ゆっくりいじめ系1437 ゆっくりー島の悲劇

注意!

※この作品にはゆっくりしか出てきません!
※作風柄、虐待描写はありません!
※賢いゆっくりが出ます!










ある所に、広く資源に恵まれた島があった。そこは、周りが海に囲まれており、全くの無人。
そんな島にある日、数個の影が舞い降りた。

『『『『うー!うー!』』』』

うーぱっくである。運んでいたのはもちろん……

『ありがとうね!うーぱっく!』
『おれいはそこにはえてるおやさいをもっていってね!!』
『ここはほんとうにとかいはなゆっくりぷれいすね!!』

内訳はゆっくりまりさ、れいむ、ありす、ぱちゅりー、みょん……ゆっくりである。
捕食種を除いたスタンダードな種がそれぞれ一匹ずつだ。
それぞれが、新天地を目の当たりにしてゆっくりしている。
彼女らは以前、他のゆっくり同様に山で暮らしていたが、人間による開発によって居場所を奪われてしまった。
そんな節に、先程のうーぱっく達に出会い、この島のことを聞き出したのだ。

『ゆゆ!まりさたちをそのしままでつれていってほしいんだぜ!!』

群れのリーダー格であるゆっくりまりさが頼むと、運ぶことが生きがいのうーぱっくである。
快く承ってくれた。そこは話に聞くよりも広く、食糧、寝床の洞窟、その他資源もろもろ……何一つ足りないものは無かった。
それに加え、何よりも魅力的なのが

『みてよまりさ!ここのしまはどすたちにまもられているよ!!』
『むきゅ!さいこうのゆっくりあいらんどね!!』

島は海岸、森、山から成っていた。今ゆっくり達がいるのは、山の頂上の開けた草原である。
そこの四方にそれぞれ祭壇の様なものがあり、そこにドスまりさを模した石造が建っていた。
こんな何から何までゆっくりのために設えた様な島だ。気に入らぬ者などいるはずもない。

『さっそくおうちをつくってゆっくりしようね!』
『きょうはいどうでつかれたから、あしたからたんけんするんだぜ!!』

リーダーまりさを筆頭に、補佐役のぱちゅりーなどが指示に当たった。すぐに巣の目処が立った。
この草原の四方、例のドス像のそばにそれぞれ一つずつ穴が開いていた。
入ってみれば、なんと穴は全て中で繋がっており、ちょうど草原の中央部に当たる場所まで開けている。
さらに驚くべきことは、地下であるにも関わらず外と変わらぬ草が同量生えている。
石造りの台座には、こんこんと清水を湛えている。
さらには燭台まであり、ヒカリゴケにより、優しい光に照らされている
雨水の侵入を防ぐ入口を塞ぐためのフタもある。
もうここだけで一生分ゆっくりできるんではないかという程の環境であった。

『ゆがーん!』
『ほっほんとうにすごいゆっくりぷれいすなんだぜ……』
『むっむきゅっきゅきゅきゅ』

反応の仕方はそれぞれ違えど、みんな初めて喜びの感動にショックを受けていた。
それからの生活はまさにゆっくり達の理想を絵にした様なものであった。
海のど真ん中にある島のため、天敵となる野生動物はいない。
食べ物である草や果物は無尽蔵に群生している。
何よりあの自然を破壊し、平穏を乱す人間がいないのだ。
唯一気掛かりがあるとすれば……

『こんなにゆっくりしているのになんでどすはないているんだぜ?』

いつだったか、豪雨によって数日閉じ込められた時のことである。
もちろん、その間に不自由したことは無い。
元からある蓄えに加え、食糧をため込んでいたし、ゆとりを持っていた。
普段は震えて過ごすこの雨も、いまでは愉快で軽快な音楽に聞こえていた。
雨上がり、リーダーまりさが先立って外に出た。
その時に、ふとドス像を見るとなんと涙を流しているのだ。
当初は驚いたが、なんてことは無い。
像の帽子部に水が貯まるようになっており、鍔を伝って目から涙を流す様に見えているのだ。
見回ってみれば、四方の像の全てが泣いていた。
その涙は台座の隙間に吸収され、一種のダムとなっており地下の台座へと繋がっていることが後に分かった。

