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  • 第13話「狂戦士の明日」Bパート

真 避難用「機動戦士GUNDAM SEED―Revival―」@ ウィキ

第13話「狂戦士の明日」Bパート

最終更新:2022年03月30日 02:08

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――明日に道を聞かば夕べに死すとも可なり――
人としての道を悟ることができれば、すぐに死んでも悔いはない。<論語(里仁)>





 マーズ機、ヘルベルト機のシグナルロスト――撃墜報告。それは、短波通信を通じて直ちにドーベルマンの機体ゼクゥドゥヴァーにも伝えられた。
 その報を前にして、特段ドーベルマンに動揺は無かった。寧ろ、「来るべきものが来たか……」という表情を浮かべただけだった。
 何処か、ドーベルマンは理解していた節があった。……そもそも、勝てる勝負では無かった事が。ゲルハルト=ライヒがあれ程恐れ、特別視していた『カテゴリーS』。それは最もライヒの側で辣腕を振るっていたドーベルマンには骨身に染みて理解していた事柄だった。
 だが、その度に思っていた事もあった。ドーベルマンとて、歴戦の、生粋の戦士だ。己の腕前のみでのし上がり、周囲に実力を認めさせた人間だ。……だからこそ、『生まれながらに別枠の人間』など許す訳にはいかなかった。
 ――意地。それがドーベルマンの、ライヒから離反してまで示したかったもの。
 その為に周囲を裏切り、旧知のヒルダ、マーズ、ヘルベルトを犠牲にし、罪の無い村を焼き払い……。だが、それでもドーベルマンに“後悔”は無かった。もしもヒルダ達が償いに命を差し出せと言えば、喜んでそうするだろう。今更、己の命や財産に頓着などする気は無いのだから。
 「……俺は、人間だ。人が人に勝てない、そんな道理が有ってはならんのだ……!」
 ドーベルマンは別にブルーコスモス(コーディネイター差別主義者)では無い。そんな人間であれば、ヒルダ達と交流を持つ事すら出来なかっただろう。ドーベルマンはきちんと相手の実力を知る努力を怠らず、そして理解する事に最大限尽力した。彼が司令官として傑出しているのは、正にそんな所なのである。そして、彼が傑出している程――それは許せない事だったのだ。
 とはいえ――
 ドーベルマンに今更“引く”等という言葉は無い。“諦める”という言葉も。
 最後まで、本当に最後まで諦める気は無い――それは、ドーベルマンの誇る生き方だから。
 ――だからこそ、今。
 変形の連続で生み出される急旋回、急機動に振り回され、体がバラバラになりそうな衝撃を受け続けても、敵影がもう一つ増えて、いよいよ敗色が濃厚になったとしても。
 ドーベルマンは進み続ける――死ぬ、その時まで。


 ――エゼキエル二号機、ユーコ=ゲーベル到着。その報は、一言の怒声によって報じられた。
 「……遅いっ!」
 つい先程までエゼキエル一号機とゼクゥドゥヴァーの戦いを横目で見るしか出来なかったシホが、その苛立ちをユーコにぶつける事は八つ当たりでは無いだろう……多分。
 ビーム突撃銃をゼクゥドゥヴァーに投げつけるしか無かったとは云え、唯一の遠距離兵装――頭部バルカン、イーゲルシュテルンはどう考えても射程距離外――の無くなってしまったシグナス、シホ機は実際の所“やる事が無かった”のである。せいぜい出来る事と云えば、たまに軌道のあったエゼキエル一号機の退路を守ってやったりするだけ。スラスターを吹かせてもまずは現在位置の確保に努めなければならない以上、到底モビルアーマーの機動に付いて行けるものでは無い。
 『た、隊長。一生懸命来た部下にソレは無いでしょ!?』
 珍しく(?)ユーコは正論を吐く。……とはいえ、ユーコには致命的に欠落している部分もある。“空気を読まない”所である。
 「良いから、早くビーム突撃銃を頂戴! 早くリュシーの支援に回らないと!」
 アンノウン――ゼクゥドゥヴァーの戦闘能力は大したものだ。リュシーも良く頑張っているが、押されているのは否めない。なればこそ、隊長であるシホは気が気で無かったのである。
 『わ、解りました! ――放りますよ、拾って下さいね! あたしは先に支援に向かいます!』
 言うが早いか、ぽいっとクローアームに装備した二丁のビーム突撃銃のうち一丁をシホ機の方に“放り投げ”、機首を返すとリュシー機の方に向かうエゼキエル二号機。
 「えっ……?」
 彼女なりにシホの命令を忠実に実行してくれたのだろう――そう思える余裕は、シホには無かった。
 「……馬鹿ああぁぁぁっ!!」
 そんなシホの絶叫は、エゼキエルのバックファイアの爆音でかき消される。シホは泣く泣く自由落下するビーム突撃銃を取りに行く羽目になった……。


