日常の終わり

ゆっくりが現代に実によく馴染んでいる世界です。
※厨二病がすぎた結果がこれだよ!
※滲み出るほどのブロント語、気をつけてください。
※ぬるすぎるというよりも虐めてない。
※要するにハーフ物だということ。レイパーさんありがとう!

 それでも読むぜ!という奇特な方だけご覧ください。








「起きなさい、今日はお前の14の誕生日、これまでお前を1人の人間として立派に育ててきったつもりです。
 そして今日は特別な日。忘れられない一日になるでしょう、起きなさい……」



変な夢を見た。しかしどこか懐かしい感じのする夢。けれどもどんな夢だったかさっぱり思い出せない。
大切なことのような気がして思い出そうとするが、ちっとも思い出せない。

「あさだよ!ゆっくりおきてね!あさだよ!ゆっくりおきてね!」

時計ゆっくりの目覚ましを止めるのを忘れていた。後ろにあるスイッチを押して止める。
この時計ゆっくりはゆっくりの中に時計の部品を埋め込み、時計の役割を担わせるという職人の技の
冴え渡る一品だ。れいむ型とまりさ型があったが俺はれいむ型を選んだ。理由は特にない。

「ちっくたっくちっくたっく」

目覚ましを止めると何時きいても気の抜ける声を出しながら時を刻んでいる。
そろそろ起きなきゃな。階段を下りて今とドアを開けるとそこには父さんがいた。

「起きてきたか、おはよう」
「おはよ」

もう朝ご飯は食べ終わっているのか、お茶を飲んでいる。
俺も自分の分を用意しようとパンをトースターに入れる、とめだましテレビが流れていた。

『7時31分、7時31分』

今にも「このロリコンどもめ!」といいそうなマスコットキャラが時間を告げている。
俺は何を考えているんだ。寝起きの頭はわけの分からないことばかり考えるから困る。

『○日午後7時ごろ、Y市に住む女性の飼いゆっくりを殺害し、逃走したところを
 駆けつけた警察官によって逮捕されました。逮捕された男は都札市に住む、
 徒愚呂 黄二郎 (自称自営業)は容疑を認めており、「ゆっくりはみんな死ねばいい」
 と供述。警察は過去の飼い・野良ゆっくり虐殺事件との関連性を調べるとのことです』

ゆっくりには人権のようなものが与えられていないから、そんなに重い罪にはならない。
せいぜい器物破損と公務執行妨害くらいなものだろう。
大変痛ましい事件なはずなのにナレーターがきめぇ丸だとそう感じないのはなぜだろう。

その次のニュースは飼いゆっくりがストーブにぶつかっ手ものに引火して家屋が全焼するという
よくある内容だった。
その間に冷蔵庫から牛乳とビンを取り出す。それをテーブルの上においてパンが焼けるのを待つ。
ニュースは芸能へと変わった。

『人気アイドルの「RemiFra」が解散すると発表しました』

なん…だと…!!
この2人が歌う歌は俺も好きでプレーヤーにも入れてある。それが何故?

『れみりゃさんがにんっしんっしたため、2人で子育てに専念したいと引退を宣言しました』

…なら仕方ないな、でも復帰は絶望的かな。楽しみがひとつ減った。
焼きあがったパンを皿の上において、ビンのふたを開ける。その中には赤ゆっくりが2匹詰め込まれていて
ビンから取り出す。

「「ゆっくりしていってね!」」
「おきゃーしゃんどきょー?」
「まりしゃはきょきょでゆっきゅりしゅりゅにぇ!」

この赤ゆっくりから餡子をひりだし、パンにぬって食べる。これが俺のいつもの朝のメニューだ。
餡子だけを入れたビンもあるのだが味が落ちるような気がしてこちらを選んでいる。
ぬる前にテレビをふと見る。

