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  • 第21話「進路、懐かしき我が古巣へ」アバン

真 避難用「機動戦士GUNDAM SEED―Revival―」@ ウィキ

第21話「進路、懐かしき我が古巣へ」アバン

最終更新:2022年03月30日 02:21

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 ……瞳を閉じている間は、人は安息を覚える事が出来る。それは、人間という種が持つ本能的なものであり、多少人間が進化したとしてもそれは変わることのないものだ。
 瞑目――それは、イザーク=ジュールにしても心の落ち着く作業である。
 瞳を開けば、煩わしい世界がある。煩わしい仕事がある。……そして、忘れられない思い出がある。
 一つ歳を取るごとに、イザークは思う。次から次へとのし掛かってくる思い出に押しつぶされた時――それを寿命というのだろうな、と。
 とはいえ、そんな心休まる安息の最中であっても“音”だけはイザークに届く。心休まる戦友達の声だけでなく、煩わしい世界への牽引者達の音もだ。
 『ペイロードハッチ解放カウントダウン。さ3、2、1……ハッチオープン。各機体は射出位置に移動して下さい』
 オペレーターのアナウンスを煩わしげに聞きながら、イザークはうっすらと目を開ける。既にパイロットスーツに身を包んだ自分の体が、そして新たな愛機となったストライクブレード“タイプ・プリンシベ”のコクピットが目に飛び込んでくる。
 パイロットの本能で、イザークはコンソールに映る機体ステータスを確認する――オールグリーン。機体各部に、全く問題無し。そしてそのままコンソールに目を通していくと、イザークの目が、コンソールに表示されているあるメッセージを見据えて動かなくなった。
 “外部撮影カメラ、感度良好。順調に撮影されています”
 それが意味する所は何か。既にイザークは何度も聞かされているし、その事自体に反対もした。……しかし結局、頷かざるを得なかったのだ。
 (戦場をただ好奇で、しかも娯楽として楽しむだと? 悪趣味な……!)
 このストライクブレード“タイプ・プリンシベ”は、今回のコーカサス州への派遣が実戦初陣となる。それのデータ収拾と言えばまだ納得も出来るが、コマーシャルも兼ねると聞けばイザークとて義憤に駆られるのも無理からぬ事だ。戦闘とは、お互いの命を賭けてお互いの思念や、理想を追求する場である筈だ――そう信じているイザークにとって、マスメディアの道具にされるということは己のプライドに係わる問題でもあったのだ。……とはいえ、結局断れなかったのが“士官”としてのイザーク=ジュールであった。
 今回のコーカサス侵攻は最初に話が来た時からどうにも気乗りがしなかった。そして、今に至っても全く気乗りがしないのだが――いざ、ここまで来てしまっては仕方が無い。
 モニタに表示されるガイドラインに則って、イザークは自機を射出位置に進ませる。眼下には、コーカサスの広大な雪景色。今は晴れているからまだ良いが、これで吹雪いたら……とは現場に到着した人間達の誰もが考えることであった。
 ともあれ、イザークは自機の両脚を射出カタパルトに乗せる。その瞬間、全ての雑念が消え、イザークの理想とする“一人の戦士”が現出する。
 「イザーク=ジュール。ストライクブレード、出るぞ!」
 カタパルトのガイドランプが全てグリーンに点灯された瞬間、ストライクブレードは凄まじい速度でコーカサスの空に躍り出た。
 蒼穹の青空の下、イザークはストライクブレードのスラスターを使って舞い上がった。それは、イザークをして心地良い事であった。


