ゆっくりいじめ系1326 ふゅーじょんしましょっ♪

(ふゅーじょんしましょっ♪)
ある日突然幻想郷に起こった異変。それは人々を驚かせると共に喜ばせるものだった。
突如吹き出した間欠泉。湧き出す温水。それに乗って地上に出てきた地霊達。

しばらくすると異変の原因は博麗の巫女によって解決され、残ったのはこんこんと湧き出る温泉だけ。
異変の事はすぐに忘れられ、幻想郷はまた平穏な日々を取り戻した。
しかし、今回の異変のせいで地上に現れたのは温泉と地霊だけではなかった・・・


冬も終わり、雪も解け、動物達が活動を再開し始めた頃、それはやって来た。
黒髪に緑のリボン。背には黒い翼。旧灼熱地獄の管理人の鴉にそっくりな顔をした饅頭。
地底に住むゆっくり。名前を「ゆっくりおくう」といった。

異変の後、地上に出て外の世界を見てきた猫や鴉の話を聞き、
地上にも自分と同じ、人語を話す不思議な饅頭がいると知った。
外に住む仲間はどんな姿をしているのだろう?会ってみたい。一緒に遊びたい。そして・・・

思い立ったら黙っていられない。おくうは住み慣れた地底を離れ地上に住む仲間に会いに行く事にした。
自分の飼い主である地霊殿の主に別れを告げ、ひたすら地上を目指して歩き続ける。
どこをどう歩いたのかは覚えていないが、気が付いた時には太陽が燦々と降り注ぐ外の世界に立っていた。

「ゆーーーっ!やっとついたよっ!だれかおくうとふゅーじょんしましょっ♪」


(れいむとふゅーじょんしましょっ♪)
初めて見る日の光に感動するおくう。そんなおくうを見つけた一匹のゆっくりがゆっくり近づいてきた。

「ゆー。みなれないゆっくりだね!ゆっくりしていってね!」

「ゆっ!はじめましてっ!ゆっくりしましょっ♪」

地上でも地下でも、ゆっくりの流儀に大差は無い様だ。二匹はすぐに打ち解けた。
黒髪に赤いリボンを着けたそのゆっくりは、名を「ゆっくりれいむ」といった。
初めてできた地上のお友達。おくうは嬉しくなって時が経つのも忘れ、れいむと一緒に遊んだ。

ちょうちょを追いかけ、冷たい泉で水浴びをし、一緒に野生のイチゴを食べ、暖かい風に吹かれながらお昼寝。
すりすりだけはれいむが「あついっ!おくうのからだはあついよ!ゆっくりできないよ!」
と言ったためできなかったが、そんなものは些細な問題。おくうは初めて体験する外の世界に大変満足した。

やがて日が落ち、れいむは巣に戻ろうとしたが、おくうはもっと遊びたいとだだをこね始めた。

「ゆーーー。だめだよ。くらくなったらこわいどうぶつがでてくるんだよ。ゆっくりできないよ。」

「いやーーーっ!もっとあそぶのっ!もっとおくうとあそびましょっ♪」

「そんなこといわないでね。またあしたあそぼうね。」

「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」

「ゆうう!どうしてわかってくれないの!そんなこというおくうとはもうゆっくりできないよ!」

れいむは怒って「ぷんぷん」と口で言いながら家路につきはじめた。

「まってよっ!おくうはもっとあそびたいのっ!」

「だめだっていってるでしょ!れいむはゆっくりおうちにかえるよ!」

「ゆぅぅぅ・・・おくうをおいておうちにかえるなんて、そんなことさせないんだからっ!」

おくうは体をぷくっと膨らませるとあらん限りの大声で叫ぶ。

『じごくのじんこーたいよーーーーーーーーーっ!』

いきなり大声で叫んだおくうに、何事かとれいむは振り返る。そして次の瞬間。

「ゆ?ゆゆゆ?ひっぱられる!れいむのからだがひっぱられてるよ!」

「ゆふふっ!おくうをひとりにするなんてゆるさないんだからっ!
 れいむはおくうとずーーーっといっしょにいるのよっ!」

何か不思議な力によって、れいむの体がおくうに吸い寄せられる。
焦ったれいむは懸命に走って逃げようとするが、どんどんおくうの方に吸い寄せられる。

「むだだよっ!さっさとあきらめてねっ!おくうとひとつになりましょっ♪」

とうとうおくうに捕まってしまったれいむ。ぴったりとくっついたほっぺたから体の中に何かが入って来る。

「いやあああああああ!だれがだずげでええええええええええ!!!!!」

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!あじゅいいいいいい!!!!!」

「はなじでええええ!!!いやあああああああ!!!ゆっぐりでぎないいいいい!!!!!」

『れいむとふゅーじょんしましょっ♪』

体が燃えるように熱い。おくうとれいむの体の中身が混ざりあう。薄れゆく意識の中でれいむが感じたのは、
自分がおくうの体の中に飲み込まれていく様な不思議な感覚。
やがておくうとれいむは完全に混ざり合い、黒髪に緑と赤のリボンを着けた一匹のゆっくりになった。

