まりさの両目が失われた、二匹にとっての恐怖の夜を乗り切ったれいむとまりさは、生きて朝を迎えることが出来た。
あの後れいむは視力を失ったまりさを髪を引っ張って誘導しながら、運良く近所の公園を見つける事が出来た。
そのまま公園の中に逃げるように入り、トイレ脇の茂みの中に隠れて一夜を過ごした。
茂みに隠れた時にはまりさは既に気を失っており、れいむも疲労困憊でそのまま死んだかのように眠りについた。
そして、翌朝。
まだ陽も昇りきっていない、朝早い時間。
通勤通学ラッシュの頭となる時間帯に、れいむは目覚めた。
「ゆぐゅ……ゆぅん……」
もぞもぞと身を揺すりながら覚醒するれいむ。
野生で生きていたためか目覚めは良い。起きて後すぐさま辺りを確認し、まだ朝早くで自分たちは安全であることを確認する。
その際、まりさにも視線をやった。
まりさは両目と一緒にまぶたも奪われたらしく、空っぽの眼窩のみが両目の位置にあり眠っているのかどうか一目では判別がつかなかったが、
ゆっくりと寝息のようなものをたてて体が上下している所を見ると、まだ眠っているようだ。
「だぁりん……れいむがんばるから、ゆっくりしていってね」
眠っている最愛のまりさに近寄りそっと呟きながら頬擦りをする。
す~りす~り、と肌を通して感じるまりさの存在に安堵する。
まだ、生きている。れいむもまりさも、まだ生きている。
楽しいはずのはねゆーん。何でこうなってしまったのか。
思い返せば苦しみと痛みの記憶しか思い返せない。楽しい思いでも一時はあったが、後の出来事に上書きされている。
はねゆーんは全然ゆっくりできない。
普通のゆっくりならば、ここではねゆーんを提案したまりさを責めるとこだろうが、このれいむとまりさの絆は生半可では無かった。
れいむもまりさも、どちらも被害者。ならばお互い手を取り合って頑張らねばならぬ、と。
れいむはこの日はもう山に帰る気でいた。人間の町は全然ゆっくり出来ないから。
特別な思い出など無理に作らなくてもいい。まりさと一緒の生活さえあれば、それがれいむにとって特別な思い出となるのだから。
「だーりん、いまあさごはんとってくるからね……」
最後のす~りす~りを終えて、れいむはまりさから離れる。
そのまま公園の入り口へと向かった。昨夜見た、公園の入り口に生えていたタンポポの存在を思い出したのだ。
自分はそこら辺に生えている雑草でいい。目を無くして辛いまりさに美味しいものを食べて欲しい。
れいむにあるのは、その一心だった。
「ゆっ、きれいなおはなさん。だーりんのためにゆっくりたべられてね!」
公園の入り口、歩道側に面しているそこに生えていたタンポポを咥えてむしり取るれいむ。
ほんの二輪。ゆっくり一匹分もない量ではあるが、今は少しでもまりさをゆっくりさせてあげたかった。
れいむのその願いは、叶えられる事無し。
「おっ、今時街中で野生のゆっくりとは珍しい」
「ゆっ!?」
突如背後から声がし、バッと振り返るれいむ。そこにはスーツ姿の青年がいた。
スーツ姿の青年は、何気ない足取りでれいむに近づくと、ひょいとれいむと抱え上げた。
口に咥えていたタンポポが、はらりと落ちた。
「いやぁ、丁度いい。昨日母体れいむが一体死んだところでなぁ。お前は運がいい」
「ゆゆっ! やめてっ! はなしてぇ!」
片腕で抱えられるように持たれたれいむは身を捩って抵抗するも、成人男性にしてみればそんなものほぼ無抵抗に近い。
じたばたと僅かに動くのみであった。
「お前は運がいいよ。このまま街中で生きていれば無駄に命を散らすだけだ。お前は今日から価値ある生にすることが出来る」
「やめて! はなして! ゆっくりやめて!」
