京都のようで京都でない魔界都市にゆいあずと言うステキな百合婦妻が住んでいました。
ふたりは学生結婚だったためにとても貧しく、赤い手拭いマフラーにして寒さをしのぐような状況で暮らしていますが、
お互いを深く深く愛しているのでなにも怖くありませんでした。
ただあなたの優しさに唯先輩ペロペロ。
二人はそれぞれ宝物や自慢できるものを持っていました。
唯は黒いストッキング。梓はダイナマイト(髪質的な意味で)鈴木も羨む黒く長い髪です。
ふたりの誕生日が近づいてきたある日、唯はとても可愛いリボンを見つけた。
梓の長い髪にさぞや似合うだろうと思ったが、今月はアイスを食べ過ぎておこづかいがピンチ!
リボンを買う余裕さえありません。
梓も純白でフリルたっぷりなスキャンティを見つけた。
唯の黒いストッキング越しにその純白の下着を拝んだらと想像したらいても立ってもいられなくなったが、
今月は宿泊代(性的な意味で)がかさんでしまったので家計も火の車。とても手が出せません。
梓はどうしても唯にそのスキャンティを穿かせたくて(そして自分の手で脱がせたくて)、
悩み抜いた末に親友ふたりに相談した。
「リア充爆発しろ!」
ひがみ根性丸出しのダイナマイト鈴木はクソの役にも立ちません。
「わかった!梓ちゃんがその長い髪を私に売るって言うのはどうかな」
「いや、それ買ってどうすんの?梓に似せて日本人形でも作るわけ?」
ダイナマイト鈴木が言うように用途がいまいちわかりませんでしたが、憂からの申し出は梓にとってまさに天の助けでした。
憂に髪を売って手に入れたお金で梓は唯に
プレゼントする純白の下着を買うことができました。
その日の夜は、ふたりの部屋で誕生日パーティー。
大学から帰宅した唯はベリーショートになった梓に驚きましたが、すぐに「イメチェンした
あずにゃんも可愛いね~」と順応しました。
梓もまた驚いています。唯はトレードマークとも言うべき黒いストッキングを穿いていないではないですか。
梓から事情を尋ねられた唯は照れくさそうに、
「実はあずにゃんに誕生日プレゼントを買うお金がなくてさ。憂にストッキングを買って貰ったんだよね」
そう白状しました。
黒いストッキングを売って梓の長い髪に似合うリボンを買った唯でしたが、リボンで結わえるだけの髪が梓にはもうありません。
長い髪を売って唯と黒いストッキングに似合う下着を買った梓でしたが、ムラムラしようにも黒いストッキングはすでにありません。
他人の目には愚かなすれ違いに映るでしょう。けれどもお互いのことを思いやるその気持ちはとても素晴らしいものなのです。
ストッキングはありませんが、梓から贈られた下着は唯によく似合い、
「ど、どうかな?」と照れくさそうにしている唯に梓はムラムラしました。
無言で全裸になり、ネコミミをつけた梓は唯から贈られたリボンで大切な部分だけを隠すと
「誕生日パーティーのごちそうは私です」と誘惑します。
「今夜は寝かさないぜ、子猫ちゃん!」
その夜、愚かしくも幸せな百合婦妻の部屋ではベッドの軋む音が途絶えることはありませんでした。
余談ですが、梓の髪と唯のストッキングで特製枕をこさえた憂は、それを和に見つけられてしまい、こっぴどく調教もとい叱られたそうです。
おしまい♪
- 憂wwwwww -- (名無しさん) 2011-04-10 01:32:14
- いい話に見えてただの変態だったwww -- (名無しさん) 2013-07-30 16:01:03
最終更新:2010年10月29日 02:09