野良ゆと飼いゆ

「おにいさん、おはようなんだねー!」
「おにいしゃん!おにいしゃん!」
「ちえんとあしょんでねー!」
「しゅーりしゅーり」
「おにいしゃんもしゅーりしゅーり」
「むきゅ、おちびちゃんたちおにいさんをこまらせちゃだめよ」

野良だったちぇんとぱちゅりー、赤ゆ達が今日も元気良く俺に話しかけて来る。
俺がちぇん達に出会ったのは2週間前の事だ。家の前でボロボロの状態で倒れているちぇんとぱちゅりーを発見し、俺は急いで2ゆを家に入れてオレンジジュースをかけるとすぐに元通りになった。

「おにいさんありがとうなんだねー!」
「むきゅきゅ、たすかったわ」

俺は回復した2ゆに事情を聞くと、この近くに市で管理している野良ゆっくり達が住む公園があり2ゆはそこで他の野良ゆっくり達と一緒に生活していた。
2日前に見知らぬ男がやって来て入り口近くにいたちぇんとぱちゅりーを捕まえ飽きるまで虐待をしたという事だった。
ここら辺の地域では野良ゆっくりを虐待する事は許されていないし、市が管理している野良ゆっくりを勝手に捕まえるなど唯の犯罪だ。俺はすぐに市のゆっくり管理課に連絡してその日の内に男を逮捕し、助けたちぇんとぱちゅりーの飼いゆにする手続きをした。

「おにいさんぱちゅりーたちをほんとうにかいゆっくりにしてくれるの?」
「ぱちゅりーのおなかにはあたらしいいのちさんがいるんだねー!おにいさんにめいわくをかけるかもしれないんだねー!」
「大丈夫だ。俺は君達の事が気に入ったからね」

この短い間でちぇんとぱちゅりーが頭が良くちゃんと躾などがされているのが分かった。
それとなく2ゆに聞くとそれぞれの片親が元々飼いゆっくりだった様で、捨てられて野良ゆっくりなってからも子供達に飼いゆっくりだった頃の躾をした。ぱちゅりーは文字の書き方や読み方まで教わった様で、教育マニュアルという手作りの本まで持っていた。
飼いゆっくりとなったちぇんとぱちゅりーの新しい家や必要な物を用意する。それから産まれてくる赤ゆっくりは常にお腹を空かせているので、ゆっくりフードを多めに渡しちぇんとぱちゅりーは備蓄する。

「むぎゅきゅー!うまれる!」

4日後の朝。
ぱちゅりーは全身を汗まみれで苦しみ出す。
その傍でちぇんが帽子を構えている。

「おちびちゃんはちぇんがうけとめるからまかせてね!」

産道が開ききり、みかんくらいのサイズの赤ちぇんが顔を覗かせる。

「ゆっくち!ちえんがうまれるよ!」

赤ちぇんが発射され放物線を描きながらちぇんの構えた帽子の中に着地する。ぱちゅりーは更に赤ちぇんと2ゆの赤ぱちゅりーを出産する。

「「「「ゆっくちしていっちぇね!」」」」
「「ゆっくりしていってね!」」

赤ゆ達の挨拶にちぇんとぱちゅりーは笑顔で挨拶を返す。

「産まれたんだな」
「おにいさん!ちぇんのおちびちゃんたちがうまれたんだねー!」
「おちびちゃんたち、おにいさんにあいさつをするのよ」
「「「「ゆっくちしていっちぇね!」」」」
「あぁ、ゆっくりしていってね」

この赤ゆ達も賢かった。
普通の赤ゆっくりは常に涎やしーしーで体を汚し、あちこち動き回ってはお腹がすいたと大泣きする。親ゆ達が躾をしようとしても言う事など聞かず、逆に自分達を邪魔をする親ゆはぷくーしたりする。親ゆ達は徐々にストレスが溜まっていき最終的に自分達をゆっくりさせないゲスな赤ゆは死ねという考えになり潰してしまう。
この赤ゆ達はちぇんとぱちゅりーの言う事を聞きトイレなどもすぐに覚えてしまう。
一度だけあまあまが欲しいと騒いだ時は、ちぇんとぱちゅりーが怒って赤ゆ達を容赦なく叩きそれ以来騒いだりしなくなった。

