※CAUTION!!
~もしドスが現代入りしたらこうなると思う~
都心から離れた田舎町。その近辺の山の麓の雑木林に一匹のドスの群れがいた。
「ゆ~こまったよ、食べものがぜんぜん足りないよ・・・」
季節は秋の終わり頃、しかし、厳しい冬を越すために必要な食料が全く足りず、
群れのリーダーでもあるドスまりさは非常に困っていた。
「どすー!このちかくにたべものはないよー!!」
一匹のれいむが嘆くように声をあげる。
ドスがいるにも関わらずこの群れが餌不足になった理由は群れの
ゆっくり達にある。
群れのゆっくりが後先考えることなく性行為に走った結果、
10匹以上の大家族がこの群れの殆どとなってしまっている。
更に数が増えれば食べる餌も増える。基本大食らいのゆっくりなら尚更。
毎日満腹になるまで食べ続けた結果、近辺に食べられそうな草木は生えておらず、
昆虫だってこの季節に居るはずもなく、辺り一面は茶色い土が露出していた。
餌を探しに人間の住宅地に行ったゆっくりもいるが帰って来たゆっくりはいない。
「どおしてこんな事になっちゃったの~・・・」
そしてなにより、このドス自身まだドスの身としては若く頭も弱かった。
なので餌の配分なども行わず、群れの過剰な性行為や暴食を注意することなく、
なによりこのドス自身も毎日4メートルもある自分と同じ大きさの量の餌を食べている。
そして、餌不足となった理由も一切解っていなかったのだ。
「このままじゃゆっくりできないよ~・・・」
ドスの発言に他のゆっくりも不安の声を上げる。
ゆっくりにとってゆっくり出来なくなることは非常に迷惑だが死活問題であるからだ。
「そうだドス!いいかんがえがあるよ!!」
その時、一匹のまりさが何かを思いついたのか、ドスにある提案を渡した。
「ゆゆ!良いかんがえだね!!じゃあ明日すぐにさくせんかいしだよ!!」
『ゆ~~~~~~~~~!!!』
その案にドスも他のゆっくりも賛同し、騒音に近い活気の声があがった。
そして夜が明けた今日の昼下がり。
ドスと群れのゆっくりは住宅地に来ており、街の人間達はドスを一目見ようと野次馬半分で集まり、
そして携帯片手に目を丸くしてしまった。
それもそうである。ドスの口から光が発せられ、
そしてドスの前方の雑木林が一部焼け野原となってしまったのだ。
「ドススパークをうたれたくなかったらきょーていをむすんでね!!」
「そーだそーだ!!」
「どすもゆっくりもにんげんなんかよりずっとつよいんだぜ!!」
ドスは人間の方に振り向くとまるで勝ち誇ったかのような顔を見せつけ、
ドスの下のゆっくり達も虎の威を借り完全に威張っていた。
昨日まりさが提案したのは、人間に交渉するというやりかただった。
まず街の偉い人間を連れてきて、ドスのみが持つと言われている『ドススパーク』と呼ばれる破壊光線を目の前で空撃ちする。
そして自分の強さを見せつけた後交渉に出るというやり方なのだ。
そして内容は、
- 冬の間群れに食べ物を提供する。
- ゆっくりを殺してはならない。
- 此を破ればドススパークを人間に撃つ。
と、手始めにドススパークを撃って脅迫した後など、
内容が内容だけにドスが協定などと言ったモノとはほど遠い不平等条約と言う名の脅しである。
無論、こんな時代遅れもはだはだしい要求に野次馬達は一斉にブーイングをするが、
「こーしょうけつれつならどすすぱーくをうつよ!!」
ドスの脅しに押し黙ってしまった。
「解りました・・・しかし、これは極めて重要な判断となるので明日報告しましょう」
ドスに呼んでこいと言われ呼ばれた市役所の重役らしき人間がそう言うとドスは納得したか、林へと帰って言った。
「いそいでね!どすはのろいのはきらいだよ!!」
