永琳×ゆっくり系23 怖い

迷い竹林に子どもが迷い込んだ。
人里から知らせを受けた永遠亭は屋敷の兎たちを動員し、捜索に当たらせた。
夜になると八意永琳も加わり、捜索は一層大規模なものになった。



「やめて、やめて!!」
鬱蒼とした竹林の中に少女は取り残されている。
転んだ時に膝を怪我して、座り込んでいたら、そこをゆっくりれいむの一家に見つかってしまった。
ゆっくりれいむの一家は昔、人間に酷い事をされたらしく。
人間を恨んでいた。だから、ゆっくりれいむはこの少女に何度も体当たりをした。
「にんげんなんてゆっくりしんでね!!」
恨みのこもった言葉と何度も繰り返される体当たり、
痛くは無いが、怖かった。怖くてどうしようもなかった。
ぎゅっと目を閉じる。しばらくすると体当たりが止まる。
何事かと思い目を開けると、銀髪の女の人が立っていた。
「やめなさい!」
強い声で女の人がそういう、ゆっくりれいむ達は体当たりをやめ振り向く。
「これをあげるからやめなさい」
ラムネだ。一度どこかで食べた事がある。
「人数分あるわ。さ、遠慮しないで」
我先にと子ども達はラムネに群がる。母親は一番後だがラムネを食べる事ができた。
「むーちゃ、むーちゃ、ちゃーゆぎぃ!!!」
突然、餡子を吐き出し絶命する子ども達、母親はそれに驚いていない。
正確には驚けないのだ。自分も吐き出しそうになる餡子をこらえるので精一杯なのだから、
「もう一つ、いかが?」
女の人はラムネを取り出し、ゆっくりれいむに差し出す。
「遠慮しないでね」
口は堅く閉ざされているので、女の人は眼球を押し込みそこからラムネを入れた。
「さ、行きましょ」
女の人は少女の手を引き、竹林の中を進んでいく。
ゆっくりれいむはついに大量の餡子を吐き出し死んだ。



「あいつら死んだの?」
「ええ、毒薬を使ったわ」
「そう・・・よかった」
「安心できた?」
「うん」
『ゆっくりしていってね!』と憎たらしくも愛らしく笑う無邪気なゆっくりよりも
苦痛に顔歪ませ、動かなくなっている死体に人は安心感を持つのか、皮肉なものだと永琳は笑った。

「お姉さん、誰?」
「八意永琳、知らない?お医者さんよ」
「知ってるよ。でも、もっとお婆さんだと思ってた」
「んー、お婆さんってのは間違いじゃないわよ」
「でも、すっごく綺麗だよ」
子どもは素直だ。八意永琳はそう思った。というかそう願った。


「ね、あなたはゆっくりが怖い?」
永琳と少女は竹林の中を歩いて、永遠亭に向かう事にした。
鈴仙にはもう連絡をいれ、人間達には竹林から出るようにいってある。
もう夜遅いから、親御さんだけ永遠亭にいて貰い。他の人は里に帰るよう促した。
「うん、怖い」
「どうして、体当たりされても痛くなかったでしょ?」
「でも、怖いもん」
「どうしてかしら」
永琳が聞くと、少女はポツポツとゆっくりが怖い理由を話し始めた。
「だって、あの子達は何でもすぐ自分の物だって言って持っていっちゃうもん、大人の人が怒っても反省しないし」
「だから、怖いの?」
「怖い・・・うん、怖い。だって妖怪と同じでしょ?ううん、妖怪より酷いわ。妖怪も怖いけど、妖怪は決まり事を守るもの」
「そう?」
「それにゆっくりは人と似てるのに決まり事を破るのよ。前に物盗んだゆっくりが赤ちゃんがいるから許してって言ってたけど、人間も赤ちゃんはいるわ」
「あなた、ゆっくりをやっつけた事はある?」
「うん、あるよ」
「それなのに、怖いの?」
「だって、あの子達は敵だもの」
永琳はその言葉を聞くと話題を変えた。




永遠亭に戻り、親御さんに少女を返す。
私は少し迷惑と感じるほど感謝された。
鈴仙と兎を何匹か、護衛につけて人里に送り出した。
鈴仙の話では竹林を出た所に藤原紅妹が待機していたらしい。
姫はその事を聞くと嬉しそうに「人間なんかと馴れ合っていたら私と殺し合う機会が減るじゃない」と笑った。
私は姫が寝るのを待ち、てゐと共に実験室に降りる。

「ゆっくりは敵だと言っていた」
「あの人間の女の子がですか?」
「そう、敵よ。敵」
「確かに一生懸命作った畑を荒らされれば憎いよ」
「違うわよ。注目すべきはその点じゃないわ」
「?」
頭に疑問符を浮かべているてゐに教えてあげる。
「私は今まで人はゆっくりを下に見ていると思ったの。でも、そうじゃない。人はゆっくりをちゃんと敵として認識しているのよ」
「つまり、差別していないと?」
「そう。それって凄い事よ。たぶん、そういう意見の人が増えれば鬼と同じ結果をゆっくりは辿るわ。いいえ」
私は嬉しそうに導き出した答えを発表する。
「鬼のようにゆっくりは幻想郷を捨てられない。たぶん、ゆっくりは絶滅するわ。素敵、外で幻想と化したものを受け入れている幻想郷で幻想になるなんて」
「完全消滅ですね」
てゐも嬉しそうに笑う。
「ええ、でも、違うかもしれない。俄然、興味が湧いてきたわ」












~あとがき~
虐待分が薄い・・・。ま、118の書くSSはいつも虐待分が薄いですからね仕方ないです。
人の言葉を理解し、親子や仲間との友愛に富み、出産育児仕事死亡を体験し、
人と似たものを食べ、人と似たものを飲み、夜は寝、昼は起き、仲間と過ごす。
それでも敵は敵なのです。むしろ憎さが増せば自分と似た生活をしている事すら許せなくなる。
少女の成長が楽しみです。肉体的な成長はご遠慮願いたい。
自分好みのゆっくり虐待少女をプロデュースするAQNドルマスターを幻聴した!!
よく考えれば、ドロワの中のことか、
by118

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最終更新:2008年09月24日 22:10
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