青年はれいむを抱えたまま、すたすたと歩き出す。
それはすなわち、まりさの居る公園から離れるということ。
れいむはそれを必死で拒んだ。暴れ、叫び、力の限り足掻いた。
「やべでぇぇ!! ゆっぐぢでぎない゛ぃぃ!! おじざんはなじでぇぇぇ!!」
「黙れ」
ドムッ
青年の拳がれいむの顔面に突き刺さる。あまりの激痛に声も出せず、呻くれいむ。
意志に反した涙が流れるが、今はそれよりもまりさのために公園に戻らなければ。
「ゆぐっ、おじざんはなじ──」
「黙れ」
「ゆべっ! ゆっ、ゆっぐじでぎな──」
「黙れ」
「ゆぶっ! ゆぐっ、えぐっ、でいぶはあぞごに──」
「黙れ!」
「ゆびっ! だーり──」
「黙れ!!」
度重なる殴打。潰し殺しかねない勢いで繰り出される痛みに、れいむはとうとう屈してしまった。
まりさが大事。まりさが心配。でも痛いのは嫌だ。これ以上は死んじゃう。死にたくないよ……。
ゆぐっ、えぐっ、と涙をこぼしながら青年に持ち去られていくれいむ。
「泣き喚くゆっくりを抱えて歩いていたら、何言われるかわからん……」
ようやく黙ったれいむを満足気に抱えた青年は、自分の仕事場へと出勤する。
ゆっくりが世間に現れて出来た、ゆっくりを製品として取り扱う通称『加工所』の通称で呼ばれる会社。
青年が勤めるのは最大大手の加工所よりも小さい所ではあるが、ゆっくりを原材料とする製品を取り扱っていた。
れいむはまりさと引き離される形で、攫われた。
これが、れいむとまりさの今生の別れとなった。
青年は仕事場である加工所につくと、事情を説明し別の職員にゆっくりれいむを手渡した。
渡された職員はれいむを抱えると、ある一室へと向かった。
「ゆぐっ、おねぇざんはゆっぐぢできるひと……?」
「えぇ、ゆっくり出来るわよ」
未だに泣きじゃくるれいむに訊ねられた女性は、そんざいにそう答えながらその一室にある道具を取り出した。
殺菌用の薬品を染み込ませたガーゼで一旦磨くように拭いたそれ、アルミの棒を構える。
女性は長さ五十センチ程のそれを片手に持つと、もう片手でれいむの口をこじ開けた。
「ゆっ!?」
突然口を開けられて驚愕するれいむに、
「────ッ!?」
女性の持つ棒が突っ込まれた。
ドス、と口蓋を突き破るかのように押し込まれた棒は、れいむの体内に潜り込むとグチャグチャと動き始める。
ゆっくりの生命に関わる中枢餡子を傷つけることなく、れいむの体内を犯す棒。
れいむは自分の中がかき回される感覚を覚えた。
自分の意識が白濁して飛びかける感覚も覚えた。
同時に、自分の中身が這い上がってくる嘔吐感も感じた。
「ゆ゛っ゛、ゆ゛っ゛」
れいむが呻き、痙攣し始めたところで女性はサッと棒をれいむから引き抜く。
途端、栓をぬいたかのようにれいむの口から餡子がこぼれ出た。
エレエレと嘔吐するように自分の中身である餡子を、苦痛に染まった表情で吐き出すれいむ。
生命に関わらない程度に餡子を吐き出したれいむは、ゆげっ、ゆげっ、と咳をするように呻いた。
女性はれいむが吐き出した餡子を一定量採取すると、それを透明のシャーレに入れて別の部屋へと持って行った。
れいむが喋れるまでに回復し、「どぼじでごんなごどずるの゛ぉぉぉ!!」と怒り叫ぶ頃には、女性は再び部屋に戻って来ていた。
「やっぱり野生はダメね。念のため餡子の質を検査したけど製品には出来ないわね。貴方は母体行きよ」
「ゆぐっ……なんのごど……?」
昨日の朝に朝食を食べて以降何も口にしていないれいむにとって、先の餡子取り出しは衰弱していたれいむを更に弱らせた。
疲れ果て、空腹に苦しみ、今なおまりさの安否を気遣うれいむに、女性の言葉の意味を図る余裕は無かった。
