ド口ワ系6 私の可愛い子たち_1

ド口ワの中設定有りですが、登場する人間キャラの名前は一切出ません。
※世界観と舞台設定を勝手に使わせていただいたってな感じですね。

※可愛がりシーンが多々存在します。
※虐待はいつものようにぬるめで、全部あわせても総行数の2割ぐらいです。

※「私」による一人称。固有人名は一切登場しません。
ゆっくりより「私」と言うキャラの印象が思い切り強いです。苦手な方はご注意下さい。
※自己主張が物凄く強いキャラの日常と一人語りに、ゆっくりが絡むってな感じ。

※性的な描写を含み18禁に該当します。いつも通りアナル基本。スカトロも含みます。
ゆっくり虐待よりも、特殊な18禁エロがメインですね。間違いなく。

※人間がゆっくりに好き放題される、ってかお察し下さいな場面が物凄く多いです。

※俺設定満載と言うか、設定なんざ書く人の解釈と改変のためのものって主義です。
※ゆっくりおよび舞台設定などイメージと大きく違う場合もございます。ご注意ください。

※虐待が第一、ゆっくり以外あまり登場して欲しくない、って人には全く向きません。

※ジャンルマークをもし付けるなら、「虐 制 復 性 家 共 捕 無 外」ってなるかと思わ
れますが、18禁ですから付かないので関係無いですね。
※作者名で回避可能なように、タイトルと一緒に作者名表記しました。






「私の可愛い子たち」 作:A.H



 真面目な子だって私は思われているらしい。
 でも、本当に真面目な子だったら──きっと、ここには居ないと思う。

 確かに私は、幼い頃から真面目な子だと周りから言われる事が多かった。
 照れ笑いのひとつでも浮かべながら、そんな事ないよと適当に軽く否定すると、私が違
うと言っているにも関わらず、周りのみんなは本人も自覚していると勝手に思い込む。
 大人も子供も、男性も女性も、家族も他人も、友達も初対面の人も、例外なくみんな自
分の勝手な思い込みで私を見る。

 そう、心の色と形や声は、目や耳では判らないから、本当の私は誰も判らない。

 判りたいなら、もっと興味と関心を持って、観察して探らないとならないのに、みんな
踏み込んで来ない。
 つまりそれは私への関心や興味が──その程度でしかないって事だろう。

 どことなく寂しい気もする。
 だけど、私はそれが心地良い。
 踏み込まれない、こっちも踏み込まない心の間合いを保ち続けられる。
 そうすれば私はみんなが思う通りの、私のままで居られる。
 それは、とても好都合。

 人が人を嫌う最大の切っ掛けは──裏切られた、と思い込んだとき。

 その人が勝手に思い描いている私の虚像と、本物の私は違う。
 私はその虚像のまま、裏切らず、嫌われずに居たい。
 だから、踏み込まれないのは願ったり叶ったりだ。

 本音の付き合いは、わずらわしくて気恥ずかしい。
 それに私は人間に対して──あまり興味が無い。
 誰も私に強い興味を持っていないのだから、私も人に興味を持たない。

 間違っては、いないはずだ。
 なんだかんだで世の中は全て、ギブアンドテイク。
 ああするから、こうして欲しい、が基本になっている、
 これがやりたいから自分はこうするけど、あなたは好きにしていいと言うのは、単なる
リップサービスで、本音はどうせ違う。

 そう、みんな本音は違うんだ。
 私と同じように、きっと誰もが装って、表面をあわせて生きている。
 だから、私はおかしくない。
 普通だ。
 ただちょっと、ほんの少しだけ他人に見せない個性があるだけ。

 その個性さえ見せなければ、私は普通。
 みんながイメージしている通りの私で居続けられるから、嫌われる事はない。
 出来る限り軽く、それでいて粗略ではなく、丁寧に表面を繕い装っていれば、全て問題
無いはずだ。

 事実、問題無く私は今までやって来られたのだから、これからもきっと大丈夫──。



「……………………」
 黒板の前で、教師が喋っていた。
 私の耳はその声を素通しして、手は勝手に要点をノートにまとめている。
 平穏だが退屈な日常が、ゆっくりと流れて行く。

