ゆっくりいじめ系2254 100スレ記念1

100スレ記念1

※ゲス指数低め
※理不尽気味な虐待有
※虐待お兄さんがウザイかもしれない
※レイパーありすあります
※ドスも登場します
※まりさつむりもいるよ!
※でもみょんとかめーりんがいない、不思議!
※無駄に長いです



「ゆっ!ゆっくりしていってね!」

人里から大分離れた森の中で大きな鞄を背負った青年が一匹のゆっくりれいむに遭遇した。
いや、正確に言えば一匹のゆっくりれいむを見つけた、だろう。
何しろ青年はゆっくりを探して人里を出て、こんな森の奥深くまでやってきたのだから。

「やあ、れいむ。ゆっくりしていってね」
「おにいさんはゆっくりできるひと?」

そう言いながられいむは人間で言うところの首をかしげる仕草をした。
彼女達ゆっくりは生首饅頭という俗称を付けられている事からも分かるように胴体がない。
もちろん、手も足もなく、ただ人間?をバカっぽくデフォルメしたような顔だけの存在。
ちなみにこのれいむ種は黒髪と赤いリボンが特徴的なゆっくりである。

「ああ、とってもゆっくり出来る人だよ」
「ほんとう?じゃあ、れいむといっしょにゆっくりしようね!」

由来も出自も一切不明の謎の動く饅頭。自然界で生きるにしてもあまりに貧弱な存在。
しかし、あるいはだからこそ、彼女達はゆっくりすることを本能的に求める。
疑うことを知らないわけではないがすぐに騙され、無知ゆえに人の領域に踏み込んで酷い目にあう。

「ああ。でも、その前にこのお菓子を食べないかい?」
「ゆぅ?・・・ゆゆっ!れいむしってるよ!おかしはあまあまさんだよ!とってもゆっくりできるんだよ!」
「良く知っていたね、れいむは偉いなぁ。さ、お食べなさい」

れいむは少し涎を垂らしながら無邪気な笑みを浮かべ、大きな口を一層大きく開く。
その様子を見た青年はにっこりと微笑むと彼女の口の中に角砂糖を放り込んだ。

「む?しゃむ?しゃ・・・し、しあわせぇ?!」
「どうだい?美味しかったかな?」
「ゆゆ?♪とってゆっくりできるよ?!」

満面の笑み以上の笑顔を浮かべて青年の周りで跳ね回るれいむ。
元々皆無に等しかった警戒心は完全に消え去ったらしく、時々彼の足に頬擦りをしている。

「す?りす?り・・・ざらざら?♪」
「なあ、れいむ?」
「なあに、おにいさん?れいむ、ゆっくりしてるよ!」
「それは良かった。ところで、君の家族は何処にいるんだい?」

ゆっくりの成体は最低でもバレーボールサイズに達すると言われている。
しかし、このれいむはテニスボールサイズ。ようやく子ゆっくりと呼べる大きさになったばかりだろう。
ようやく親と一緒に外出して、その際に親の傍から離れたか、あるいは好奇心に負けてこっそり巣を抜け出したか。
もしくは、この森はゆっくりを捕食する生物が少なく子どもだけで外出してもある程度は安全なのかもしれない。
いずれにしても、この子れいむには親なり養ってくれる群れなりの親密な仲間がいるはずである。

「ゆぅ?どうしてそんなこときくの?」

再びれいむは首をかしげる、に相当する仕草をした。
子どもにありがちな訊きたがりなのか、警戒心から来るものなのかは知らないが、青年の目をじっと見つめている。

「僕は君たちと仲良くなりたくてここに来たんだ。だから君の仲間にもさっきのお菓子を分けてあげたいんだよ」
「ゆゆっ!みんなといっしょにあまあまさんをたべるんだね!?」
「その通り。一人でもこれだけ美味しいんだ。みんなと食べたら・・・とってもゆっくり出来るだろ?」
「ゆゆ?????ん♪ゆっくりりかいしたよ!ゆっくりついてきてね!」

どうやらただの訊きたがりだったらしく、子れいむは青年と一緒に自分の家へと向かう。
その笑顔と跳ねながら口ずさむ歌には、大好きな家族や友達とお菓子を食べてゆっくりする事への期待が込められていた。

ゆっくり?ゆっくり?♪あ?ま?あま?♪」

そうして30分後、青年と子れいむは子れいむの家族の待つ巣穴に到着した。



「おかーさん、ゆっくりかえったよ!」

巣の前に到着した子れいむの元気の良い第一声。
それを聞いて、巣穴の中から金髪に黒い山高帽のバスケットボールサイズのゆっくりがのそのそと這い出してきた。
そのゆっくりゆっくりまりさと呼ばれる種族で、ゆっくりの中ではれいむ種と並んでメジャーな種族である。

