注意書き:
ちょっとした読み物です。
「ちょっと妖夢~? 見てみてー♪」
「どうしたんです?幽々子様・・・?」
「ちーんぽ!ちーんぽ!」
「ちょっちょっちょっと・・・! 何なんですかそいつは!」
「庭先で見つけたのよ?かわいいでしょー♪」
そこには、お下劣な言葉を惜しげも無く放ちながら飛び跳ねる生首の姿。
私はその物体を睨みつけ、刀に手をかける。
「み゛、み゛ょん゛!!!」
「もぉ~、怖がってるからやめなさいよ、大人気無い」
「ど、どうせ私は子供ですよ・・・」
幻想郷に突如と現れ出した英雄そっくり顔の饅頭、
ゆっくり。
噂には聞いていたが、人里と白玉楼を往復する生活を送る私にとって初の対面となる。
どうも元となっている人物の性格を少し引き継いでいるらしい。だがこいつは・・・!
「ちんぽ!ちーーんぽおおぉぉ・・」
相変わらずはしたない言葉を連呼しつつも幽々子様に泣きついていた。
「あらあら、妖夢ったら・・・」
「や、や・・・ やめてくださいよっ!!!」
「もぉ~♪顔まっかっかにして、かわいいんだからぁ♪
何なら私が今夜のお相手してあげても良くってよ?」
「かぁぁ・・・ な、な・・・ 何を言ってるですか!!!」
「妖夢のえっち♪ 冗談よ、冗談。
それじゃ私はもうひと眠りしてくるから、その子のお世話、お願いね♪」
「叩き潰しちゃったらどうするんです・・・?」
「あなたがそんな子じゃないってわかってるわ。しっかり頼むわよ♪」
そう仰ると幽々子様は、扇子を仰ぎながら屋敷へと戻って行かれた。
「はぁ・・・・・」
「ちーんぽ!ちーんぽ!」
相も変わらずその饅頭は飛び跳ね続けている。
「ねぇ・・・ お腹空いでしょ? ちょっと待ってて・・・」
私は屋敷から羊羹を取って帰ると、小さく切り分けて饅頭に差し出した。
「ぺーに、ぺーに、いちもつー♪」
よりによってなぜ私の分身がこんなことに・・・
「私の名前は妖夢、よろしくね。」
「みょんだよ。よーむ、ちんぽー♪」
もぉ・・・ 何だって言うんだ!!
私がその饅頭と出会ってから2週間とちょっとが過ぎた。
幽々子様はと言うと、じゃれ合ったり一緒に庭を散歩したりすることがあっても
結局えさを与えたり、体を洗う仕事は私に回ってくる。
「ねぇあんた・・・? そのち、ちん・・・ってのなんとかならないのか?」
「ち・・・ちんぽ?」
私は相変わらず口ごもってしまうというのに、平然とその言葉を言ってのける。
でも最近は、私の庭師としての働き振りを見て少しずつ手を貸してくれるようになっていた。
案外かわいいかもしれない。斬るものなどあまり無い。
そしていつものように仕事を終え、饅頭を寝かしつけて体を休めていた。
辺りに闇の帳が落ちた頃、何やら辺りが騒がしい。まどろみから引き戻される。
「きゃああああああああああああああ!!!」
隣の部屋から悲鳴が聞こえる。幽々子様だ・・・!
「ど・・・、どうしましたか!!!」
私は刀を取ると急いで障子を開け放つ。
調度品は薙ぎ倒され、飛び跳ねる十匹余りの饅頭の姿が目に飛び込んだ。
「ゆっくりしていってね!!!ゆっくりしていってね!!!」
思わず身が凍る。幽々子様は部屋の隅で頭を抱えて震えており、数匹の饅頭はそこへ容赦無く襲いかかっていた。
「ここはまりさたちのおうちだぜ!!!はやくでていくんだぜ!!!」
「ゆっくりできないおねえさんははやくしんでね!!!」
由緒正しき白玉楼を踏み荒らした上、幽々子様を襲うなんてどういうマネだ・・・許さん!!!