「………………! …………!」
 教室内の一方向を向いて、教師は声を張り上げた。
 誰かの居眠りをを注意しているようだ。どうでもいい。

「…………っと、時間か……今日はここまで!」
 チャイムが鳴り、教師が授業の終わりを告げたと同時に、私の耳はやっと音声を知覚す
るようになった。
「起立! 礼!」
 週番の号令に合わせて、私を含めみんな席を立ち礼をする。

 続いてホームルームが始まり、そして終わった。
 今日は金曜だから、月曜までは完全な自由時間。
 私が本当の私で居られる──私だけの時間が、もうすぐ訪れる。

 そう思ったのも束の間、
「──ちゃん! ゆ好み焼き食べ行かない?」
 後ろの席に座っている子が話しかけてきた。
「ごめん、今月買いたい道具があって節約してるのよ……また今度誘ってね──さん」
 私は適当な嘘の理由とともに彼女の名前を口にした。

 この後ろの席の子は、私と違って人懐っこい。
 背は私より低いが、肩にかからない程度で切っている私より、髪の毛は長い。
 他にも話す相手は居るだろうに、すぐ前に向かって喋れば良いからなのか、やたらと私
に話しかけてくる。
 別に鬱陶しいとは思っていないが、早く帰りたい時は少し困る。

「そっかぁ、残念……で、道具って何買うの?」
「指叉を買おうかなって……四肢付き捕まえるのに、丁度良さそうだから」
 断ったんだから早く解放して欲しいと思いつつ、私は笑顔で世間話に付き合う。
 長年の習性のおかげで特に意識しなくても、こう言う時は勝手に笑顔になってくれるか
ら、誰も私の本心には気付かない。

「ああ、それ良いね。トゲ着いてるのとかだと、もっと良さそう!」
 右隣の席の子が会話に参加してきた。
 ゆっくりに対して使用する武器や道具の話題を好む人が、この学園には多い。

 この子も結構な頻度で私に話しかけてくる。
 隣の席だから当たり前と言えば当たり前で、むしろ全く話しかけられなかったら、知ら
ないうちにマイナス印象を与えたのかと、私が不安に思う。
 やや色白な私と違って、健康的な肌の色をしている。

「指叉かぁ……スタンガンみたいに電気流せたら、もっと楽しいかもね」
 前の席に座っている子も、こっちへ振り向き話題に加わってきた。
 もっと別の言い訳をすべきだったかと、私は少し後悔している。

 この子は隣と後ろの子ほど話しかけて来ない。
 私を無視しているとか嫌っているのではなく、彼女は自分の隣席の子と仲が良く、しょ
っちゅう二人で話しているからだろう。
 時々は私と別の子の会話に加わってきたり、私に話を振ってきたりもする。
 少し痩せ形な私より全体的に肉付きは良いが、ぽっちゃりとまでは行かないぐらいだ。

「電流良いよね! 鉄条網に電流流して……」
 右斜め前の席の子が、やはり会話に参加してきた。
 この子は前の席の子と仲が良いから、おそらく加わってくると思っていたが、予想通り
である。

 位置関係が斜めで、仲良い子が隣と言う条件下のため、この子はあまり私には話しかけ
てこない。
 学業成績に難があるからか、ここ教えて系の質問はそこそこされる。
 別に煩わしくは無いが、仲良い子が隣以外にも居るのだから、みんなで勉強会とかして、
もっと成績を上げる努力を何故しないのかが不思議だ。
 成績が悪いと補修や追加課題、場合によっては追試などで、他に使える時間が減らされ
てしまうだろうに。

 こうして四人の少女が会話する輪が出来た。
 話題の内容は、ゆっくりに関してである。
 この学園の人で、ゆっくりの話題を好まない人は皆無と言って良い。

「あたしの場合、豚は捕まえる前に殺しちゃうなぁ……」
 左斜め後ろの子が加わり、
「道具使わなくても素手で良いじゃない? ってか豚より、私は赤れいむ捕まえたい」
 左隣の子も参加して、
「銃欲しいよね。ゴム弾撃てるのとか。どんな種類のゆっくりにも使えるし」
 その子と話していた左斜め前の子も輪に入る。