 さて、そんな漫才(?)をやっていてもシホ達は元ザフトレッド。二機、三機揃えば連携はお手の物である。
 一機をワザと囮にしたり、攻撃の際にどうしても発生する隙を無くす為に連続的に攻勢をかけたり。はたまた、トラップのように余り動けないせいで目立たないシホ機を活用したり。意外と戦術マニュアルの基本通りの、それらの行動は隙の少ない、実戦でも有効な行動。それを熟知しており、決して逸脱しない所にシホ達の強さはある。……早い話が如何にドーベルマンがゼクゥドゥヴァーの機体性能を引き出して戦ったとしても、ドーベルマンに出来るのはやはり既存の戦術マニュアルに則ったものである。奇策縦横で何とかなるのはごく少数の“化け物”だけなのだ。――そうなると、やはり押されてくるのはドーベルマンの方なのである。
 加えて――
 「クッ……歳は取りたくないな……」
 如何に鍛え上げているとはいえ、第一線を退いた――デスクワークの多くなった体。しかも、強引な変形による軌道変更はやはり負担が大きい。ドーベルマンが息を荒げるのも無理からぬ事ではある。
 しかし、負けられぬ――その思いだけがドーベルマンを支える。
 未だ、ヒルダ機のシグナルロストは確認されていない。生き続ける限り、ヒルダは戦う事を辞めはしない――ならば、己が先に倒れるわけにはいかないのだ。
 意地だけがドーベルマンを駆り立てるのなら、今ドーベルマンを支えているのも“意地”のみだった。


 《――ダスト、稼働臨界まで後三分。残存エネルギーを極限まで保持する為、機体モードをセーフ・モードに移行》
 何処からか、そんな声が響く。それと共に視界が少し暗くなる。……照明が落とされたのか、と誰かが考える。だが、そんな事は“俺”には関係が無い。
 モニタなど見なくとも――敵は見える。機体ダメージコントロールステータスなど見なくとも――体の状態は良く解る。“まだ動き、敵は倒せる”と。
 目の前には、一機のモビルスーツがいる。……取るに足らない相手。
 “俺”の姿に怯え、逃げようと考えつつ――下らない“思い”だけで立ち塞がろうとする道端の小石。もはや勝てないと理解しながらも、“引く”事を選択出来ない――生物界の掟を知らない無能な生命体。
 誰かが、にやりと笑う。――口の端を歪めて。
 “俺”はそれを感じ、ほくそ笑む――事は出来ない。“俺”は、戦う以外の用途では創られていないからだ。
 人は“俺”を、“俺達”を創り出す。――人を殺す、ただそれだけの為に。
 良いだろう、殺してやるさ。何人も、何人も、何人も。――体の動く限り、何人でも。
 背後で何かが燃えている。……人の下らないエゴの残りカス。
 哀れだとは思うさ。――お前等は弱かった。それだけの事だ。
 強ければ生き、弱ければ死ぬ――それが、命の価値なんだろう?
 戯言を一々言わなきゃ、そんな事も証明出来ないんだろう?
 ――なら、聞きな。“俺”が貴様等の体に“理解”させてやる!