「おねえさんはゆっくりできるひと?ゆっぎゃあああ!!!」
「はやくれいむたちにごはんもってきてゆべじっ!!!」
「ゆっぐぢじだげっががゆ゛ぎぃいいいぃ!!!」
「とかいはのありすのうつくしいかみがゆ゛っ!!!」
「れいむのこどもになにするゆ゛あ゛ああぁぁあ!!!」
「ま゛り゛ざの゛がわ゛い゛い゛ぼう゛じがばびぶべぼっ!!!」
無我夢中で饅頭を切り刻み、蹴散らし、幽々子様に駆け寄る。
「ゆっくりにげるよ!!!どすにほうこくするよ!!!」
「ばかなの?しぬの?にげるよ!!!」
残った饅頭どもが蜘蛛の子を散らすように逃げる。辺りは餡子が飛び散り甘い香りが立ち込める。
「幽々子様!しっかりして下さい!!!幽々子様!!!」
「妖夢・・・助けに来てくれたの? ありがと・・・」
「ああ、良かった・・・」
「私はもう大丈夫・・・それより庭を・・・」
幽々子様を抱きかかえて奥の部屋へ。
「なんかあの匂い嗅いでたら・・・おなか空いてきちゃった」
「私は庭に行ってきますよ。ここで静かに隠れてて下さいね。」
刀を力強く握り直し、庭へ一目散。
縁側へ出ると、身の毛も弥立つ光景が広がっていた。
「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」
「ゆっきゃゆっきゃゆっきゃっきゃ♪」
毎日毎日丹精込めて世話している植木、草花達が踏み躙られ、食い荒らされていた・・・
再び心の底から怒りが込み上げてくる。
「ゆっ?ここはれいむのゆっくりぷれいすゆぎゃああぁぁあ!!!」
「れいむになにをするんだぜゆ゛びぶべぼ!!!」
「ありすがとかいはのこーでねいとにしてあげたのにゆ゛あ゛ぁぁああ!!!」
「「「おぎゃあじゃんを゛がえ゛じぇえ゛えええゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛!!!」」」
粗方近くにいた饅頭どもを片付け、騒がしさの残る方角へと急ぐ。
「ここはまりささまのゆっくりぷれいすだぜ!!!みょんははやくしね!!!」
「ゆっくりしんでね!!!ゆっくりしんでね!!!」
「で、でていけ!!!ぢーんぼぉおおぉぉおおおお!!!」
そこには残った植木を必死に守るみょんの姿が――――
数十匹の饅頭相手に、枝を振り回して追い払おうと必死に戦っている。
「き、貴様らぁぁあああ!!!」
「ま、まりさになにするんだぜ、はなすんだぜゆ゛べじっ!!!」
「あ゛でぃずの゛びはだがぁあああぁぁ!!!」
「ゆっくりれいむのおうちからでていってゆ゛っぎゃぁああぁぁあ!!!」
「ゆ゛っぐじじだがっだよ゛ぼお゛おぉぉお!!!」
怒りに任せて饅頭どもを切り裂き、踏み潰し、突き刺していく。
辺りには、ボロボロの餡子まみれになった植木だけが残されていた。
「おい、みょん!みょん!しっかりしろぉおおお!」
「ち、ちん・・・ぽ・・・・ お・・ねぇ・・さん・・・
おはなさん・・・ ぐちゃぐちゃに・・・なっちゃった・・・ ごめんね・・・」
「しっかりしろ! みょ、みょぉおおおおおおん!!!」
「ゆっへっへ!!!まりささまのこぶんたちを、よくもかわいがってくれただぜ。
とっととまりささまのおうちからでてって、ゆっくりしねだぜ!!!」
程無くして人間の背丈を越すゆっくりまりさが姿を現す。
幽々子様のお部屋にいた饅頭のセリフからするとドスまりさと言うらしい。
「貴様がボスか。白玉楼を踏み躙った罪、償ってもらうぞ―――!」
敵の頭上に飛び掛かり刀を振り上げる。だが――――
「くらえっ!!!どすすぱぁああああく!!!」
「ぐあっ・・・」 どさっ
不覚にも、あの白黒の魔法使いを彷彿とさせる波動を放たれ私は吹き飛ばされてしまった。
おまけに足を挫いてしまい身動きがとれない。
「ゆっへっへっへ。かくごするんだぜ!!!どすすぱぁあああ・・・」
「ぢ、ぢん゛ぼぉお゛お゛おおぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおお!!!」
なんとみょんは自身の体長の三倍もあろうかという枝を振り翳し、
波動を物ともせず果敢に突っ込んでいった。
「み゛ょ゛お゛お゛おおおおおおおぉぉぉぉぉおおおおおん!!!」
「ゆっぐぁあ゛あ゛ああああああああぁぁぁぁああああああああああぁぁぁあ!!!」
突き立てられた枝は、敵の急所をとらえた様だった。
巨大饅頭は辺りを揺るがす断末魔の叫びを上げると、地響きとともに倒れ込んだ。
傍らには、全身黒焦げとなった小さな饅頭の姿が・・・
「ち・・・ちんぽ・・・」
「お、おい!みょん!目を覚ませ!寝るな!しっかりしろ!」
両頬を熱いものが伝わってきた。
「みょん!みょん・・・みょぉおおおおおおおぉぉおおおおおおおおん!!!」
よーむ・・・・・・たのしかったよ・・・・・・ありがとう・・・・・・・・・
「ちょっと妖夢~? そろそろ元気出しなよー。」
「ど・・・どうしたんです?幽々子様・・・」
「主人を大切に想う気持ち、紛れも無く受け継がれてたじゃない・・・。しかと見届けたわよ・・・。」
「ゆ・・・幽々子様・・・。」
みょんの墓標に向かい項垂れる私に、幽々子様がそっと語りかけた。
またしても目頭が熱くなってくる。しかし運命は、私にゆっくりしている時間など与えてはくれなかった・・・!
「ゆっかりしていってね!!!」
「こ、今度は紫様そっくりの・・・」
「西行妖の裏で見つけたの。かわいいでしょー♪」
「しっかし納豆臭いなぁ・・・」
「しょうじょしゅうよ!!!ゆっかりあやまっていってね!!!」
「じゃあ私はもう一眠りしてくるから、しっかりお世話頼んだわよー♪」
「ゆ、幽々子様・・・ とほほほほ・・・」
あとがき
近いお話は無かったと思うので短め書いてみました。
妖夢がみょおおおおん!!!って叫んでいるのが物凄く不思議な感じです。
by まりさつむりの人
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最終更新:2008年10月06日 02:04