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  • 真 避難用「機動戦士GUNDAM SEED―Revival―」@ ウィキ
  • 第21話「進路、懐かしき我が古巣へ」Cパート

真 避難用「機動戦士GUNDAM SEED―Revival―」@ ウィキ

第21話「進路、懐かしき我が古巣へ」Cパート

最終更新:2022年03月30日 02:22

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 ――『ただ生きる』事と『自殺』は違う様で、ある一面において全く同じだと思う。
 どちらも現状に達観しており、そして『次(来世)には希望がある』と思っている……。
 僕はどうしても、その事だけは世界に知らしめたいんだ。
                      ――ロマ=ギリアム


 蒼天にかかる虹は幻想的で、人の夢想をかき立てる。
それが何故出来るのか、人は古代より考えたに違いない。今の人類とて、それは大差無いだろう。未だに虹のメカニズムについては不鮮明な部分があるのだから。
 かつて、シンも虹に心を奪われた事のある人間だ。あの時はマユという最愛の妹と、そして頼れる存在だった父母と共に。ただ、美しくて……そればかりが思い出にある。
その時の思い出に、何故かシンは浸っていた。何故か?
……今また、忘れられない“虹”が彼の前に現れ出でたからだ。
 《避けろ!》
 AIレイの警告を聞くまでもない――シンは横っ飛びにダストを跳躍させる。超高出力のビームが空間すら歪めて、ダストの居た空間を根こそぎ破壊していく。大地には大きな穴が穿たれ、未だビームの残滓が辺りに四散していく。モビルスーツの脆弱な装甲など一溜まりもない、正に対要塞用の大型ビーム砲の破壊力だった。
 「…………っ!」
 今更ながら、シンの体に怖気が走る。当たれば、シンの些細なこだわりや意地など何程の物でもなく押し流してしまうだろう。その事を改めて理解して、シンはちろりと舌なめずりをする。カサカサにかわいた唇を、少しでも湿らせておきたかった。
 シンの視線の先――ダストのモニタに映る映像には、上空で細かく移動し続けるマサムネの編隊と、こちらを悠然と見下ろす大型モビルアーマー、ドルズガーの姿がある。その巨大な姿は周辺のマサムネと比べてしまうと一層の威圧感を感じさせるもので、シンはどうしてもそれから目を剃らす事が出来ずに居た。ドルズガーとの距離は離れすぎているという位離れていたが、あちらにとっては別に問題なく射程圏内らしい。その事を、シンは何度かの遠距離射撃で嫌という程味わっていた。
 とはいえ、シンがずっとドルズガーと睨み合いが出来たのかといえばそうでもない。
 《背後六時……次に九時、来るぞ!》
 背後、及び側面からの十字砲火。上空のマサムネ部隊が編隊を組んで射撃攻勢を掛けてくるのは半ば予想していた事であり、そしてシンにとっては厄介な攻撃に違いなかった。そちらに意識を取られれば、またも正面のドルズガーからの遠距離狙撃が来る。悠然と、まったく速度すら変えずに近づいてくるドルズガーをシンは一瞥すると、こちらに襲い掛かってくるマサムネ達に視線を移し――。
 その時、再び“虹”が生まれた。
 それは視界の隅であったが、シンの反応を呼び起こすには十分な光だった。そちらの方すら見ず、それの回避に最大限腐心するシン。眼前のマサムネ達の射撃は全て避けられないのが本能的に解ったが、だとしても優先順位というものがある。
 七色の光線――そしてマサムネが発する光の雨がシンをひたすらに襲い続ける。シンはそのただ中で懸命に命を繋ぎ続けていた。肩のリアクティブアーマーが弾け飛び、バズーカの予備弾頭が誘爆しそうになって慌ててそれを廃棄しながら、しかしシンの瞳はひたすらに探し求めていた。
 (俺は……!)
 ――生きる道を。
 視界に迫ったマサムネの赤いビームをシールドで弾きながら、その勢いも使って機体を動かしていく。それは相手の予測を超えた機動で、そうした様々な努力によってシンは生き長らえ続けていたが。