『このきをきってむすべばいかだになるんだぜ!』
『えだにはっぱさんをはればおーるになるわ!!』

ゆっくり達は生を謳歌し、すくすくと育ち、自然とのふれあいから知恵をつけた。
昨日は木と木を擦りつけて火を起こす道具を作った。その前は釣り竿。
そして今日はいかだを作った。少し島から離れた場所で釣りをし、収穫も上々だ。
明らかに、他の群れとは違う進歩の仕方をしている。
障害が極端に少ないため、全身全霊をかけてゆっくりすることが出来る。


もっとゆっくりしたい!
こうすればゆっくりできるよ!
むきゅ!このつたはべんりよ!
どうぐをつくろうね!
おりょうりをおぼえたわ!
まらっ☆ちーんぽ!!


それからもゆっくりし続け、だんだんと数を増やしていった。
比例するように文化が発達していき、今では生簀をつくり魚を保有するまで至った。
ゆっくりの寿命というのも、環境次第の様である。
第二世代、第三世代と続いても、最初の群れの誰一人欠ける事無く過ごしている。
ある日、リーダーまりさはドスまりさへと成長した。

『どすがいるかぎり、みんなをもっとゆっくりさせるよ!!』

まず手始めに、増えた仲間のために、森を切り開き、整地し、新たな巣を作った。

『ごはんももっとひつようになるね!』

うーぱっくに頼み、数個の羽化寸前の鶏卵を取り寄せ、家畜として飼い始めた。

『もっとべんりなどうぐをいっぱいつくろうね!』

獲物を確実に捕えるため、捕食種も撃退可能な武器を作った。
嵐が来ない限り、転覆しない遠泳漁の船を開発した。


もっともっと!
まだまだ!
さらにさらに!

…………

ドスが思いつく限りのゆっくりを提供した。最早、自分が出来ることは見守るくらいだろう。
既に自分以外の第一世代ゆっくりは、みな天寿を全うした。あの若かりし頃が懐かしい。
そういえば、何で人間はあんなにゆっくりできない生き物なんだろう……
ドスまりさは海岸から夕陽を眺め、一方的な優越感に浸り、微笑みを湛えていた。

『どすももうつかれたよ』

ドスまりさはゆっくりとした生涯ここで終えた。


















ゆゆ?どす~どこ~!?

かいがんでねてたわよ?

どすのぞうがあるんだぜ!


うるさいな……どすをよぶのはだぁれ?
あれ?うごけないよ?
そうか、どすはしんじゃったんだね。
でもむれのみんながみえるよ。
こえもきこえる……みんな、もうすこしだけどすにみまもらせてね!!



第二世代のゆっくり達がドスの不在に気付いた。
それを受け、第三世代のゆっくり達が海岸で探していたところ、新たなドス像を見つけた。
みんなは直感的に、これが今まで自分達を導いてくれたドスであると分かった。
今までありがとうと礼を述べている。

『こんなところでのざらしにしていたら、どすがかわいそうだよ!』
『むきゅ!そうだわ!やまのうえのどすぞうにくわえてあげましょ!!』
『そうすればどすもゆっくりできるね!!』

そこで、ドス像をどう運ぶかが議論された。結果はすぐに出た。
まずは木を伐採し、ドス像が乗る程度の板を作り、それに乗せる。
それからまた木を伐り、“コロ”として板の下に入れては引っ張りを繰り返すという方法だ。
海岸から山頂の草原まではキッチリ整備されていたし、置く場所も四方のドス像の真ん中に決めた。


『『『ゆーしょ!ゆーしょ!』』』

おちびちゃん!はやくころをもってきてね!!』
『ゆっくちりかいちたよ!』

群れ総出で作業したおかげか、半日程で全ての工程を終えた。
結果は大成功!
その後、みんなでこの日を何かの記念日にして、ドンチャン騒ぎした。
新たにリーダーとして任命されたのは、ぱちゅりー種である。
生前のドスから最も知識を受け継いだとされているからだ。

『むきゅ!どすのときとおなじようにすればしっぱいしないわ!!』

確かにやることは何から何まで真似ていた。
しかし、何か変じゃないか?
どこかで間違えた!?
いいやそんな訳が無い!
ドスと同じことをしているんだ!!