 イザークが割と孤高を保ってしまうので、部隊の指揮やら面倒やらは副官であるディアッカ=エルスマンが担当することになる。ディアッカは取り敢えず今回出撃する他のストライクブレード達を先にカタパルト射出させ、最後に自身が出撃することにした。イザークはメンタル面で目を離せないが、部下達は普通に飛び立たせるだけでも目を離せないのである。
 『ロシェ=スタンリー。ストライクブレード、行きますっ!』
 『アルティーナ=ライラック。発進しまぁす!』
 『ゲイツ=メックスミス。行きますよっ!』
 ディアッカにしてみれば掛け声なんかどうでも良いから普通に飛んでくれ、というのが切なる願いである。カタパルト射出は殆どコンピュータ制御なので何かが起こる事は殆ど無いのだが、希にカタパルト射出のGで気絶してコントロールアウトする者も居るので、ディアッカは常日頃から部下達の体調管理に気を配っていた。……まあ元来、そうした事が苦にならないタイプの人間なので、それが辛いとは思わないで済むのがディアッカの良い所である。
 「おら、お前等! 先行している隊長殿にちゃんと付いて行けよ! もしも迷子になったら、恥ずかしがらずにちゃーんと手を挙げろ。そうしたらこの美形かつ良い男の俺様が迎えにいってやるからな。……ディアッカ=エルスマン出るぜ!」
 ディアッカの軽薄な口調はいつもの事なので、誰もが適当に相づちを打つだけだ。まだしも付き合いが長いロシェなどは「今回の撮影、音声無しで良かった……」とそっと呟く。最新鋭機に搭乗しているエリート部隊の自分達が、子供の遠足のノリで報道されてはさすがに恥ずかしいものがあるのだ。
 ともあれ、CE79.3月12日、統一地球圏連合は公式にコーカサス地域を紛争地域として指定。統一軍を平和維持目的の為に進撃させた。総兵力約3万人、戦車120両、歩兵戦闘車700台、歩兵装甲車130台、モビルスーツ194機――かつての二大大戦には劣るものの、コーカサスに進撃する規模としては史上空前と言わざるを得ない大兵力である。
 様々な思惑を乗せて、モビルスーツ達は蒼穹の空を切り裂いていく。それらはあっという間に空を埋め尽くすかの様に大勢となり、コーカサスの各地に分散していく。まるで無人の野を行くかの様に、彼等は進撃していった。


 ――今はいたずらに戦力を消耗することなく地に隠れ、蜂起の時を待て。
そうしたメッセージが、ローゼンクロイツの指導者とされるミハイル=ベッテンコーファーからコーカサス各地のレジスタンスに届けられた。ただでさえコーカサス最大手のレジスタンス組織であり、また今回の事態に日和見しか出来ていない他の弱小組織は一も二もなくそのメッセージに従い、コーカサス各所に戦力を隠した。しかして、ごく少数ではあるがそうしたメッセージに従わない連中もいた。
 「我らは死を恐れぬ。我らは敗北を恐れぬ!」
 「統一軍に死を! 奴等の暴虐に、我らは立ち向かうのみ!」
 こうした集団は片手で数える程の数しか存在せず、また所有モビルスーツにしても片手で数える事すら必要ない有様だった。……意地だけは誰しもが評価したろうが、それだけで戦争に勝てることが無いのは、歴史を紐解くまでも無いことである。
 二人のお年寄り夫婦、マドック=クロエとその妻エリザは既に二人とも還暦を超えていたが、立派なレジスタンス組織であった。……まあレジスタンス組織は大なり小なり、『自称』なのだが。
 彼等はコーカサスでも更に過疎の寒村“メルダ”出身のレジスタンスで、主な任務は“モビルスーツを使った土木作業”である。レジスタンスと言うより、限りなく青年団に近い成り立ちから構成された集団と言えるだろう。彼等所有のモビルスーツは“ザウートスペシャル”と呼ばれ、第一次氾地球圏戦争の際に墜落してきたザウート(スラスター異常で初期降下に失敗した)を回収して使っているもので、戦車形態から変形出来ないという素晴らしい特性を持つモビルスーツ(?)である。その特性上、土木作業や耕地作成などに大活躍のザウートスペシャルだが、今回が初陣とあってマドックは誠心誠意機体を整備し、磨き上げていた。
 「爺さんや、弾薬ここに置いとくよ!」
 「おー、ありがとう婆さん!」
 彼等は仲睦まじい夫婦であり、良きパートナーであった。問題は、二人とも現実的に状況に対処出来ていなかったという点である。
 来る3月12日、マドックとエリザは徹夜で整備したザウートスペシャルを駆り、寒村に襲い掛かってくる統一軍を待ち受ける事にした。寒村の住人は「老い先短い年寄りだし、もう好きにさせよう」と開き直っていた……。