「れいむ、これでずーーーっといっしょにいれるねっ!いっしょにゆっくりしましょっ♪」


(みんなとふゅーじょんしましょっ♪)
れいむと一体になったおくう。まだ遊び足りないおくうは次の遊び相手を探す。
しかし外はもう真っ暗。外に出ているゆっくりなどいない。おくうは渋々遊ぶのをあきらめた。
今日はもう家に帰って休む事にしよう。取り込んだれいむの記憶を元にれいむの家に向かうおくう。
その前に一匹のゆっくりが立ちはだかった。

「うー!みつけたどー!」

「ゆっ!おくうとゆっくりいっしょにあそんでくれるのっ!」

「うーーーー!たーべちゃーうぞー!」

どすどすと駆け寄って来たれみりゃは、おくうを食べようと両手でおくうの体をがっしりと掴む。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!あじゅいいいい!!!れみりゃのおででがあああああああ!!!」

融合した時の熱がまだ残っている。そのあまりの熱さに、れみりゃは思わず後ずさりし泣き出してしまった。

「ゆっくりなにしてあそぶのっ!ゆっくりいっしょにゆっくりしましょっ♪」

「こっぢぐるなあああああああ!!!れみりゃにちがづぐなああああ!!!」

れみりゃは足下に落ちていた小石を投げ付け、おくうから逃げようとする。

「いたいっ!ゆうううう!!!ゆっくりおこったよっ!!!」

『じごくのじんこーふーいんっ!』

「うーーー!なんだどー!ひっぱられるどーーーーーー!」

「おくうとゆっくりひとつになりましょっ♪」

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!はなぜええええええええ!!!」

『れみりゃとふゅーじょんしましょっ♪』

れみりゃを取り込み、黒髪に緑と赤のリボンを着け左右違った翼をもったゆっくりになったおくう。
「うー!おうちにかえってゆっくりやすむよっ!」と独り言を言いながられいむの巣に帰った。


次の日。おくうは朝早くから新しい友達を探しに外に出る。
早速見つけた。金髪にヘアバンドを着けたゆっくり。れいむとれみりゃの知識が教えてくれる。ありすだ。

「うー!おくうとゆっくりいっしょにゆっくりしましょっ♪」

「ゆ?めずらしいこーでぃねーとのゆっくりね。ありすとすっきりしたいのね!いいわ!すっきりしましょ!」

早速すっきりしようとおくうに近寄って来るありす。ほっぺたをくっつけすりすりしようとするが。

「あつっ!なにこれ!すりすりできない!」
「あなたあぶのーまるなすっきりがすきなの!?」
「ゆううう!まけないわよ!ぜったいすっきりさせてあげるんだから!」
「すーり、すーり、すー・・・だめえええ!!!あついいい!!!」
「あ、あなたなかなかやるわね!こうなったらいじでもすっきりさせてみせるわ!」
「んほおおおおおおおお!!!いくよおおおおお!!!いっしょにすっきりしようねえええええ!!!!!」
「んほおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
「やっぱりだめえええええええ!!!あついいいいいいいい!!!」

ありすの一人相撲を呆れた顔で眺めているおくう。ありすはいつまで経っても一緒に遊んでくれない。
だんだんイラついてきた。それに伴って体温も上昇する。
遂にありすの皮が焦げて煙が上がり始めた。

「ゆぎゃあああああああ!!!とかいはのありすになにするのおおおお!!!」
「あなたみたいなゆっくりとはすっきりできないわ!!!」

ありすは怒っておくうに背を向けどこかに行こうとする。そんな事させるか!おくうが叫ぶ。

『じごくのれっどふーいんっ!』

「ゆゆゆっ!」

『ありすとふゅーじょんしましょっ♪』


まりさを発見。早速話しかける。

「うー!とかいはのおくうとゆっくりいっしょにゆっくりしましょっ♪」

「ゆ?まりさはいまいそがしいんだぜ。ゆっくりするならほかをあたってほしいんだぜ。」

「・・・・・・」

「なんだ?へんなやつ。まりさはもういくぜ。」

『じごくのれっどどーるふーいんっ!』

「ゆーーーーーーっ!」

『まりさとふゅーじょんしましょっ♪』


「うー!とかいはのおくうとゆっくりいっしょにゆっくりしましょっ♪だぜ!」

「ごめんなさいね。ぱちゅりーはきょう、まりさといっしょにゆっくりするやくそくなの。」

『じごくのれっどますたーどーるふーいんっ!』

「むっきゅううううう!!!」

『ぱちゅりーとふゅーじょんしましょっ♪』


『じごくのれっどますたーぷりんせすどーるふーいんっ!』

『ゆかりんとふゅーじょんしましょっ♪』


『じごくのにじゅうれっどますたーぷりんせすどーるふーいんっ!』

『ふらんとふゅーじょんしましょっ♪』


(ちんぽー)
融合を重ね続けたおくう。その姿に地底に住んでいた頃の面影はほとんど残っていなかった。
金と紫が混じった髪に、緑と赤のリボンが付いた帽子を被り、三種類の羽を持ち、ほのかに良い香りがする。
そんな奇妙なゆっくりの前に現れた一匹のゆっくり。みょんだ。