『てんこさんがゆっくりアカデミー賞にノミネートされました』
「きた!メイン女優きた!これで勝つる!」
「静かにしなさい」
「あ、ごめん」

実は俺はてんこさんのファンだ。あのスラッとしたボディー(ゆっくりとしては)、全てを見通すクールな目、
そして万人を唸らせる演技力、名台詞の数々。その大女優が世界に認められたということだ。
ファンとしてこれほど嬉しいこともない。
俺の夢はてんこさんに「ひそうのけんすごいですね」と言って「それほどでもない」と返してもらうことだ。

「ボーっとしてないで早く食べなさい」
「え、うん。あ…」

赤まりさは皿の上で寝ていて、赤れいむはパンに噛り付いているが赤ゆっくりに噛み切れるほど柔らかくない。

「ゆえぇぇぇんちゃべりゃりぇにゃいよぉぉぉぉおにゃきゃしゅいちゃよぉぉぉぉぉ!」

じたばたと暴れるれいむ。そろそろ食べようとれいむをつまんでパンの上に持ってくる。

「わーい、おしょりゃをとんでりゅみちゃーい」

つまんでいる親指と人差し指に力をこめる。

「ゆぎゅぎゅぎゅゆべぇっ!!」

目と口から飛び出す餡子をパンの上にたらしていく。
餡子を搾り取られたれいむの成れの果てをまりさの近くに置く。

「ゆゆっ!あみゃあみゃにゃにおいがしゅりゅよ!ぺーろぺーろ、あみゃーい!
 がーつがーつうみぇこりぇみぇっちゃうみぇぇぴゃにぇ!」

まりさがれいむの皮を食べている間に餡子をぬったパンを食べる。
パンを食べ終わるとまりさも食べ終わったようだ。

「ゆゆーん、おにゃきゃいっぴゃいだよ!」

若干膨れ上がったまりさも次のパンの上に持っていく。

「ゆゅゅゅゅゆぽわぁっ!!」

やっぱり朝はこれでなければ始まらない。
テレビに目を向けると芸能から政治の話に移っていた。
さすがに政治にゆっくりはでてこない。だが議会はゆっくりにも権利を与える法で賑わっている。
と言っても全てのゆっくりにではなく、飼いゆっくりに対してのものだが。
何故そんなことで言い合いになっているかと言うと、先ほどのニュースの通りゆっくりは
人と同等、もしくはそれ以上の功績を成しているものが極僅かだがいる。
その大半は胴つき(たまに胴無)だが、そのゆっくりを守るための法案らしい。
だがゆっくりに権利を与えればどこかで障害がでるから
そう簡単には決められない。そんなこんなで延び延びになっている。
朝ごはんを食べ終わるころには天気予報に変わっていた。
今日は全国的に晴れであるとお天気お姉さん的なゆっくり、さなえ(胴無)が伝えていた。
引き続き、人気コーナーの今日のゆっくりが始まる。だが辛い思い出があるので
そこで見るのをやめて父さんのほうに向き直って話を切り出す。

「で?今日はどんな用事があるの?」

本当だったら誕生日に友達と遊びに行って祝ってもらうつもりだった。
だが昨日になって明日はあけておけと言われて友達に詫びの電話を入れる羽目になった。

「まあなんだ、誕生日おめでとう」
「ありがとう。まさかそれ言うためだけにじゃないんでしょ?」
「そうだ。今日はお前に大事な話がある。が、その前に着替えてきなさい」

まだパジャマ姿だった。部屋に戻り適当に私服を着て今に戻ってくると父さんも着替えていた。
だが仕事で着ていくスーツを身に着けていた。

「何でスーツなんて着てるの?」
「これも今日の大事な話の1つだ、これからお前には3つの大事な話がある」

なんだか妙に緊張してきたな。

「まず1つ、父さんの仕事について」
「ああ、確か大人になったら教えるってはぐらかされていたね」
「2つ、お前の母さんについて。これも大人になったら教えると言ったな」
「……………」

