律「というわけで肝試しをしているぞ」

澪「いきなりだな」

紬「えっ? 夏休み最後の思い出としてみんなでしようってことになったんだけど」

澪「そんなこと聞いてないぞ!?」

律「筆者がここまでの話を書くのがめんどくさくなったらしいぞ」

澪「ひ、ひっしゃ……?」

紬「くじ引きの結果、唯ちゃんの梓ちゃんが行くことになったわよ」

澪「そ、そうなのか……」

律「前回は澪と梓だったし、梓はくじ運いいのかもな」

紬「それにしても遅いわねぇ」

キャー! ユイセンパイマッテクダサイヨー!

律「……案外大丈夫そうだな」

澪「……みたいだな」


「はぁ……、お盆だから帰ってきたものの……」

「くそっ! どいつこいつもいちゃこらしやがって……!」

「俺なんか生きているうちに恋人なんてできたことなかったのに!」

「こんなところにも仲の良さそうなやつが……。くそっ!」

「肝試しをしているようだな。……腹いせに脅かしてやる」

「そのまま間抜け面でも晒してくれたら破局一直線だZE! ぐへへ……」

「泣きっ面を見るのも悪くない。となれば早速実行だ!」


唯「さ、さぁ、さっさと行って戻ってこよう」

梓「唯先輩、大丈夫ですか?」

唯「ち、ちょっとだめかも……」

がさっ……。

唯「うわっ、な、何……?」

梓「風か何かですよ……」

唯「そ、そうだよね……。うん、絶対そうだ……」

……あぁ。……しい。

唯「い、今、何か聞こえなかった!?」

梓「もうそういうのやめてくださいよ」

唯「何か聞こえたってばぁ……!」ブルブル

……うあぁ。……うああぁ。

唯「ほらぁ! 何か聞こえたよぉ……!」ブルブル

梓「……しょうがないですね。はい」スッ

唯「えっ?」

梓「手つなぎましょうか」

唯「う、うん!」


「……」

「上手く聞こえたはずなんだけどなぁ……」

「くそっ! 手なんか繋ぎやがって! 次はこうはいかないぞ……!」

唯「どれくらい進んだのかなぁ……」

梓「律先輩が描いた地図によるともうすぐチェックポイントなんですが……」

ぴとっ……。

梓「ひゃぁ!」だきっ

唯「うわっ! だ、大丈夫?」

梓「今、何か冷たいのがぁ……!」

唯「そ、そんな怖いこと言わないでよ……!」

梓「もう大丈夫です。すみません……」

さわっ……。

唯「うっひゃあぁ!」だきっ

梓「うわっ! な、何ですか!」

唯「わ、私にも何か変なのがぁ……!」

梓「ここから早く抜け出した方がよさそうですね……」

唯「ね、ねぇ、あずにゃん。ちょっと怖いから、もうちょっと寄ってよぉ……」

梓「し、しょうがないですね……」

唯「じゃあ、行こうか……」ぎゅっ


「……」

「……触ったぐらいではだめか。抱き合いやがってこのやろう……」

「……今度はもっと怖がらせてやる!」

唯「よ、ようやくチェックポイントだよぉ」

梓「さぁ、御札を持ってさっさと帰りましょう」

「よぉし……! 今だ!」

「うらめしやああぁ……!」どろどろどろどろ……

唯「そこか? そこにあるのかぁ?」ペシペシ

梓「唯先輩、目を瞑ってないでちゃんと見て取りましょうよ……」

「……」

「……痛っ」ペシッ

唯「う~ん……。おっ! ……取った! 取ったよ!」

梓「はぁ……、変に器用ですねぇ」

唯「さぁ、さっさと帰ろう!」

梓「ま、待ってくださいよぉ」


「……」

「……目ぇ瞑ってんじゃねぇよおおぉ! 俺のこと見えないじゃないかああぁ! しかも俺のこと叩きやがった!」

「……あいつら怖がってはいるけど何かが違うんだよぉ!」

「くそっ! どうしたらいいんだ……」

「当初の目的からずれている気がするが……。腹の虫が治まらん! 最後の手段に出るか!」

唯「もうすぐ終わりだ……。よかったぁ……」

梓「……」

唯「ど、どうしたのあずにゃん。そんなに顔を真っ青にして……」

梓「うぅ……! うあああぁ……!」

唯「ひっ! な、何!?」

(ふふふ……、この日本人形見たいな子に憑いてやったZE!)

唯「あ、あずにゃん……! だ、大丈夫……?」

(このまま恐怖で逃げ出してしまえば破局間違いなし!)

梓「き……、して……、や……!」

唯「な、何……?」

(くそっ、上手く発音できないから怖がらないぞ……。こうなったら!)

梓「う、うああぁ……!」

唯「あ、あずにゃん……!」

梓「……!」

唯「およっ……」

(襲うつもりだったのにこれじゃあ抱きついただけじゃん……。上手く体がコントロールできない……)

梓「……」

唯「そっか……、あずにゃんも怖かったんだね……」ぎゅっ

(……)

唯「よしよし……」

(……)

(……)

(……ちっ)

梓「……はっ! あ、あれ……?」

唯「……大丈夫? あずにゃん」

梓「は、はい……。って一体何が……」

唯「あずにゃんが抱きついてきたんだよ~」

梓「ふぇっ!? そ、そんな……!?」

唯「恥ずかしがらなくてもいいのに~」

梓「いや、そういうことじゃないんですけど……」

唯「うりうり~」

梓「や、やめてくださいよぉ~」

「……」

「あいつ……、あったかかったな……」

「……」

「……ったく、俺ってば何考えているんだか」

「……」

「……お母さん、か」

「……少しぐらい寄っていくか」


律「おい、2人とも遅いぞ」

澪「心配したんだぞ?」

唯「ごめんごめん。はい、御札」

紬「お疲れ様~」

梓「結構怖かったですね……」

唯「そうだね……。でも、あずにゃんと一緒だったから何とか大丈夫だったよ!」

梓「にゃっ! だ、抱きつかないで下さいよ……」

唯「だ、だって思い出したらなんだか怖くなってきて……」

梓「し、しょうがないですね……」


「……」

「はぁ……。死んでもこの感情を思い知ることになるとは……」

「リ ア 充 爆 発 し ろ お お お ぉ !」


END


  • 後に熱狂的唯梓ファンと化す幽霊である -- (バーバー矢野) 2011-08-27 04:09:25
  • あの幽霊たまに魔理沙語喋ってなかったか? -- (ぴー) 2011-09-10 22:01:29
  • 結局、お化けは2人の仲をもっと近づけただけ -- (あずにゃんラブ) 2012-12-29 12:23:58
名前:
感想/コメント:

すべてのコメントを見る

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2011年08月26日 23:15