はじめに
- ぱちゅりー大好きです。しかし今回はぱちゅりーの出番は無いです。
- 原作キャラが登場します。
- いじめ部分は皆無。ストレスがマッハになる危険度高し。
- 長ったらしい俺設定が最初にあるので、「===」の部分から読んで頂いてOKです。
(「頭の良いドスの指導の下、人間と
ゆっくりがうまくやっている村」という説明です。)
<注意!!>
原作キャラが登場します。後半部分のSSに出ます。
原作のキャラ設定が崩壊しているので注意です!
ゆっくりぱちゅりーが可愛くて仕方が無い。
それはともかく……
この村は、ゆっくり饅頭との関係が良好である。
ドスまりさが人間と結ぶ協定は多くの場合、互いに不可侵条約を結ぶようなものだが、
ゲス化したゆっくりが畑に侵入、作物を食い荒らすことで不可侵条約は破られる。
人間がゆっくりを潰し、反撃に出たドスまりさがドススパークを撃つ事で双方に被害が出る。
(ゆっくり側の被害の方がはるかに甚大で、ドスも殺されて群れが滅ぶか、滅ぶ寸前まで追い込まれることが多い)
この村の場合ドスまりさは生まれたゆっくりを人間に「預け」、教育させることで人間の暮らしを学ぶ。
もちろん、自分達の子供をさながら人質のように扱うこの方法はゆっくり達からの反論にあったが、
強きに抗って得る物は無し、とドスは今までの体験を元にゆっくり達にゆっくりゆっくり説明した。
ドス一体は一人の人間より強くても、普通のゆっくりでは人間に勝てる見込みは無い。
そのことをドスが一番理解していた。
赤ゆっくりの期間は親元で育て、3ヶ月ほどして子ゆっくりになると人間に預けられる。
農作業を手伝うことで「お野菜は勝手に生えてこない」事を学び、
季節ごとに変化する植物や昆虫を知ることで「草さん、虫さんは勝手に湧いて出てこない」事を学び、
人の家に住み込み、生活を知ることで「やって良いことと悪いこと」の区別を学ぶ。
基本的に食事は野良と同じものを与え、人間の食物に慣れて舌が肥えることを防いでいる。
月に1度、親元に帰ることを許されており、体験した出来事やお土産(大体はB級品の野菜)を持って
親元に帰り、ゆっくり養生した後再び人間と共に働くのだ。
もちろん個体差はあり、半分ゲス化したゆっくりが人里に行くこともあるが、その場合
ドスまりさを含むゆっくりの代表と人間の代表が話し合いをすることで、処遇を決める。
その逆も然り、人間がゆっくりを虐待することは許されない。
「ヒャア!!たm(ry」
の時点で村を出る決まりとなっている。
長い冬が終わり、寒さも和らぎ……
春になると、ゆっくりたちは繁殖にいそしむ。新しく生まれた命は人間に預けられる。
「すっきり」の回数も管理され、大量の赤ゆっくりが一度に生まれる茎タイプの出産ではなく、
1~2匹の赤ゆっくりが生まれる程度の産道タイプの出産を行っている。
そして暖かさがやがて暑さに変わる夏。
成長し、子ゆっくりとなったゆっくり達は人間達に預けられる。
ここで人間と共に暮らし、生活を学ぶことで聡明なゆっくりとなってゆく。
聡明なゆっくりとは言うが、要は
「人間に服従し、極力群れを安静に保つための『人間にとって都合のよい』ゆっくり」
に育てるということだ。
人間も権力者になるべく従って生きている。そのことをゆっくりもやればいい。
それだけのことである。
山々が紅く色づき、収穫の時期を迎える秋。
たくさん働いたゆっくりは相応の対価(大体は食料)を受け取り、親元へと戻る。
もちろん働かなかったゆっくりはそれ相応の対価しか受け取れない。
それを見越して、親側も山である程度の食糧を蓄えておく必要がある。
そして全てが灰色に染まり、張り詰めた空気が支配する冬。
親元に戻ったゆっくりは、人間から受け取った食料を少しずつ切り崩し、越冬する。
食糧難に陥ったゆっくりの家族は……残念ながら救われることは無い。
それがドスが決めたこの群れの掟である。