おくうは既に当初の目的を忘れてしまっていた。元々地上のゆっくり達と遊ぶためにやって来た筈なのに、
頭の中はふゅーじょんする事で一杯になっていた。早速みょんともふゅーじょんする事にした。

「むきゅうー!とかいはのおくうとうつくしくゆっくりふゅーじょんしましょっ♪だぜ!しねっ!」

「ちんぽ~?」

『じごくのにじゅうれっどふぉーおぶますたーぷりんせすどーるふーいんっ!』

「ち゛ん゛ほ゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!」

『みょんとふゅーじょんしましょっ♪』


みょんも取り込んだおくう。その目は既に次の獲物を捕えていた。
遠くでぴょんぴょん跳ねているちぇんに向かって呼びかける。

「ちんぽーーーーーーー!」

「ちんぽ?」

「ち、ち、ちんぽ~~~~~~~~~~~~~!」

「あーみょんだ!ひさしぶりだねー!あれ?どうしたの?」

「ちんぽちんぽちんぽー」

「わかるよー。みょんとふゅーじょんしたらしゃべれなくなったんだね。わか・・・はい?」

「ちんぽぉぉぉ」

「じじょうがよくわからないよー。じゅんばんにせつめいしてよー。」

「ち、ちんぽ・・・」

身ぶり手ぶりのつもりなのだろうか。ぴょんぴょん跳ねながら「ちんぽちんぽ」と必死に事情を説明しようとする。
それをちぇんは「わかるよー、わかるよー」と相槌を打ちながら聞いている。
なぜかは解らないが、どうやらちぇんにはちゃんと伝わっている様だ。

「うーん。こまったねー。ちぇんにはどうしようもないよー。」

「ちんぽぉぉぉ~~~。」

「なかないでよー。ひとつだけほうほうがあるよー。でもせいこうするかはわからないよー。」

「ちんぽ?」

「ちぇんのおともだちにたのんでみるよー。でも・・・」

「ちんぽ!」

「あんまりきたいはしないでほしいんだよー。」

「ちんぽ・・・」


ちぇんはおくうを連れて一軒の家の前までやって来た。そして家の前を掃除している家人に声をかける。

「おねえさん、おひさしぶりだよー。」

「あら、あなたがお友達を連れてくるなんて珍しいね。どうしたの?」

「じつはこのこがこまってるんだよー。おねえさんのおししょうさんにたすけてほしいんだよー。」

家の中に案内されたみょんとおくう。様々な実験器具が並べられた部屋に通され、その部屋の主に挨拶をする。
そして、おくうを興味深そうに眺め、つんつん突っついている美しい女性に事情を説明する。

「なるほどねぇ・・・融合してしまったこの子を分解させて、元に戻す方法を考えて欲しいのね。」

「そうなんだよー。おねがいだよー。おねえさん。このこをたすけてよー。」

「私からもお願いします。このちぇんは私の友達なんです。この子のお願いを聞いてあげて下さい。」

「うーん。私としてはこの変わったゆっくりを使って、色々実験してみたいんだけどなぁ。」

「(やっぱり・・・)そんなこといわないでよー。おねがいだよー。きれいなおねえさん。」

「あら?あなた今何て言ったの?」

「きれいであたまがよくてやさしいおねえさん。おねえさんならきっとこのこをたすけれるよー。」

「あら、嬉しい事言ってくれるじゃないの。解ったわ。あなたの友達の事は私に任せなさい。」

「ありがとう!よかったねー。これでもとにもどれるよー。もどったらもうこんなことしちゃだめだよー。」

「ちんぽー!」


ちぇんが帰った後、部屋に残った二人と一匹。おくうをつんつん突っつく師匠に向かって弟子が話しかける。

「ありがとうございます師匠。ちぇんのお願いを聞いてくれて。」

「ああ、その事なんだけどね。あなたに一つ頼まれてほしい事があるんだけど。」

「はい、何でしょう。なんでもお手伝いしますよ。」

「この子を分解させる方法なんだけどね。やっぱり融合のメカニズムが解らないとどうにもならないと思うのよ。」

「はい。」

「それでね、地下に潜ってこの子と同じゆっくりを捕まえて来てくれない?
 それを使って色々調べたら、きっと分解させる方法も解ると思うのよ。」

「え゛。」

「まぁここからサポートくらいはしてあげるわよ。頑張ってね。
 この前の異変の時、巫女や魔法使いは随分苦労したらしいけど。あなたならできるわよね?」

「え゛え゛え゛~~~~~~!」

end

作者名 ツェ

今まで書いたもの 「ゆっくりTVショッピング」 「消えたゆっくり」 「飛蝗」 「街」 「童謡」
         「ある研究者の日記」 「短編集」 「嘘」 「こんな台詞を聞くと・・・」
         「七匹のゆっくり」 「はじめてのひとりぐらし」  「狂気」 「ヤブ」
         「ゆ狩りー1」 「ゆ狩りー2」 「母をたずねて三里」 「水夫と学者とゆっくりと」
         「泣きゆっくり」


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最終更新:2008年11月06日 23:34
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