 予測しようと思えば可能だった事態を予測出来なかったのは、私の不注意だろう。
 受け答えしたり、相槌を打ったり、新たに話題を出したりと、内心げんなりしつつ私は
ずるずる会話を続けた。
 年頃の女子が七人も話していると、普通に声は大きくなり、周りの耳目を集めやすい。

 次々と、話の輪にクラスのみんなが──加わってくる。

「捕まえるより繁殖させた方が早くない?」
「育つのに時間かかるじゃん。それに平和に暮らしてる野生を……」
「あー、ゆ豚のぺにぺにちょん切りたい……」
「ゆっカー部の練習試合、明日あるらしいんだけど見に行かない?」

「ゆっくり相手に銃撃ったら、ゴム弾でも破裂しちゃわない?」
「この前買った日本刀さ、使い過ぎて茎が餡子で腐っちゃって……」
「先週から、ゆっくりジュースダイエット試してんだけど、つい飲み過ぎちゃうのよね」
「ニードルガンとかどうかな? 針山にして弱らせて捕まえるの!」

「この前捕まえたまりさ、なかなかしぶとくて虐めがいあってさぁ……」
「あー、明日か……あたし、ゆグビー部の試合見に行くって約束しちゃってて……」
「繁殖は植物型がいいよね~」
「れみりゃかふらん飼い慣らして、鵜飼いみたいに出来ないかな?」

「それじゃ、私そろそろ帰るね。みんな、またね」
「ゆっくり斬るなら、私は日本刀よりブロード・ソードかな。潰し斬る感触が好き♪」
「ふらんはともかく豚嫌い。私、豚は存在自体許せない」
「今夜から軍研二泊三日の合宿らしいね。また学園でやるのかな?」

「ゆ民の秋限定メニュー、今年はなんだろ? ボクは混ぜご飯だと嬉しいな♪」
「赤ゆってすぐ潰すより、ちょっと育ててから潰したいよね」
「日曜にイベントあるんだけど、売り子手伝ってくんない? 新刊あげるから、お願い!」
「ゲスの帽子に軽油ぶっ掛けて点火すると、すっごい声で叫ぶのよね~」

「うん、さよならー! ……でさぁ、生ゴミ食べさせ続けたら、普通のご飯あげても……」
「ぺにぺにちょん切るより、灼け火箸まむまむに突っ込む方が楽しいよ♪」
「相撲部に愛で派いるって聞いて見に行ったらさ、かわいがりって隠語らしくて……」
「豚を木に縛り付けて銃剣突撃したら、すっごく楽しそうじゃない?」

「うん、じゃあね! また月曜~!」
「げんのう脳天に振り下ろす時って、濡れちゃうよね?」
「新刊ってこの前言ってた、ゆ豚が性的に暴れ回る本でしょ? ちょっとあれは……」
「あー、私もバイトあるんだ、急がなきゃ……じゃあね!」

「釘バットとバールどっちが好き? 釘バットだと飛び散るから、私はバールなんだけど」
「あたしも部活行かないと! それじゃ、またね!」
「生きたまま目の上輪切りにして、中身ほじくって食べるのが最高よ」
「半殺しにして押入に閉じこめてたの忘れてたら……虫湧いちゃって、まいったわ」

 雑多な会話の中、私はさりげなく離脱を宣言し、その場を立ち去った。



 教室を出て、やや早足で廊下を歩きながら時計を見る。
 だいたい30分ぐらいロスしていた。
 私が委員会にも部活にも所属していないのは、放課後の自由時間を少しでも多くしたい
からなので、たった30分のロスも勿体ない。

 もちろん、人付き合いの重要性は理解している。
 だから、あまり乗り気じゃなくても、社交に時間を費やす時もある。
 いっそのこと、付き合いは最小限にしてしまおうかとも思うが、それはメリットよりデ
メリットの方が大きすぎる。

 私も思春期の少女──お年頃な女の子だ。
 ハブられる事による不利益は知っている。
 特定のグループと言うか、つるむ相手を作らず、なるべく等距離で付かず離れずのポジ
ションを保っているのと、ハブられ仲間外れ村八分は違う。