ぐったりして跳ねる元気も無いれいむを、今度は別の男性職員が抱えて運んでいく。
れいむが次に連れられた先には、ある機械があった。
男性はれいむを腰ほどの高さの台に載せると、ある物を手に取った。それは四角形の薄い鉄板。お好み焼きを引っくり返すヘラのようなものだ。
男が機械のスイッチを入れると、そのヘラが徐々に熱を持ち、赤くなっていった。
「ゆゆっ?」
金属の色は赤に、そして橙色に近い黄色へ、白色と変色していく。ジュウジュウと空気の焼ける音がする。
れいむはそれに本能的な恐怖を覚えた。あれから逃げなくては。
そう判断した時には既に遅し。台から飛び降りようとしたれいむを男の手がガシッと掴んでいた。
「ゆゆっ!? ゆっくりやめてねっ! はなしてね!」
ジタバタと暴れるれいむであったが、これまで何度もそうであったように、人間相手には意味が無い。
男は髪を掴んだれいむの体を持ち上げると、白熱したヘラを、
「ゆぐっ! やべで! あづいよ! ゆっぐぢでぎないよっ! やべ────あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」
れいむの底部に、押し当てた。
部屋中に響き渡るれいむの絶叫。零す涙すら鉄板の熱で蒸発する。
ジウジウと音を立てて焼かれるれいむの底部。ゆっくりにとっての足。野生にとっては生命線ともいえるそれが、見るも無惨に焼けていく。
「あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛づう゛いい゛よ゛ぉぉぉ!! ゆ゛ぎぃぃぃぃ!! い゛ぢゃい゛ぃぃぃぃぃぃ!!!」
目からは滝のような涙。食いしばる口の端からは泡がこぼれ出る。見開かれた目は血走ったようだ。
粘着性もある汚らしい液体を撒き散らすれいむを男は力ずくで押さえ、灼熱の鉄板を押し当てる。れいむの体が焦げる音と臭いが充満する。
どれだけそうしていただろうか。
逃げたくても逃げられない熱地獄からようやく解放されたれいむ。
涙も枯れ果て蒸発したかのようなれいむの底部、〝あし〟は真っ黒に炭化していた。
「ゆぎっ……ゆぐっ……でいぶの、でいぶのあじが……」
台の上に横たわりまだ出る涙を垂れ流すれいむの脳内には、かつての思い出が去来していた。
自慢の足でまりさと山を駆け回った日々。ふたり揃って遊び、駆け回り、狩りをしたあの日々。
れいむの綺麗な足を、まりさは褒めてくれた。『きれいなきゃくせんびだね』とうっとりする声音で囁いてくれた。
その自慢の足は、もう無い。代わりにあるのは見るも無惨な真っ黒の足。
完全に炭化し、かつての柔らかさと弾力の面影もない固くみすぼらしいモノ。
もう、れいむは歩けない。底部を動かせないゆっくりは、もう自らの意志で進むこと叶わず。
野生ならば死んだも同然。だが、もうれいむは野生のゆっくりではない。
「よし、完了っと」
男は底部を完全に焦げ焦げに焼いたれいむを抱えると、その部屋を後にした。
コツコツと男の靴が足音を響かせる。
先ほどれいむが足を焼かれた清潔感のある部屋とは違い、気付いたらコンクリートがむき出しの通路に居た。
「……ゆっ?」
通路は真っ直ぐではなく、湾曲していた。それはリングを作るように環状になっている通路であった。
そして、そのリングの内側にはコンクリートの壁に仕切られ、通路側とは鉄の柵で阻まれた小部屋が連なっていた。
まるで、囚人を収監する刑務所のようだ。
「ゆ゛っ!?」
その小部屋の中を見てれいむは目を見開いた。
そこに居たのはれいむと同じゆっくり。だが、どの小部屋に居るゆっくりも皆頭から子ゆっくりの茎を生やしていたのだ。
