その他 真(ゆゆ~)!!ゆっくりゆゆこ~世界最後の日~

「ゆゆ~!!」
玄関を抜けるとそこは雪国…ではなく我が家がゆっくりに荒らされていた。
玄関の扉はきちんと施錠していた筈。なのに何故、こんな事に。
ふと窓を見やると、窓ガラスが外から割られていた。そうか、窓ガラスから進入したのか。
等と侵入経路に納得している場合ではない。とりあえず食料を食い荒らしている犯人を捕獲せねば。
「ゆっゆふっゆゆゆ~♪」
一心不乱に食べ物を貪り食うそのゆっくりは、背後から近付く俺に気付く事も無く、ひたすら食い続けていた。
それはゆっくりと呼ぶには余りに食いしん坊で、大食漢で、大食いだった。それは正にカ○ービィだった。
「ゆっくりゆゆこか……こりゃまた珍しく厄介なのが来たもんだ」
呟きつつ、ゆっくりゆゆこを捕獲した。申し訳程度に生えている短い手足をばたつかせているが何とも無いぜ。
「ゆ~!ゆゆ~!!」
「うーん、こいつは食ってもマズいしなぁ……仕方ない殺すか」
「ゆっゆゆー!!!」
三大欲求の更に上に食欲が君臨するかの様な恐るべき食欲魔獣のゆっくりゆゆこでも、
自分がマジでくたばる五秒前な事は理解できたのか、焦ったように暴れる。でも何とも無いぜ。
ちなみに、殺すと言っても無闇に怖がらせたり、必要以上に痛めつける気は無い。
そういった事を好む者も世間様には多く居るというが、正直妖怪よりもそういう人間の方が余程怖い。
それはともかく処刑である。方法はいつものように裏庭にある古井戸に転落死して貰うとしよう。
さようならゆっくりゆゆこ。井戸の底でお仲間が待ってるぞ。
「ゆ゛ゆ゛~~~~~~~!!!!」
悲鳴がフェードアウトしていき、やがて聞こえなくなった。うむ、これで一件落着…でもないか。
片付けと食料の買出しという超重労働がニヤニヤ笑って俺を待っていた。

二十年後、その男が病気で亡くなった翌日から、三日に一度の割合で震度四以上の地震が起こるようになった。
奇妙な事に、その地震は世界中のありとあらゆる土地で起こっていた。
専門家達は揃って首を捻り、捻りすぎて思わず吊ってしまった者までいた。
地震のペースも震度も、日を追う毎に短く大きくなっていった。
地震が続くようになって一ヵ月後、それまでにない規模の大地震が起こった。
地震は地球全域で同時に発生し、その大きさは人類史上かつてない程の大きさで、
山どころか島や大陸ごと液状化し、海に沈んでいった。
全ての大陸が水没する直前、某国の軍事施設に居た人間は『ソレ』を見て、それが何か理解する前に全員死亡した。
地震とは無関係に平常通りに運動し続けていた軍事衛星だけが、主亡き後もずっと仕事を続けていた。
衛星が見ていた光景は、
「ゆゆ~!!」
地球の内側から滲み出てくるかの様な、地球サイズのゆっくりゆゆこだった。

THE EARTH is DEAD


作:ミコスリ=ハン

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最終更新:2008年09月14日 09:31
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