それからしばらくしてから、過ちに気付いた。

『どぼじできさんがぜんぜんないのぉぉぉおおお!?』
『くだものさんもみんななくなってるんだぜ!!』
『おながぢゅいだよぉぉぉおおお!!』

結果を言ってしまえば、島から植物という植物がごっそり無くなってしまった。
事の始まりは、ドス像を運ぶために大量の木を伐採したことから始まった。
以前までは、ドスが植物の再生するまでを計算したギリギリのラインで伐採していたのだ。
木材としての木が無くなれば、作物の木を代用し、食料の供給源を無くしていった。

漁に出よう!
船が故障してしまった。直すための材木はどこ?
狩りをしよう!
獲物となる動物はどこ?
うーぱっくに頼んで運んでもらおう!
払う報酬は何?

八方塞がりとなって、ぱちゅりーは誤りに気付いた。
しかし、時すでに遅し。

『ごべんばざい゛い゛い゛ぃ゛い゛い゛い゛い゛!!』
『ゆ゛る゛じでぇ゛ぇ゛ぇ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!』
『どぼじでぇ゛ぇ゛ぇ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!?』
『どずどおなじごどじだだげだのに゛ぃ゛ぃ゛い゛い゛い゛い゛!!』
『ゆ!うるさいよ!!むのうなりーだーはしね!!』
『まえまえからいばってるおまえがきにいらなかったんだぜ!!』
『りぇいむをゆっくちちゃちぇにゃいむにょうはちんでね!!』


リーダーぱちゅりーとその家族は公開処刑された。
群れのみんなから投石の雨を浴びて、物言わぬ死体となった。
これで、群れの一応の溜飲は下がった。
しかし、それからは、殺伐とした生活が始まった。


『やめてね!そのにわとりさんとひよこさんはれいむのぶべぇぇええ!!』
『うるさいんだぜ!まりささまにたべられたほうがこいつらもしあわせなんだぜ!!』

自分の家族以外はみんな敵、戸締りをしていないと家畜を奪われた。

『ちょうどいいんだぜ!おまえのかぞくをまびきしてやるんだぜ!!』
『わがらにゃぁじゃべちゅびゅうぶうううう!!』
『ぢっぢんぼっぢんぼぉおおおおおおおおおおおお!!』
『ぺ~ろ♪ぺ~ろ♪しあわせ~なんだぜ!!』

間引きと称し、子供を殺されて食べる者。

『んほぉぉぉぉおおおおおおお!すっきりー!!』
『びっびやだぁああああ!!ずっき゛り゛ぃ゛い゛い゛!!』』

混乱に乗じて、己が欲望のままに動く者が現れた。
ものの三日間この阿鼻叫喚は続いた。
そこに残ったのは、たくさんの死体と一匹のゆっくりだ。

『どずぅぅはやぐばりざざまをだずげろぉぉ!ごのやぐだだずぅぅうう!』

生き残りのまりさは既に満身創痍、死ぬのも時間の問題だろう。
恐らくは、最後の力を振り絞って中央のドス像へと呪詛を吐いている。



ドスは像となってから、今までを一部始終全て傍観していた。

こいつらはなんだ?
こんなのゆっくりじゃない!
じゃあなに?
まてよ……どっかで見たことがあるぞ……

そして一つの答えに辿り着いた。

そうか……
どすはじぶんでゆっくりをゆっくりできなくしてしまったのか……

そう解釈すると、空から水滴が落ちてきた。


ポツリ……ポツリ……

『あべざん!?ふらだいでね!ゆっぐりやんでね゛!!』

パタ、パタ、パタ

『ふるだっでいっでるでじょ!?ばりざざばのいうごどが』

ザ、ザーザー

『ぼがど…がら…りざだげ…………』

バシャバシャバシャバシャ!!

『――――――――』

最後の生き残りの声が聞こえなくなった頃、残されたドス達は涙を流していた。















後書き

どうもお久しぶりケラ子です。
以前スレを覗いたとき、シリーズものの風潮がよくないよう見えました。
だからと言うわけではないのですが、リハビリがてら新たに書き下ろしてみました。
何か作風の幅がありませんかね?
ちなみに、この作品は、実在する島の話をモチーフにしました。
分かる人はいるのかなぁ……

byケラ子


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最終更新:2008年11月08日 13:21
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