再び春になり、子ゆっくりが十分成長しパートナーを見つけ、繁殖し……
その子供を、夏に人間に預ける。
その繰り返しで人間とゆっくりの信頼関係を築いてきた。
ドスまりさのやり方は賛否両論かもしれないが……この村はこれでうまくやっている。
現在ドスまりさは新しいゆっくりを群れに入れることを断っている。
ゲスが入り込む余地を出来るだけ無くしているのだ。
群れが増えすぎれば、自分の統制が利かなくなる。ゆっくりの繁栄のためには、
人間の都合よく生きなければならない。そのために人間から恨まれる原因となるゲスなど
この群れには必要ない。
例え聡明なゆっくりであっても、今にも死にそうなゆっくりの一家であっても、ドスは
涙を呑んで断ってきた。
現状でも働かないゆっくり、ゲスの素質があるゆっくりはいる。このほころびを直すのに手一杯だ。
そして自分が死んだ後、群れの統率をする次代のリーダー。
自分と同じ考えを持ったドスまりさが生まれればよいのだが、そうではなかった場合のために
自分の後継者を育てる義務もあった。
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そんなゆっくりと人間の良好な関係が突如破られたのは、外部からの侵略者だった。
『ゆ!ここにおいしそうなおやさいがあるよ!』
『ここはとてもゆっくりできそうだね!』
『ここをまりさたちのゆっくりプレイスにするよ!』
『わかる、わかるよー』
『ちーんぽ!』
ある村人の畑に、やけに五月蝿いゆっくりの一団が雪崩れ込んできた。
『ゆーしょ、ゆーしょ』
『しっかりくわえてねもとからぬくんだぜ!』
『おきゃーしゃん、じょうじゅ~』
その一団は堂々と畑に入り込み、目ぼしい野菜を見つけてはほじくり返す。
『むーしゃ、むーしゃ……しあわせ~』
『おいち~、おきゃーしゃんほかにょもちょーだいね!』
『おちびちゃんたち、あわてないでいいからね。いっぱいあるからすきなのをとってね』
何食わぬ顔で、野菜を食い尽くしてゆく。
畑の主である中年の男性と、その主の家に居候している子ゆっくりのまりさが慌てて畑に入ってくる。
「こら!お前達!!何をやっているんだ!!」
「ここはおじさんとまりさたちのはたけだよ!」
『…………だからなに?』
『まりさたちがみつけたものをまりさたちがたべて、なにがわるいの?ばかなの?』
この一団、いわゆるゲスゆっくりたちは意に介さない。
「馬鹿はお前達だ!!人の畑に入って人の野菜を食って悪くないはずが無いだろう!!」
「まりさもおこるよ!」
『おこればいいじゃん。おお、こわいこわい』
『ぶしゃいきゅにゃまりしゃがおきょる……ぷぷっ』
『ぶたはぶたらしくふくれてればいいんだね、わかるよー』
まさに言いたい放題。
堪忍袋の緒が切れた男性は怒りのあまりゲスの一匹に拳を振り上げた。
その時。
突如茂みの向こうから巨大な閃光が男性と居候まりさを貫き、一瞬にして2人は吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた。
『そっちから襲ってきたから正当防衛だよ』
そう言い放ち、茂みから姿をあらわしたのはドスまりさ。
『どす、ここのおやさいはおいしいよ!』
『みんないっぱいたべるんだよ!いくらでもたべていいんだからね!』
『ドスはやっぱりさいきょうだぜ!』
騒ぎを聞きつけ、村人達が集まってくる。
既に事切れた男性と、その傍でボロボロになった饅頭。おそらく男性の居候まりさだろう。
「ドスだと……なんだあのバケモノは」
「マジか……」
「……どうする」
この村はドゲスまりさが統率する群れの襲撃を受けたのだ。
『近づくなら殺すよ。野菜と家を全部明け渡すなら殺さないよ』
『ばかなにんげんとうらぎりもののゆっくりはぜんぶしんでね!』
『むのうなんだね、わかるよー』
そして、ドスの向こうからこちらに侵入してくるゲスの群れ。
