むかしむかしある所に一人の心優しい女の子がおりました。その子の名前は平沢唯よいいました。唯は大変器量のいい妹を持っていましたが、あまりにも妹に頼り過ぎなため、家を追い出されてしまいました。
唯が道ばたの切り株に座って一休みしているとそこに長靴をはいたあずにゃんが現れました。
「あれ?唯先輩。こんな所に座り込んでどうしたんですか?」
「あ~、あずにゃん。実はカクカクシカジカ四角いムーブなんだよ~」
唯は梓に事情を説明しました。
「はあ~まったく、仕方がない先輩ですね~」
「う~頼りになるのはあずにゃんだけだよ~...」
「そうですね。まず私にそのお菓子を下さい」
そういって梓は唯が手に持っているクッキーを指差しました。
「え~、あずにゃん食べちゃ駄目だよ!」
「違いますよ。まあ、任せて下さい」
そういって梓はこの国を治めている王様のところへ向かいました。

王様のお城に着いた梓は王様にクッキーを献上しました。
「あら、これは美味しそうなクッキーね?誰からの献上品かしら?」
「唯伯爵からの贈り物です」
「なるほど、ありがとう」

それから梓は唯の所に戻りました。
「あ~あずにゃんおかえ...」
「唯先輩。服を脱いで下さい」
「......え”......」
唯は笑顔のまま固まりましたが梓はそんな事に構っていられません。真っ赤になりながら手早く服を脱がし、唯を池に突き落としました。
「酷いよあずにゃん!なにするの!」
「まあまあまあ、見ていて下さい」

そういって梓は道に出ると、王様の馬車がやってきました。梓は道路に飛び出ると
「大変です!唯伯爵が水浴びをしている最中に泥棒に持ち物を全て取られてしまいました!」
と叫びました。
王様は驚いて馬車を止め、唯に服を与え、馬車に乗せました。
「あら、あなたが唯伯爵ですね?クッキーをありがとう」
「え?ああ、はいはいあれですね!」
唯は最初戸惑いの表情を浮かべましたが、となりの梓につねられて慌てて誤摩化しました。
「あなたはこの辺の貴族なの?」
「いいえ、ここから東に少し行った所に大きな領地を持っています」
口ごもった唯にかわり梓が言いました。
「あら、そうなの」
「今度是非、伯爵のお城にいらして下さい。ごちそうを用意してお待ちしています」
「それは良いわね。今度姫と一緒に行ってみる事にするわ。ね?紬」
「え?あ、は、はい」
お姫様はイケメンの唯に一目惚れしてしまったのです。

さて、馬車から唯達はひとまず東のお城に向かいました。
「あずにゃ~ん、あんな事言っちゃって大丈夫なの?それにここは鬼がすんでるって話だよ」
「唯先輩は心配しすぎです。少しだまってて下さい」
「う~ん,,,」
まず梓はそこらの農民に話しかけました。
「ねえ、そこの農民?」
「は、はい!なんでごぜーましょうか!?」
これから王様が馬車で通るから誰の土地か聞かれたら『唯伯爵の土地でございます』と言いなさい」
「え?でもここはさわty...鬼が治めてる...」
「わ・か・っ・た?」
「は、はい!よくわかりました!」
そういって農民はとてもいい返事をしました。
しばらく進むとまた農民に出会いました。梓はさっきと同じ事を言い、どんどん進んでついに鬼の住んでいるお城に着きました。
梓は鬼に会って言いました。
「あなた様は昔音楽をやっていたそうですね?ぜひとも拝聴したいのですが」
「あら!いいわよ!」
そういって鬼はバッチリメイクを決めて一曲演奏しました。
「どうだったかしら?」
「それよりもこのバッチリメイクをきめた写真をバラまかれたくなかったらこの城を明け渡して下さい」
「ひいい~それだけは勘弁して~!」
初対面のはずなのに何故か鬼の弱点を把握している梓は城を手に入れました。
そうして唯に立派な服を着せ、ごちそうを用意しました。
「あずにゃん!ここまでしてくれるなんてありがとう~!」
「わ、私は別に自己満足のためにやってるにすぎません!」

そのころ王様は馬車で唯達の所へ向かっている途中でした。王様は時々馬車を止めて
「ここは誰の土地?」
と尋ねましたが、農民は決まって
「唯伯爵の土地でごぜーます!」
と返事しました。
「唯伯爵は大きな土地を持っているのね。紬と結婚させてもいいわね...」
「やだあ~結婚だなんて//」
こうして王様は唯達の城に到着しました。
「唯伯爵の城へようこそ!」
「あなたの主人は中々の土地をもってるし、立派な人間ね。姫も気に入ってるみたいだし、婿(?)になってくれないかしら?」
王様は梓に言いました。
梓はしばらく考えた後一言
「やっぱり駄目です!唯先輩は私のものです!」
と言ってお城の中にかけて行ってしまいました。
梓は唯のいる部屋の扉を押し開け、窓辺にいた唯と向かい合いました。
「あずにゃん...全部聞こえてたよ...」
「わ、わたし実は唯先輩の事が,,,」
「私もだよ、あずにゃん...

そうして唯と梓は結婚して幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。


  • すべては結婚のための梓の策略か… -- (あずにゃんラブ) 2013-01-17 23:35:27
名前:
感想/コメント:

すべてのコメントを見る

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2010年07月29日 20:36