唯澪@ ウィキ

jealousy

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yuimio

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jealousy


放課後の部活動、今日も5人でティータイム…のはずだったが、今日は六人で活動開始

純「あ、あの…ジャズ研の、す…鈴木純です!き、今日は…よろしくお願いします!」
澪「あぁよろしく。梓から聞いてるよ、ベースやってるんだって?」

梓の同級生の鈴木純。ジャズ研に所属しており、ベースを担当している
軽音部のベース担当、秋山澪に憧れを抱いている

純「はい!光栄です、澪さんに教えていただけるなんて!今日はよろしくお願いします」
澪「まぁそんなに固くならないで。私なんかでよかったら何でも教えるよ」

純はジャズ研の演奏会を間近に控えていた
しかしどうしてもできない箇所があり、澪に教えを乞うために軽音部に参加した次第だ

律「なんか、今日はいつにもまして澪は偉そうだなー」
紬「うふふ。澪ちゃんったら、はりきってるのよ」
梓「純いいなー、私も澪先輩に教えてもらいたいです」

などとそれぞれの反応を見せる軽音部の面々…しかし一人だけ、いつもと様子が違った

梓「唯先輩どうしたんですか、今日はケーキ一口も食べてないですよ?」
唯「えっ、えぇ?!こ、これから食べるところだよ!」
梓「そうですか。ならいいですけど」

いつもと違う人物とは、ギター&ボーカル担当の平沢唯である、
いつもなら真っ先に食べるケーキに口をつけることなく、澪と純の様子を見ていた

澪「よし、じゃあ早速やるか!」
純「はい!お願いします!」

やる気モードの二人は、お茶をしている4人を尻目に練習を開始しようとしていた

唯「え~っ、澪ちゃんお茶しないの~」

そんな二人を止めるかのように唯が言葉を発する

澪「悪いな唯。今日中に純ちゃんができるようにしないといけないから…」
唯「そんなぁ~…純ちゃんもせっかく来たんだから、お茶しようよ~」
純「す、すいません…お茶はまた今度頂きますから…」
唯「ぶーっ!」

頬を膨らませはぶてる唯。みんなでお茶ができなくていじけたのか、それとも…

律「おっ、唯のやつハリセンボンみたいだぜ~」
紬「あらあら、澪ちゃんとお茶できなくて寂しいのね~」

はぶてた唯をからかう面々

澪「で、どこができないんだ」
純「あ、はい!…ここなんですけど…」
澪「どれどれ…ん~なるほど…」

二人だけの世界で、練習する二人

唯「…」

そして、その二人を黙って見つめる唯
それからわずかな時間が経ったその時

唯「あずにゃん!私達も練習するよ!」

勢いよく立ち上がって宣言する唯

梓「えっ?!唯先輩いきなりどうしたんですか?!」

いつもと違う唯の発言に戸惑う梓

唯「私たちも、澪ちゃんたちに負けてられないよ!」
梓「…やっと唯先輩がやる気を…はい、がんばりましょう!」

唯の突然のやる気に感動する梓…しかしその真相は…

梓「で、何やりますか?」
唯「う~んとね~…とりあえず、ふわふわ時間からやろうよ」
梓「なるほど、もう一度原点に戻るんですね。分かりました!」

唯のいきなりの練習発言に、やる気を出す梓。しかし唯は…

~♪~♪~♪
梓「ちょっと唯先輩!」
唯「…ふえっ?!あずにゃん、どうかした?」
梓「どうしたもありません!唯先輩が弾いてるのはチャルメラです!」
唯「えぇっ?!…ごめんね~、あずにゃ~ん」

上の空で全く練習にならない…それもそのはず

純「えっと…こう、ですか?」~♪
澪「そうそう、できてるよ!」
純「やったぁ、今までできなかったのに!」
澪「じゃあ一度通しでやってみようか」
純「はい!」

澪と純の練習の様子が気になって、練習どころではない

梓「もう、やる気になったと思ったら…やっぱりお茶します?」
唯「い、いや…大丈夫だよ、早くやろうよ~」
梓「だったらちゃんとしてください!」

楽しそうに純と和気藹々と練習する澪に、梓に叱られながら練習する唯…
二人の様子は全くの正反対となった

それからしばらくして、唯が下を向いて黙ってしまう

梓「…唯先輩?!…あの…すいません、言いすぎました」

唯の変化に動揺して謝りだす梓。しかし唯は下を向いたまま動こうとしない
…がそれからすぐに

唯「あーーーっ!!!」

唯が大声を出して顔を上げた

律「うわっ!!」
紬「きゃっ!!」
梓「にゃっ!!」
純「わっ!!」
澪「えっ!!」

突然の大声に驚く一同
そして大声を上げた張本人はというと…

唯「澪ちゃん、私すっごく良い歌詞思いついたよ!」

そう言って練習中の澪に詰め寄る

澪「えっ?!何だ急に」
唯「ねー、聞いてよ―。じゃないと忘れちゃうよ―」

そう言いながら澪の右腕を掴む唯

澪「で、でも…純ちゃんの練習が…」

一緒に練習している純を気遣う澪

唯「純ちゃん、もうできなかったとこできたんだよね!」
純「は、はい…とりあえずは」

今度は純に話しかける唯

唯「だったら、ジャズ研のみんなにみせてあげなよ!」
純「えっ…もうちょっと練習してから…」
唯「もう大丈夫だよ!純ちゃんなら心配ないよ、ねっ澪ちゃん!」
澪「えぇっ?!…そ、そうだな…もう大丈夫…かな」