「ヒャア! 我慢できねぇ! 虐殺だ!」
 廊下を曲がると、下級生の男子がゆっくりれいむを潰していた。
「ゆべしっ!」
 れいむは金属バットを脳天に振り下ろされ、周辺に餡子を撒き散らす。

「きゃっ!」
 ぺちゃっと私の頬にも餡子が飛ぶ。
「あ……す、すんません!」
 神妙そうな顔で男子は私に頭を下げた。
 餡子の付着したバットを手に持ったまま、すでに絶命したれいむを踏みつけながら。

「……あなた一年生ね? 廊下を汚す虐待・虐殺は校則違反よ……風紀委員に見つかる前
に、早く片付けなさい」
 ハンカチで餡子を拭いつつ、私は彼を諭した。
 三往復ぐらいビンタを取ってやりたいところだが、服が汚れたわけでもないので、怒る
のは大人気ないだろう。

「は、はい……すんませんです、先輩」
 バットから手を離し、踵を揃え、深々と彼はお辞儀した。
 女子平均身長をやや上回っている私より頭一つ分ほど、この男子は背が高い。
 そんな大きな身体を縮めるようにして、かしこまっているのは微笑ましく見える。
 ルール破りはいただけないが、基本的精神は理解している子のようだ。

「いいわよ、そんなかしこまらなくて。さ、早くお掃除しなさいよ。見つかったら反省文
とお説教なんだからね」
 真面目だけど優しい先輩の顔で微笑んでから、その場を後にする。
 良く知らない後輩と長話するほど私は暇じゃない。

 数歩進んでから振り返らずに、
「そうそう、校則は今度からちゃんと守るのよ。ルールを守らない子は、ゆっくり以下っ
て思われちゃうんだから、気をつけてね!」
 しっかりと念を押す。
「は、はいっ!」
 元気な良い返事を背中に受け、私は再び早足になった。



 この学園は──少し変わっている。
 自らが所属し、しかも成績優良で真面目な部類と見なされているにも関わらず、常々私
はそう思っている。
 敷地内の至る所で、ほとんど呼吸するような感覚で、ゆっくりが虐待され殺されるのが
日常なのだから、ちょっと世間とはズレがあるだろう。

 人に対しては礼儀正しい少年が、ゆっくりに対しては悪鬼となり奇声を上げる。
 内気な可愛らしい少女が、ゆっくりを惨殺し微笑む。
 快活で陽気な運動部の少年が、じわじわ陰湿に時間を掛けてゆっくりを死に至らしめる。
 下級生からお姉様と慕われる麗しい少女が、哄笑しながらゆっくりをナイフで切り刻む。

 そんな少年少女が至極一般的な学生とみなされる学園である。

 喩えるならば、ここはゆっくりにとっての地獄であり、私たちは獄卒であろうか。
 世間と言うか学園の外部から──いったい、どう見られているのやら。

 そんな事を考えつつ歩き、私は校舎外に出た。

「ゆ゛ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「や゛べでぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
「も゛っど、ゆ゛っぐり゛じだがっだよ゛ぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
「れ゛い゛む゛の゛あ゛がぢゃん゛がぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「わ゛がら゛な゛い゛よ゛ぉぉぉぉぉぉぉっ!」

「んっほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぅ!」
「む゛ぎゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!」
「お゛があ゛ざあ゛ぁぁぁぁぁぁぁん゛っ!」
「じゃぐや゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「ゆ゛ぐっり゛じね゛ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」

 あちこちから、ゆっくりたちの悲痛な叫びが聞こえてくる。
 いつもながら──非常にうるさい。

 あまりの騒々しさに私は顔をしかめた。
 慣れていても、耳をつんざくような悲鳴の同時多発は本当にうるさい。

 歩きながらグラウンドを見ると、ゆ球部(陸)、ゆっカー部、ゆグビー部、ハンドゆっ
くり部、ゆリケット同好会、ゆクロス同好会、ゆっくり投げ同好会などが活動していた。
 それだけではなく、テニスコートの方ではゆニス部が、少し遠くのゴルフ練習場ではゆ
ルフ部、馬場ではゆロ同好会と言った具合に、様々な部活と言うか、ゆ活が行われている。