一つの小部屋に成体ゆっくり一匹という有様であるが、どれも頭から大量の茎を生やしていた。
そしてどの成体ゆっくりの顔にも、生気というものが感じられなかった。
おおよそ野生ではありえぬその量に、れいむは薄ら寒い予感を覚えた。
「ほら、ここが今日からお前のお家だ」
男がそう言いながられいむを放り込んだ部屋は、裸のコンクリートのみの部屋だった。
奥行きは二メートル程、幅三メートル程のその部屋には何も無い。あるのはせいぜい天井から伸びた一本の管と床に染み付いた液体の跡ぐらいだ。
「ゆぐっ? おじざんなにいっでるの……? ここはでいぶのおうぢじゃないよ……?」
「いいや、ここが今日からお前のお家になるんだ」
底部を焼かれ動くことの出来ないれいむは不思議そうに首を僅かに傾げる。
「それよりおじさん、れいむをだーりんのところにかえしてね」
「は? ダーリン? お前また面白い言葉使うな。元飼いゆっくりか?」
男はれいむと一応は会話を交わしながらも、テキパキと次の行動に移っていた。
天井から伸びる管を手に取ると、それを引っ張った。管は男が引っ張るのに合わせて伸びる。巻かれたホースを取り出すかのように。
男はその管を片手に、もう片手でれいむの頭を押さえる。
「ゆっ!? おじさん、なにじでるの……?」
〝はねゆーん〟に来てから頭を掴まれるという事にろくな思い出のないれいむはその事に恐怖を感じる。
しかし、そうしたところで何が出来るわけでもない。
れいむはただ無抵抗に、男の持つ管を後頭部に挿入されるのを受け入れるしか無かった。
「ゆ゛っ!? ゆぎぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!」
ミチミチ、と音をたてて異物が混入する感覚。
後頭部の皮を突き破り、頭の内部に何かが侵入する。
れいむは足を焼かれた時とは違うタイプの痛みに、白目を向き、涙を流し、歯を食いしばって悶絶した。
体の中を掻き回された時とも違う力技による激痛。意識が吹き飛びかねない異物の侵入も、管が満足にれいむの体内に入ったところで止められた。
「ゆびぃっ……、ゆびぃっ……」
体を抉られるというこれまで感じたことのない激痛からの解放にれいむは涙混じりに息をつく。
それでも後頭部から異物が入り込んでいる違和感は拭い去れない。体を少しでも動かせば激痛が走る。
痛みが嫌ならばただ、置物のようにじっとしているしかない。
「さてと、丁度良い時間だな」
男が腕時計で時間を確認し呟いた。
れいむにはその言葉の意味が分からなかったが、突如小部屋にビッー! とサイレンが鳴り響いた。
「ゆっ? ゆっ!?」
底部を焼かれて可動範囲の狭まった体でも、これから何が起こるのか把握せんと体を捩って視線を確保しようとする。
だがれいむの視線が捉えるのは、正面鉄の柵とその向こう側の通路のみ。
事が起こるのは、その背後だった。
ガラリと何かが開かれる音がした。
それはれいむの背後。灰色の壁の下部に、ゆっくり用の出入り口があった。向こう側から開かれる横開きの扉が開かれたのだ。
れいむは確認できなかったが、その小さい扉の向こう側、リングの中央空洞にあたる大部屋には、数多のゆっくりありすがひしめき合っていた。
どれも体を揺らされるという発情処理を施されており、皆一様に鼻息荒く興奮している。
その大部屋の中から、三匹のゆっくりありすがれいむの小部屋になだれ込んできた。
「んほっ、んほおぉぉぉぉぉぉ!!!」
「れいむ゛、れ゛いむ゛、でいぶぅぅぅぅ!!」
「がわいいでいぶ、いっじょにっすきりしましょぉぉぉぉ!!!」