さっきの一団だけではなかった。
『どすすぱーくで焼かれたくないなら、ゆっくり諦めて明け渡してね』
村人達はドスに威嚇され、攻めあぐねる。
睨み合いが続く間にも、ゲスの集団は次々と畑を襲撃し、野菜を根こそぎ奪い取ってゆく。
あるゆっくりは吟味しながら。あるゆっくりは根と葉の部分を噛み千切りながら。
「ゆ゙ゆ゙ゆ゙……!!!」
子ゆっくりでは、ゲスの集団に太刀打ちはできない。人間がいても、その人間はドスに威嚇されて迂闊に動けない。
この村はドスの襲撃とは無縁だったため、対処法を知らないでいたのだ。
「人間さん!!大丈夫!?」
しばらく後、この村と条約を結んでいる聡明なほうのドスまりさが駆けつけた。
山から親ゆっくり達も降りてくる。ほぼ全ての村人とゆっくりたちが集まった。
『おまえがここのドスなんだね。さっさと出ていけば殺しはしないよ。』
『むのうなドスはさっさとでていくんだぜ!!』
『いざというときにやくにたたないんだね、わかるよー』
ドスは最初に襲撃された畑に目をやり、そしてそのはるか向こうに倒れる人間と、子まりさだった残骸に目をやる。
「よくも……よくも私の群れと人間さんに手を出したね!!」
『最初にしかけてきたのはそっちだよ』
「そっちが勝手にお野菜を取るからでしょ!!!!」
『勝手に生えてくるものを食べてなにが悪いの?』
「お野菜は勝手に生えてこないのよ!!!そんな事もわからないの!!??」
『あっそう。言っても無駄なんだね。それじゃ死んでね』
言うが早く、ドゲスまりさが口を大きく開ける。
先ほどまでの威嚇と睨み合いで、再びドススパークの充填が出来ていた。
再び放たれる眩しいほどの閃光。
しかしこちらのドスも負けてはいない。
同じタイミングで口を開け、渾身のドススパークを撃ち放つ。
威力は互角、互いに打ち消しあっている。
「人間さん、子供達を連れて離れて!」
「ど、ドス!?」
「早く!まりさがみんなを守るよ!!みんなはそのまま逃げてね!!」
そういうとドスまりさは大きく跳躍した。
村人達は自分達が預かっているゆっくりを抱きかかえ、慌てて離れる。
先ほどドゲスまりさがドススパークを撃った後、エネルギー充填のために動かなくなったのを見逃さなかった。
数々の修羅場を経験してきたからこその素早い動き。敵の隙を的確に突く戦い。
ドスまりさの跳躍は天高く、そして太陽の光を背にドゲスまりさに標準を定める。
まさか飛ぶとは思わなかったのか、ドゲスまりさは慌てて天を仰ぐ。
渾身の一撃。相手は避けきれない。
直撃はしなくても、手負いにはできる。
イーブンに持ち込めば……
しかし、そんなドスまりさの希望を打ち砕いたのは、突如右の方向から飛んできたドススパークだった。
「どずゔぅ゙ぅ゙ゔゔゔゔぅ゙ゔ!!」
何が起きたのか……ドスまりさはわからなかった。
跳躍中では避ける術は無い。自由落下により直撃こそ免れたが、それでもバランスを崩したドスまりさは
地面に体を打ち付けることとなる。
『一人だけだとおもったの?ばかなの?馬鹿なんだね。だから死ぬんだね』
『このまりさ様が殺してあげるんだから、ありがたく思うんだね』
茂みの向こうから姿を現すドスまりさ……いや、ドゲスまりさ。
ドゲスまりさは一匹だけではなかった。3匹のドゲスまりさが治める群れだったのだ。
よろめきながら、破れた体のあちこちから餡子を流しながら立ち上がるドスまりさ。
今さっきドススパークを跳躍中のドスまりさに放ったドゲスまりさとは違う、もう一匹のドゲスまりさが
そのドスまりさに標準を定め、口を大きく開けていた。
……ここまでか。
こんなドゲス達に殺されてしまうのか……。
しかし、ここにいる子供達、人間達を守らなくちゃ。
「みんな……!逃げて……ね……!」
ドスまりさは力を振り絞り、頬を思い切り膨らませ、逃げる村人達の盾となる。
『ゆっくりしんでね』