 《このままでは反撃すら出来ず、ただ慰み者になるだけだぞ》
 酷く冷静なAIレイの突き放した様な声が、瞬きする間も無くなっているシンに届く。それはシンにしてみても良く解っている事だ。
 解っているのだ。自分が――恐らくはもっと昔から――間違い続けているという事が。
 もうどうしようも無い位、遠い昔から。今更、悔やむ間も無い位。
 それでも。それでも尚、立ち止まる事の出来ない自分が居る。立ち止まらせない、自分が居る。まるで他人事の様に、自分の道筋を選択している奴が居る。
 或いは八つ当たりの様に憤りながら、シンは眼前に迫った光の一筋をシールドで叩き落としつつ、マサムネの編隊が再度十字砲火に来るのを見届けた。次はリアクティブアーマーだけでは済まないと、長い修羅場を生き抜いてきた本能が告げる。
 (――迷うな! 生きる事だけは、決めていたんだろ!)
 何故だろう。何故、こんなにも懸命に、それだけは守ろうというのだろう。
 数日前、アスラン=ザラという自分にとっては『殺したい程憎んでいた』男に会って、しかし自分はその男を殺すどころか――懐かしく、愛おしく感じていた。遠い昔に別れた兄に出会った様に、その男を慕う事すら隠しきれなかった。
 ……その時、思ったのだ。自分にとって、復讐とは一体何なのだろうかと。
 自分にとって近しい者を殺された――それがシンの動機であり、原点ならばこんな思いは抱けない筈だ。羽虫を潰す様に、あの男をなりふり構わず叩き潰さねばならなかった筈だ。
 それが解らないから、憤る。取り返しのつかない、愚の骨頂と自分でも思う様な事ばかりしてしまう。
 ……そして、そんな自分を『構わない』と感じている自分が居る。それすら嫌な事だと思いながら。
 それでも。それでも――なお。
 (……死ぬわけには……!)
 自分でも、愚かだと思いながら。ただ自分を苦況に置き、それをちゃんと理解しながら。出来損ないの、八つ当たりでしかないと知りながら。
 「うおおおっ!」
 言葉にしたくない。そんな思いが喉から咆哮となって飛び出していく。
 《シン。敵マサムネ隊の射撃は精密だ。恐らくはあのモビルアーマーが巨大なレドームの役目を帯びている。奴から何としても離れろ》
 「……解ってる!」
 シンは、バズーカを適当に撃ち放つ。この距離ではドルズガーに届く術は無い。だが――生きる為になら、出来る事がある。
 ドルズガーは回避行動すら取らない。シールドで簡単に弾けるのを知っているし、なによりバズーカ一発で落ちる様な装甲では無い。だが、シンには確信があった。この攻撃なら、せめても一瞬、隙が作れると。
 マサムネ隊を視界の隅に入れつつ、シンはビームライフルの照準を付ける。心の中で、そこに的があると判断して。
 「いけっ!」
 ビームライフルは、ドルズガーに向かって放たれた。いや、正確にはドルズガーの直前の空間だ。空気抵抗を受けながら、そこを進んでいたものに向かって光が放たれたのだ。そう、先程撃ったバズーカの弾頭に。
 通常の炸薬とはいえ、それは相手の意表を突くには十分なものだった。爆発の衝撃が、ドルズガーとマサムネの連携を阻害するとまでは考えては居なかったが、ほんの少しの揺らぎが生じる。そして、シンにはそれだけで十分だった。
 ドルズガーも、マサムネ隊も、今まではダストの射程距離には決して入って来なかった。巨大なドルズガーのレドームがダストの射程距離を割り出し、安全距離からの攻勢を可能にしていたからだ。それが僅かに外れた……という事は。
 ほんの少しの歪みを、歴戦の戦士が関知出来ない訳がない。
 ダストの手のビームライフルが唸りを上げ、一機のマサムネの主翼を破壊する。スピードを殺せず、大地に止めを刺され爆散するマサムネ。他のマサムネ群はこれを見て、全機更に上空へ舞い上がる。永遠に続くかに思えた、断続的な攻勢――それが今正に断たれた瞬間。
 《シン、方位8-6-5だ。逃げるぞ!》
 滑り込む様にレイの提案。シンは一も二も無く、それに従った。このままでは死んでしまうし、取りあえず他に目的も無かったからだ。シンという青年はこういう点では素直なのだと、AIレイは改めて思い直し――嘆息した。