唯の急な振りに、戸惑いながら答える澪

純「澪さんがそう言うなら…わかりました、早速部活のみんなに見せてきます」
唯「うん、そうしなよ!」
純「はい!澪さん、ありがとうございました!」
澪「あ、あぁ…また、いつでも練習にきてもいいからな」
純「軽音部の皆さんも、おじゃましました!」

そう言って元気よく部室から出ていく純。そしていつもの5人が残った

唯「ねっ、澪ちゃんこっち来て!」
澪「あ、あぁ…」

澪の手を引っ張り、ソファーに腰掛ける二人

澪「あ、ちょっと待って。ノート出すから…で、どんな歌詞だ?」
唯「えっ?!あ、えーと…ちょっと待ってね。いま思い出すから…」

腕組みし、下を見たまま固まる唯

澪「…唯?」
唯「もうちょっと待って!…今ここまで来てるから!」

と言いながら、自分の喉を指さす唯
そして、唯のだんまりがしばらく続いた

紬「あっそうだった、私これから用事あるんだったわ」
律「あーそうだったー、私も用事があったー…梓もそうだろ?」

わざとらしくそう言い放つ紬と律

梓「えっ?!…私は特に…」
律「あるんだよ!だから私たちは帰るぞ!」
梓「えっ、ちょっ?!律先輩!」
紬「それじゃあね、唯ちゃん澪ちゃん」
律「あとは頼んだぞ―」
梓「まだ練習してないのにー」

律と紬に連れられて部室から出ていく梓。そして唯と澪だけが残された


澪「唯、もういいぞ」
唯「えっ、何のこと?」
澪「とぼけなくていいぞ、歌詞なんて最初から考えてなかったんだろ」
唯「っ?!…」

澪の言葉に唯は顔を上げ、言葉を失う

澪「どうしてこんなことを」
唯「…」

再び下を向き、黙りこむ唯

澪「…怒らないから、なっ」

そう言いながら唯の頭を優しくなでる澪

唯「…寂しかったの…」
澪「えっ?!…今、何て?」
唯「澪ちゃんが、純ちゃんに盗られたみたいで…寂しかったの…」

下を向いたまま、言葉を絞り出す唯
その言葉は、わずかだが震えていた

澪「…ふっ、ふふ…ばかだな、唯は」
唯「ば、ばかじゃ…ないもん…」

唯の言葉に思わず噴き出す澪。それに言い返す唯

澪「そんな、私は誰にも盗られないよ。ただ、ベースを弾く後輩ができて嬉しかったんだよ」
唯「そうなの?」

澪の言葉に安心したのか、顔を上げる唯
唯の眼は、わずかだが赤くなっていた

澪「それなら唯だって、梓を可愛がってるじゃないか。あれだって私は、唯が盗られたみたいな気持になるぞ」
唯「あ、あずにゃんは…可愛いから…それに、私たちの後輩…だから」

澪の反論に強く言い返せない唯

唯「澪ちゃんさえよければ…私、あずにゃんにやってること澪ちゃんにできるよ?」
澪「うえぇっ?!…それは…恥ずかしい…」
唯「ほらー、私だって我慢してるんだよ!」

形勢逆転する二人。今度は澪が下を向く

澪「それに、あずにゃんや他のみんなはlikeだけど、澪ちゃんはloveなんだよ!」

今度は唯が澪の頭をなでる

澪「likeじゃなくlove…か…」

さきほどの唯の言葉をつぶやく澪

唯「うん!みんな好きだけど、澪ちゃんは特別なんだよ!」
澪「そうか、私も同じだ」
唯「へへ…なら両思いだね」
澪「あぁ…そうだな」

向きあう二人
しばしの沈黙が二人の間に流れる

澪「あっ!!さっきのフレーズで、良い歌詞が浮かびそうだぞ!」

急に立ち上がり、沈黙を破ったのは澪だった

唯「わっ?!…びっくりしたー」
澪「なぁ、これから二人で歌詞書かないか?」

唯を机へ誘う澪

唯「うん、分かった…でも…」
澪「んっ、何だ?」
唯「チューして」
澪「んっ!なっ、あっ…」

唯の誘いに赤面する澪

唯「えへへー、チューしたらもっと良い歌詞できると思うな―」
澪「う…確かにそうかも…」
唯「じゃあ決まり!はい、澪ちゃん!」

澪の目の前には、目をつむって待つ唯が

澪「う、うん…分かった、いくぞ唯!」

ゆっくりと唯と唇を重ねる澪
これから、どんな歌詞が生まれるのだろうか…


以上です。長々と失礼しました

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  • いいよな -- (名無しさん) 2010-08-08 01:53:46
  • いいなこの唯 -- (名無しさん) 2011-08-03 22:43:35
  • すごくよかった -- (名無しさん) 2011-12-15 01:29:07
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