律「催眠術?」
唯「そう!この本に書いてあるんだよ!」
梓「またおかしなことを…」
澪「そもそも素人がそんな簡単に催眠術なんて…」
律「そうだぞ、唯。大体こういうのはインチキなんだって」
紬「あら、でも面白そうじゃない?ちょっとやってみましょうよ」
律「ムギ…マジかよ…」
唯「さっすが、むぎちゃん話が分かる!よし、じゃあ手始めにりっちゃん!」
律「なっ、私かよ!」
唯「ふっふっふっ、覚悟は出来てるかね?りっちゃん」
唯「それじゃ、いくよ」
唯「あなたはだんだん眠くなる~」
澪「これまた古典的な…」
梓「ベタですね~」
紬「?」(あの五円玉はなんなのかしら?)
唯「眠くなる~眠くなる~」
律「な、なんだか意識が朦朧と…」
澪「なっ!そんなバカな!!」
梓「本当ですか!?律先輩!」
唯「すごい!私才能あるのかも!」
律「な~んてな、ウソウソ、これっぽっちも眠くならねぇよ」
唯「え~そんな~りっちゃんヒドイ~」
律「バ~カ、そんな簡単にかかるわけないだろ~」
澪「そうだぞ、唯。そうそううまくいくわけないんだから」
梓「……」
唯「ぶ~」
紬「まぁまぁ、もしかしたら唯ちゃんとりっちゃんの相性が悪かっただけかもしれないし今度は他の人にかけてみたらどうかしら?」
澪「ムギ、あまり煽ってやるな…」
唯「う~ん、そうだ!
あずにゃん!」
梓「わっ、わたしですか!?」
唯「あずにゃん、このネコミミつけて~」
梓「なっ、突然何を言っているんですか!」
唯「おねがい、あずにゃん。催眠術かけてる間だけでいいから~」
梓「ううっ、わかりました。ちょっとだけですよ」
唯「あずにゃん、ありがと~。よし、じゃあリラックスして~目をつぶって~」
律「おいおい、何を始めるつもりだ、唯。」
唯「あずにゃん、あなたは猫です。かわいいかわいい黒猫ちゃんです」
律「本気かよ…」
澪「いきなり高度になったな…」
紬(ワクワク)
唯「私が三つ数えて指を鳴らしたら、あなたは完全に猫です、それではいきますよ」
梓「…………」
唯「いち、に、さん、ハイッ」パチンッ
唯「どう?あずにゃん」
梓「……」
唯「あずにゃん?」
梓「にゃ、にゃ~」
唯「え?」
律「あ?」
澪「ん?」
紬「ムギュ?」
梓「ニャ?」
律澪紬「え~~~~~!!!!!!」
唯「やった、あずにゃん成功だよ!!大成功だよ!!」ダキッ
梓「ニャ~♪」ペロペロ
唯「あははっ!!あずにゃん、くすぐったい、くすぐったいよ!」
澪「そ、そんなバカな…」
律「おっ、落ち着け!これは梓の悪ふざけだ!そうに違いない!」
紬「でっ、でもあの梓ちゃんがそんなことするかしら?」
律「うっ…」
澪「たっ、確かに…」
唯「あ~ずにゃ~ん」スリスリ
梓「ニャ~♪」
澪「お、おい唯、そろそろ戻してやってもいいんじゃないか?」
唯「え~やだ~」
律「また、いつでもできるだろ~」
唯「ぶ~わかったよ~」
唯「あずにゃん、あなたは人間です。いち、に、さん、ハイッ」パチンッ!
梓「ニャ?」
唯「あ、あれ?」
澪「どうした?唯」
律「まだ戻ってないぞ?」
紬「もしかして唯ちゃん…」
唯「お、おかしいな、いち、に、さん、ハイッ」パチンッ!