さながら闘牛の如く。
横にスライドされた扉から入ってきた三匹のありすは、全て極限の興奮状態にあり、目は血走り鼻息は汚いぐらいに荒い。
飢えた野獣のごとく大部屋から駆け寄ってきたありすは、前と左右にとれいむを囲み、一斉に体を擦り合わせた。
「ゆぐっ、ありずっ!? どぼじだの? やべでっ、やべでよぉぉ!!」
コスコス、ニチョニチョ、ネチョネチョと頬と頬をすり合わせ頬を上気させていく三匹のありす。
その興奮した体からはネトネトとした粘着性の液体が分泌されている。
ありす達がれいむ相手にやろうとしているのは『すっきり』、いわゆるゆっくりの交尾だ。
そして興奮したありす達が無理矢理れいむに交尾をしているのはつまり、強姦だ。
「でいぶ、かわいいわ゛ぁぁぁぁぁ!!」
「すべすべのおはだねぇ、とかいはよ゛ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「どがいはのありずがすっぎりざぜであげるわ゛ぁぁぁぁぁぁ!!」
「やめでえぇぇぇぇ!! おねがい、やべでぇぇぇぇぇ!!」
れいむは動けない体を振り動かし精一杯の抵抗を試みているが、毛ほどの役にも立っていない。
目に見える抵抗の証といえば目から溢れる涙のみ。
れいむは思い返す。どうして、どうしてこんな事になっているのだろう、と。
バスから放り出されて、蹴られて、遊園地から追い出されて、犬に吠え立てられ、ホテルから追い出され、まりさから引き離され、体の中を掻き乱され、足を焼かれ、今強姦されている。
れいむはこれまで『すっきり』をしたことがなかった。ゆっくりの初キッス、『ふぁーすとちゅっちゅ』もまだである。
それは全て、最愛のまりさに捧げるために大事にとっておいたもの。
己の身の純潔を、誰にも触れられぬようにしておいたのだ。
一緒に一生ゆっくりする事を決めたまりさに、れいむは初めてのすっきりを捧げるつもりだった。
そのまりさから〝はねゆーん〟を提案され、その〝はねゆーん〟で初すっきりをするつもりでもあった。
それが、昨夜あんなことになってしまったため出来なかった。
だから、今行なわれている望まぬ性交は、れいむにとって初めての、大事な大事な初めてのすっきりなのである。
「おねがい゛やべでぇぇぇぇ!! でいぶいや゛なの゛ぉぉぉぉ!!」
「いやよ゛いやよ゛もすきの゛うぢよ゛ぉぉぉぉぉ!!」
「とかいばのありずのでぐにっぐですぐにほねぬきにしであげるわ゛ぁぁぁぁぁ!!」
「んほぉぉぉぉぉ!! いやがるでいぶもがわいぃぃぃぃぃ!!」
三方向から体をこすり付けられ、全身テカテカヌメヌメの粘液で覆われるれいむ。
するとれいむの前方、目の前で体をコスコスとこすり付けていたありすが、その口をれいむの口に押し当てた。
「ッ!?」
「んべろおぉぉぉんっ! でいぶのぐじびるどっでもがわいいわ゛ぁぁぁぁぁ!!」
ネチョネチョと固く閉ざす口の中に、無理矢理ありすの舌がねじ込まれる。
グチョリと嫌な音をたてて、ありすの舌がれいむの口の中に侵入し、縦横無尽に犯しつくす。
────奪われた。
大事に、大事にとっておいたふぁーすとちゅっちゅが。
まりさに、まりさに捧げるはずだった純潔が。
「でいぶの、でいぶのふぁーずどちゅっぢゅがぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!!」
「あら゛ぁぁぁぁぁ!! でいぶははじめでなのね゛ぇぇぇぇ!!」
「だいじょうぶよ゛ぉぉぉぉぉ!! ありずがえすごーどじであげるわぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!」
