃんの匂いのしみこんだ枕を堪能すると同時に、体全体におねえちゃんの匂いをしみこませてるんだよ」
純「うわぁ……梓、すごい幸せそうな顔してるよ」
憂「音声出してみる?」
純「まだ梓とは親友のままでいたいから止めとく」
憂「あ、起き上がったよ。純ちゃんは次向かうところはどこだと思う?」
純「うーん、定番だけど……タンスじゃないかな?」
憂「惜しいけどちょっと違うかな……ほら、見て、梓ちゃんの行く先」
純「え?なんか籠があるけど……はっ、そっか!」
憂「そう、お姉ちゃんの洗濯物入れ……梓ちゃんなら洗濯済みのものより、そっちを選ぶと思ってたよ」
純「さすが梓……侮れないわ。うわ、すごいガン見してる」
憂「ここからが見ものだよ。梓ちゃんがあれをどうするか」
純「ゴクリ……あれ?抱えて移動したよ。てっきり食べるかと……」
憂「私も予想外……梓ちゃん、ベッドに向かってる。どうするつもりなんだろう……あっ!」
純「ど、どうしたの、憂」
憂「梓ちゃんの行動を良く見てて……!」
純「え?梓の?あ、掛け布団をめくって、そして――ああっ!!」
憂「その手があったなんて……っ!やっぱり梓ちゃん、すごいよ……!」
純「唯先輩の洗濯物をぶちまけて……そこに自分ももぐりこんで……掛け布団をかぶった……っ!!!」
憂「お姉ちゃんのしみこんだ洗濯物をお姉ちゃんがしみこんだ布団で自分ごと包み込むなんて……っ!!」
純「あ、なんか布団の中から放り出した!あれは……っ!」
憂「おそらく今まで梓ちゃんが来てた衣類だよ……少しの不純物も混ぜ込みたくない……そしてっ!」
純「邪魔な布がないほうが……よりいっそう唯先輩を感じられる……っ!梓っ!な、なんて奴なの!!」
憂「ああっ。じゅ、純ちゃん見て!」
純「掛け布団が……少しだけど揺れてるっっ!まさか、梓――あの中でっ!!」
憂「梓ちゃんを責められないよ……あんな中にいたら、誰だって――」
純「それが梓なら、尚更……か」
憂「私たちにはもう見守ることしか出来ないんだよ……」
純「そう、だね……梓、これから何があっても私は親友のままでいてあげるからね」

憂「……えっ、うそ!そんな……だって、後一時間は帰らないはずじゃ……っ」
純「憂?どうしたの?」
憂「侵入者……みたい」
純「うそ、だって、ここには誰も入れないはずじゃ……!憂は確かに戸締りをしていたはずだし!」
憂「おねえちゃんだよ……」
純「そんな、いくら唯先輩といっても、そうやすやすとここに侵入できるなんて……!」
憂「だって、家の鍵持ってるから」
純「そりゃそっか」
憂「ワンタッチだね」
純「――って、これやばくない?」
憂「やばい、かも――あ」
純「あ――」
憂「梓ちゃんが言い逃れできない状態でおねえちゃんに見つかってる……」
純「あああ……梓ぁ……で、でも、唯先輩すごい笑顔だよ?実は気にしてないんじゃあ……憂?」
憂「おねえちゃんのあの笑顔……お仕置きモードだ……あ、梓ちゃん」
純「そ、そんなっ!このままじゃ梓が……!ひっ!」
憂「おねえちゃんが……こっちに……」
純「まさか、このカメラが見つかるわけが……っ」
唯『――――』ニコ
プッ……ザーーー……
純「……」
憂「……」
純「……憂、データは無事?」
憂「ダメみたい、バックアップごと焼かれちゃってる……」
純「さすがだね、憂のお姉さん……」
憂「うん……紬さんにどう言い訳すればいいかな」
純「唯先輩が、って素直に言えば通じると思うよ」
憂「そうだね……」
純「ねえ、唯先輩って最後なんていってたかわかる?」
憂「――『食べごろのあずにゃんをありがとう』って言ってた」
純「私たちの動向って、ひょっとして――」
憂「純ちゃん、私たちに出来ることはもうないよ。あとは――」
純「親友の幸せを、祈ることだけ、か――」

憂「まあ幸せいっぱいだと思うけど。梓ちゃん、生粋のネコだし」
純「だね。それより週明けが問題だよ。梓のことだから絶対怒涛ののろけを展開するに違いない」
憂「確かに、今回のはきつそうだよね……」ハァ


  • 唯何者だよww -- (名無しさん) 2012-10-28 17:31:51
  • 唯www -- (名無しさん) 2012-12-29 20:00:52
  • 唯先輩分かったの -- (あずにゃんラブ) 2013-01-09 16:57:47
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最終更新:2011年04月15日 22:23