51 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2009/12/24(木) 23:56:30 ID:KjNYi7jn
SS書いたので投下
【2年後のクリスマス】
古いアルバムを見る――
そこには二人で笑いあったたくさんの思い出が……
大切な人が私と仲良く笑っていた。
――お姉ちゃん…。
あなたは今元気ですか?
52 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2009/12/24(木) 23:58:20 ID:KjNYi7jn
私は今19歳。姉の唯は家を離れ一人暮らしをしている。
お姉ちゃんは私に家事を教わり大学の近くのアパートで、
今は一人暮らしをしている。
まさかあのお姉ちゃんが一人暮らし!ってみんな驚くだろうけど、
これは本当の話。そして私は家から近くの大学に通ってるので平沢家に
残っている。…まあ両親がいない日が多いから一人暮らしみたいなものだけど。
そして私は、押入れを整理をしていた。
憂「あ、アルバム……」
ふとアルバムを見つける。ほこりだらけで薄く汚れていた。アルバムには
『ゆいとうい』と書かれていた。
憂「懐かしいな~」
私はアルバムきれいにふき取り、ゆっくりとアルバムを開いた。
憂「…………」
ただ黙ってアルバムをめくっていく私――
そこにはたくさんの私の小さい頃の笑顔があった。
赤ちゃん、幼稚園、小学校、中学校、そして高校といろんな思い出がアルバムの
写真とともに蘇ってくる。
53 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2009/12/25(金) 00:00:25 ID:KjNYi7jn
『ういー、いっしょにあそぼっ』
『ういーほわいとくりすますだよ~』
『憂ー運動会のかけっこ一位おめでと~』ギュ~
『私今日から中学生だよ~制服似合う?』
『私、部活始めたよ!軽音部って言うんだ~』
『憂~合格おめでとー』
『明日のライブ憂のために頑張るよっ!』
『憂、私大学でも頑張るから…』
いつも私の笑顔のとなりにはあの人がいた。
――大切な大切なあの人が。
お姉ちゃんと共に過ごしてきた日々、生まれてから約18年間、ずっと、
ずっと一緒にいた。
ともに笑い合った日、ケンカした日、遊んだ日、二人で仲良くご飯を食べた毎日。
アルバムを見ればいつでも思い出すことができる。でも……
――毎日ずっと一緒にいた日々に、あの頃には戻れない。
憂「やっぱりまだ寂しいな…お姉ちゃん」
私はアルバムをそっと抱きしめた。
54 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2009/12/25(金) 00:02:36 ID:KjNYi7jn
カレンダーを見ると12月22日。クリスマスイブまであと2日。
お姉ちゃんからの連絡は最近は一切ない。いつもは電話してきてくれたのに…。
憂「クリスマスどうしよっかな」
『ほわいとくりすますだよ~』
お姉ちゃん…。
♪~♪
いきなり携帯が鳴りだす。ディスプレイを見ると。
「梓ちゃん」と文字が出ていた。私は電話に出る。
憂「もしもしー」
梓「あっ憂ー」
憂「どうしたの?」
まずは用件を聞いた。
梓「24日さ、空いてる?」
憂「うん、空いてるよ」
梓「じゃあさ、24日、夜の0時に桜ケ丘駅前に来て。」
24日の深夜か…でもなんで深夜なんだろう。クリスマスをオールとか?
――悪くないかも!
憂「うん!いいよ」
こうして、私のクリスマスの予定は決まった。
でも、梓ちゃん、詳しいこと言ってなかったけど、なにするんだろう。
55 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2009/12/25(金) 00:04:47 ID:HrN4nIIS
しばらく話して電話を切ると。またシーンと沈黙。
――そうだ!お姉ちゃんに電話しよう!