 断続的な攻勢、ドルズガーの主砲及びマサムネ隊の十字砲火連携。ドルズガーの豊富なレーダーレンジが生み出すその攻撃陣は、たった一機のモビルスーツすら撃墜出来なかった。その事実にリーは歯噛みする。しかし、それを部下には見せないのがリーのプライドだった。奥歯をぎりぎりと噛み締めながら、リーはモニタに映るダストを凝視する。
 (なるほど、“化物”の由縁は伊達ではないという事か……)
 それに伴い、リーの脳裏では別の計算も成されていた。今の戦闘で得られたデータを、もう一度吟味する――苛烈さと冷静さを同時に持ち合わせるのがリーの持論であり、特性だった。
 (奴等は自暴自棄になっている訳ではない。これが奴等の手立てなら――目的はこちらの戦力分散。そして、恐るべき事に奴等は本当に一騎当千であり、奴ら自身もそれを理解しているという事だ)
 一騎当千とは戦場の幻想であり、それを元にした戦術などある訳がない。それはリーなりの結論――というより、長い歳月を経て打ち立てられた兵法の基礎の基礎だ。それを容易に飛び越えてくるのが敵なのだという事にリーは怖気を感じながらも、こう考える。
 (迷うな。奴等が一機でも多数だと考えろ。そして兵力分散の計に対処するには……)
 すぐに思い至る。答えは『各個撃破』だ。
 そもそもリー側、統一地球圏連合の現在の目的は基地進行などではない。敵の殲滅――それが唯一にして至上目標ならば、敵は一人たりとも逃すわけにはいかない。
 こちらに攻勢を掛けつつ、本陣からどんどん離脱していく――そして最終的には本陣も離脱する。これが相手の策だと判断するのなら、リーはこうも考える事が出来る。別に敵本陣を落とす必要も無いのだと。
 (……優秀な兵士が自慢ならば、その鼻っ柱をへし折ってしまえばいい。簡単な事だ)
 リーはこう考えると、マサムネ隊を集結させた。その数、四機。如何にも分散させてしまったと後悔するが、後の祭りだ。しかし――敵の数は僅かに一機。ならば、とリーも考え直す。
 「全機へ告げる。今回は示威行動だ――よって深追いはする必要はなく、これで帰投する。しかし、帰り道の駄賃だ。先程のモビルスーツだけは血祭りにして帰投しようではないか!」
 部隊の多くは新兵だ。帰投命令が彼等にとってもっとも美味しいニンジンである事は、リーは熟知している。だからこそ、この様な命令を出したのだ。
 先程は苦戦こそしたが、奴を倒すだけで良いのなら――それは部隊の志気を上げる効果はあった。
 せめて一機……この一言が、この戦場の鍵を握る事になったのである。