俺には物心ついたころから母親がいなかった。寂しいと思ったことがあったが
ないものはしょうがない。どこか達観していたが、どうしようもなく泣いたこともあった。
母さんがどんな人か考えたことがなかった。家には写真もなければ手がかりになるものもない。
知りたいような知りたくないような、あんまりすぎることだったら聞きたくないかも。

「そして3つ、お前についてだ」
「えぇ!俺のこと?」
「そのことから話していこうか、…はっきり言おう、お前は人間ではない」
「………それ何の映画の台詞?」
「信じられないのは無理もない。そのためにも今日は人を呼んである」
「誰を?」
「もうすぐ来ると思うが…」

父さんは時計を見ながらそういうが早いか、家の前にいかにも高級車ですと自己主張する車が停まった。
玄関に向かうと誰かが扉を立っているような気配がする。すると父さんが扉を開ける。そこに立っていたのは
2mはある巨体で真っ黒のスーツを身にまとい、欧米人を思わせる高い鼻の上には全く透けない黒の
サングラスを掛けて髪は短く切りそろえられているとても一般の人には見えない人。
ぱっと見、殺し屋か、もしくは人型抹殺用ロボットにしか見えない。怖え、めちゃ怖えよ。

「おはようございます」

うおぉ、父さんいきなり話しかけてるよ!知り合いかよ!いったいどんな仕事をしてるんだよ!

「おはようございます」

こっちも普通に返してるよ!てか日本語お上手ですね!

「準備はよろしいですか?」
「ええ、いつでも出られます」
「それではいきましょう」

よくわからん間に話が進んでいく。でかい男の人が横にずれると家の前には車が見えてその横には
これまたでかくて同じ格好をした黒い肌の人が立っていた。
その人が車のドアを開けて待っているのを父さんは普通に乗り込んでいく。俺も促されて乗り込むと
ドアが閉められて、運転席と助手席におっかない人が乗って車が発進した。

父さんに説明を求めたいが前の2人が怖すぎて声も出せない状態で車は走り続け、いつもの田園風景から
ビルの立ち並ぶ都会へと景色を変えていく。1時間強の時間が過ぎて普通のビルの前に車は停まった。

「ほら、着いたから降りなさい」
「もう家に帰ってゆっくりしたいよ…」

ビルに入ってエレベーターに乗せられて大きいソファーが2つ置いてあり、
その間にテーブルがある部屋に通された。
この部屋に来るまでにちょくちょく見かけた方々はもしかしなくてもあっち側の人たちなのだろうか。
こんなところに勤めている父さんはいったい何者なんだ!あんまり聞きたくないぞ。
そうこうしてると部屋の扉が開いて男の人が入ってきた。
その人がまた格段と恐ろしい面構えで刀傷のある顔で着物を着ていた。
どう見ても893です。本当にありがとうございました。
と言うかなんで俺はこんなところにいるの!?わからないよー!誰か助けて!
どう(ryな方は向かいのソファーに座ると重々しく口を開いた。

「そこの坊主が例の子か?」
「はい、私の息子です。こちらは師手委プロダクションの社長で父さんの上司に当たる方だ。
 ご挨拶しなさい」
「は、はじめまして…」

そんな鳥を射殺しそうな目で見ないで!怖いよ~死んじゃうよ~!
すると俺の首など簡単にひねれそうなごっつい手が迫ってきた!
おい、やめろ馬鹿俺の人生は早くも終了ですね

「あの坊主もでかくなったもんだな」
「ええ、おかげさまで」

社長さんの手は俺の頭をごしごしと撫でただけだった。
え?社長さんは俺のことなんで知ってるの?

