唯「うーん……どうしたらいいのかなぁ……」

あ、どうも。平沢唯です
今日は私達がここに引っ越してきた記念日
毎年お祝いしているんだけど……五年目の今年は節目だから、いつもと違うことをしたいんだよね
でも、私が作れる料理ってそんなにレパートリーが無いし
かといって憂に頼むのも……純ちゃんとラブラブな二人の邪魔をしたくないし……
だからそれ以外でサプライズを用意しようと思っているんだけど……

唯「はぁ……雑誌に何か書いてないかなぁ~」

リビングに置いてある女性雑誌を見ても……流石にそんな事は書いてないか……

唯「はぁ……な・に・か・い・い・ア・イ・デ・ア・ありませんか~。……ん?んん!?んんんっ!?あった~!!これだぁぁーーー!!!」

あった、あったよ!いいアイデア!!
エプロンドレスは流石に無いけど……普通のエプロンならあるから……多分、オッケー!!
よっし、カワイイエプロン選ばなくっちゃ♪


唯「はぁ……遅いなぁ……」

いくら暖かい今の季節とはいえども、エプロンと靴下じゃ流石に寒い
あずにゃん……まだかなぁ……
ヴーッ!ヴーッ!

唯「ひゃんっっ!」

あ、あずにゃんからメールだ
「今駅を出ました。お花買って帰るので十五分位で家に着きます」か……
それにしても……さっきはビックリしたなぁ……
だって……このエプロンだと……正座したとき……ポケットが……オマタの所にくるんだもん……
十五分か……一度リビングに戻ってよーっと

唯「さてと……アテテテ、足が痺れちゃった……おっとっとっと……」

私がヨロヨロと立ち上がり、玄関に背を向けたその時
玄関の鍵を開ける音がし、私の恋人が花束を抱えて帰ってきた


梓「ただいまー!」
唯「はぇっ!?」

な、なんで?さっきメールで十五分位って書いてあったじゃん!

梓「えへへ~、驚かそうと思ってわざと嘘の時間を書いきました~」
唯「そ、そうなんだ~」
梓「はいこれ!お祝いの花束d……はいぃぃぃぃ!?」
唯「え!?どうしたの?」
梓「あの……唯先輩……その……何で……そんな」
唯「ん?あぁぁぁーーーっっっっ!!」

私は今どんな格好でいたのかを思い出し、慌ててトイレに駆け込んだ
なんでだろう、さっきまでは全然恥ずかしくなかったのに……今はとても恥ずかしい……
あずにゃんを驚かせたい一心だったからかなぁ~
……って、冷静に分析したところで今の状況は変わらないじゃん!!

梓「あの……唯先輩……」
唯「あ、ごめんね……あずにゃんを驚かせようと思ってこんな格好したんだけど……変だったよね~、あははは……」
梓「……変じゃありませんよ」
唯「……ホントに?」
梓「はい。……むしろ、嬉しいです」
唯「嬉しい?何で?」
梓「だって……その格好を他の人に見せた事……ありますか?」
唯「……無いよ」
梓「この先は?」
唯「無いよ、絶対」
梓「つまり、私以外に見せた事は無いし、見せるつもりも無い。という事は、私だけにしか見せないって事ですよね」
唯「うん」
梓「だから、嬉しいんです。だって、私だけの『特別』って事じゃないですか」

……あ、そっか……そうだよね……

梓「だから、そこから出てきてもらえませんか?」
唯「……うん」

ゆっくりと扉を開け、廊下に出ると優しい顔のあずにゃんがそこに居た

梓「ただいまです。唯先輩」
唯「……お帰りなさい、あずにゃん」
梓「……それだけ……ですか?」
唯「ふぇっ!?」
梓「他にも……何か言う台詞があるんじゃないですか?」

おぉう……まさかあずにゃんにそれを促されるとは……
でも……今となっては……恥ずかしすぎる台詞だよぉ~

梓「さぁさぁ、言ってくださいよ」
唯「うぅ……わかったよぉ~」

よし!私も女だ!ここはきちんと正座をして……

唯「あずにゃんお帰りなさい。ご飯にしますか?お風呂にしますか?それとも……わ・た・し?」

よっし!言い切った!!恥ずかしかったけどちゃんと言い切ったよ!!
あずにゃんは何て答えるのかな~?
やっぱり最後……かな?

梓「あ、ご飯にします」
唯「えぇ~!?なんでぇ~?」
梓「お腹空いているんだから、当然じゃないですか……」
唯「ですよねぇ~」

はぁ……ほっとしたけど、ちょっとだけ残念かも……

梓「ほら、早くご飯にしましょうよ」
唯「ほ~い。じゃぁ着替えてくるね~」
梓「待てません」
唯「え゛っ!?」
梓「私はお腹ペコペコなんです。だから唯先輩はそのままでお願いします」
唯「……マジですか?」
梓「マジです……さ、私が着替える間に仕上げをお願いしますね」
唯「はぁ~い」


梓「うわぁ~!唯先輩、頑張りましたねっ!」
唯「ま、ま~ね~。じゃぁ準備出来たから、私着替えt」
梓「さぁさぁ、唯先輩も座って乾杯しましょうよ」
唯「えぇぇぇーーー?着替えさせてもらえないのぉ~?」
梓「何でご飯を食べるのに着替える必要があるんですか?」
唯「だ、だってさぁ~」
梓「そんな格好をした唯先輩が悪いんですよ。じゃぁ、グラスにワイン注ぎますね~」
唯「うぅ……あずにゃんの意地悪……」
梓「知りません。それじゃ……引っ越し五周年を記念して……かんぱ~い!」
唯「かんぱ~い……」
梓「ンク……ンク……ふぅ、美味しいワインですね!奮発した甲斐がありました」
唯「そうだね……はぁ……」
梓「……何溜め息ついているんですか……あ、これ美味しそう」
唯「お昼から仕込んだからね~」
梓「そうなんですか?では、いただきま~す」


梓「ふぅ……お腹いっぱい」
唯「私も~」

……うぅ、美味しいご飯だったのに……お尻の辺りがピチャピチャしてて……それどころじゃないよぉ~

梓「あ、そうだ。デザート食べても良いですか?」
唯「デザート?でも今お腹いっぱいって言わなかったっけ?」
梓「ええ、言いましたよ」
唯「……ババロアだけど……お腹に入るの?」
梓「ババロアですか……美味しそうですね。でも……私が食べたいデザートはそれじゃありません」
唯「……他に何かあったっけ?」
梓「ありますよ……美味しい蜜がいっぱい出ているデザートが……目の前に」
唯「目の前に?えっと……それってもしかして……」
梓「唯先輩……覚悟は良いですね……」
唯「あ、え、その、きゃぁぁぁー」

このあと、身体の隅々まで味わわれたのは……言うまでもないよね


おわれ


  • ごちそうさま(テカテカ -- (ダメですぅ〜) 2011-06-28 04:34:17
  • 唯ちゃん・・・可愛い❗ -- (唯ちゃんラブ) 2017-11-15 21:16:49
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最終更新:2011年05月27日 20:39