「うぶなでいぶもがわいいわ゛よ゛ぉぉぉぉ!!」
「ゆびぃぃぃ!! いやっ、やべでっ! でいぶは、だーりんとしかすっきりじだぐない゛のぉぉぉ!!」
「んまぁぁぁぁぁ!! だーりんだなんてじょうねつてきなでいぶねぇぇぇぇ!!」
「はじめでのぐぜにだいたんねぇぇぇぇぇ!!!」
「とんだいんらんだわ゛ぁぁぁぁぁぁ!!」
「どぼじで、どぼじでやべでぐれない゛の゛ぉぉぉ!! ぎもぢわるい゛よ゛ぉぉぉぉ!!」
「あんしんなさい゛っ! すぐにすっきりできるわ゛ぁぁぁぁ!!」
「んほぉぉぉぉぉぉ!! すっきりするわよ゛ぉぉぉぉ!!」
「いんらんなでいぶもすっぎりさせであげるわ゛ぁぁぁぁぁぁ!!」
「いやぢゃぁぁぁぁぁ!! すっきりぢだぐない゛ぃぃぃぃぃぃ!!」
「いくわよっ、でいぶ!! ありすいっちゃうわ゛ぁぁぁぁぁぁ!!」
「んほぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「いくっ、いくっ、いくわよぉぉぉぉぉぉ!!」
一拍。
絶頂に達し、ピーンと一斉に伸びた三匹のありすは、全員揃って嬌声を上げた。
「「「すっきりー♪」」」
「ゆぐっ、……すっきりー」
犯しつくされたれいむも意にそぐわぬ形ではあるが、絶頂に達したため本能に刻まれたセリフを吐く。
その瞬間、「ゆぐっ!」とれいむが呻いた。
れいむの額のあたりから、しゅるしゅると蔓が伸びる。その数三本。
伸びた蔓それぞれに小さな実がなっている。これらは全て、ゆっくりの実だ。
れいむは、妊娠したのである。望まぬ形により、望まぬ子を。
そして蔓が生えてくると同時、れいむの体から失われていくものがあった。
れいむの体内の餡子だ。ゆっくりは植物型妊娠をした時、体から伸びる蔓に栄養として餡子を吸い取られる。
本来なら命に別状はない。本来ならば。
だが今のれいむは通常とは言いがたい三本もの子を宿した蔓を生やしている。単純に三倍の餡子が吸い取られる。
充分に成長していなかったり、今回のれいむのように複数のゆっくりに犯されて同時に複数の蔓を生やした場合、多量の餡子を吸い取られて、絶命する。
栄養が足らず、黒ずんでいくのだ。
しかし、そうはならない。
れいむが体の中が額に吸い取られていく喪失感を感じると同時に
「ゆぐげっ!?」
ゴモモ、とれいむの体に入ってくるものがある。
それはれいむの後頭部に挿入された管から供給される餡子。れいむが死なないように存命に必要な餡子を供給しているのだ。
れいむは体内を餡子が駆け巡る激痛に再び身を捩らせる。しかし、管には返しがついている。並大抵の動きでは外れない。
「ゆびびっ! ゆぐっ、えぐっ!! ゆががががが!!」
やがて蔓が生えるのも、餡子が供給されるのも止まった。
ようやく一拍の休息が得られたれいむであったが、
「「「んほぉぉぉぉ!! まだまだたりないわ゛ぁぁぁぁ!! もっとすっぎりじましょうでいぶぅぅぅぅ!!」」」
先ほど絶頂したばかりのありすが再び頬を上気させれいむに襲い掛かろうとしていた。
それを
「ゆぶっ!」
「ゆぼっ!」
「ゆびっ!」
れいむをここに連れてきた男が蹴り飛ばした。
「あぁ!? てめぇら何しようとしてるんだ。また犯し殺す気か? えぇ、おい」
男は怒気もあらわに持っていたムチでありす達をひっぱたく。
乾いた痛々しい音がれいむのいる小部屋に響く。
「母体を犯し殺したら誰がその穴を埋めるんだ、あぁ!? てめぇらの命じゃ補いきれんぞクズ色情獣が! こちとら貴様等の精神的ブラクラを見せつけられてんだぞ!」
男に蹴り飛ばされたありす達に無数にムチが振るわれる。