 おそらく体育館では、ゆスケット部、ゆレー部、ゆドミントン部、ゆっ球部、ゆパタク
ロー同好会など屋内球技系クラブの他、ゆ体操部も活動しているだろう。
 第二体育館ではゆっケー部、ゆーリング同好会、プールではゆ球部(水)が練習中のは
ずだ。
 ちなみに、ゆ球(陸)はベースが野球で、ゆ球(水)は水球がもとになっている。

 これらの競技は、どれも生きたゆっくりをボールとして使用する。
 ゆ体操はリボンや棍棒にも生きたゆっくりを使い、床運動は一面にゆっくりを敷き詰め
て行う。
 さらに、ゆっくりを生きたまま素材にして作った器具で平均台や跳馬などを行うから、
ゆポーツの中でも悲鳴の煩さでは群を抜いている。

 アーチェリー部や弓道部はゆっくりを的にし、軍事研究部は様々な演習の標的にゆっく
りを使い、華道部はゆっくりに華を生け、茶道部の菓子はもちろんゆっくりだ。
 それだけに留まらず、柔道、空手、ボクシング、ムエタイ、相撲、カポエラ、骨法、少
林寺拳法、秘孔研究部など格闘技系クラブも生きたゆっくりを練習に使い、投げたり、殴
ったり、蹴ったり、破裂させたりする。

 また、音楽系のクラブではゆっくりを楽器にし、将棋部や囲碁部はゆっくりを座布団に
使っている。
 料理研究部などに関しては言うまでも無いだろう──。

 この学園のほとんどのクラブは、ほぼ必ずゆっくりを「ゆっくりさせず」に活動を行う。
 マン研やアニ研、コンピューター研、登山部、園芸部、映研、水泳部、陸上部、ミステ
リ同好会、文芸部、黒魔術同好会、歴研、SF研、占い同好会、発明部、TRPG同好会、生
物部、演劇部、新聞部、畜産部、馬術部、釣り部、アマチュア無線同好会、化学部、応援
部、ダンス部、切手同好会、鉄研、美術部、舞踏同好会、カラオケ同好会なども、例外な
く何らかの形でゆっくりを痛めつけながら活動する。
 また、そのものズバリな、ゆっくり虐待研究会、ゆ豚駆除同好会、豚殺し同好会、虐殺
部などのクラブも存在し、公然と活動している。

 変わったところでは詭弁部と弁論部も、ゆっくりを使う。
 言葉の力を用いて、ゆっくりを上手く騙したり、感動させたりして、色々と無茶な事を
自発的に行わせるらしい。

 その他に非公認団体として、ゆイプ研究会、ゆナニー同好会、ゆーV研究会なども存在
しているが、活動が非公然・非公開なので私は詳しく知らない。
 一応、ゆっくりを可愛がる、ゆっくりさせる事を目的としている部活もあるが、こちら
も非公認団体扱いである。

 このように、放課後は学園内の至る所でゆっくりが泣き叫ばされるのだから、遮る物が
少ない校舎外は──とても騒がしい。

 授業にもゆっくりを使うため、校内はどこもある程度防音されている。
 教室だけではなく部室棟なども含め、建物の中はどこも防音構造と言って差し支えない。
 だから、内と外のうるささに大きな差があった。

 私が早く帰りたかったのは、この騒音をあまり聞きたくないからでもある。
 何かに熱中していたり、自分がうるさくされる原因を作ったのなら別だが、他人が起こ
す騒音は心地良く思えない。

 歩度を速めて、私は急いで家路につく。
 私の住むマンションは、裏門を出て少し歩いたところにある。
 学生数が多く、校舎と敷地が大きく広く、付属する別棟や施設も多いため、昇降口から
裏門までやたら遠い。



 外壁と校舎の間にあるスペースは、中庭にしては未整備で、通路と言うには幅が広い。
 ぐるりと回るような形で、この校舎横を通って私は裏門へと向かう。
 朝は裏門から昇降口、放課後は昇降口から裏門、と休みの日以外は毎日通る道中だ。

