梓「……もしもし、唯先輩?」

唯「久しぶりだね、あずにゃん

梓「まぁ、一週間前に電話したばかりですけど……」

唯「あれ、そうだっけ」

梓「忘れっぽい人ですね」

唯「えへへ……最近ちょっと忙しくてさ」

梓「……大学、大変ですか?」

唯「うーん、最初は講義の時間が長くて倒れちゃうかと思ったよ」

梓「くすっ……高校の時だって和先輩に起こされていたじゃないですか」

唯「あずにゃんしどい……てゆーか、どうしてそれを……」

梓「和先輩と、何度かお話したことありましたから」

唯「あ、そうだったの」

梓「和先輩とは連絡取ってます?」

唯「うん。分からないことがあったら電話しなさいって言われてるし」

梓「……今でも世話になってるんですね」

唯「でも、大学が違うだけあって聞けることは少なかったよ」

梓「まぁ、そうですよね」

唯「あずにゃんはどう?軽音部、うまくやれてる?」

梓「はい、何とか。新入部員も見つかりましたし、廃部にはならずに済みそうです」

唯「おお、それは良かった!」

梓「律先輩たちもお元気ですか?」

唯「うん!新しい友達もできてみんな楽しくやってるよ」

梓「大学生、楽しそうですね……ちょっと先輩達が羨ましいです」

唯「あずにゃんも、来年は大学生になるんだよ」

梓「そうですね……早く唯先輩たちの大学に行きたいです」

唯「私も早く、あずにゃんと一緒に大学で演奏したいよぉ」

梓「私だって唯先輩と……」


梓「……あの、唯先輩」

唯「ん?なぁに、あずにゃん」

梓「私のこと……ちゃんと待っててくれますよね」

梓「一年後に、私が大学に進学するまで……待っててくれますよね」

唯「うん……もちろんだよ」

梓「浮気とか……しないで下さいね?」

唯「約束するよ」

梓「飲み会とか、もしかしたら付き合いで合コンとかも行くかもしれないけど……」

梓「それでも、私のこと……絶対に忘れな──」

唯「あずにゃん、聞いて」

梓「……!」

唯「私の恋人は、先にも後にも、あずにゃんだけなんだよ」

唯「浮気なんてしないし、絶対に忘れるわけない」

唯「こうやって電話やメールで話すだけじゃ、不安なのは分かるよ」

唯「私だって……出来ることなら、今すぐ会いに行ってあずにゃんのこと抱きしめたい」

唯「でも……今はいわゆる遠距離恋愛だからさ」

唯「きっと、我慢の時期なんだよ」


唯「あずにゃんのこと……待ってるから」

唯「一年なんてあっという間だもん、すぐにまた会えるよ」

梓「……そうですよね」


梓「……そっち、すぐ行きますから」

唯「うん……待ってる」

梓「あの……」

唯「うん?」

梓「す、好きって……言ってくれませんか?」

唯「……好き。大好きだよ、あずにゃん」

梓「私も……大好きです、唯先輩」

唯「えへへ……なんか照れちゃうね」

梓「はい……でも、唯先輩の声が聞けて良かったです」

唯「いつでも電話していいんだよ、あずにゃん」

梓「し……しばらくは電話しないでも大丈夫ですよ」

梓「電話代だってかかっちゃうし……」

唯「もう……電話代なんて気にしなくていいんだよ」

唯「電話したい時にしていいんだから。無理しちゃダメだよ、あずにゃん」

梓「あう……じゃ、じゃあ……また三日後くらいに」

唯「ふふっ、三日後でいいの?」

梓「さ、さすがに毎日電話するわけにはいきませんから!」

唯「いいもん、私の方から電話しちゃうから」

梓「えっ、でも……」

唯「細かいことは気にしないの。ねっ?」

梓「……待ってます、唯先輩」

唯「えへへ……あずにゃん、だーい好き」

梓「もうっ……///」

唯「じゃあ、また明日ね」

梓「はい……おやすみなさい、唯先輩」

唯「おやすみ、あずにゃん」


おしまい


  • なんか凄くときめいた -- (鯖猫) 2013-02-13 00:26:38
  • これ凄く良いわ -- (名無しさん) 2014-06-18 02:15:49
  • 素晴らしい -- (名無しさん) 2018-06-07 23:55:32
名前:
感想/コメント:

すべてのコメントを見る

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2011年07月08日 22:33