 ディアッカは苦労していた。イザークというプライドの高い友人の扱いは熟知していたし、今だ頼りないロシェその他の部下達の性格も把握していた。……しかし、それらを同時に相手するには、彼一人では明らかに足らなかった。
 『……全く、言った通りだ。現状で我々が出撃する必要性など、1ミリたりとも無い! 事前に入手されているテログループの規模を考えれば、ゲリラ戦に出るのはほぼ必定! 侵攻初日だからと言って、稼働機体(待機機体を除く)全てで出撃せよとは論外の話だ!』
 イザークの愚痴を聞きながら、つくづくカメラに撮られているのが映像だけで良かったな、とディアッカは思う。
 「まあそう怒るなって。どうせ新型機(ストライクブレードの事)のコマーシャル目的で出撃してるんだ。カリカリしたって仕方が無いだろう?」
 『それだから俺は納得出来んのだ!』
 そうやってイザークの愚痴に通信で付き合って、更に部下達の動向にも気を配る。ちゃんと付いてきているのか、また緊張に寄るパニックを起こしていないかどうか。その為、十分に一度はディアッカは全機に軽口を叩いては、皆から突っ込まれ続けていた。……ディアッカ自身の性格もあってか、それらは全く“彼らしい”行動であったが、ディアッカはディアッカなりに部隊の運営をやっていたのである。
 宇宙軍の例に漏れず、現在の統一地球圏連合所属の軍人は半数以上が新兵である。しかも、若年層ばかり――軍規や志気が乱れまくるのも仕方の無いことだろう。
 ここまでの行軍中も喧嘩の仲裁、女性を巡るトラブル、はたまた男性を巡るトラブルをも仲裁してきたディアッカは、我ながら達観したなと思う。ここまで来ると上司が馬鹿な命令を言ってきても適当に受け流す自信がある程だ。
 それが出来るから、それが解るから――ディアッカは己に課せられた使命の難解さに顔をしかめる。軍部から、はたまた現実から上司も同僚も部下も友人も守らなくてはならない。それは確かに難題だが、同時にやりがいのある事でもあった。今回の出兵がどう考えても利権絡みであることを考えれば、更に。
 (さて、どうすっかな……)
 軍部からイザーク達が言い渡されたのは“コマーシャルによる出撃”であったが、ただ出撃しただけでは帰ってからイザークがまた二言三言言われてしまうだろう。そうなれば、オーブを出航してからずうっと続いている泥沼の応酬がまたも始まってしまう。アレのせいでイザーク隊は重要な任務の割り当てが来なくなっているのだ。まあディアッカの見たところ、それだけでも無さそうだが……。
 (今だに燻るブルコス主義に、派閥争い。そんな所か。面倒なこった……)
 恐らくはそんな所だろう。イザークはこれでも元プラントの大物であり、現政権でもそれなりの発言権を持つエザリア=ジュールの一人息子である。「この上手柄を立てられては堪らん」と考える人間は一人や二人では無いだろう。富は有限であり、受け取れる者は有限であっても無限に程近いのだから。
 (とにかく、言い訳程度の手柄は立てなきゃならん。差し当たって、この辺りにするか)
 既にレーダーに表示されるコーカサス全図には、占拠済みのマークがあちこちに表示されていた。それはそうだろう、これだけの大軍だ。負ける方がおかしいのである。とはいえ、ディアッカの脳裏には“泥沼のゲリラ戦”という嫌なフレーズが流れていたが。
 ディアッカは当面の進撃先をイザークに具申、イザークも(どうでも良いらしく)了承した。そんな訳で、統一地球圏連合が誇るストライクブレード公式初戦はコーカサス僻地の寒村“メルダ”にて行われることになったのである。


