その他 れみりゃ食べて食べられ:前編

れみりゃ食べて食べられ:前編



「う~う~♪」

背筋がゾクッとする。
怖いとかそういう感情ではない。
気色が悪い声が聞こえて拒否反応としての悪寒だと思う。

その声を発していたのは、あのれみりゃの家族だった。
それも、胴体付きという希少種。
母親が1匹赤ん坊3匹といったところか。

普通、胴体付きのれみりゃはそのほとんどが紅魔館内で多く生息しているはず。
そのれみりゃが今は人気のない山道にいる。
となるとこのれみりゃは迷子か家出かほとんどいない紅魔館の外に生息しているれみりゃなのか?
迷子か家出ならば関わるのは危険だ。持ち出すなんてもってのほか。
紅魔館は胴体の付きれみりゃのほとんどを保護している(主はそれを気に入ってないらしいが)。
その中でも上の立場にいる十六夜咲夜さんというメイド長は何でも相当の過保護らしい。
れみりゃが少しでも気に入らないことがあれば咲夜さんに言いつけ、
その気に入らないことをした者に厳しい罰を与えたり・・・

という噂が流れている以上、とてもじゃないが関わりあいたくない。触らぬれみりゃに咲夜なし。


と、何もされていないのならば誰もがそうするだろう。俺だって1週間前まではそうだった。

1週間前に俺は紅魔館に来ていた。勿論、仕事で。
門番に頼まれていた品を渡そうとすると門が開いた。

「おととにおでがけするど~♪」
耳が張り裂けそうなくらい大きい声が響いた。

門から出てきたのはれみりゃと・・・咲夜さん。
咲夜さんと出会えたのは初めてだったので俺は少し感動した。
先輩が言っていた事は本当だった。綺麗な人だこと。
「あら、お仕事ご苦労様です。いつもお世話になっています」
礼儀正しく綺麗なメイド。正に理想の女性だなと惚れ惚れしてると・・・


左足の指が・・・なんか痛い。
かなり痛いというほどでもないがじわじわくる痛み。何かで殴られてる?
下を見るとやはりれみりゃが、俺の足を日傘で叩いていた。
「ちょ!痛い!痛いって!」
「うーうー!知らない人はたおすど~♪ゆるしてほしかったらぷっでぃんよこせ~!うー♪」
流石に腹が立ったね。満面の笑み浮かべて攻撃されて挙句の果てにはプリン?よこせ?

ガキのくせに随分とした態度だ。
俺はもともと短気なので思わず足で蹴り飛ばそうとした。短気の方なら分かるだろ?
しかし、俺が蹴ろう!と思った瞬間、門番が前に立っていた。
長くなったのでこれ以上は省略したいところだが、門番に「絶対に手を出さないでくださいね?」と言われた直後だ。

「ばーか♪ばーか♪うっう~♪」

ここまでくれば誰しも少しは腹が立つだろ?俺は門番に止められなければ気の済むまで殴ってたろうに(咲夜さんがいなければ)。
そんなことで俺はこの1週間胸がムカムカしていた。
その元凶が目の前にいる。しかも山道。
これは神様がくれたお恵みだ。1週間腹を立てながらも真面目に仕事に取り組んだ俺に対するお恵みに違いない!

「う?おがーざん!しらないのがいるど!!」

赤ん坊れみりゃの一匹が俺に気づいたようだ。それにつられて他の4匹もいっせいに振り向く。

「うー♪おじさん♪ぷりちーなれみりゃはおなかへったど!!ぷっでぃんちょうだい♪うー♪」

母親れみりゃが図々しく俺にプリンをよこせと言ってきた。
1週間分の怒りを込めて優しく返事してあげようか。

「るせぇ!!!!!!!!!!!111」
「うっ!????」

効いた。肺活量限界まで息を吸い込んで言ったからな。目を丸くしてやがるよ。気色悪い

「う・・・う”ぇぇぇぇええええん!!!!ぷっでぃんぐれないだらざぐやにいい”づげでやるどー!!!」

「ざぐびゃー!!!」
「じゃぐやどごー!!??」
「おがーざーんーーーー!!!!!」

家族全員大泣き。それでもここら辺は誰も住んでないから大丈夫だけど。

まあ声だけでは物足りない。俺は赤ん坊の一匹の方に方向を変える。

「みゅ”っ!!!???」

あ・・・やべ。
強く蹴りすぎたかな?加減はしたつもりだが・・・赤ん坊は弱いからか。
顔が跡形もなく微塵となって吹き飛んだ。残ったのは胴体のみ。
「れ・・・れみりゃのばがじゃんがぁあぁぁあああ!!!!」
おお、こわいこわい。そんな醜い顔よくできるね。
「おねえぢゃあぁぁあああん!!」
「ぢんぢゃやだーーー!!!!!!」

他の二匹もビービーと泣く。
まあこいつらの泣いてるところ見るとさらに腹が立つんだが・・・まだ楽しみたいことがある。ここらでやめよう。

「ごめんねー、顔に虫がついてたから取ってあげようかと思ったんだ、本当にごめんね」
「れみりゃのあがじゃんになんでごとずんのおおぉおぉお!!ざぐやにいびづげでやるぅぅううううう!!!」

ありゃっ・・・やっちゃった。紅魔館のれみりゃかやっぱり。
こんな山道にいるからてっきり野生かと思った。
まあここまでやったらもう引き下がれないよな。

「ごめんごめん、お詫びにおいしいおいしいプリンあげるから・・・許してね?」

「うっ!?ぷ・・・ぷっでぃん!!!??」
「うん、おいしいプリンだよ。こんなおいしいプリン普通は食べられないよ」

「「「う・・・」」」

「「「う~う~ぷっでぃん!!おじさんぷっでぃんちょうだい♪」」」

買収完了。
娘よりもプリンを取るか。外道め。

「じゃあ、おじさんの家に連れて行ってあげるから、ついてきてね?」

「「「うー♪」」」

正真正銘の馬鹿め。お前らに食わせるくらいだったらゆっくりに食わせたほうがまだましだね。

まあこれでこの薄汚い肉まんに報復できる。もう既に考えは練っているよ。



俺はとうに絶命した赤ん坊れみりゃの胴体を袋に入れ山道をれみりゃ家族と一緒に歩いていった。


続く
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後編に行く前に。
色々とすいません。読みにくかったでしょうに。
中学生から勉強しなおしてきますね。

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最終更新:2008年09月14日 09:33
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