 奴が、歩んでくる――ゆっくりと。
 もはや、武器は殆ど持っていないはずだ。対鑑刀シュベルトゲベールはマーズとヘルベルトの墓標と化し、増加装甲やシールドは弾け飛んだ。残るはせいぜい頭部バルカン“イーゲルシュテルン”とビームサーベル程度。対して、こちらはギガランチャーこそ取り落としたとしてもその他の武装は未だ万全――負ける要素など無いはずだ。加えて、こちらは核融合炉機体であるのに対してあちらはバッテリー駆動機体……もうそろそろ活動に支障が出てくる頃。直ぐに止まる事は無くとも、動きは少しずつ怪しくなる筈だ――。
 そんな事を必死でヒルダは思い巡らすが――冷や汗は止まりはしない。
 (……恐怖を感じている……? この、“死の第三特務部隊”のヒルダが!?)
 違和感――そんな言葉では言い表せない。静かに、ゆっくりと歩んでくるダスト――それの存在感はどうやっても払拭出来ない。それは幽鬼のようであり、魔物のようであり――いずれにせよ、“人外の何者か”にしか思えない。
 (……これが――これが『カテゴリーS』だというの!?)
 ゲルハルト=ライヒが恐れる――世界を変える力を持つ者。それは何と言う事は無い……言葉にすれば何と言う事はない。『出鱈目な戦闘能力を持つ者』というだけの事だ。そう考えれば全てに納得出来る。誰もがその存在を知れば、ライヒの様になるはずだ――理解不能な強さを持つ者がのうのうと隣人として住んでいるとなれば。そして、その者がちょっとした“気紛れ”を起こしたら、世界が一変してしまうという事実――恐れない訳にはいかないのだ。実際、二度に渡ってそれは行われてしまったのだから。
 捕捉すれば、ヒルダ=ハーケンという個体は決して弱い存在では無い。だが……悲しいかな、ヒルダはコーディネイターであっても超然とはしていない。ヒルダの強さは実際の所、マーズとヘルベルトあってのものだった。その結束力こそがヒルダの強さに直結していた以上、それを打ち破られたヒルダには、数える程しか“強さ”が残っていなかったのだ。
 (マーズ、ヘルベルト……力を。アンタ達の仇を討つ、力を!)
 ――そう、もうそれしか無い。なけなしの燃料でもう一度己を奮い立たせるしか。
 目の前の“化け物”は、そんな様子を見て“ほくそ笑んだ”。……何処かで、そうヒルダは感じた。


 ドム=クルセイダーにビームハチェットを装備させ、スクリーミングニンバスが最大発振で十数秒持つ事を確認すると、ヒルダはようやく落ち着きを取り戻していた。――とはいえ、その“落ち着き”とは“走って逃げ出さなくなった”程度の落ち着きで、未だダストを見る瞳の奥には恐怖の影が見え隠れしている。ヒルダが今、落ち着けたのは身近な武装を手に持つ事で、自分の所在を確認したからと云えるだろう。……夢物語の類としか思えないのだ。眼前で起こっている事が。
 (奴には、もう武装なんか無い……こちらの防御網を越える手段は! ……なのに……)
 悠然と――敵など居ないかのように悠然と――奴は歩んでくる。
 ヒルダは、引けない。少しでも引いてしまったら、今度こそ挫けた心は歯止めを無くしてしまう。まして、背を向けた瞬間に奴は一切の容赦無く襲いかかってくるだろう。おおよそ、奴からは殺意しか感じられない――人の心など感じはしない。
 少しでも隙を見せたら喉笛を咬み千切る――獣の意志。それだけを感じる。
 ヒルダが唯一安心出来る事は、見たところ今のダストの武装ではそう滅多な手段ではドム=クルセイダーの防御網を突破出来ないだろうという事だ。ダストの持つビームサーベル程度では、スクリーミングニンバスを突破は出来ない。まして、ソリドゥス=フルゴールは確実にその刃を止める事が出来るだろう。よしんば突破されても、ビームサーベルの一撃ぐらいドム=クルセイダーの重装甲は受けて立ってくれる。そう考えれば、“肉を切らせて骨を断つ”事が現在最良の戦術と云えるだろう。
 だが、どうしても今のヒルダはその戦術に躊躇してしまう。眼前の敵は、様々な意味で規格外の敵――それが骨の髄まで叩き込まれたからだ。生半可な覚悟で挑んだら、それごと食らい尽くされる――さりとて、己から斬り掛かる事にも不安に駆られてしまう。……戦場での長い生活が、指揮官としての矜恃が、彼女に危険な突撃を躊躇わせていた。或いは、ここで破れかぶれに突撃していれば勝ち目は有ったのかも知れない。しかし結局、ヒルダはそう出来なかった。
 最後まで、ヒルダは窮鼠にはなれなかった。――それは、彼女にとっては名誉に係わる事ではあったろうが。


 《後一分で稼働臨界――58、57――》
 もはや、ビームサーベルも使えない。


 ――それは、またもヒルダの予想を遙かに超えた驚異の光景だった。
 両腕のアーマーシュナイダーを展開させ、右は手で保持。――そんな当たり前の光景から、情景は一変した。左腕を後ろに回し、今度はこちらを指さすように前に一杯に伸ばす――次の瞬間、ダストは己の左腕をアーマーシュナイダーで切り落とした!
 「なっ……!?」
 (……自分の機体の腕を、自ら切り落とすだと!?)
 ――訳が解らない。というより、理解出来る訳が無い。どんなパイロットでも、自分の機体をわざわざ傷付ける様な馬鹿は居ない。分離パーツをミサイルのように使ったパイロットは居たとしても、これは本当に理解不能な事だった。地面にダストの左腕が落ちて、それが紛れもなく現実の光景であるとヒルダに理解させる。