梓「ニャア」
唯「……」
唯「戻らなくなっちゃった…」
澪律紬「…………」
律「しょうがない、今日はもう帰るか…、そのうち元に戻るだろ…」
澪「お、おい、いいのか?そんなんで」
紬「でも、戻らないものは戻らないんだし…」
澪「だ、だからってこのまま帰すわけにもいかないだろ、家族にどう説明したらいいんだ」
唯「あ、そういえばあずにゃん今日は家に誰もいないって言ってたよね?」
梓「ニャア」
澪「よ、余計だめじゃないか…」
唯「じゃあ、今日はうちにあずにゃん泊めるよ。それでいいでしょ?」
律「まぁ、いいんじゃないか?」
澪「律、お前またそんな適当なこと言って」
律「だって、それしかないだろ。大丈夫だって。一晩寝て目が覚めたら元に戻ってるさ」
澪「そんなもんか?」
律「そんなもんだ」
唯「よし決まり、今夜はよろしくね、あずにゃん」
梓「ニャア♪」
律「っと、そのまえにネコミミぐらいはとってやるか」
梓「ニャア!!」フーッフーッ
律「おわっ!!」
唯「りっちゃん、あずにゃんいじめないでよ~」
唯「よしよし、怖かったね~」ナデナデ
梓「ニャア~♪」
律「別にいじめようとしたわけじゃ…」
澪「というか、あれつけたまま帰るのか?」
律「…マジかよ」
平沢家
唯「ただいま~」
憂「あ、お姉ちゃん、お帰り~」
梓「ニャ~」
憂「え?あ、梓ちゃん?どうしたの、様子が変だよ?」
唯「じつはね~、かくかくしかじかで…」
憂「へ、へぇ~そんなことが…」
唯「ということで、今日はご飯三人分作ってくれる?」
憂「うん、分かった。腕によりをかけてつくるからね」
唯「わ~い、ありがとう、うい~」ギュウ
憂「お、お姉ちゃん////」
梓「ニャ、ニャ、ニャア~」
唯「あずにゃんもやってほしいの~?じゃ、二人まとめてギュウ~」
憂(ああ、幸せ…)
梓「ニャア~♪」
唯「いただきま~す」
梓「ニャア~」
唯「あっ、ダメだよあずにゃん、ちゃんとお箸使わないと」
梓「ニャ?」
憂「梓ちゃん、本当に猫になりきってるんだね。」
唯「う~ん、しょうがないな~私が食べさせてあげるよ。はい、あずにゃん、あ~ん」
梓「ニャア!」パクッ
唯「フフッ、あずにゃんかわいいな~」
憂(いいな~)
唯「ふぅ~、ご馳走様でした」
梓「ニャア~」
憂「お粗末さまでした。お姉ちゃん、お風呂沸いたから入ってきなよ」
唯「そうさせてもらうよ。じゃ、あずにゃん一緒に入ろう」
梓「ニャア♪」
憂「え…」
唯「」ヌギヌギ
梓「ハァハァ////」ジィー
唯「あれ?どうしたの、あずにゃん?早く脱ぎなよ」
梓「ニャ、ニャア////」
唯「あっ、そっか、自分じゃ脱げないんだね。分かった、私が脱がしてあげるよ」
梓「ニャ~////」
唯「やっぱり猫になっても恥ずかしいのかな?大丈夫だよ、女の子同士なんだもん」
梓「ニャア~……////」
ジャ~
唯「あずにゃんの髪ってきれいだよね~」
梓「にゃ、にゃあ」
唯「それにちっちゃくってかわいくってお人形さんみたい」
梓「ハァハァ////」
唯「あぁ、もう、本当に可愛いよぉ!!」ギュウ
梓「!!!!!?????」
ダラー
唯「え?あ、あずにゃん鼻血鼻血!!」
唯の部屋
唯「あずにゃん、大丈夫~?」
梓「…………」
唯「のぼせちゃったんだね~」
梓「……」ギュウ
唯「?あずにゃん…?」
梓「にゃあ~」ペロペロ
唯「ひゃあ!あずにゃん、くすぐったいよ!」
梓「ハァハァ」ペロペロ
唯「んっ…あっ…やぁっ…あっ、あずにゃん、息荒いよぉ?」
梓「ハァハァ」チュウ
