考えてみたら、小さくなった唯先輩を誰かに知られるのはまずい。
律先輩あたりにいじられたらおびえちゃうだろうし、ここは私の家に連れて行こう。
…ていうよりは、もうしばらく一人占めしたい…

「唯ちゃん、だっこしてあげるからいい子にしてるんだよ?」
「うんっ!」

ちなみにちび唯先輩は幼稚園の制服らしき服装だった。なんとかマフラーで顔を隠して、気付かれないように…

「おーい、梓ー!」
「ひっ!律先輩…」
「どこ行くんだよ?もう部活の時間だぞ」
「きょ、今日は具合が悪いので早退するです」
「ふーん?で、何かかえてんの?」
「べ、別になんでもないです!失礼し…」

「おでこ!」

私の胸元から聞こえたのは、ちび唯先輩の無邪気な声。おそらく律先輩の広いおでこに興味を示したんだろう。
それはまったく悪気のない好奇心からのものなんだけど、律先輩にはそんなこと知る由もなく…

「梓~?私のでこがなんだって~?ん?」
「さ、さぁ?空耳じゃないですか?」
「嘘つけ!今確かに…」

「ねぇあずにゃん、あのおねえちゃんのおでこまぶしい!」
「しーっ!静かにしてなきゃだめでしょ唯ちゃん!」

「おい、何こそこそ…あー!?」

「ハァハァ…ゆ、唯、お手!」
「おて?」
「いやねぇ澪ちゃん、犬じゃないんだから♪唯ちゃん、あまーいココア飲む?」
「のむー!」
「おーし唯!肩車してやるから乗れ!」
「わー♪りっちゃんおっきいー!」

律先輩に見つかってから10分足らず。ちび唯先輩はテンション高めな3人におびえることもなく、あっさり皆に溶け込んでいた。
考えてみたらそうだよね。唯先輩は初対面の人ともすぐに仲良くなっちゃうような人だし、子供の頃から同じなんだよね…

うぅ、ちょっと寂しいよ唯ちゃん…

「ハァハァ…か、かわいい…なぁ、元に戻るまで軽音部で飼おう!」
「澪ちゃん、唯ちゃんは犬じゃないのよ♪ちゃんと家に帰してあげなきゃ」
「じゃ、とりあえず憂ちゃんに電話を…」
「あ、あの!」
「「「?」」」
「えっと…こんな状態になった先輩が帰ったら、憂も親御さんも驚いちゃうんじゃないでしょうか」
「あ、確かにそうだなー…」
「ですから戻るまで誰かの家に泊めるっていうのはどうでしょうか!そう、例えば一番に見つけたわた…」
「はいっ!私が泊める!唯、おすわり!」
「澪ちゃん、唯ちゃんは犬じゃないのよ♪私が泊めまーす」
「私がいいよな、唯!」
「えっとねー…」

一斉に詰め寄る3人をじーっと見つめるちび唯先輩。
うぅ、やっぱり私じゃだめなのかな。澪先輩じゃないけど犬みたいに、最初に見た私になつくとかそういうことはないのかな…
ううん、だめだめ!私は真面目な後輩で通ってるんだもん、小さい唯先輩にうつつを抜かしてる暇はないんだ!
さぁ、ちび唯先輩は3人のうちの誰かにまかせて私はギターの練習をしよう!

「わたし、あずにゃんといっしょがいい!」
「唯ちゃんおいで~♪いっしょに帰ろうね~♪」
「「「……」」」
「…はっ!こ、これは違うんです。後輩たるもの、先輩がどんな姿になっても敬意を忘れずに接しようということで」
「いやー、敬意のかけらもないと思うぞー?」
「違うったら違うんです!私はただ」
「あずにゃん、だっこー!」
「はーい、だっこだね唯ちゃーん♪」
「「「……」」」

あぁ、もう理屈なんてどうでもいいや。私は全力でちび唯先輩を守り抜く!
なぜならものすごくかわいいから!誰にも文句なんて言わせない!

「ふしゃー!」
「うお…梓が毛を逆立てて唯を抱きしめてる!」
「これが母性本能ってやつなんだな!」
「母性…じゃ、じゃあお乳をあげたりするのかしらぁっ!」ボタボタ


  • ムギwww -- (名無しさん) 2010-08-01 10:54:21
  • 澪しゃんはなにゆえ唯を犬扱い? -- (名無しさん) 2010-08-06 18:55:12
  • りっちゃん→父、ムギ→母、澪さん→キモヲタな兄、あずにゃん→シスコンな姉、唯ちゃん→みんなのアイドル的な妹とかいうキャストがお送りするホームドラマがなんか浮かんだ -- (名無しさん) 2010-10-10 00:56:19
  • 最後のムギのセリフwwww -- (名無しさん) 2012-01-29 00:36:59
  • 小さい唯はさらに手がかかりそうwww 唯ちゃんは今のままがいいよ? -- (名無し) 2012-02-22 15:28:47
  • おでこ笑ったwwムギもww -- (名無しさん) 2012-10-26 22:06:31
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最終更新:2010年03月27日 13:47