ビシッ、バシッと音が響く度にありす達は激痛に襲われる。
既に強姦魔だった時の名残は無く、ただ暴力に脅え震えるだけの弱弱しい饅頭に成り下がっていた。
「ゆぐっ、ごべんなざいごべんなざい……」
「もうじまぜんがらゆるじでぐだざい……」
「ついでぎごごろだったんでずぅ……」
「分かったらさっさと戻れクズ饅頭が!」
男はありすを収容する大部屋への扉に三匹のありすを蹴りこみ扉を閉めた。
ありす達が居なくなった小部屋に、れいむと男が残る。
男はれいむに向き直ると、さっきとは一転して優しい声色でれいむに囁いた。
「さぁて、れいむちゃん。頑張って元気な赤ちゃんを産んでねぇ。れいむちゃんのかわいい赤ちゃんで、たくさんの人がゆっくりできるからねぇ」
男はそう言ってれいむの頭をなでると、小部屋から出てれいむの小部屋の鉄柵に鍵をかけた。
れいむは男の話をまるで聞いてなかった。
ただ、頭から伸びる蔓を眺め、最愛のまりさの事を思い出していた。
「だーりん……だづげでぇ……」
呟いた声は、虚しくコンクリートに反響されるのみ。ポタポタと流れた涙が、灰色の床に染みを作る。
「だーりん……どごぉ……あいだいよ゛ぉ……」
旅行は、帰るまでが旅行である。
れいむの〝はねゆーん〟は一生終わらない。
れいむは死ぬまで、最愛の者を呼び続けながら、子を産む機械として機能し続ける。
「……ゆっ!?」
れいむがありすに犯されている頃、まりさは覚醒した。
目を失っているため目を開けたわけではないが、意識は目覚めている。
まりさは目があった時の名残で、体をキョロキョロと震わす。
しかし、あるはずの者が、感じられない。
視力を失っても、常に傍らにあったあの感覚を感じられない。
「はにー?」
呼びかける。
返事は返ってこない。
「はにー? どこぉ?」
まりさは何も見えないが、最愛の者を呼び探し、ずりずりと前に歩を進めた。
感じられない。最愛のれいむの存在が。
常に、傍らにあったれいむの存在が。
「どこにいるの? はにー?」
さっきよりも大きな声で呼びかける。
やはり、返事は無い。
「どごぉぉぉ!? はに゛ぃぃぃぃ!!」
より大声で、喉も枯れんばかりに叫ぶまりさ。
その叫びも虚しく、都会の喧騒に飲み込まれた。
「はに゛ぃぃぃ!! どごぉぉぉぉぉ!! でてぎでよ゛ぉぉぉぉ!!」
ずりずりと茂みから這い出たまりさは、何も見えないのにも関わらず、れいむを求めて街中へと駆け出した。
旅行は、帰るまでが旅行である。
まりさの〝はねゆーん〟は一生終わらない。
まりさは死ぬまで、最愛の者を呼び続けながら、光の無い世界を彷徨い続ける。
旅行は、帰るまでが旅行である。
れいむとまりさの〝はねゆーん〟は一生終わらない。
二匹は死んでも再会することは無い。
おわり
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これまでに書いたもの
ゆっくり合戦
ゆッカー
ゆっくり求聞史紀
ゆっくり腹話術(前)
ゆっくり腹話術(後)
ゆっくりの飼い方 私の場合
虐待お兄さんVSゆっくりんピース
普通に虐待
普通に虐待2~以下無限ループ~
二つの計画
ある復讐の結末(前)
ある復讐の結末(中)
ある復讐の結末(後-1)
ある復讐の結末(後-2)
ある復讐の結末(後-3)
ゆっくりに育てられた子
ゆっくりに心囚われた男
晒し首
チャリンコ
コシアンルーレット前編
コシアンルーレット後編
いろいろと小ネタ ごった煮
庇護
庇護─選択の結果─
不幸なゆっくりまりさ
終わらないはねゆーん 前編
終わらないはねゆーん 中編
byキノコ馬
最終更新:2008年11月20日 19:18