「きっとあいつも喜ぶだろう」
「そうですね、早く会わせてあげましょう」

そういうと父さんは部屋を出ていってしまった。待って!俺をこの人と一緒にしないで!
怖すぎるよ!顔を見るのも怖いので顔を伏せていよう。
どれぐらい経っただろう30分な気もするし5分も経ってないような気もする。
父さんが部屋に戻ってきた。

「お入りください」

なんと、なななんとそこに現れたのは!
小さい靴をカカカカッと鳴らし、どこまでも澄み渡る青空を連想させる蒼い髪、その上に
桃の飾りが着いている帽子をかぶっているががどこもおかしくはない
世界が認めるゆっくり界の大女優、てんこさんだ!
そういえば師手委プロダクションってどこかで聞いたことあると思ったら
てんこさんの所属する事務所じゃないか!不覚!
てんこさんはそのまま歩いていくと自然に社長さんの隣の席に座ったではないか!

「お前も今朝にテレビで見ていたてんこさんだ」
(くそ、落ち着け、落ち着くんだ。目の前には夢にまで見たてんこさんがいるんだ、
 うかつなことはできないぞ)
「てんこさんは紅茶に砂糖は何個入れます?」
「9個でいい」
「さすがてんこさんですね」
「それほどでもない」
(こんな状況で落ち着けるか!そうだこういうときには深呼吸を……深呼吸ってどうやるんだっけ!?)
「社長はどうします?」
「いらん」
「ではストレートで」
(そういえば息もどうやってするんだっけ!?うぐぐぐぐ……苦しい…)
「あっと、父さんはてんこさんのマネージャーを勤めさせて頂いているんだ」
(何ィ?そいつはすごい、あとでサインとかもらえないかな)
「お前はまだ小さかったからな、どこで口を滑らせるか分からなかったから教えられなかったんだ」
「一瞬の油断が命取り」
「なるほどね、でもなんでここまでつれてくる必要があったの?」
「そのことについてなんだが、母さんのことについても関係があるんだ」

何で母さんの話がここで出るんだ?

「実はお前の母さんはてんこさんなんだ」
「私が母親であるのは確定的に明らか」


―――後に少年はこのとき時は確かに止まったと語る


「えええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
「信じられないのも無理はないな、これからどうやって今日に至ったか詳しく教えよう」



「時はちょうど15年前にさかのぼる。父さんはこの会社で普通にマネージャーとして勤めていた」
(この会社にいる時点で普通じゃないのは確定的に明らか…)
「そしててんこさんが芸能デビューすることになって父さんがその専属マネージャーを任されたわけだな
 で、その時がてんこさんと父さんの出会いだった」
(ロマンチックなのか?)
「だが当時はゆっくりに対する世間の目は冷たかった、ましてや芸能界で活動するんだ
 苦労は並じゃなかったよ」
「あのままでは私の寿命がストレスでまマッハなんだが…」
「そう、傷ついているてんこさんを父さんがいつも慰めていた。そして近づいていく二人の距離、
 2人が愛し合うにいたるのは必定だった」
「若気の至りと言うやつだ」
(それおかしくね?どう考えても普通じゃないよ、父さんはHENTAI?それともロリコン?
 駄目だ、もう父親としてまともに見れなくなった)
「でもそれが社長にばれてしまってな、奥さんも子供もいなかった社長はてんこさんを
 実の娘のように溺愛していたから烈火のごとく怒った」
「パパの怒りが有頂天」
(二人とも笑いながら話してるけど、社長さんの顔がどんどん険しくなっていくんだけど!?)
「で、ついにはヒットマンを雇って父さんを殺しにかかってきた。
 父さんはてんこさんを連れて逃げることにした」
「愛の逃避行だ」
「何とか逃げてたんだけど、ある日にてんこさんがにんっしんしていることが分かって
 喜びと同時に悩んだ」
「てんこを嬉しさと想像を絶する深い悲しみが襲った」
「それでこのまま逃げててもどうしようもないと2人で社長を説得することに決めて社長に会いに行ったんだ」
「並み居る強豪を倒し、ついに親玉の下にたどり着いた」
「どうにか和解することになって二人のことを認めてもらったんだ」
(あいのちからなんだねーわかるよー。社長さんは深い悲しみに包まれてるし)
「子供は産むことに決めて、お前が生まれたわけだ」
「だがてんことは違う姿をしていた」
「そう、きっと胴つきゆっくりが生まれてくるだろうと私たちは思っていたんだが、
 お前はどう見ても人間だった。多少変わっていても新種のゆっくりだと言えば周りはごまかせただろう。
 だが人間とゆっくりの間に子ができたと知られるわけにはいかなかった」
「てんこの近くにはいつも記者がいた」
「だからてんこさんとお前の関係を知られるわけにはいかない、
 まして子だと分かればたちまち記事にされてしまうだろう。だから別々に暮らすことにした」
「苦汗の選択だった」
「これがお前が生まれるまでの経緯だ。こういった理由でてんこさんはお前と暮らすことも
 会うこともできなかったんだ」
「そうですか…」