 《40……39……》


 そして、光景に見入った瞬間――ダストが更に動く。今度は前屈みになると、背中のスラスターを全開。フライトユニットだけをドム=クルセイダーに向けて打ち出す!
 「そんなもの、効くか!」
 これは有り得るかもと踏んでいた。ヒルダは慌てずにスクリーミングニンバスを展開させる。


 《30……29……》


 バチィッ!
 攻勢防御壁、スクリーミングニンバスがダストのフライトユニットを弾き飛ばす! ――球のバリアに弾かれながらもスラスターの勢いでドムの後方にすっ飛んでいくフライトユニット。
 そして、視界を確保する為にスクリーミングニンバスを解除して――それは、癖。スクリーミングニンバスを長時間使いこなす為の、歴戦であるが故の――その時、ヒルダはダストの狙いを悟った。またしても、相手が悟ったとしても――対応など出来はしない“狙い”を。


 《19……18……》


 ダストから射出されたフライトユニット。それには実はあるものが括り付けられていた。アーマーシュナイダーを展開させたままのダストの左腕が。あろう事か、スレイヤーウィップをフライトユニットに撃ち込んで左腕を一緒に打ち出してきていたのだ。
 ――そして、ほんの一瞬遅れて左腕は目標に到達する。スクリーミングニンバスをつい解除してしまったヒルダ機に目掛けて!


 「――――ッ!!」
 悲鳴を上げる間も無い。機体をほんの少しでも動かすのが精一杯だった。左腕とアーマーシュナイダーはドム=クルセイダーの左腕部の脇の下辺りに突き刺さり、更にフライトユニットの勢いがスレイヤーウィップを通じてドム=クルセイダーの左腕をねじ上げる。軽いとはいえ、ダストの重量を余すことなく支えきるフライトユニットとスレイヤーウィップ――たとえドム=クルセイダーのシールドが重かったとしても左腕一本ならねじ上げられる。

 《9……》

 <――ご自慢の防御も、これで使えんな>
 声が、ヒルダに聞こえる。通信では無い、シンの声でも無い――獣の声が。
 ダストが踏み込んできていた。後一歩でドム=クルセイダーの――コクピットを狙える位置まで!

 《8……》

 「――ヒイイィィィッ!」
 絶叫――己の命が絶対の危機に晒された生物の本能的な衝動。その中で、ヒルダはしかしほんの少しでも考える事が出来た。それは、マーズとヘルベルトの存在のお陰であったろう。
 (……死ぬ。だとしても、だとしても――!)
 お前だけは。――お前だけは!
 ヒルダはもはや、防御など考えていなかった。それは、もう無理だと悟ったから。代わりに、全てを賭けて右腕のビームハチェットをダストのコクピットに向けて突き出す。斧形状の白兵戦兵器だが、突き刺しが出来ない訳では無いのだ。

 《7……》

 <せめて相打ち、か。――最後に気概だけは見せるつもりか>
 声は、抑揚の無いものだった。そして、それは己に危害が加えられると知った生命体のそれでも無かった。……どうでも良い、そういう風だった。

 《6……》
 (何をしている、シン! 防御を……!)
 AIの心の声――そんなものが聞こえる訳が無いのに。

 《5……》
 どうでも良いさ。……そんなもの、どうでも。
 生きて、何になる? 何一つ、良くなった事など無かったのに。

 《4……》
 <だから、お前は“俺”になれた。――そして、それで満足ならば“俺”はそれまでという事さ。人殺しとして生まれた“俺”は、そういうものだからな。お前の生き死になんざ、“俺”の知った事じゃない>

 《3……》
 アーマーシュナイダーが、ビームハチェットが――互いにコクピットに狙い定めて突き進む。モビルスーツの足が止まり、腰がそれらを打ち出していく。

 《2……》
 逃げたかった。……何時だって、俺は逃げたかった。
 何故俺は、報われない? 俺は、誰よりも懸命に守ろうとしたのに!
 願い、焦がれ、強くあろうとして――全てが無駄だったと思い知らされても!
 ……何故、俺は……。
 ミネルバのみんな。ルナ、レイ、マユ……ステラ。俺の命に価値があったと言うのなら――
何故なんだ!?
 …………
 そして、俺は今でも――人殺しだ。相も変わらず、誰も守れない人殺しだ。
 ターニャは、俺が殺したようなものだ。俺はあの時、解っていた――ソラを守る事が、ターニャを殺す事になると。
 だから――俺はもう……。