「れいむ、ゆっくりおかえり!」
「おかーさん、ゆっくりきいてね!れい・・・ゆゆっ!?」
「・・・ふんっ!」

子れいむが親と思しきまりさに今日のお出かけであった幸せな出来事を話そうとした時、視界の隅で大きなものが動く。
動いたものの正体は青年の右足で、胴体のないゆっくりの語彙ではその動きを適切に表現することが出来ない。
人間の言葉で言うならばそれは蹴りと呼ばれているもので、青年のつま先が親まりさの口めがけて叩き込まれていた。

「ゆぁ・・・!?」
「ゆゆっ!?おにーさん、なにするの!ゆっくりやめてね!」
「喋るな。喋るとお前のお母さんを潰す」

先ほどまでの温厚な声から一転して、青年は身も心も凍てついてしまいそうな声で子れいむを脅す。
彼女を見下ろす視線には侮蔑や憎悪など、無数の悪意が渦巻いており、のん気な子れいむでさえも本能的に身の危険を察知した。
そして、幸か不幸か、恐怖に萎縮してしまったことがこの子れいむと母まりさの寿命を延ばすことになる。

「良い子だ」

素直に言うことを聞いた子れいむに向かってそう呟くと、青年は鞄を下ろし、中から裁縫用の針と糸を取り出した。
それから未だに蹴りの痛みから立ち直れずに呻き続けている母まりさの髪を引っ掴んで自分の傍に引き寄せる。

「ゆ゛っ・・・ゆっぐいでぎないよー・・・」

泣きじゃくる母まりさをよく見てみると、あの一撃で何本か歯を失ってしまったらしく、そこから少量の餡子が漏れ出している。
が、青年はその事を一切気にも留めずに地面に座り、足で彼女を押さえ込むと口の周辺に手にした針を突き刺した。
痛みと恐怖からか死に物狂いで抵抗する母まりさ。
全身から甘いにおいのする脂汗のようなものを撒き散らしながら身を捩るが、全く歯が立たない。

「ゆっ!やっ・・・やふぇでぇ!ゆっぐい!ゆ゛っぐ・・・!?」
「騒ぐと子どもを潰す」

必死の、しかし全く無駄な抵抗を続けながら泣き叫ぶ母まりさ。
さほど影響がないとは言え、それを鬱陶しく感じた青年は子どもをゆく質に取って彼女を黙らせた。
幸いにもゲス気質のない個体だったらしく、顔を引きつらせながらも大人しく青年の言うことを聞いた。

「ゆぅ・・・や、やめてねぇ・・・おかー」
「お前も喋るな、動くな。でないとお前のお母さんを潰す」

子は母を、母は子をゆく質に取られて逆らうことはおろか動くことさえも叶わない。
どうしたものかと無い手をこまねいている内にも青年は母まりさの口の上下に何度も何度も針を突き刺す。
その度に彼女は「ゆっ!」などと短く悲鳴を上げるが、娘のためにもそれ以上の声は出さなかった。

「ふう、完了」

数分後、母まりさは糸によって口を縫い合わされてしまい、喋ることが出来なくなってしまった。
仕上がりに満足した男は鞄からプラスチック製の輪っかを取り出すと、それを地面に置き、その上に逆さにした母まりさを置いた。

「さて、今度はお前だ」
「ゆ、ゆぅ・・・」

青年は子れいむを指で摘んで、鞄からチャッカマンを取り出しつつ巣穴の入り口付近に腰を下ろした。
耳を澄ませば異変を察知して巣の奥に篭っている他の家族の声が聞こえてくる。

『ゆえーん、おかーさん、こわいよー』
ゆっくりしたいよー』
ゆっくりしーだよ!おおきいおこえをだしたらゆっくりできないよ!』

そう言うもう一匹の母ゆっくりと思しき個体の声が一番大きいのはお約束というやつだろう。
そのやり取りを聞きながら青年はにんまりと意地の悪い笑みを浮かべた。

「さて!母親に見捨てられた可哀相な子どもを酷い目にあわせるか!」

まずは必要以上に大声を出されないように手にしたチャッカマンで口を焼いた。
もちろん、全部を焼くわけではなく、上あごに先端部を押し付けて、一瞬だけ火を灯す。

「ぴぃ!?ゆ゛ゆ゛ゆ゛・・・べぇぁぉぇえぇ・・・」

ほんの一瞬ではあった。しかし、それでもいまだかつて感じたことの無い熱と痛みに子れいむは嘔吐してしまう。
青年は、少しだけ巣穴から腰をずらすと、えづく子れいむを巣へ向け、中に吐しゃ物を吐かせた。
瞬間、暗い穴倉の中に甘い匂いが立ち込め、悲鳴が響き渡った。

『ゆぇえ゛ぇ゛ぇぇええ゛ぇぇ゛ええ!ゆっぎぢできないー!?』
『おぢびちゃん!ゆっくりゆっくりしでね!?』
『ゆ・・・ゆべぇ・・・お、ぉぇえぇぇぇええぇぇえぇ・・・』

どうやら中の子ゆっくりの一匹が貰ってしまったらしく、甘い匂いは濃厚さを増した。
その様子に満足げな表情をする青年はとりあえず再び巣の出入り口を塞ぐように座り、子れいむへの虐待を再開する。