「おちびちゃんたちかりはこうやるだねー!」
「むきゅ、こっちのあかいはなさんはとってもおいしいのよ。このくささんはにがいけどおくすりになるのよ」

庭でちぇんとぱちゅりーが赤ゆ達に狩りの仕方などを教えている。ちぇん達は実際に捕まえた虫や花をむーしゃむーしゃする。
ゆっくりは甘い物が大好きで、普段食べさせている安いゆっくりフードでも少し甘い味がする。甘い物ばかり食べさせると舌が肥えてそれ以外の物を食べ無くなるので、ゆっくりを飼う時は甘く無い物を与えたりする。
特に赤ゆっくりの状態でこうして置けば舌が肥えず何でも食べられるゆっくりになるので、ちぇん達が赤ゆ達に虫や花を食べさせ余計な躾をしなくて済むので俺は助かる。

「きょうはおうちにもどるんだねー」
「むきゅ、おうちにはいるまえにたおるさんであんよをきれいきれいにするのよ」

タオルにあんよを擦り付けて土などを落とし家の中に入ってくる。ちぇんとぱちゅりーは今日も頑張って勉強をした赤ゆ達を褒める。

「おとーしゃんちえんとしゅーりしゅーりしよう!」
「ちえんもしゅーりしゅーりしゅる!」
「おちびちゃんたちすーりすーりなんだねー」
「むきゅ!おかーしゃんいっちょにごほんしゃんをよみたいよ」
「むきゅきゅ!ごほんしゃん!」
「むきゅむきゅ、それじゃあきょうはこのごほんさんをよみましょうか」

ちぇんは赤ちぇんにすーりすーりし、ぱちゅりーは絵本を持ってきて赤ぱちゅりーに読み始める。それぞれ赤ゆ達と過ごし始める。
その光景はとてもゆっくりしていて、遠くから羨ましそうにれいむとありすが見ていた。

「おにいさん!」
「おにいさんにおねがいがあるのよ!」

れいむとありすは俺の足元まで来る。
その後に何を言うのかは俺にもすぐに分かる。

「れいむも」
「駄目だ」
「どぼぢでぞんなごどいうのおおおぉぉぉぉ!」
「ぞんなのどがいばじゃないわああぁぁ!」

れいむとありすは大声で泣き喚くが俺は淡々と駄目だと繰り返した。
このれいむとありすは俺が元々飼っていたゆっくりで、赤ゆの頃から大事に育ててきた。俺の言う事を良く聞いて疲れた俺に癒しを与え、偶におっちょこちょいな事をする元気な奴だ。
8ヶ月前に成体になり金バッチを取得したれいむとありすに俺はご褒美は何がいいのか聞いた。

「れいむはおちびちゃんがほしいんだよ!」
「おちびちゃんがいればおにいさんももっともっとゆっくりできるのよ!」

俺はそれを聞き、すぐに拒否した。
飼いゆっくりが子供を作った時は飼い主がしつこくても子育てに介入しなければならない。それを怠れば金バッチの飼いゆっくりでも2日もあればゲスになる。
これはゆっくりが家族を形成した事で根拠の無い自信が生まれ、立派な大人だと錯覚して飼い主と対等だと思ってしまう事が原因だ。
それ以上の問題はやはり前述した赤ゆっくりだ。赤ゆっくりはとにかく我儘で親の言う事など聞かない。思い通りにならなければ泣き喚きぷくーなどの行為をする。野良ゆっくりであればそこで赤ゆっくりを潰すが、飼いゆっくりは普段から我慢させられる事が多い為か潰す事はせずに赤ゆっくりに嫌われない様に言いなりなる。
人間でも手を焼く赤ゆっくりの躾など出来る訳がなく見事なゲスゆっくりに育てあげ、自分達も赤ゆっくりの影響を受けてゲスになるという呆れた結果を出す。