三度放たれるドススパーク。ドスまりさは立ち上がるのがやっとで、とても避けることなど出来ない。
そして自身のドススパークも充填されていないため、直撃を受けるしかない。
ドスまりさは目を閉じた。
その脳裏には、生を受けてから数々の出来事が駆け巡っていた。
幸せなことばかりではない。大変だったこと、辛かったこと。
それらの全てが、今のドスまりさを作っている。
……みんな、ごめん……
『おお、ぶざまぶざま』
盾となったおかげで、村人達は直撃を受けずに済んだ。
しかしドスまりさは既にその原形をとどめていなかった。
ドスまりさがやられたことで、この村は完全にパニック状態になった。
せめて子ゆっくりだけでも連れて逃げて欲しい。
親ゆっくり達が追いかけてくるゲス共の盾になることで、人間達は村の外、安全な場所まで逃げることが出来た。
しかし死傷者も少なくない。
全員が呆然とした表情で、涙を流すことすら出来ない。
あまりにも突然で、あまりにも残酷な現実を受け入れられなかった。
それはゆっくり達も同じだった。
幸せだったはずの生活。ドスの統率の元、順風満帆だった生活。
春。愛するパートナーと契りを交わし、授かった子供。
他の仲間達に負けないくらい愛情をかけて育てた。
夏。照りつける太陽の下、人間と汗を流した。今年も豊作でありますように。
ご褒美に貰った西瓜の味は忘れない。
秋。いっぱい汗を流したご褒美なのか、畑は沢山の野菜を実らせてくれた。
よく働いたから……と、人間は多めに野菜を分けてくれた。
冬。人間が作ってくれた布団にくるまり、家族身を寄せ合って暖を取った。
外は寒くても、巣の中は暖かさに満ち溢れていた。
その全てが破壊された。蹂躙された。
厳しかったけど、この群れをしっかりと統率してくれたドスは……
最後までみんなを守るために戦った。
ドゲスの群れに抵抗した親ゆっくり達は捕らえられた。
あるゆっくりはストレス解消のためサンドバッグとされ、
あるゆっくりはレイパーありすの性欲処理係とされた。
あるゆっくりは抵抗が激しかったという理由で数日かけて体を少しずつえぐられた。
そしてそうならなかったゆっくりは奴隷として食料を取りに行かされる。
全てそのリボンや帽子を奪い取られてしまっている。
人間と共に耕し、育てた畑の作物は根こそぎ奪われてしまった。
当然、奴隷ゆっくりにそのおこぼれがもらえるはずもなく……
日々1食しか与えられず、餓死寸前の状態で働かされ続けた。
朝も晩も。逃げないように監視されながら。
死んだ奴隷ゆっくりはゲス達に食われることで弔いとされた。
「ちくしょう……待ってろよゆっくり達」
「絶対に助けてやるからな……!」
ドスまりさの努力は実を結んでいた。
この村の人間は、ドスまりさが率いたゆっくり達と確実な信頼関係を結んでいた。
「しかし……ドゲスが3匹もいて……」
「ゲスがしっかり監視していては……」
「手の打ちようがないじゃないか……」
ドゲスの襲撃を受けたことがなかったこの村の住人は、いざという時の対策が判らなかった。
「ゆっくり達を助けたい、しかしどうすれば……」
延々と、このスパイラルに陥っていた。
そんな村人達をはるか上空から見つめる、一つの影。
「……これは……いいネタになりますね」
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さて……後半に続きます。
こんな長くなるとは思わなかった。
スーパー言い訳タイム
- ゆっくり、頭も性格も良すぎない?→こんなゆっくり達がいてもいいかなぁ……と。
- ドゲスの襲撃を受けたことがないってのは……→運が良かった。うん。
- 働かなかったゆっくりが人間の郷から強奪しないのは?→一家が死刑になるから
(弱肉強食。このドスの群れは厳しい掟、という設定です)
後半は仕事人たちが仕事します。
最終更新:2008年11月18日 20:26