唯「!!!???」
梓「んっ…ちゅう…んちゅっ…んんっ…はあっ」
唯「ん~~!!!!ん、んん!!んっ…プハァッ!!」
唯「あ…あずにゃん…?」
梓「にゃあ~、ハァハァ」
唯「いやっ!ダメ!そんなところに顔うずめちゃダメだよぉ!!」
梓「ハァハァ」ペロペロ
唯「やっ…んっ…ひゃんっ!!あ…あずにゃん…なんかへんだよぉ…おかしいよぉ…」
梓「唯先輩ぃ……好きぃ……」
唯「えっ?」
梓「あっ!!」
唯「あ、あずにゃん、今なんて…」
梓「…………」
唯「催眠術にかかってたんじゃなかったの?」
梓「……嘘ですよ…」
唯「え?」
梓「全部…嘘ですよ…。初めから…催眠術になんてかかってませんでした…」
唯「え?え?」
梓「ごめんなさいっ!!」ダッ
唯「あっ、あずにゃん待って…!」
ズルッ
唯「うわっ」
ドテッ
唯「イテテ…」
憂「お姉ちゃん、どうしたの?」
唯「う、憂!あずにゃんがっ、あずにゃんがっ!!」
かくかくしかじか
憂「そ、そんな梓ちゃんが…」
唯「とにかく私探しに言ってくるね!!
憂「あっ、お姉ちゃん!!」
コンビニ
律「え~っと、聡はコンソメパンチとコーラだっけか?」
律「あいつ、夜中にこんなもん食べてたら太るぞ…」
律「んっ、あれは唯?」
律「お~い、唯どうした~、夜の運動か~」
唯「あっ、りっちゃん!」
律「ん?そういえば梓はどうした?お前の家に泊めてるんだろ?」
唯「それが…」
律「なにぃ、突然でていったぁ?」
唯「うん…私どうしたらいいか分からなくて…」
律「自分の家にでも帰ったんじゃないのか?」
唯「私も一応あずにゃんの家に行ってみたよ。でも明かり点いてないし、呼び鈴押しても反応ないし、鍵もかかってたし…」
律「まっ、そのうち帰ってくるだろ。犬猫だって勝手に帰って来るんだし…」
唯「りっちゃん!!!」
律「じょ、冗談だよ…。そうムキになるなって…」
唯「言っていい冗談と悪い冗談があるよ!」
律「悪かったって。私も探すの手伝うからさ。許してくれよ。」
唯「むう…」
律「っと、そうだ一応澪にも応援たのむか」
ピ、ポ、パ
prrrrrrrr
河原
澪「うう、ここに来ればなにかいい詩が浮かぶんじゃないかと思ったけどだめだな~」
澪「ん?あれは…梓?」
澪「お~い、梓。こんなところでどうしたんだ~。」
梓「み、澪先輩…」
澪「あれ?催眠術解けたのか?」
梓「そ、それは…」
澪「?」
澪「最初から催眠術になんてかかってなかった?」
梓「はい、あれは全部演技です…。」
澪「なんでまたそんなことを…」
梓「唯先輩に…」
澪「え?」
梓「唯先輩に甘えたくて…」
澪「なっ…」
梓「私…唯先輩のことが好きなんです…。先輩として、とか、友達として、とかじゃなく…
抱きつかれたりするのだって、本当はうれしくって…だけど素直になれなくて…」
澪「梓…」
梓「き、気持ち悪いですよね…女同士でこんなの、グスッ」
澪「そ、そんなことないぞ!!」
梓「澪先輩…?」
澪「大事なのは男とか女とかそんなことじゃなくて、自分の気持ちに正直になることだと思う。唯のこと好きなんだろ?だったらその気持ちをまっすぐぶつければいいじゃないか。
そうすれば、唯はちゃんとその気持ちを受け止めてくれると思う。唯はそういうやつだ。」
梓「澪先輩…」
梓「ありがとうございます…。でも、もうダメです…。私、唯先輩に酷いことしちゃった…。きっと、もう嫌われてる。」
