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あずにゃんが迫ってくる。
いつものことだけど、

唯「ダメっ」

私はそれを拒絶する。

唯「あずにゃんダメだよ」
梓「どうしてですか……」
唯「私達にはまだ、そういうのは早いよ」
梓「それは誰が決めたことですか。唯先輩ですか?」
唯「……」

言葉が詰まる。
あずにゃんは「どうして」と目で訴えかけてくる。
その「どうして」に、私は明確な答えが出せない。
いや、
頭の中では、心の中ではわかっているはず。
でも、だから……

唯「それだけは、ダメ…」
梓「唯先輩はいつもそればっかりです」

呆れた、と言ったように冷たい視線を投げるあずにゃん。
イヤ、そんな目で見ないでよ……。
これ以上、私を虐めないでよ……。

梓「唯先輩は私のこと、嫌いですか?」
唯「そんなわけ……ないじゃん」
梓「じゃあどうしてダメなんですか?」
唯「ダメなものは……ダメ、だから」
梓「答えになってないです」

あずにゃんの言うとおりだと思う。
私の言葉はなんの意味もないモノばかり。
そこからまるで進展のないまま、
今日も気まずい雰囲気のまま、
私たちはサヨナラを告げるんだろう。

梓「唯先輩、楽になってくださいよ…ね?」
唯「ふぅぅっ!?」

耳元で囁くように、甘い声を吹きかけられる。
ゾクゾクッと身体の芯から震え上がる感じがした。
今日のあずにゃんは異常なまでに積極的だ。
いつもなら、私が一度断れば、それ以上の行為は求めてこなかった。
なのに……

梓「唯先輩の耳、ハミハミしていいですか?」
唯「は、ハミハミぃ!?」

気がつけば、あずにゃんは私の背後から腕を回して、
宣言通りに、私の耳たぶにカプっと甘噛してきたのだった。
耳を噛まれるという未知の感触に、
私はピキンと凍って動けなくなるしかなかった。

唯「あずにゃん、やめてよぉ~」
梓「やです。せめて殴る蹴るぐらいはしないと」
唯「そ、そんなのムリだよぉ~~っ」
梓「じゃあ私の勝ちですね、この勝負」
唯「ええっいつのまに勝負になってたの!?」
梓「ハミ…」
唯「あぁんっ」

再び耳を噛まれて変な声がこぼれる。
それに驚いたのは、どうやらあずにゃんの方だったようだ。

梓「ゆ、唯先輩…いまのって」
唯「やぁ…あずにゃんがハミハミするからだよぉ」
梓「えっ、じゃあその……」
唯「え?」
梓「私が…唯先輩をそんな風にしたんだ…」

あずにゃんはどこか恍惚とした表情になって、
私への攻撃の手を緩めた。
しめた…!

梓「ど~こに行くんですか、唯・先・輩♪」
唯「ひぐぅっ」

一瞬の隙をついてその場からの離脱を試みたものの、
胴体にしがみついたあずにゃんがそれを阻止した。
どうやら私が動いたことによって
逆に覚醒のきっかけを与えてしまったらしい。

梓「今日こそは逃がしませんよぉ」
唯「あずにゃんなんだか怖いんですけどぉ」
梓「もう待つことはやめにしたんです」
唯「ま、待つって、なにを…」
梓「もう言葉で表現するのは終わりです」

その言葉を最後に、あずにゃんと私の距離が、


唯梓「」


あずにゃんのバカ……。
こうなったらもう、

後戻りなんかできないのに……。



おわり


  • おやおやこれは…唯にもその気があったっていうことか? -- (名無しさん) 2010-10-11 23:54:28
  • ……案外世間体とか気にして戸惑う唯も一興… -- (名無しさん) 2011-03-08 09:53:42
  • 珍しいあずにゃんこういうのもいいな -- (名無しさん) 2012-04-24 18:24:21
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最終更新:2010年10月10日 17:39