 《1……》
 アーマーシュナイダーが、ビームハチェットが。
 お互いのコクピットに吸い込まれていく。

 《……ゼロ》
 ――その時、光が見えた。
 ビームハチェットが、コクピットの装甲版を貫く光だと思えた。
 だが、その黄金色の光は――何時か見た、あの日の光――
 『ステラは、貴方に“明日”を貰った。だから……』

 シンは、急速に自我を取り戻す。
 右手の操縦桿を力任せに引いて、機体を反転させる。
 腰を思い切り捻り込み、ビームハチェットに平行になるように。
 ――ビームハチェットは、ほんの一瞬前にシンが居た空間を切り裂いていった。

 ヒルダのコクピットには、光は生まれなかった。
 アーマーシュナイダーはコクピットに侵入した瞬間、ヒルダの体に食らいついた。ヒルダに痛みは無かっただろう。それは、ダストの示した唯一の優しさかもしれなかった。
……それが、“死の第三特務部隊”の終演の瞬間だった。


 ――ヒルダ機のシグナルロスト。それを確認した時、ドーベルマンは今度こそ溜息を付いた。
 「……結局、アンタの言った通りになったな。ライヒ長官……」
 背後からは、三機の敵が迫ってきている。気を抜けば、避けられない攻撃が来る事もドーベルマンには解っていた。
――けれど、もう無理だった。
(所詮、人の身で……無理だったって事か……)
 可能性が少しでも有るのなら。そして、己の力が信じるに足るもので有れば――立ち向かうのは、性と云って良いだろう。
 体は、勝手に動いていた。体に染み込んだ技術が、今のドーベルマンを生かしていた。しかし――ユーコ機のビーム突撃銃が有り得ない方向から撃ち込まれた時、ゼクゥドゥヴァーは致命的な被弾を被った。
 エゼキエルは、クローアームを操作する事により、背後方向にでも射撃が出来る――それは、今のドーベルマンにとっては奇襲だった。
 それでもドーベルマンは最後まで機体を支えるべく尽力したが――続くリュシー機、シホ機の追撃を避ける術は無かった。
 ゼクゥドゥヴァーは炎上しながら、コーカサスの大地に墜ちていった。ドーベルマンは最後まで、自嘲気味に笑っていた……。


 「――キラ、貴方は『この世界の何処かに、もう一人貴方が居る』と思いますか?」
 ラクスは帰ってきて、暫く時間が経過した後にこんな事を言ってきた。
 「……そんなの、居る訳が無いよ」
 呆れたように、キラ。ラクスは続ける。
 「では、私が『この世界の何処かに、もう一人居る』と思いますか?」
 ……こういう時のラクスは、真っ直ぐにこちらを見据えて来る。その強い眼光に、キラは何時も目を剃らさずに居られない。
 「居る訳無いじゃない。……どうして?」
 ラクスは、くすっと笑って言う。
 「私達は――いいえ、世界に居る誰もが――世界中に一人しか居ないのです。だからこそ、人は己を磨き、己を知ろうとし、そして――己を忌み嫌います。」
 キラは、どきりとした。ラクスはそれを知ってか知らずか続ける。
 「それ故に、私達は――歩き続けるのですわ。“貴方に出来る事”は“貴方にしか出来ない事”なのだから……」


 『……随分、激しい戦闘だったようですわね』
 シホ機を回収し、ようやくダストとドム=クルセイダーの決戦の地へ辿り着いたシホ達は、その光景に唖然としながらも、ダストの――ドム=クルセイダー達よりは――無事な様子に安堵した。
 「動けないようだけど、パイロットも無事なようね。……シン=アスカだっけ?」
 『隊長、知ってるの?』
 『私達の後輩ですわ。――確か、オリエンテーション位はご一緒した記憶が有りますわね』
 『ふーん……覚えてない』
 「随分、経ってるもの。あちらだって覚えているかどうか解らないわ」
 とはいえ、シホはシンの事を良く覚えていた。――インパクトのある少年だったからだ。燃えるような紅い瞳を持つ、何時かその身を己の業火で焼き尽くしてしまうのではないか――そういう雰囲気を持つ少年。
 奇妙な縁を感じつつ、コクピット席から出てきたシンの姿を確認すると、シホは全機に降下を命じた。


 世界が朱に染まっていく。夕日が、世界を席巻していく。
 紅く染まる大地を眺めながら、シンは何処か遠くを見ていた。
 「……俺に、“明日”なんか有るのか? 有る訳無いだろ、ステラ……」
 シンはただ、虚空を見つめる。――もう、涙を流す術すら忘れてしまったから。
 ダストの瞳も又、虚空を見ている様だった。……そう、シンには思えてならなかった。
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