澪「梓…、大丈夫、ちゃんと謝れば分かってくれるさ。あいつは人を許せないような人間じゃない。唯がどういうやつかは梓もよく分かってるだろう?それから自分の気持ちを素直に伝えるんだ。唯がどう返事をするか、こればっかりは保障できないけど、梓の気持ちを踏みにじるようなことだけは絶対にしないはずだ」
梓「澪先輩…分かりました…。私、唯先輩にちゃんと自分の気持ちを伝えます…!」
澪「うん、頑張れ」
梓「澪先輩…ありがとうございます、グスッ」
澪「こらこら、まだ泣くには早いだろ。全部終わるまで涙はとっておけ。」
梓「はいっ…!」
prrrrrrrprrrrrrr
澪「ん?電話?律からだ」
澪「はい、もしもし」
律『あ、澪?あのぉ、実は梓がさー…』
澪「梓?梓ならここにいるぞ?」
律『な、なにぃ~!待ってろ、今、唯連れてくから!って、ここってどこだー!!』
唯「はぁはぁ…、あずにゃんやっと見つけた」
澪「ほら、梓、嫌われてたらあんなに必死になって探さないだろ?大丈夫、自分と唯を信じろ」
梓「はっ、はい!」
梓「あっ、あの!唯先輩…さっきは私、どうかしてました。唯先輩の気持ちも考えずに酷い事してしまって本当にごめんなさい!」
唯「…うん、本当にあの時はびっくりしたよ…」
梓「ごっ…ごめんなさいっ」
唯「でもね、あんまり嫌な気持ちはしなかったんだよ…。」ギュ
梓「え…唯先輩…?」
唯「本当はうれしかった。あずにゃんのほうから私を求めてきてくれたんだもん。私ね、実はいつも不安だったんだ。あずにゃんが本気で私のこと拒絶してきたらどうしようって…」
梓「唯先輩っ…!あの、わたしっ…!」
唯「それでね、今日私気づいたんだよ、私、あずにゃんは可愛い後輩って思ってきたけど、そうじゃなかった。あずにゃんは私の特別な人…。
ずっと一緒にいたいって…。あずにゃん好きだよ、大好き。
愛してる」
梓「ゆ…い…せんぱい…ヒック、ひ、ひどい…ヒック、ですよ…」
唯「あ、あずにゃん?」
梓「わ、わたしが…ヒック、ずっと…ずっと、いいたかったこと…ヒック、さきに…いっちゃうなんて…ヒック」
唯「あずにゃん…」
梓「唯先輩!好き!大好きです!ずっと、ずっと私のそばにいてくださいっ!!」
唯「うん、もう絶対に離さないよ…」ギュウ
梓「…ヒック、唯先輩…!唯先輩…!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」
唯「よしよし」ナデナデ
澪「ふぅ、これで一件落着だな」
律「イッタイナニガオコッテイルンダ」
後日
唯「あ~ずにゃ~ん、きょうもかわいいね~」ギュウ
梓「ゆ、唯先輩も可愛いですよ////」
唯「えへへ~ありがと~」
唯「あずにゃ~ん、ペロペロしていい?」
梓「ダッ、ダメです!そういうことは二人っきりのときだけって言ったじゃないですか!」
唯「ええ~、いいじゃ~ん、私たち軽音部公認の仲なんだしさ♪」
梓「それとこれとは関係ありません!」
唯「ペロペロ」
梓「ニャア~!!」
澪「…………」
律「おい、誰かあいつらなんとかしてくれ…」
紬「うふふふ…」
おわり
- これは良い梓唯 -- (名無しさん) 2011-02-23 17:25:59
- >紬「うふふ…」WWW みんなの唯梓に対しての気持ちかな -- (名無し) 2011-08-22 11:28:39
- 梓の度胸に脱帽 -- (名無しさん) 2011-11-29 17:55:20
- やるね〜あずにゃん?あと、澪先輩は真の同性愛をわかってらっしゃる。 -- (あずにゃんラブ) 2013-01-20 02:01:37
最終更新:2010年07月07日 23:07