「おちびちゃんはとってもゆっくりできるんだよ!おにいさんもぜったいぜったいぜったいゆっくりできるんだよ!だからおちびちゃんをつくらせてね!」
「ありすのおちびちゃんはとくべつよ!おにいさんもゆっくりさせるとかいはなゆっくりになるわ!」
「何を馬鹿な事を言ってるだ?おちびちゃんがいてゆっくり出来る訳が無いだろう」

俺の仕事では出張などで3日くらい家を空ける時があるので、赤ゆっくりなど産まれたらこいつらは間違い無くゲスに育てるし信用出来ない。
そもそも産まれてもいないのに自分達のおちびちゃんは特別だとか言っている時点で駄目だ。

「そんなに騒ぐなら去勢をするしか無いな」
「きょ、きょせい!」
「そんなのとかいはじゃないわああぁぁぁ!」
「おちびちゃんが作れなくなればお前達も静かになるだろう?れいむのぺにぺにを切除するか………」

俺は去勢用のハサミを取り出し、暴れるれいむを手で振り強制的に発情させてぺにぺにを露出させる。
ゆっくりのぺにぺにはまむまむでもあるので、去勢する際は発情させてぺにぺにを露出させハサミで切り落とす。こうする事でその番は子作りが出来なくなる。

「ゆんやあああああぁぁぁぁ!ごめんなさい!」
「わがままをいわないかられいむのぺにぺにさんをきょせいしないでえぇぇ!」

この時の恐怖でれいむとありすは俺に何度も謝罪しおちびちゃんが欲しいなどと言わなくなったが、ちぇん達がおちびちゃんとゆっくりしているのを見て自分達も欲しいとまた騒ぎ出してしまった。

「あたらしくきたちゃんとぱちゅりーはおちびちゃんもいてゆっくりしてるんだよ!」
「ずるいずるいわ!ありすもおちびちゃんといっしょにゆっくりしたいわ!」
「ちぇんとぱちゅりーはちゃんとおちびちゃんの躾をしているから認めているんだ」
「それなられいむもちゃんとおちびちゃんのしつけをできるんだよ!」
「とってもとかいはなゆっくりにそだてるわ!」

れいむとありすはおちびちゃんが欲しいと叫ぶ。
ちぇんとぱちゅりーがおちびちゃんを育てられるなら、自分達も出来るという訳の分からない自信を俺に聞かせてくる。
そこで俺は一つ思い付いた。

「そうかそうか、れいむとありすはおちびちゃんを育てられるんだな?」
「そうだよ!れいむはおちびちゃんをりっぱなゆっくりにそだてられるんだよ!」
「ありすはこそだてがとくいなのよ!おにいさんがゆっくりできるとかいはなゆっくりにそだてるわ!」
「なら、おちびちゃんを作るのを許そう」
「や、やったよおおおぉぉぉぉ!」
「とかいはだわぁぁぁぁぁ!」

れいむとありすは歓喜の叫びをあげる。

「ただしだ」
「「ゆゆっ?」」
「産まれたおちびちゃん達がちゃんとしたゆっくりじゃ無ければ俺はお前達に罰を与えるからな」
「ゆ?なにをするの?」
「そんな事を心配しないでもいいだろ?れいむとありすは子育てが得意でちゃんと出来るんだからな」
「ゆっ!そうだよ!とってもゆっくりしたおちびちゃんになるんだよ!」
「おにいさんもいっしょにゆっくりできるわ!」

れいむとありすは自信満々に俺に宣言をすると自分達の家に戻りすぐにすーりすーりを始める。
その日の午後にれいむの額には4ゆの実ゆっくりが出来ていた。れいむとありすは眠る実ゆっくり達に子守唄を歌い早く産まれて一緒にゆっくりしようと眺める。
そんな未来は有り得ないというのに。

「ゆううぅ」
「おちびちゃん!ゆっくりうまれてきてね!」
「ままたちがちゃんとみまもっているわ!ゆっくりうまれてくるのよ!」

次の日の朝。
茎の実ゆっくりが震えだし、先端の赤れいむが目を開き体を振って産まれ落ちようとしている。
もみあげを振り回し鳴いていると頭の茎が千切れてそのまま落下する。床にはタオルが数枚敷かれていて、赤れいむはその中に着地する。
他の赤ゆっくり達もすぐに目覚めて落下していき、れいむとありすに挨拶をする。