積もる話もあるだろうから親子水入らずで、といって社長さんは部屋から出て行った。
紅茶には結局手をつけなかったな、もしかして紅茶を「いらん」って言ったんじゃないのか?

「でさ、いつドッキリでしたって看板持った人出てくるの?」
「やっぱりお前信じてなかったのか」
「だってできすぎだもの。てんこさんと父さんが愛し合ってる?事務所の人はヤクザ?
 挙句の果てに俺は人間とゆっくりのハーフ?疑わないほうがどうかしてるよ」
「そうか、じゃあお前のその青みがかった髪はどう説明するんだ」
「母さんが青い髪をした外人とか」
「どこの世界捜しても青い髪をしてる人なんていねーよ。アニメの見すぎ」
「えっそうなの!?」
「うわさに聞くゲーム脳と言うやつだな」
「それとお前は水に入ると手足がふやけやすいよな、これはどうやって説明するんだ?」
「えっと、特異体質とかじゃないの?」
「ふやけるどころか皮まで剥けるのは特異体質とは言わない。普通は病気と思うだろ」
「これがゆとり教育の弊害か…」
「あとお前身長はいくつだ?」
「か、関係ないだろ!」
「いいから言ってみろ」
「ひ、149…いや測ったの結構前だしきっと150あるよ絶対」
「小さいなさすがてんこの子ちいさい」
「小さくなんかないわ!見てろよこれからめきめきと身長伸ばしてあっと言わせてやるからな…」
「この写真を見てもまだ納得しないか」

父さんが懐から出した写真を手に取る。少し古ぼけているが問題はない。
そこに写っているのは今とそう変わらないてんこさんと白髪が一本もない父さんが
とても嬉しそうに笑っていて、間に挟まれて眠っている赤ん坊。おそらく俺なんだろう。

「……分かった信じるよ。でも2人から生まれた俺は人間なの?それともゆっくり?」
「ここの会社の人がよくお世話になっている医者の方に調べてもらったら
 結果は『ゆっくりに似た体をした人間』か『人間に極めて近いゆっくり』のどちらかだと言われたよ」

それって闇医者?とは言わない。
その結果だと俺は人間でもゆっくりでもないって事じゃないのか?
まあその話題は置いといて。

「なんで俺にこの話伝えたの?別に知らないままでもよかったんじゃない?」
「ああっとそれはだな」
「てんこが直接言おう、てんこは芸能界を辞めて家族で暮らしたいと思う」
「え「エエエエエェェェェェェェ!!!」

何で社長さんが乱入してくんだよ!親子水入らずじゃねえじゃねえか!

「何で、どうして芸能やめちゃうの?てんこはパパのこと嫌いなのか?」
「いやパ…
「そうか、そいつにまた誑かされたんだな!?小僧!わしからてんこを奪った恨みも込めて
 ここで成敗してくれるわ!」

なんか短刀を取り出してるよ!?誰か社長さんを止めてくれ!

「社長!気を静めてください!」
「えぇい、放せぇい!」

ごっつい人たちに取り押さえられて社長さんはつまみ出された。
って何で2人ともちっとも動じてないの!?

