こんにちは中野梓です。
今日は唯先輩の家で恒例の大晦日パーティーです。
相変わらず律先輩は鍋に引っ付いてるし、澪先輩はさわちゃん先生(って、また勝手に乱入してきてるし…)にコスプレさせられてるし。
…ムギ先輩嬉しそうにカメラ回さないで下さい…。話せそうな憂は年越しソバの準備に忙しいしなあ。
「あずにゃ~ん」
「あ、唯先輩。いままで何処にいたんですか?」
「えへへ~♪ちょっとねえ~」
と、不敵な笑みを浮かべる。なんだか裏がありそうだ。
「って唯先輩…なんですかその手の猫耳は…?」
「フッフッフ、去年は間違えたから来年こそは虎耳だよ~」
「ちょ、なに付けてるんですか!?」
思いのほか素早い動きで猫耳…ならぬ虎耳を装着される。
「
あずにゃん可愛い~。虎耳も行けるね!」
予想通りのハグ。相変わらず人肌に弱い私です…。
「おお~、ガオーって言ってみて。ガオーって」
律先輩が白滝を口に含んだまま何時か聞いたようなセリフを言う。お行儀が悪いですよ…。
「ガ、ガオー!」
「おお~、あずにゃん何時になく積極的だねえ」
「まあ、大晦日ですし。こ、今年一年の
ご褒美に…」
「ほほ~、今日はブレイコウって事だね!一年間お疲れ様チュ~」
「ッ!」
思わず身を引く。唯先輩が残念そうにこちらを睨む。
「限度って物がありますよ!」
「ちえ~。じゃあ変わりにギュ~ってするもん!」
まあ…これくらいなら良いかな…。それと、ムギ先輩鼻血拭いて下さい。
「みんな、そろそろ初日の出が上がるんじゃないかしら…」
鍋も一段落ついて人生ゲームで私が借金で首が回らなくなっているとムギ先輩が突然言った。
「はっ!完全に忘れてたよ!みんな行くよ!」
唯先輩が子供を満載した車をほっぽり出してコートを着込む。
まったく、こういう時は行動力があるんだから…。
まあ、これで借金地獄から開放されるし良いかなあ。
「おお~、今年も見られたな」
「今だ!デコフラッシュ!」
キラッ☆
「って、律~!」
あの二人は今年も仲が良いなあ。私は呆れてため息を付く。
…唯先輩、嬉しそうにデコフラッシュしないで下さい。
「むむ、りっちゃのようには行かないか!あずにゃん…侮りがたし!」
唯先輩が律先輩のように髪を上げている。うん、これはこれで中々かわい…って何を考えているんだ私。
「それにしても、あの3人は今年も仲が良いねえ~」
唯先輩が律先輩と澪先輩の方に目を向ける。
「そうですね…ん?3人?」
「え~?りっちゃんと澪ちゃんとムギちゃんだよ」
「あ~、ムギ先輩は違いますよ。あれはあの2人を嬉しそうに眺めてるだけですよ」
「ふ~ん」
唯先輩は生返事をして近くの岩に腰をおろしてポンポンと膝の上を叩く。
「ほ~れ、あずにゃん」
「…それは膝の上に座れって事ですか?」
「ふっ、後輩を立たせたままにしておく程落ちぶれちゃいないよ」
無駄にカッコつけてもしょうがないですよ先輩…。
「こ、今回はご好意に甘えさせていただきます」
「フム、素直でよろしい!」
膝の上に腰をおろすと唯先輩が後ろから抱きついてきた。
膝の柔らかい感覚と胸の感覚のダブルパンチですか…。
「あ~、あずにゃんあったかい~。ホカにゃんだ~♪」
「私を座らせた目的はそれですか!」
「うん、だってあずにゃんあったかいじゃん!それに…」
「それに?」
私は体をひねって後ろを向く。唯先輩の顔がほんの数センチ先にある形になる。
「あずにゃん、りっちゃんと澪ちゃんを羨ましそうに見てたから、ね」
「そ、それは別に唯先輩に構って欲しかった訳じゃなくて…」
とっさの言い訳を口走る。
「あ~、やっぱりそうだったんだ~」
にこやかな笑に思わず赤面する。ほんの数センチの距離…唯先輩の息も感じられる。ほんの少しだけ顔を近づければ…。
「お~、お二人さん、そんな距離で見つめ合っちゃって、熱々だねえ」
律先輩の冷やかしで我に返る。見ると澪先輩は赤面し、ムギ先輩はキラキラした目でポオ~っとこっちを眺めている。
冷静に考えればこんな所であんな事をするなんて元日から思い出す度に赤面するような思い出を作るところでした…。
今回ばかりは律先輩ナイス。
「あ~あ、惜しかったねあずにゃん。」
思わぬ発言に振り返る。唯先輩は私に熱っぽい視線を送ってきている。
「え?ちょ、唯先輩…」
「続きはまた後でね。あずにゃん♪」
唯先輩が私にそう囁やいた。
そこで夢が終わった。一瞬何が起こったのか、ここは何処か混乱する。
何故ならば唯先輩の温かい感触は以前私の背中にあったからだ。
グイと体をひねると私の背中には唯先輩が抱きついていた。カーテンの間から差し込む朝日を受けて幸せそうに…ん?朝日?
部屋のデジタル時計に目をやると既に時刻は8時過ぎ。初日の出は見逃したようだ。
思わず頭を抱える。
みんな起こしてくれれば良いのに…。と、言ってもこの状態じゃ起ようが無いか。
「でも…」
唯先輩の腕の中で体を回転させて向き合う。
「こんな年越もありかな…ね、唯先輩」
気のせいか熟睡している唯先輩もニコリと笑った気がする。
「1年間お疲れチューは駄目ですけど、明けましておめでとうチューならあげますよ」
そういって私は唯先輩の頬にキスをおとした。
「ヤッホー、お前ら起きr…」
「唯、いつまで寝てんd…」
「あらっ…」
入り口で起しに来た3人が固まった。うん、まあ、固まらない方がオカシイですね。
「ご、ごゆっくり~」
そう言ってさ3人は去っていった。
「あれ?あずにゃん?」
やっと目を覚ましたらしい唯先輩が間の抜けた声をあげる。じっと見つめている私と目が合う。
「あ、あずにゃん近いよ~」
赤くなった先輩が照れ隠しの笑を浮かべる。
「…の…ですよ…」
「ほえ?」
「唯先輩のせいですよ!」
「えええ!?な、なにが!?」
突然の怒声に慌てる唯先輩。
「でも…」
ギュッと唯先輩を抱きしめる。
「こうしてギュッとしてくれるなら許してあげます」
「…なんだかよくわかんないケド。今年もして欲しかったら何時でもギュッてしてあげるからね」
そう言って唯先輩は満面の笑みを浮かべた。
「…はい!」
「明けましておめでとう、あずにゃん」
「明けましておめでとうございます。唯先輩」
- デコフラッシュとダブルパンチに腹筋破壊wwww -- (名無しさん) 2010-02-13 11:46:54
- キラッ☆ -- (名無しさん) 2010-08-28 21:32:22
元旦から、梓唯だね♪ -- (あずにゃんラブ) 2013-03-07 01:14:15
最終更新:2010年01月04日 03:24