プルルルルルルルルルル…auお留守番サービスに…
憂「あれ…出ない。」
お姉ちゃんは電話に出なかった。イブにお姉ちゃんを誘いたかったのに…
ずっと今までクリスマスは一緒だったのに。あの日のホワイトクリスマスも。
二人でツリーを作ったのも。クリスマスの夜に二人で寝たことも。
――全部今では思い出になっちゃったんだよね…。
もうあのころ見たく二人でのクリスマスは来ないのかな。
そんな不安がよぎった。
時計を見る。
憂「あ、買い物行かなくちゃ……」
あわてて買い物のに行く支度をする。
ガチャ―――
56 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2009/12/25(金) 00:07:10 ID:KjNYi7jn
外を出るととても寒かった。
憂「うぅ~寒い~」
風がとても冷たく、思わず声に上げてしまう。
民家を見渡すと、所どころの庭にイルミネーションが光っていた。
商店街に着くと並木には全てイルミネーションが着いててカラフルに光っている。
薄暗い夕方の街並みをカラフルに照らす。
そして流れるクリスマスソング。
「ジングルべール、ジングルベール~♪」
憂「すごいきれーい//」
私はこのクリスマスの雰囲気がとっても好き。
綺麗で、ロマンチックで……。そういえば昔――。
『きれいだね~ういー』
『うん』
仲良く二人で手をつなぎながらこの光る商店街を歩いたっけ。
私たち二人この綺麗さに見とれながら…。
――本当にずっと一緒だったんだよね。
でも、今はもう私のとなりにはいない。私の大好きなあの人は。
そう思いながら、寂しくクリスマスの道を一人で通った。
そして買い物をすませて家に帰った。
誰も待ってない我が家へと…。
57 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2009/12/25(金) 00:09:57 ID:HrN4nIIS
そして、24日の日がやってきた。
時刻はすでに夜の11時。そろそろ家を出よう。私は戸締りをして家を出る。
今日は思いっきり梓ちゃんと遊ぼう。19だし、補導もないからね。
外は相変わらずのクリスマスモードだった。空は曇っててとても寒い。
町はとても綺麗に光ってて、夜の11時を回ってもすごいにぎやか。
――お姉ちゃんは今何やってるのかな…。
憂「会いたいな……」
特別な日だからこそ。会いたいな。
昔みたいに、クリスマスをお姉ちゃんと。
そう思いながら梓ちゃんとの集合場所へとたどり着く。時刻は11時57分。
時間より3分早く来たが、梓ちゃんはまだ来てなかった。
駅前にはとても大きな木が目立つように一本立っていた。
そういえばここら辺あまり来たことなかったから、こんな木知らなかったな。
街の駅前の真ん中に立つ大きな木のまわりには人が集まっていた。
♪~~
憂「あっ、梓ちゃんからメールだ」
――――――――――――――――
DATE:12/24 23:59
From:梓ちゃん
Sub:(not title)
大きな木の前のベンチに来て!
――――――――――――――――
憂「ベンチの前?」
58 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2009/12/25(金) 00:12:03 ID:HrN4nIIS
ベンチの前に行く。でもなぜか周りが暗くて、何も見えなかった。
暗いベンチに誰か一人座ってる。あれは梓ちゃんか…な??
