今日は年に一度の見本市の日。
展示されるものは河童の開発した新型のからくり等が主だ。
普段の年なら一般の参加者は多くない。しかし、今年は違った。
理由は例の「
ゆっくり」と呼ばれる生物への対策のために足を運ぶ者が多いからだ。
まあ、俺もその一人なんだが。
初めての見本市で若干高揚していた俺の目に文字が飛び込んだ
「射出式捕獲用網?・・・すいません、これどんな製品なんですか?」
「これはですね、引金を引くだけで誰でも簡単に獲物を捕獲できる画期的な製品なんですよ。」
河童の女の子はにこやかに答えた。
「実際に使うところをお見せしましょうか?」
「お願いします」
そう言って隣の柵で囲まれたスペースへ案内された。
「ゆ?」「おねえさんたちだれ?」
「ここはまりさたちのゆっくりぷれいすだよ、ゆっくりできないひとはかえってね」
そこには大量のゆっくりがいた。
「なんでこんなところに?」不思議に思って尋ねた
「いいんですよ、デモンストレーション用ですから」なるほど、そういうことか。
「それじゃあお客さん見ててくださいよ」そう言って銃のようなものを構え、
パヒュッ そんな音が聞こえたかと思った次の瞬間、目の前では数匹のゆっくりが網に捕らえられていた。
「ゆ、ゆ!」「うごけないよー」「おねえさん、ここからだして!」「ちんちんちんちん!」
「見事な仕事だと関心はするがどこもおかしくはない」「むきゅーん」
「おお!これはすごい!」思わず声をあげてしまう
「よかったらやってみますか?」
「いいんですか?」「いいですとも!」頼もしい返事である
俺は銃を構え、ゆっくりに狙いを定め・・・撃つ
パヒュッ「ゆっくり!?」「つかまったんだね、わかるわかるよー」
素晴らしい性能である。銃器の類はまったく扱ったことのない俺のような素人でも簡単に捕獲ができるなんて
「今回は・・・」俺が性能に驚いている横で女の子が話し出した
「今回はゆっくりでやりましたけど、他の生物にも、もろちん使えますよ」
なるほど、汎用性の面も申し分なしである。
「他の製品もご覧になりますか?」こんなすごい物を見せられたのだ、続きに期待しないはずが無い
「ぜひお願いします」
「では、こちらになります」そう言って画鋲、にしてはかなり大きい、いや大きすぎるものを取り出した
「これは・・・何ですか?」
良くぞ聞いてくれましたと言うような満面の笑みを浮かべ女の子はしゃべり出した
「これは振動地雷というものです。振動で物体に干渉し、一定範囲を崩壊、
大地であれば液状化することができる特殊な地雷で、以前開発したものは踏まないと使えなかったのですが改良に改良を重ね、
遠隔操作で起爆できるようにしたものです。これの開発には苦心しました・・・と、いうのも・・・・・
- それで知り合いの魔法使いと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
- そこで考えたのです・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「なるほど、それはすごいですね」途中から聞いてなかったのは内緒だ
「では、実際に試して見ましょう」
そう言って網からゆっくりを一匹取り出す
「ゆ?だしてくれるの?ありがとー」「れいむだけずるいー」
そのゆっくりの頭に画鋲、もとい振動地雷を差し込む
「ゆ"!!」奇妙な声をあげるゆっくり
「どうじでごんなごどずるのおおお」今度は泣き出した。しかし河童の顔は変わらない
「では行きます」そう言って女の子はリモコンのボタンを押した
「ゆ”!!ゆゆ”ゆゆゆ””ゆゆゆゆ”ゆふ”ふ”ふ”ふ”か”か”か”ぺぺ!!」
奇妙な声をあげながらゆっくりが震えだす
「れ”い”む”ーー!!」「ゆっくりやめてね!!」観ていたゆっくりたちが騒ぎ出す
「ゆ"ゆ”ゆ"ゆ"ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”・・」どんどん振るえる
「おねえさんれいむをたすけてね!」
「ん”ん”ん”ん”ん”ん”ん”ん”・・・」
「このままではれいむの寿命がストレスでマッハなんだが・・」
「ゆゆほ”ほ”ほ”ほ”ほ”・・・」
ゆっくりれいむの体がぐにゃ~となったかと思うと、どろりと溶けてしまった
「わからない、わからないよー」「ちんちんちんちん!?」
人間の俺でもわからないんだ、畜生以下の生物に分かってたまるか
河童の方に目を向けると「どうです、すごいでしょう」とでも言いたげな顔つきだ
「次に地面に使った場合を見てみましょう」
そう言ってゆっくりの捕らえられている網の中に手をいれ地面に突き刺し起爆させた。
「ゆ?」「じめんがどろどろになったよ!」「どろんこあそびができるね!」
ゆっくりたちは先ほどゆっくりれいむに起こったことも忘れて楽しそうにしている。
これから自分達に起こることも知らずに
「ゆ?ゆ?だんだんしずんでいくよ!」一匹のゆっくりが気付いた。
「むきゅーん」
まずはじめにゆっちゅりーが沈んだ
その後は醜い情景だった
「みょんをふみだいにすればたすかるね、わかるわかるよー」
「ちーんほ”ほ”ほ”か”ほ”か”ほ”・・・」
「このままでは人工的に淘汰されるのは確定的に明らか・・・」
「ちんちんちんちんちんちんちんちん・・・・」
「もっとゆっくりしたかったよう・・・」
「まるで底なし沼だってね」「おお、こわいこわい」
ゆっくりがゆっくりと沈んでいく。ゆっくりの断末魔が聞こえる。
あるものは覚悟を決め、あるものは他のゆっくりを踏み台にして生き延びようとしている
「ゆっくりしね!」「はやくふみだいになってね!」
そんな光景をしばらく眺めていた
最後に残ったゆっくりは案の定まりさだった
「はやくたすけてね!」「さいごまでのこったらたすけてくれるんでしょ!!」
なにを言ってるんだコイツ? 他所のSSと勘違いしていないか?
「は、はやくたすけてね!」もはや口しか出ていない
「しにたくないーーーいきたくないーーーか”ほ”か”ほ”・・・・ちくしょう・・・」
最後のゆっくりが沈んだ
「す、すごい製品ですね」俺は興奮していた
「でしょう?」
「これって、販売するときはどれ位の値段にするんですか?」
「だいたいこれぐらいを予定しています」
「おお、この値段でこの性能ならとても安い。お値段以上ですね!」
あとがき
初めてSSを書いてみましたけど、難しいものですね
虐待描写の上手い人は惚れ惚れします
振動地雷は「地球防衛企業 ダイ・ガード」に出てくる超兵器です
杭打機とかも出したかったけど
ゆっくり相手に使うのは無駄な気がしたのでお蔵入り
最終更新:2008年09月14日 11:27