「「「「ゆっくちしていっちぇね!」」」」
「「ゆっくりしていってね!」」

れいむとありすは赤ゆっくり達の誕生にすっかり浮かれきっている。
れいむとありすはしばらくの間は赤ゆっくり達にすーりすーりやぺーろぺーろをしていたが、腹を空かせた赤ゆっくり達はすぐに泣き喚き始める。

「おにゃかしゅいちゃよおおおお!」
「ゆえぇぇぇん!ごはんしゃん!」
「ときゃいはあぁぁぁ!ときゃいはじゃにゃいいい!」
「らんちしゃんがたべちゃいよおおおお!」

れいむとありすはハウスに貯めていたゆっくりフードを口で運び、赤ゆっくり達の前に差し出した。

「おちびちゃんたちごはんさんだよ!」
「とかいはならんちさんをいっぱいむーしゃむーしゃしましょうね!」
「「「「ゆゆっ!ゆわーい!きゃわいいれいみゅ(ありしゅ)のすーぱーむーちゃむーちゃたいみゅ!はっじまりゅよっ!」」」」

赤ゆっくり達は宣言をするとゆっくりフードに喜んで口を付ける。

「「「「むーちゃむー………か、かちゃいいい!」」」」

しかし、ゆっくりフードの硬さに歯が立たず赤ゆっくり達は泣き始める。

「ゆううぅぅ!?かたいかたいさんなのっ!?おちびちゃんたちごめんねっ!」
「ゆっ!でもおちびちゃんたちのらんちさんはどうすればいいの!?」

れいむとありすはどうすればいいのか分からず、泣き喚く赤ゆっくり達にうろたえてその場でもみあげを振り回しているだけだ。
ゆっくりの繁殖方法は交尾をする事で子を作る胎生型、額から茎が生えて赤ゆっくりが生る植物型。胎生型は植物型と違いある程度ゆっくりの中で成長してから産まれて来るので、産まれてすぐでも硬いゆっくりフードを食べる事が出来る。
植物型の場合は最初に赤ゆっくり達に与える物は額の茎を咀嚼した物を食べさせる。そんな事を子供を育てた事も無いれいむとありすが知っている訳が無い。

「れいむ、ありす!おちびちゃんにさいしょはくきさんをむーしゃむーしゃさせるんだね!」

庭にいたちぇんがいつの間に家の中に戻っていて、れいむの額の茎を取ると少し口に含み咀嚼する。
れいむとありすもちぇんの真似をして残った茎を口に含み咀嚼し、柔らかくなった茎を赤ゆっくり達の前に吐き出して差し出す。

「おちびちゃんたち!そのくきさんをむーしゃむーしゃするんだねー!」
「「「「ゆゆっ!むーちゃむーちゃ!うっめ!ぱねっ!まじぱにぇっ!」」」」

ぺちゃぺちゃと酷い音を立てながらもるんもるんと尻を振りながら、顔中を食べカスと唾液まみれにしながら食べ続ける赤ゆっくり達に俺とちぇんは若干引いていた。

「ゆっふうううぅぅぅ、かわいいよおぉぉぉ!かわいいれいむのてんしさんだよおおおぉぉぉぉぉぉ!」
「ゆふふふふ、とってもとかいはでゆっくりしたおちびちゃんたちだわ!」

れいむとありすは目を細めながら笑顔で赤ゆっくり達の様子を眺めている。
俺はその様子を見てこれは駄目だと確信する。
こいつらはまともに子育てなど出来ない。

「おにいさん」

ちぇんが俺を見る。
賢いちぇんはこれからこの赤ゆっくりがどうなるのかを簡単に想像出来たのだろう。

「ちぇんは心配しなくてもいい。自分のおちびちゃん達の事だけ考えていればいいんだ」
「わかったんだよー!」

ちぇんは少し元気無く返事をすると庭の方に戻っていく。
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最終更新:2024年12月12日 20:04
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