* ずっと一緒 *
『今日もね、りっちゃんと澪ちゃんが起こしてくれたんだ~』
「はぁ……もう大学生なんですから、ちゃんと自分で起きなきゃダメですよ」
『あ、それならだいじょーぶ!』
「そうなんですか?」
『三日に一回はちゃんと自分で起きるから!』
「……それって、講義の都合上自分以外誰も居ないから仕方なく……ってヤツですか?」
『うぉっ!
あずにゃん先輩鋭いッス!』
「クスッ……何で私が先輩なんですかぁ?」
『いや、何となく、ノリで……』
「ノリですか……フフッ……プププッ……」
『ありゃりゃ、あずにゃん先輩ツボにはまりましたか?』
「だから……フフッ……その『先輩』っての……クスッ……やめてくださいよぉ~」
『えぇ~?でも~、あずにゃん先輩が面白がってくれるから~』
「ププッ……だ、ダメですぅ~」
『あずにゃん先輩!何がダメなんですか!?」
「だから……ウププ……あ、ダメ……ムグムグムグムグ……」
『ん?あずにゃんどうしたの~?』
「ムググ……モゴモゴ……ムームー」
『……それじゃぁわからないよぉ~』
「……ムー……ムー……プハァァァッッッ!……はぁ~、久しぶりに笑いました~」
『えーっと……布団に潜って笑ってたの?』
「ついでに顔を枕に押さえつけてました」
『それほどまでに……余程ツボにはまったんだねぇ~』
「もぉ……唯先輩のせいですからねっ」
『ゴメンゴメン……ファ……』
「……そろそろ寝ますか?」
『そだねー、じゃぁあずにゃんおやすみー』
「おやすみなさーい」
フゥ……
最近唯先輩と会ってないな……
「唯先輩……会いたいな……」
翌日@なかのけ!
梓「でさぁ、唯先輩ったら三日に一回とか言ってるんだよ~」
憂「まぁ、お姉ちゃんらしいよね~」
純「……ああぁあぁあぁぁーーーーっっっっっっっ!!!!!!」
梓「い、いきなりどうしたの!?」
純「思い出した……」
梓「な、何を?」
純「……宿題が……終わらないぃぃぃぃぃーーーーーっっっっっ!!!!!」
梓「……なーんだ、そんな事か。大方遊びほうけてたんでしょ?自業自得じゃん」
純「そんな事!……ま、まぁ、多少は遊んでたけどさ……」
梓「やっぱり……」
純「深く反省しております……てかほんとーにどーしよー!」
梓「それじゃぁこんな所で油売ってるヒマないじゃん」
純「そーなんだけどさぁ……」
憂「……じゃぁ、私の家でする?」
純「ホントに!?いいの?」
憂「いいよぉ~」
梓「もぉ……憂は純を甘やかしすぎだよ……」
純「よっし!そうと決まったら憂の家にレッツゴー」
梓「はいはい、いってらっしゃい」
純「えぇ~?梓は行かないのぉ~?」
梓「別に行く必要無いじゃん」
純「ある!」
梓「そうなの?」
純「一人より二人!二人より三人!!」
梓「あ……そ……」
純「と言うわけで、改めてレッツゴー!!」
憂「ウフフ……レッツゴー!!」
梓「はぁ……れっつごぉー……」
@ひらさわけ!