 《距離8000、やはり付いてくるな。シン、スピードを上げろ》
 「解ってる!」
 ダスト最速のローラーダッシュモードは、増加装甲を捨てれば捨てるほど速度が向上する。つまり、攻撃を受けて増加装甲が多少剥げている今のダストは真の意味で“最速”だという事だ。そのダストを更に限界速度まで引っ張りながら、シンはふとレイに問う。
 「お前、俺をこっちの方向に何故導いた? 言われるままにこっちへ来たが……こっちは運河があるだけだぞ?」
 視界に広がるのは先程と大差ない荒れ野、そして先よりは少し増えてきた岩山。その間を横切る様に運河“カル川”がある。ブレイク=ザ=ワールドによって発生した地割れにそって出来たという経過のせいか、切り立った谷の下にあるのがカル川である。この地図に載らない運河は小さなボート程度しか運べない様な水深と広さしかなく、真の意味での運河ではない。だが近隣住民及び、リヴァイブ一党のローエングリン基地にとっても貴重な自然の恵みであった。
 《その川にそって逃げるんだ。下に降りれば、少なくとも左右からの攻撃は受けん》
 しかしそのレイの“提案”にシンは顔をしかめる。
 「……水没仕様は、治ってたっけか?」
 暫しの間を置いて、答えは返ってきた。
 《気にするな。俺は気にしない》
 言葉というものは便利なものである……などとシンは思えず、
 「お前なあっ!?」
 その一言で万の説明を終えたと言わんばかりのレイに突っ込みを入れる。しかしその瞬間鳴り響いたアラート音に、シンは一瞬にしてスイッチを切り替えた。
 《奴一機だ、来るぞ!》
 レーダーに目を奔らせると、マサムネ隊を置き去りにする様にドルズガーがスピードを上げ始めているのが見て取れた。そのスピードにシンは愕然とする。
 「モビルアーマーのスピードじゃない!」
 通常、巨大な飛行物体はスピードを出せない。空気抵抗により、満足なスピードを出す為に強力なエンジンを搭載しなければならない為だ。その努力が見合わない事例が多いので、大型モビルアーマーはどちらかといえば“空中戦車”というコンセプトで作られる事が多い。しかし、このスピードは……。
 《不味いぞ、シ――!》
 レイが言い終わるまでも無く、衝撃が襲ってきた。本能的に伏せたシンの判断が無ければ、一瞬でバラバラになっていたに違いない。奴――ドルズガーはスピードと装甲にものをいわせて、体当たりを敢行してきたのだ。空間を歪める様な速度による真空が発する衝撃波をまき散らしながら、ビームバリア“シュナイドシュッツ”により防衛を堅牢にし、そのまま体当たりをする――暴論な様でいて理に適った戦法である。そもそもモビルスーツの運用上、速度を上げていると満足な射撃は難しい。この点がモニタ精度やレーダー精度が向上しても、なお白兵戦に優位性がある由縁である。
 「ぐっ……!」
 爆発的な衝撃波の中で、懸命にダストを着地させるシン。図体が大きいから、当然ソニックブームも凄まじい。
 《奴はビームバリアで前面を覆いつつ体当たりを仕掛けている。対鑑刀でさえ突破は出来るかどうか……》
 「それ以前に、タイミングを外せば即死だ! くそっ、無茶苦茶だ!」
 シンですら信じられないモビルアーマーの運用法である。確かに戦闘機の生み出すソニックブームは凄まじいと聞いた事はあるが、そのまま規模を大きくするなど聞いた事がない。特性を理解するという方法ではない、現場で叩き上げられたからこそ思いつく戦法である。
 そして――再び奴が来る!
 「チィッ!」
 叶わぬと解っていてもバズーカを構え――慌てて横っ飛びに飛ぶ。射線を合わせている暇すら無い。爆風でバズーカが吹き飛び、シンは慄然する。
 (コイツは、厄介だ。カタログスペック以上の代物を引き出す努力を怠らない奴! 本当の意味で、“歴戦”の戦士が――!)
 先程の虹色のビームは単なる前座に過ぎなかった。マサムネ隊を置いてまで単機で来た訳も解る。勝てると、判断したからに他ならない。
 再び発生した爆風のソニックブームが、ダストの機体はおろか辺り一面を吹き飛ばす様な勢いで突き抜けていく。コクピットの中で振り回されながら、シンは呻いた。
 (……駄目だ、戦う術すら思いつかない!)
 さすがのシンも、こんな戦闘は未経験だ。戦士のカンなどというものは、経験から来るものが殆どで未知の戦場では基本的に役に立たない。シンに出来るのはただ一つ――死なない様にするしかない。
 何度目かの衝撃で、とうとうダストが大地に引き倒される。リアクティブアーマーが暴発し、慌ててシンは機体をよじってダメージを最小限にするが、これ以上増加装甲があっては危険だと判断して装甲剥離を行う。更にスモークディスチャージャーも展開するが、再びのソニックブームが煙など何ほどの事もない様に切り裂いてしまった。
 《基本スペックが違いすぎる。何とかスピードを出せない状態にしなければ勝機は無いぞ!》
 「……そう言うけどな!」
 どうしろというのだ。シンの偽らざる本心である。
 その時、ダストの通信機から叫び声が聞こえてきた。ヒステリックで、良く通る――良く日常的に聞いていた声――コニール=アルメタの声が。
 『シン、聞こえる!? さっさと川の方に来て!』
 「……!?」


 「しぶといな。さすがに危険視されるだけはある、が……」
 リーは口調とは裏腹に、にやりと笑う。それは獲物を追い立て、狩る者の姿。狩る自身のある者の姿だ。
 ドルズガーを使ったこの戦法“タイフーンクレイドル”は彼が独自に編み出したものだ。モビルアーマー乗り出身のリーにとって、モビルスーツ主軸の戦場は、彼の自尊心を大いに踏みにじるものでもあったのだ。
 だからこそ解る。この戦法を打ち破る方法も、そして奴がそれを出来ないという事も。
 「――だが、終わりだ!」
 ここまで弱らせれば、タイフーンクレイドルも使う必要はない。ドルズガー本来の砲撃のみで、カタが付く。全方位に攻撃可能なのがドルズガーの特性であり、ここまで近づけばモビルスーツが避ける事すら出来ない密度で砲撃が可能なのだ。
 だが、視界に滑り込んできたもの――それは彼の意表を付くものだった。というより、彼にはそれがいきなり湧き出してきた様にすら見えたのだ。
 飛び出してきた赤い戦闘機は、真っ直ぐに敵のモビルスーツの元へ向かいつつあった。