ベンチに近づこうとすると――
パッ―――
大きな木がカラフルに光る。木が周りがカラフルな色に照らされる。
それはとっても綺麗で見とれてしまう。
「憂ー」
目の前のベンチには……
憂「お、お姉ちゃん!!」
お姉ちゃんがいた。手を振っている。私の大好きなあの笑顔で――。
唯「メリークリスマース!!」
大きな木の前にいるお姉ちゃんはイルミネーションの光に当たり、
カラフルに輝いていた。綺麗に光るお姉ちゃんの笑顔。
――すごく、すごく綺麗だ。
憂「お姉ちゃん…ど、どうして。梓ちゃんは?」
唯「じつはね、憂にサプライズしたくてね、梓ちゃんに協力してもらったんだ。
憂とこのイルミネーションを二人で見たくてね。25日の0時に」
憂「お、お姉ちゃん」
59 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2009/12/25(金) 00:14:55 ID:HrN4nIIS
なんだ…昔っから何にも変わって無いじゃん。
『じゃ~ん!ほわいとくりすますだよ~』
私は姉ちゃんに抱きつく。目が熱くなってくることがわかる。
唯「わわっ、ごめんね、今まで黙ってて。電話にも出なくて。
でも、今日はずっと一緒だから。」
私の頭をなでながら静かにお姉ちゃんは言う。
憂「寂しかったんだよ…グスッ、今年はお姉ちゃんと一緒にいれないのかって
思って、ずっと一緒にいたのに、もう、会えないのかなって思って…グスッ」
唯「ごめんね。どうしても憂の喜ぶ顔が見たかったから…
やっぱり、うれしくないか…な?」
そんなの決まってるじゃん――。
憂「すっごく嬉しいよ!お姉ちゃん!!」
唯「よかった~」
そう、どんなに距離が離れてても、この人は何も変わらない。
昔も今も私を喜ばそうといつも――。
あの日と変わらない目をして私の喜ぶ顔を見てるんだ。幸せそうに…ね。
憂「綺麗なイルミネーションだね」
唯「うん、でしょー!」
ベンチのとなりに座るお姉ちゃん。二人で見るイルミネーション。
すごーく綺麗で、温かくて。最高だ。
私はすでに笑顔になっていた。
60 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2009/12/25(金) 00:16:54 ID:HrN4nIIS
唯「実はね、憂にこれをあげるために作ったんだー」
憂「何?これ」
唯「開けてみて」
プレゼント?何かな…。とにかく開けてみよう。
私は小包を開ける――。
憂「すご~い///」
それは小さな背負い物の小さな小物入れだった。ピンク色のその布の糸の縫い目を
見ると、少し、曲がってたりしているのが分かる。
――もしかして…。
唯「へへへ~ちょっと大変だったけど、憂のために作ったんだ~ミシンが無いから
手で縫ったからちょっと変だけど…」
少し照れくさそうにお姉ちゃんは言う。すごい。本当に…手で縫ったとは思えないくらい
丁寧に縫ってある。プロでも手縫いでここまで縫うのは難しいと思う。
お姉ちゃんの手を見るとあちこちの指には傷テープが張ってある。
――本当に、昔からお姉ちゃんには敵わないや…へへ。
憂「お姉ちゃん!!ありがとう!これ…すっごくかわいいよ。大事に使うね!」
本当に本当にありがとね!!
唯「うん、えへへ、大事に使ってねー」
お姉ちゃんの満面の笑みがなんとも愛らしかった。
61 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2009/12/25(金) 00:18:42 ID:HrN4nIIS
憂「あれ、お姉ちゃんマフラーは?」
唯「あ、忘れてきちゃったみたい」
もう、お姉ちゃんは。
『あったかあったか~』
唯「憂?」
憂「はい!マフラーはんぶん子だよ!」
あの頃と同じく――
今度は私から。
唯「へへ、あったかあったか~」
唯憂「えへへへ」
すると空からひらひらと――
唯「あっ、雪だ!」
憂「ホワイトクリスマスだね~」
唯「憂、夢がかなったね」
『ことしはほわいとくりすますになりますように~』
憂「うん!」
大きな木の下、カラフルに光るイルミネーションを見ながら、同じマフラーに包まれる私たち。
雪はしんしんと降っていて、光とともに雪が踊って見える。
私もお姉ちゃんもそれに見とれる。きれいな聖夜の夜に。
二人で過ごすこの夜は、私の一生のかけがえのない思い出の一つになった。
この日は一生、一生忘れないだろう。
また素敵な思い出をありがとう!お姉ちゃん――。
fin.
64 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2009/12/25(金) 00:28:29 ID:HrN4nIIS
あとがき!
なんか今回は未来を書いてみた。唯と憂のロマンチックな聖夜
もいいかな~って思って。梓は唯に憂に駅前に来るようにとメールを
してと直々に梓に頼んでいたというシチュエーション。59分のメールも唯のこだわり。
少し、展開に悩んだけど、上手くまとまった感じがする。
後日25日の夜、唯憂は軽音部みんなと楽しく憂の手料理パーティをした。と追記しときます。
こんな長くなってごめん。
では、失礼しました。
最終更新:2009年12月25日 21:05