あずにゃんのことを見てると、なんだか不思議な気持ちになる。胸の奥がもやもやして、苦しくなる。
どうしてこんな風になるのかはよくわからない。前はこんなことなかったんだけどな…

唯「あずにゃーん」
梓「もう、やめてください!」
唯「あはは、あずにゃんのいけず~」
梓「なんですかそれ…早く練習始めますよ!」
唯「…うんっ」

あずにゃんは、ずっとこんな感じだ。私がどんなにくっついても、なかなか私のことは見てくれなくて…
もう慣れてるはずなのに、どうしてかな。すごく寂しい気持ちになる。
あずにゃんが他の誰かと話したり、他の誰かを見てたりすると、じっとしていられなくなって、胸の奥が痛くなって…

唯「…ぐすっ……」

…なんで、こんなに痛くなるんだろ…
よく、わかんないや…

私はそっと、部室を後にした。泣くのは、布団の中だけって決めてたんだけどな…だめだな、私…

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唯先輩に抱きつかれると、とてもあったかい気持ちになる。ずっとずっと、そのままでいたいって気持ちになる。
だめ、だよね。こんな気持ちになっちゃ。唯先輩はふざけてるだけなんだし。きっと唯先輩はなんとも思ってないんだし。この行動にはなんの意味なんてないんだし…

そう、思ってきたのに。どうして唯先輩はそんな顔をするんですか。どうしてそんな寂しそうな顔をするんですか。どうしてそんな、泣きそうな顔をするんですか。
そんな顔をされたら、放っておけなくなるじゃないですか。自分の気持ちが届かないってわかっていても、そばにいたいって思っちゃうじゃないですか。

唯「あずにゃん…?」
梓「…抱きつきたいなら、抱きついててもいいですよ」
唯「え…?」
梓「……」

真っ赤に充血した目を向ける唯先輩を、私は飛びつくように抱きしめた。いつもより小さく感じるその体は、驚いたようにびくっと震える。
それでも、私は唯先輩を離さない。だって、だって私は…

唯「…あず…にゃん」
梓「…はい」
唯「私…私ね…あずにゃんのこと、好きなの」
梓「…!!」
唯「あずにゃんは私のことなんてなんとも思ってないと思うし、こんなこと言われても困ると思うけど…それでもね、あずにゃんのことが大好きなの」
梓「私…だって、好きです」
唯「…え……?」
梓「私だって唯先輩のこと、好きです。だからこうして抱きしめてるんです」
唯「あずにゃん…ほんとに?」
梓「こんなことで嘘ついてどうするんですか?…ってなに泣いてるんですか!」
唯「だっで…だっでぇ…うえぇ…」
梓「…好きです。大好き」
唯「うん…ずず、わたしも、だいすき…」
梓「両想い、ですね」
唯「うん…♪」

fin


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最終更新:2010年09月09日 13:01