 そのフォルムは、エゼキエルの様だった。だが最大の特性であった下部のマニピュレータは削除されている――要するに単なる戦闘機になっているのが“エゼキエル=レッド”の特性といえば特性だった。それを操縦しながらコニールは眼前にダストを捉えながら、その姿と同じようにヘタレているであろうシンを叱咤する。
 「ほら、シン立ちな! ヘタってる場合じゃ無いでしょ!」
 たぶん、今シンは何が起きてるのか良く解っていないのだろう。それを想像するだけでコニールは嬉しくなる。コニールはダストを回る様に旋回すると、もう一度怒鳴りつける。
 「さっさと乗らないと、今度は直撃するんでしょ!? 早くしな!」
 今度は、返事があった。
 『ええい、勝手にしろ!』
 いつものシンの声。それは、コニールにしても嬉しくなれる声。
 ダストはスレイヤーウィップを操作して、一気にエゼキエルの背に飛び乗る。その次の瞬間、虹色の光がダストの位置を根こそぎ破壊していた。
 「行くよ!」
 次々にビームが雨の様に降り注ぐ――その中をエゼキエルとダストは駆け抜け、再び谷川の中に入っていく。
 後方でドルズガーが追い掛けてくるのが見えて、コニールは操縦桿を持つ手に力を込めた。


 ――旧ローエングリン基地。そこは現在ではリヴァイブの本拠地となっている場所である。いや、『だった』というのが適切だろうか。
 今やリヴァイブの面々はスレイプニールを中心に動いており、ここローエングリン基地は“帰る家の一つ”という位置づけになりつつあった。
 その一角に新たなるリヴァイブの母艦となったスレイプニールを隠しつつ、大尉と中尉は敵を迎え撃つ準備に余念がなかった。基地の高台に陣取り、中尉は巨大な大砲の調整に余念がなかった。
“オルトロス=スナイプウィザード”。簡単に云えばモビルスーツで携行出来る最大クラスのビーム砲を着座して撃てるようにしただけの事で、その昔のオルトロスと威力は大差ない。だが、着座して撃つ事で命中率は高まり、またチャージを多めに取る事でオルトロスの限界数値まで威力を上げる事が出来る。一発で砲身すら溶けてしまうだろうが、それに見合う威力を手に入れる事が出来る訳だ。
今回の様に相手に大物が居るのならと、密かに中尉が準備していた武装である。
『どうだ中尉、調子は』
 通信機から、野太い声が聞こえてくる。大尉だ。
 「特に問題はありません。……強いて言えば、一発こっきりの攻撃というのがネックですが」
 『そりゃ、仕方ねぇだろうな。まあチャンスが一度でもあるんなら良い方だろうよ』
 ぼりぼりと頭を掻く大尉の困った顔が見えるようだ。中尉は少しだけ綻んだが、すぐに気を入れ直す。大尉に、聞いてみたい事があったのだ。
 「ところで大尉、シンの事ですが……」
 『ああ、その事か。何だ?』
 あまりにも軽い返答に、身構えていた中尉の方が肩空かしを食らう。しかしその程度で中尉も引くわけにはいかない。
 「何故、あの様な対応をしたのですか? 彼は我々には必要な人材――そう言ったのは、貴方の筈ですよ、大尉」
 『…………』
 通信機の向こうで、大尉が困っているのが解る。ややあって、大尉からの返答が来た。
 『アイツの事を考えりゃ、ああ言ってやった方が良いと思ったのさ』
 「シンの為……ですか?」
 この返答は、中尉にも意外な事だった。大尉が続ける。
 『アイツを見てると、中途半端だなって思うのさ。命を賭けて何かを成し遂げるっていう、意志を感じねぇ。まるで“仕方無く”戦っている様に見えちまうのさ』
 「そう言われると、そういう節がありますね」
 『誰よりも危険な位置に居て、誰よりも危険な戦闘を潜り抜けてる奴がだぞ? 俺は、なんつーか、バランスが取れてねぇって思ったんだよ』
 大尉の言い様は何とも歯に物の詰まったものだったが、中尉には何となく解る。
 「……せめて、彼に決めて貰いたいという事ですか。彼の立ち位置を」
 この人らしいな、と思う。戦闘の勝敗より、一人の考えを尊重する――その考え方。それが、中尉が大尉に付き従った大きな理由でもある。
 『アイツが逃げるなら、それでも良いのさ。アイツにはまだ、未来がある。俺等なんかより、ずっと良い未来がある筈なんだ。それを、忘れないで欲しいのさ』
 未来に絶望視か出来ないのなら、それは死んでいるのと同じ事だ。どんなに辛くとも、きっと輝くような未来があるのなら……。それは単なる願望なのだと中尉も知ってはいるが。
 「でも、彼は逃げない。そう思ったから、この作戦なんでしょう?」
 『……ン、アイツが逃げたら俺等も終わりさ。アイツ一人がどんだけ大きい戦力か、考えりゃ解るだろ。だから俺は、むしろ好きにさせてやりたかったんだ』
 (大尉もプライドが高いからな……)
 中尉にしてみれば、大尉もシンも似たもの同士な所がある。特に目的もなく、戦場に居る理由がそれだ。だからこそ、大尉はシンの事が放って於けなかったのだろう。中尉も。
 「不器用な人達ですね」
 『うるせぇ。……黙っとけよ』
 それきり、中尉はオルトロスの調整に集中した。大尉の想像が正しければ、これが決め手になるはずなのだ。中尉は己の責任を噛み締めつつ、目的を完遂する為にどうすれば良いのかを懸命に考え続けていた。