 「……じいさんや、敵機が来るぞ!」
 オンボロのレーダーより早く、エリザが反応した。長い付き合いだからマドックはエリザがどうやって敵機を捕捉したのか解る。――山間を飛行機が飛ぶ際、風の音が変わる。長年この地に生きているからこその索敵方法である。それは旧式とはいえ遠距離砲撃機体であるザウートのレーダーレンジを上回る索敵方法だった。
 「よっしゃ、攻撃開始じゃ!」
 既にメルダ村からはそれなりに離れている。マドックもエリザも、長年過ごしたメルダ村に迷惑を掛けたくは無かったのだ。逆に言えば、この二人に限って言えば“もう失うものが無い状態”なのである。
 ギリギリと音を立てて、ザウートスペシャルの砲門が動く。……明らかに老朽化している。が、それが逆にマドックには有利に働くのである。
 「ふん、もう手足の様に乗り慣れた機体じゃ。……この辺かっ!」
 軋む音を聞いて、射軸の微調整をするマドック。とても近代戦では考えられないが、その昔の人間はこの様にして調整していたケースもある。あながち、馬鹿にしたものではない。
 そしてマドックとエリザには、相手が統一地球圏連合のエースパイロットでも決して負けないものがある。“この地域の地形知識”がそれだ。
 「あっちの方から飛んでくる……ちゅー事は、今あの辺かの?」
 「よっしゃ。老い先短い命、婆さんに預けたわい!」
 レーダーも使わない遠距離砲撃――そんなものが当たる訳が無い。それは、誰しもが思うことである。


 前置きもへったくれも無く、いきなりの砲撃に対処出来たのは、紛れも無くイザークとディアッカがエースパイロットだったからであろう。
 「何ィッ!?」
 放物線――弾道曲線を描いて、真っ直ぐにこちらに進んでくるモノを、ようやくの所で二人は“砲撃”だと理解した。慌ててイザークは「全機、散開!」と檄を飛ばす。
 ……丁度、彼等が密集していた辺りにザウートの装備するキャノン砲の砲弾が突き刺さった。
 『キャアッ!』
 『ど、何処から!?』
 『俺のレーダーレンジには何も映ってないですよ!?』
 アルティーナ、ロシェ、ゲイツの3人は慌てふためく。いきなりマニュアル外の攻撃が来たのだ。これが実戦、と言えばそうなのだが……正直、この攻撃はイザークとディアッカにとっても意外な攻撃だった。とはいえ、イザークとディアッカは直ぐさま状況に反応しだした。この辺は実戦経験の差だろう。
 『イザーク! 俺の方でも相手は捉えていない!』
 それだけディアッカは言う。それでイザークも判断した。
 (遠距離機体のレーダーレンジ外からの砲撃。理屈では可能だ。そして、相手は既にこちらを補足している!)
 手段は解らない。だが、可能だからこその今の砲撃なのだ。そこまで判断したイザークは、矢継ぎ早に指示を出す。
 「全機、後退しつつ射撃防御。ディアッカは留まれ。俺が行く!」
 『気を付けろよ!』
 弾道射撃であったから、敵がどちらの方向から撃ってきたのかは大まかに解る。何をどうするよりも、相手を視界に入れなければ戦いにもならない。
 イザークは一気にスラスターのパワーを上げると、大空に飛び上がった。上から見た方が敵機を見つけやすいし、何よりこれ以上部下達を危険に晒せなかった。
 イザークから見ても、部下達は如何にも頼りなかったからだ。