 そこには、この学園の性質を端的に表す光景が、いつも広がっている。
 死体となったゆっくり、瀕死のゆっくり、重軽傷を負ったゆっくりが、様々な痛々しい
姿を晒す。

「ゆぐっ……ご、ごべぶな゛ざい……」
「……ゅ……ゅ……っ……」
「……あ、あがぢゃ……れ、れいむの……あが、ぢゃ……ん」

 外壁に何箇所かゆっくりが出入り可能な穴があるため、そこから入ってきた野生の個体
を、通る人が虐待および虐殺する。
 また、授業や休み時間の暇潰しなど様々な理由で虐待された個体は、死ななかった場合
ここで解放される事が多い。

「ぐしゅっ、まりさぁ! うごいてよぉ! めをあけてよぉっ!」
「ご、ごろ゛じで……も、もう゛、じに゛だい゛……」
「れ、れみぃのおてて……あんよ……かえしてだどぉぅ……」

 他にも、飼い主の不興を買った飼いゆっくりが懲罰を受けてから捨てられるのも、たい
がいこの場所である。
 そのため、この外壁と校舎の間にある幅10メートルほどのスペースは、まるでお化け屋
敷か、インパール作戦における白骨街道か、それとも江戸時代の処刑場かと言わんばかり
の有様だ。

「じ、じに゛……だぐ、な゛い゛……ぜ……」
「ゆっ……ぐっ、じ……じだ、がっ……」
「わ、わから……ないよ……わから……」

 外壁沿いには植え込みや木立があり、校舎側には花壇なども配置されているが、本来な
ら見る者の目と心を癒す緑や花は──むしろ、残酷さを際だたせる背景である。

「ど……し、てなん……だ……ぜ、まり……さ、わる……いこと、し……」
「ありす……ありすぅ……しんじゃ、やだよぉぉぉぉっ!」
「…………ゅ……ゆ……っ…………ゅっ……」

 ホームルーム終了から40分ほど経過した中途半端な時間のためか、人影は少ない。
 私の前方約50メートルあたりを三人組の女子が先行し、その先にぽつぽつと人が見える
程度である。

「いた……いよ、ら……んしゃ、ま……た、たす……け……」
「む……ぎゅ、ぅ……ぱ、ちぇ……も、う……し、ん……」
「ゆ゛……ぐっ……ぐ……う゛っ……ゆ゛っ……」

「ぉ……おか……あ、さ……い……ぃた……い……」
「む……きゅ……む……」
「も、も゛っど……ゆ、ゆ゛っぐ、り……じだ……が……っだ……」

 あちらには、両目をくりぬかれ、全身の皮肌を餡子が漏れない程度に引き剥がされ、自
らの長い金髪で木から逆さに吊された、ゆっくりまりさが呻いていた。
 こちらには、半ば潰された体から餡子を漏らしつつ、もう動かなくなった我が子へ向か
いずりずりと這う、ゆっくりれいむの姿が見える。

 やや遠い茂みの近くでは、頭髪を全て引き抜かれ、代わりに何十本もの造花を頭に刺さ
れ植えられた、ゆっくりゆうかが無惨に息絶えていた。
 その傍らには、全身を真っ黒に焼き焦がされた物体が、死にきれず痙攣していた。近く
に緑色の帽子が落ちているから、ゆっくりめーりんだと思われる。

 他方に目を向けると、両手足を付け根から切断され、その傷口に空き缶を埋め込まれた
上に、背中の翼も引き千切られた、ゆっくりれみりゃが泣きながら芋虫のように這い回っ
ていた。
 また別のあちらには、底部から脳天までを竹槍で貫かれ、串刺しにされた、ゆっくりち
ぇんが壊れたレコードのように「わからない」と呟いている。

 ふと足下を見ると、特に外傷は見当たらないが絶命している、ゆっくりぱちゅりーが転
がっていた。おそらく凄惨な光景を見てショック死したのだろう。

 すでに命を失った個体もいれば、生きて苦悶の呻きを漏らし続ける者も多い。

 慣れない人は思わず足を止め、天に神の存在を問いたくなるかも知れないが、この学園
の者にとっては見慣れた日常風景である。
 あまり心を動かされることなく、ざっと周辺を見渡しながら、私は帰宅の道を歩んで行
く。



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最終更新:2008年10月27日 22:05
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