「それでは話を戻そうか」
「てんこはゆっくりアカデミー賞をとるという夢を叶えることができた。だからもう芸能界に未練はない。
 今後は家族で平穏に暮らしたいんだよ」
「でも本当にそれでいいの?折角あそこまで上り詰めたのに」
「やめてしまえば未練もなくなるだろうし、いいよ」

こちらに優しく笑いかけてきてドキッと……してないぞ!あれは母親だぞ、母に萌えるとか終わってるから!
でもさっきまで母のファンであったわけで、少なからず好意は持っていたわけで、それは母親に対するもの
とは違う方向性なわけだから……ギャア俺はもう駄目だ

「さあ、そろそろ家に帰ろう」
「えっ!」
「カカカカッと帰宅するぞ」
「ええっ!」
「と言うわけでおまえ荷物持ち」
「なんでっ!」
「てんこさんに重いもの運ばせる気か?」
「だからって…」
「ナイトはジョブを選ばないんだろ?」
「わかったよ!」

ぐおおおおお何だこの鞄、見かけによらずマジで重たいんだが
2人はすたすた歩いて行っちまうし、今日はなんて日だ。
そこの兄ちゃんも見てねえで手を貸してくれてもいいじゃねえか!

「おおっと、壊れやすいものもあるから丁寧に扱ってもらおう」

そんな無茶な!肩に掛けてるだけで俺はふらふらだというのに!
結局車に積み込むまで誰も手を貸してはくれなかった。

何でこういう座り方なのだろうか、何で2人が後ろで和気藹々後話しながら座っているのに
俺は隣で抹殺ロボの人が運転している隣の助手席にいるんだろう。
まあてんこさんの隣に座るよりはマシかも、なんと言っていいかわからないし。
でもそれはそれでうれしいなぁ…あれ、俺おかしくね?あれ母親だからね…グァァヘイジョウシンヘイジョウシン

家に到着して荷物を降ろすと車は走り去っていった。

「それじゃあ、家族ライフを満喫するぞ!」
「おおっ!」

ゆっくりできないよおおおおおお!!!
こうして俺の新しい生活が始まった。





つづくのかー





あとがき

ついにやっちまったぜ、禁断のハーフものをな。
違うSSを書いていたら変な電波を受信した。
なんかいろんなものの影響を受けすぎて変になった。次回はさらに変になる予定。
俺はもう駄目かもわからんね


主役の少年について
名はない。
人間の父とゆっくりてんこの母から生まれたゆっくり人間。
髪の毛は紺と群青の間の色、水に溶けやすい水溶性。
ゆっくりと人間の見分けはつくが、時々ぽっちゃりした幼女をゆっくりに見間違う。
中学二年生。中二、厨二。
ヒーローに憧れを抱く。男の子だからしょうがない。
思春期真っ盛り、だからピンクな妄想もします。男n(ry
ゆっくりに好意を持たれることはないが、胴つきを色っぽいなぁと思うことがあります。おt(ry
てんこのファンというよりもかわいいゆっくりにめがない。
背が低いことがコンプレックス、シークレットシューズに興味を持つお年頃。
1hyde未満…おや誰かきたようだ

てんこについて
胴つきゆっくりてんこ。
HENTAIならばまず間違いなく襲うであろう程の美ゆっくり。
社長とは語るも涙、聞くも涙のご関係。
代表作「謙虚なナイトの犯科帳」 主演は全てゆっくりのドラマ。
事件が起きて推理して捕り物劇をやってなぜか最後は下手人をぶった切るよくわからないストーリー。
永遠の十七歳、推定年齢さ…おや電話だ

父親について
名はとうの昔に捨てた。
師手委プロダクションのマネージャー。
HENTAI、ロリコンと手のつけようがない。
あちらの世界はいるときに家族と絶縁している。
構成員?



私はどう見ても厨二病です
本当にありがとうございました。

『オマケ』でした。


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最終更新:2022年01月31日 02:42
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