 「爺さん、あそこじゃ!」
 「儂にも見える。見慣れた風景が違えば、直ぐに解るわい!」
 ニュートロンジャマーの影響により、レーダーレンジとは旧世紀に比べて短いものだ。有視界戦闘を余儀なくされる距離、と言えば多少は予測が付くだろう。だが、だからといってそれが通常の視力に負けることは考えられないのだが……。
 「そこじゃあっ!」
 彼等にしてみても、殆ど勘だけである。しかし、何故か彼等には確証が有った。そして、何故か現実にそれは当たりだった。
 イザークのストライクブレードは、またもピンポイントで襲ってきた砲撃をスレスレの所で避ける。イザーク機は近距離特化型なのでレーダーも近距離強化用のもの。勿論、性能が悪い訳では無い筈なのだが。
 「クッ……!」
 イザークにしてみても、この様な経験はそうは無い。長い戦場経験で鬼神の様に強いパイロットに散々蹴りまくられた経験はあるが、これまたイザークにとっても未経験な事であった。
 とはいえ、対砲撃戦の基礎を蔑ろにする気は、イザークには無い。機体のスラスターをフルに使って、ジグザグに移動しながら攻撃射線に向かって機体を移動させる。
 「……アレか!」
 居た。米粒程の大きさしか見えないが、雪景色の中に不審なモノが居る。木よりも大きいので、イザークにも目視が出来たのだ。
 「これ以上、好きにはさせん!」
 ストライクブレード・プリンシベが幾ら近距離機体とはいえ、ビームライフル程度は装備している。それを構え、牽制射を撃ちつつイザークは機体を突貫させていく。
 しかし、それは全くびくともしなかった。暫しの間を於いてイザークは訝しむが――次の瞬間、またもイザーク機目掛けて砲弾が飛んできた。
 「どういう度胸をしているんだ、奴は!」
 牽制射は確かに当たらなかった。だからといって回避行動も取らず、寧ろ一歩も動かない胆力がイザークには想像出来ない。飛んできた砲弾を辛くも避け、イザークはしかし気押されぬ様に雄叫びと共に突っ込んで行く。
 そこまで近づけば、相手が何者なのか解った。――旧式のモビルスーツ、ザウートだ。
 「そんな機体で、良くも手こずらせてくれた!」
 その機体は、その時ようやく動きを見せていた。腕に装備された二連装機関砲をストライクブレードに向けて――。
 ボンッ。
 そんな軽い音と共にザウートの両手が吹き飛んだ。……イザークは何もしていない。
 (……故障か?)
 ほんの少し考えて、イザーク。コクピットハッチからも黒煙が出ていたから、深刻なマシントラブルが有ったのかも知れない。コクピットから誰か這い出てくるのを見てイザークは数瞬迷ったが、とにかく現実の脅威を取り除くことだけを考えた。
 プリンシベが対鑑刀を振るうと、ザウート両肩の砲塔は残らず切断された。それを確認して、イザークはコクピットハッチから這い出てきたパイロットの方に向かっていった。


 「……老人? 老夫婦だと?」
 コクピットに映る映像――その前で気絶したマドックと、懸命に肩に担いで逃げようとしているエリザ。それは、イザークにしてみれば意外すぎる光景だった。
 (ちょっと待て。……すると何か? 最新鋭機であるストライクブレードと俺を困らせたのは、旧式も旧式のザウートと老人二人だって言うのか?)
 ……そう考えて、その思考が間違い無いだろうと結論付けると、急速にイザークは頭が痛くなった。イザークにしてみればかつての軍神と闘ったときのように「馬鹿なっ!?」と叫びたい衝動に駆られる様な結論である。
 先程ザウートが動かなかったのも簡単な事だ。――機体温度が上昇しすぎている。換気系がちゃんとメンテナンスされていなかったから、各部機構が上手く稼働しなかったのだ。……ますます、イザークは頭を抱えたくなる。
 とはいえ、そうしている訳にもいかない。まずはやることをしっかりやらなくては。
 「そこの老人、止まれ。我々は統一地球圏連合だ。無為な市民を害する様な真似はしない」
 言いながら、この老人二人に関しては“無為”じゃ無いなとは思いつつもイザーク。
どのみち老人の、しかも一人怪我人を背負っての逃避行である。……そうそう遠くへ行ける訳がない。ストライクブレードを数歩前進させるだけで、彼等に追いついた。
 「待て、逃げるな。少し話を聞きたいだけだ」
 出来るだけ穏便に――イザークにしては社交的に話しかける。
 しかし、そんなイザークに――正確にはストライクブレード・プリンシベにエリザは息も荒く怒鳴りつける。
 「話じゃと? お主等、儂等の話も聞かずに人の家に乗り込んできて『話を聞きたい』じゃと? ふざけたことを抜かすで無いわ!」
 それは、エリザの意見だ。だが、恐らくはこの地方に住む人々の共通の意見なのかも知れない。……そして、納得出来る意見でもあるのだ。
 (ここでも俺は、要らぬ人間か……)
 それは、イザークの“拗ね”だろう。だが、痛い所でもあった。
 イザークはストライクブレードを反転させると、もう一度ビームライフルでザウートを攻撃し、完全に破壊した。そしてそのまま老人達を見ることなく、大空へ飛び上がっていった。
 何となく、老人達を見るのが居たたまれなかった。


