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初めての…

694  初めての…  [sage]  2010/03/31(水) 23:49:29 ID:yh86fPoVO [1/3]

「お姉ちゃん」

ある夜、憂が深刻な表情で私の部屋にやってきた。どうしたんだろう?

「なあに憂?」
「あのね、こんなこと言うのは変だってわかってるんだけど…聞いてくれる?」
「うん?」
「もし私がお姉ちゃんとキスしたいって言ったらどう思う?」
「へ!?」

ベッドに寝転がっていた私は思わず飛び起きていた。
と、突然そんなこと聞かれても何て言ったらいいのかわかんないよ…

「…どう思う?」
「え、えっと…」

至近距離で私の顔を覗き込む憂に、思いがけずどぎまぎしてしまう。だっていつもニコニコしてる憂が、こんなに真面目な顔してるんだもん。
それになんていうか…今の憂は大人っぽくて、綺麗だ。
お風呂上がりってこともあるんだろうけど、唇はほんのりピンクで、ほっぺたも赤く火照ってて…とにかく、すごくかわいいんだ。

「お姉ちゃん?」
「わ、私は…嫌じゃ、ないよ」
「…そっか」
「憂…?」
「じゃあ、もう一つ」
「な、なに?」
「私…お姉ちゃんとキスしたい。もしもじゃなくて、本当に」
「え…」
「だめ?」
「だめじゃないけど…でも」
「私ね、お姉ちゃんのこと大好きだよ。だから約束したいの」
「約束…?」



695  初めての…  [sage]  2010/03/31(水) 23:51:15 ID:yh86fPoVO [2/3]

「…約束っていうか、誓いみたいなものかな。お姉ちゃんとキスして、大好きってことを証明したいの」
「そ、そんなに大好き大好き言われると照れるよ…」
「お姉ちゃんだっていつも言ってるじゃない。たまには私だって言いたいんだよ」
「う、うん…」
「だから…いい?」
「…うん」

返事を聞いた憂は微笑みながらギュッと私を抱きしめて、そのまま二人ともベッドに倒れこむ形になった。
薄いパジャマを隔てた憂の体温が熱いくらいに伝わってきて、いよいよ私の胸の鼓動は最高潮に高鳴る。
息が荒くなって、顔が熱くなって…今までに体験したことのない感覚に一瞬怖くなるけど、その恐怖は目の前の憂を見ているうちに消えてしまった。
だって憂も、同じだったから。

「…ドキドキ、するね」
「うん…ちゃんとできるかな。私初めてだし、痛くしちゃうかも」
「きっと大丈夫だよ。…だって」
「?」
「私、お姉ちゃんのこと大好きだから」
「…もう3回目だよ?」
「えへへ…♪」
「私にも言わせてよね。憂、大す――」

言い終わる前に、憂の唇が私の唇をふさいだ。
…まぁいいか。言わなくてもきっと分かるから。

この唇が、気持ちを伝えてくれるから。

END
最終更新:2010年04月02日 00:03
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