純「……よっしゃー!あとは化学で終わりだぁーーっっ!!」
憂「純ちゃん頑張ったね~」
梓「真面目にやれば早いのにやらないから……誰かさんみたい」
純「……ほほぅ、梓はその『誰かさん』が居ないからつまらなそうにしてるんだ」
梓「そ、そんなことないもん」
純「ホントに?」
梓「ほんとに」
憂「あ、そういえばお姉ちゃんが昨日……」
梓「唯先輩が!?」
純「梓、まだ何も言ってないから……てゆーかさ、どんだけアンタは飢えてんの」
梓「う、飢えてなんて……」
純「飢えてないの?」
梓「ちょっとは……そう……かな」
純「あらあら、正直になっちゃって。んで?唯先輩がどうかしたの?」
憂「え?あぁ、お姉ちゃんが言ってたんだけど、今日帰ってくるんだって~」
梓「えぇっ!?そ、そんなの聞いてないよっ!!」
憂「でも……お姉ちゃん、昨日そうメールしてきたよ。……ほら、これ」
純「おー、ホントだねー」
梓「昨日……私、唯先輩といっぱい電話で話してたのに……そんな事全然言ってなかった……」
純「ふむ、と言うことは……ついに破局か」
梓「そんなっ!!」
純「だって、梓に全然伝えてこなかったんでしょ?」
梓「……グスッ」
純「なーんて、冗談だって~。唯先輩の事だから忘れてたんだよぉ~」
梓「グズッ……ヒック……」
純「もぉ~、泣かないのぉ~。憂もなんか言ってよぉ~」
憂「あ~あ、純ちゃん泣かした~」
純「う、憂まで~。……梓、変なこと言っちゃってゴメン!」
梓「……グズッ……ウゥッ……」
純「あずさぁ~、泣きやんでよぉ~」
梓「……ウゥッ……グズッ……エグゥ……」
純「うぅー、もー、誰か助けてぇぇぇーーー!!!」
ガチャッ
?『ただいまー。……って、あずにゃんこっちに来てたんだ~』
純「ん?今の声って……」
憂「お姉ちゃん!?」
梓「グズッ……唯……先輩?」
カチャッ
唯「ただいまー!純ちゃんあずにゃんいらっしゃーい」
憂「お姉ちゃんお帰りなさーい」
純「あ、お邪魔してまーす」
梓「ウグッ……ヒック……」
唯「あああ、あずにゃんどうしたの!?」
純「あー、実はですね……」
カクカクシカジカウッウーウマウマ
純「というわけでして……私が変なこと言わなければ良かったんですけどね」
唯「そっか……。でも、純ちゃんだけが悪いんじゃないよ。だって、昨日ちゃんと伝えておけば良かったんだもん……ゴメンね……」ギュッ
梓「グスッ……そうですよ!……恋人……ヒック……なんですから……ちゃんと……グズッ……いって……よぉ……ウワァァァーーーン」
唯「ゴメン……ホントにゴメン……」ナデナデ
憂「……ねぇお姉ちゃん、なんで梓ちゃんには教えなかったの?」
唯「えっとねぇ……ちょっと恥ずかしいんだけど……驚かせようかなーって……」
純「……つまり、突然家に押し掛けて『あずにゃんむちゅちゅちゅー』ってしようと思っていたと」
唯「うん……そしたら誰もいなくて……」
純「諦めて家に帰ったら梓が居て驚いたと」
唯「そーゆーこと」
梓「わ、わたし……グズッ……ふ、ふあんだったんですよっ!……エグッ……さいきん……ぜんぜん……あってくれないし……ヒック……」
唯「それは……あずにゃんの受験勉強邪魔しちゃいけないと思ったから……でも、逆効果だったね……ゴメンね」
梓「……グズッ……」
唯「……今日は、ずーっと一緒に居てあげるからね」
梓「……本当……ですか?……グスッ……」
唯「本当……だよ……」
梓「ウソ……ついちゃ……いや……です……よ……」
唯「……あずにゃん?」
梓「スー……スー……」
憂「……そう言えば、梓ちゃん最近寝不足だって言ってたよ」
純「……唯先輩に会えないのがそれ程不安だったんだね」
唯「……私、このまま膝枕させておいてあげるよ」
純「でも……辛くないですか?」
唯「ちょっとだけ、ね。でも……あずにゃんが抱えてた不安に比べたら……大したことないよ」
憂「じゃぁ……純ちゃん、続きは私の部屋でしよう?」
純「そうだね。……唯先輩、梓をお願いしますね」
唯「うん」
カチャッ
唯「……あずにゃん……」
梓「スー……スー……」
唯「……不安にさせちゃって……ごめんね……」
梓「スー……ンンッ……ゆい……せんぱい……」
唯「……そっちに手を伸ばしても、唯先輩はいませんよー……ほら……ここにいるよ……」
梓「……スー……スー……」
唯「こんなにギュッとにぎりしめるなんて……辛かったね……ゴメンね……」
梓「……ムニャ……ゆい……せんぱい……」
唯「……なーに?」
梓「……ずっと……ムニャ……いっしょ……」
唯「……うん……
ずっと一緒だよ……嫌だって言っても……絶対に離さないからね……」
梓「……ムニャ……エヘヘ……」
唯「……そうだ、あずにゃんにとっておきのおまじない、してあげる……」
チュッ
梓「スー……スー……」
唯「ファ……何だか私も眠くなってきちゃったよ……」
梓「……ムニャ……
ゆいせんぱい……」
唯「……あずにゃん……ゆめのなかでも……いっしょ……だ……よ……」
梓「スー……スー……」
唯「スー……スー……」
おしまい!!
最終更新:2011年09月09日 00:11