と自分の事棚に上げた文句を吐いて。
「皆さん落ち着いてください。付近の皆様方は決して林の方へと入らないように・・・」
街の人間も動揺の色を隠せない。その声を聴いたドスは成功したと確信した。
夕方、ドスの群れはもはや祭り騒ぎだ。
これで冬ごもりに困ることなく、それでころか人間の手を借りてずっとゆっくりできるのだ。
ドスもゆっくり達もこの日は沢山餌を食べ、某ガキ大将の方が上手いと言った方がいい雑音に近い歌声が響いた。
それから夜が明けた。
群れは昨日の宴で完全に寝静まっている。
しかし、その静粛は瞬く間に掻き消されたのだった。
パララララララララララ・・・
「ゆ~・・・うるさうよ何の音?・・・」
その音に反応し目を覚ましたのはドスだった。
今日は人間と協定を結ぶ日、ドスはソレを思い出すとすぐにさま起きあがり、
普段住処にしている洞窟から出ようとしたときだった。
なにやら空き缶なようなモノが洞窟の入り口から投げられ、ドスの前で止まった。
ドスは初めて見る物体に興味をそそられ、ソレを凝視してしまった。
その時だった。
物体は突然爆ぜ、ドススパーク以上に眩しい光を発しドスは目がくらんでしまった。
そして今度は球体のような物体が投げられ、今度は炎が広がりドスの体を抉り取った。
ドスは予想だにしなかった出来事と突然やって来て、
普段受けたことのない激痛に多いだけの餡子脳がついて行けなかった。
更にドスに疑問を持たせる間もなく、今度は十数人の人間が洞窟内に入ってきてドスの前で立ち止まった。
そしてその人間達は皆、機関銃を持っていた。
「全体構え、撃てぇー!!」
その声と共に人間達はドスに銃口を向け、発砲した。
体に何百発の鉛玉が埋め込まれ、ドスは更に激痛に苦しむ。
「グレネードっ!!」
その声にまた先ほどと同じ丸い物体、手榴弾をドスに投げつけると再びドスの近くで爆ぜ、
ドスの体を荒く削り取る。
そしてまた機関銃による発砲が行われる。
(どおして・・・こんなことに・・・)
数分にもわたる総攻撃の中、意識が遠のく中でドスがこの一言だけを思った。
それが、己の失態から起きたことも、洞窟の外で踏みつぶされ溺死の中助けを呼ぶ群れの声も解らないまま。
実は昨日、市はドスが退いた直後地元の自衛隊に電話をしていたのだ。
ドスゆっくりが現代日本に現れてから、数々の問題が起こった。
それはドスという存在により増長したゆっくりの農園や住居侵入の被害の急増、
無計画の暴食が引き起こした環境破壊、ドスの体当たりで怪我人が発生。
そしてなによりドススパークと呼ばれる破壊光線である。
威力は花の大妖怪や黒白の魔法使いと比べたら劣化コピーに等しいが、
人間を一瞬で蒸発させるには十分。更にこの破壊光線の原材料となるのがキノコと非常に低コストで、
コレに目を付けた各国が兵器として利用するのを恐れた政府は、
ドスゆっくりは見つけ次第殲滅するよう立法し、ドスの殲滅として自衛隊が駆り出された。
コレにより、ドス及びにドスの群れのゆっくりは瞬く間に駆逐され、
ゆっくりの愚かさを悟った老いたドスゆっくりも駆除された。
今現代日本ではドスは絶対にゆっくり出来ない。
その巨体と強力な破壊光線は、完全に人間の恐怖と対象となったのだから。
どうもsageの人です。
そういえば現代のドスモノって少ないですよね。
なので書いてみました。
それと蛇足ですが、擬音の正体はドスの発見を嗅ぎ付けたテレビ局のヘリの音だと思ってください。
そいで自衛隊が最初に投げつけた物体は閃光手榴弾です。
にしても自衛隊はやりすぎですかな・・・;
これまでの黒歴史
- 猫と踏み切りとゆっくりと
- ゆっくり苺大福
- 真のドゲスまりさ
- 悪意のないゆっくり
最終更新:2008年11月16日 11:49