 「ストライクブレード4機で出撃、ザウート一機撃墜……見事な戦歴です、イザーク隊長殿」
 ダニエル=ハスキル少将のその言い回しは、非常に嫌みったらしいものだった。実際嫌味だったろうし、嫌味でなくてもその内容は読み上げられると当事者にとって恥ずかしい内容のモノだった。
 とはいえ、珍しくイザークは平静な顔で「ありがとうございます」とだけ答えた。
 拍子抜けしたハスキルは何事かもごもごと言ったが、そのままイザークは身を翻して総旗艦クロムフレアのCICを辞去した。その後ろでイエール=R=マルセイユ中将らお偉方がにやにやと笑っているのが見て取れたのだが、それも特に気にならなかった。
 そんな事よりも、引っ掛かる思いがある。まるで喉に小骨が引っ掛かった様に、脳裏を過ぎる思いがある。それが何なのか解らないから、イザークは上官の相手をしている余裕が無かった。
 さっさとクロムフレアの士官室で待っているディアッカと合流すると、母艦ジークフリートへ帰還して、そこでようやくイザークは大きな溜息を付いた。
 「どうしたんだよ。なんかおかしいぞ、お前」
 二人きりの時は、ディアッカは“俺、お前”の口調になる。それはイザークにしても嬉しいことだ。
 イザークはしばし迷っていた様だが、意を決して口を開く。
 「……なんて言えば良いのかわからん。ただ、俺達は愚か者なのだと思えるのだ」
 「…………ふむ」
 ディアッカは腕組みをして、イザークを促す。イザークは続けた。
 「結局は、今回の出兵はどんなに美辞麗句を積もうとも、只の“侵略戦争”だ。それが今日になって解った訳じゃ無いんだが……」
 「ふーん……」
 ディアッカは、ニヤリとほくそ笑む。
 「何だ、ディアッカ。言いたいことがあるなら言えよ」
 イザークは、ちょっとムッとしたらしく少し語気が強くなる。そんなイザークの視線を流しながら、ディアッカは髪をぼりぼりと掻きつつ言った。
 「大した事じゃないさ。“言う”と“やる”の違いってな、何時だって驚きに満ちてるモンよ」
 ディアッカは、したり顔で言った。イザークには面白くもない顔だった。
 取り敢えずイザークは“上官権限”でディアッカの頭を引っぱたくと、彼等の部下の元へ向かった。今日の一件は、部下達にも驚異だったろうから、手綱を握る必要があると二人は自然に思えたのだ。


 「遂に開戦、か……」
 ジェス=リブルはホテルに備え付けてあるテレビを見ながら、ぽつりと呟く。それはルームサービスで遅れて夕食を取っていたソラに聞かせる類のものだった。
 「…………」
 ソラの食事する手が止まる。ようやくほんの少しだけ沸いた食欲――それがあっという間に霧散していく。しかしソラは、それが我が身の罰である様にしか思えなかった。
 (何も出来ないんだ。何も出来ないんだよ、私……)
 涙が溢れる。押し殺した嗚咽――ジェスはそれも聞こえているはずだ。しかしジェスは助け船も、言葉も何もソラに掛けなかった。
 (どうしたらいいの、どうしたら……)
 そんな思いだけがぐるぐると回る。自分の拙い経験では解決策など見つからない――そう、諦めたくなる。けれど、ソラの心の何処かがそれをさせないで居た。
 今、まだソラはオーブに帰っていない。ジェスが「帰ろう」と言い出さないからだ。それどころかジェスは「仕事があるから俺は暫く滞在する。君は好きにすると良い」と来た。それからというもの、ジェスは「何時に何処へ行く」とか予定をソラに言っては、着いてくるのも残るのもソラ任せにした。……この間までの保護者ぶりが嘘の様に。
 (どうして? ジェスさん。ハチさんも何も喋ってくれなくなったし……)
 ソラは、孤独だった。
 今だ異国の地で、頼る術も頼る人も見いだせずに。
 ――けれど、ソラは逃げられなかった。訳も解らなかったが、逃げたくなかった。
 それだけが、今のソラを支えていた。
 窓の外に広がる青空の向こうに、オーブも、コーカサスも有る。それは、ソラにとって一時も忘れられない事だった。
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