 『……という訳よ、解った?』
 くすくすと笑われた様な、気恥ずかしさを感じる――しかしそれは不快な類のものではなかった。シンは自分でも浮き立つものを感じながら、コニールに答える。
 「ああ、解ったよ。……畜生、やっぱり大尉は俺をこき使う気だって事がな!」
 《今更、という感もあるがな》
 呆れた様に、レイ。しかしシンには、それすら心地良く感じる。
 (ああ、そうか。俺が欲しかったものは――)
 それは、答えではないかも知れない。いや、正解など無いのだろうと考えながらも。
 後方を振り向けば、敵がこちらを追ってくるのが見て取れた。何とか切り抜けたとはいえ、敵の数は一向に減っていない。まだ苦戦中に違いはないのだ。
 しかし――自分でも現金なものだと思うが――シンは負ける気がしなくなっていた。
 戦う術が思いつかなくても。敵がこちらより数が多くても。
 信頼出来る仲間がいる。そして、その者達と共に在りたいと願う自分がいる。その者達を守りたいと願う自分がいる。――自分に、誇れる自分がいる。それは嬉しい事なのだとシンは感じていた。
 そんな風に自身を盛り上げながら、シンは唐突に気が付いた。
 「ところでコニール、お前いつの間にエゼキエル操縦出来る様になったんだ?」
 『ん――? こんなもん勘よ、勘』
 ……サッと血が引く音がした。そうだ、忘れていた。コニールの運転の荒さを。そして、毎度それに付き合わされた自分の運命を。
 《うむ、シュミレータではコニールの腕前は折り紙付きだったな。問題は多々あったが……》
 頼む、下ろしてくれ――そう言おうとしたところで、後方のマサムネ隊が降下して同じように谷川を飛行しだした。上空からの射撃では埒が明かないと判断した様だ。
 《エゼキエル及びダスト、エンジン同期。最高速モード始動》
 このAIはまた勝手な事を――そういうシンの悲鳴は黙殺された。
 『いっくわよー! 激突したらごめんね~』
 (お、俺は……色々間違った気もするが……)
 シンは、物凄く嫌な予感に身を震わせながら、考えていた。そうだ、自分だけが間違っていた訳では無いのだと言う事に。正直に言えば、リヴァイブ陣営の誰もがぶっ飛んでいるという事に。
 シンの悲鳴は、エゼキエルとダストの爆音によって掻き消された。その瞬間から、谷川はとんでもないタイトロープの舞台となったのである。
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