「ゆ゛・・・いぢゃ、い・・・ゆっぐぢ、できだいよぉ・・・」
「どうちで、こんなこどずるの?ゆっぐぢじようよぉ・・・」
「んーーー!むーーーー!?」

大きな双眸からぽろぽろと涙を零す子れいむは青年にやめて欲しいと懇願する。
また、傍らでは母まりさがぼろぼろと娘以上に大量の涙を流して何かを訴えかけている。
しかし、その程度でやめるなら最初から何もしない。
彼は子れいむの言葉に返事すら返さず、今度は子れいむの右頬にチャッカマンの先端を押し付けた。

「ゆ゛・・・い゛ぢゃ、いぢゃ・・・!あ、あぢゅい゛ぃぃ゛ぃ゛いいぃ゛・・・!」

再びやってきた今まで想像さえしたことの無いほどの圧倒的な痛みに悲鳴を上げる子れいむ。
が、口内を焼かれた彼女の声は小さく、またあまりにもか細く、弱々しい。
蚊の鳴くようなかすれた声を必死に振り絞るが、せいぜい傍にいる母まりさと巣の中の家族にしか聞こえていないだろう。

「ゆ゛っ・・・ゆびぃ・・・ぁ」

その痛みに耐え切れず、子れいむは気を失ってしまった。
白目を剥いて、口からはだらしなく涎を垂れ流し、まだ焼けていない左頬は涙でふやけている。
その様子を確認した青年は気絶なんてさせるか、と言わんばかりに今度は左頬を炙った。

「ゆ゛ぉぉ・・・!ゆぐ・・・ぅぅうぅぅ!」

しばらくして、全然ゆっくり出来ない生き地獄から解放された子れいむは乱暴に地面に投げ捨てられた。
痛みと苦しみに呻きながらもゆっくりと体を起こそうとするが、なかなか上手く起き上がれない。
何度も何度も起き上がる努力を繰り返し、ようやく底部を地面につける頃には10分近い時間が過ぎていた。

「なあ、れいむ。歌ってみろよ?」
「ゆ・・・?ゆっくいいかいしぃー・・・」

大声を出せず、また起き上がれないばかりか思うように喋ることもままならない。
子れいむはそのことに不安を覚えながらも母まりさや自分がこれ以上酷い目に遭わされないように一生懸命声を振り絞る。
そして、両親や姉妹、友達に何度も「とってもゆっくりできるね!」と褒めてもらった歌を口ずさんだ。

「ゆーうー・・・ゆぃー?」
「え、それ歌か?歌なのか?」
「ゆ!?」

音程を変えることが出来ない、声量を上手く調整できない、ろれつが回らない・・・。
子れいむが必死に搾り出した歌声は何の旋律も奏でることはなく、ただの呻き声となって消えた。
その事実に彼女は打ちひしがれた。
彼女にとって唯一の自慢がこのお歌だったのだから仕方なのないことだろう。
同じ日に産まれた姉妹の中で一番最初にお歌を歌ったのは自分だった。
お母さんに一番お歌を褒められたのも自分だった。
初めてお外に出たときにもこのお歌のおかげで人気者になることが出来た。
狩りから帰って来たお母さん達は自分のお歌でゆっくり出来ると言ってくれた。
お勉強も狩りも苦手な彼女のたった一つのアイデンティティ。
しかし、彼女がゆっくりゆっくりさせられる調べを奏でることは、永遠に無い。

「ゆっくい、できないよぉ・・・」



「さて、と・・・」

青年は子れいむを捕まえるとゆっくりと立ち上がって、子ゆっくり捕獲用ポケットに彼女を放り込む。
それから、巣のほうを振り向き、中にいるゆっくり達に話しかけた。

「さて、10秒以内にここから出てきたら助けてあげるよ?」
『・・・・・・・・・』
「じゅう、きゅう、はち、なな・・・」
『ゆぅ・・・なんだかゆっくりできないよぉ』
『おちびちゃん、ゆっくりがまんしてね!』

カウントダウンと言うのは意外に不愉快なものである。
ゼロになったとき何をされるか分からないため、どうにも居心地が悪くなる。
もっとも、巣の中にいるゆっくりがどの程度の数を数えられるのかは定かではないが。

「さん、にぃ、いち・・・ぜろ」

カウントが終った瞬間、青年は鞄の中から導火線のついた小さな玉を取り出す。
チャッカマンで導火線に火をつけると、それをおもむろに巣の中めがけて放り込んだ。

『『『ゆぅ?』』』

中の様子は見えないが、恐らく首をかしげるに相当する仕草をしているのだろう。
どこか間の抜けた声が巣の中から聞こえてくる。
直後、巣の中でパンッと何かがはじけるような音がし、少しすると中にいた3匹が飛び出してきた。

「ゆっ!ゆっくりできないよぉ?!」
「か、かりゃいよー!?」
「ゆえーん、おめめがいたいよー」

彼が先ほど投げた玉の正体は巣の中のゆっくりを引きずり出すために開発された唐辛子玉。
辛さと目の痛みに耐え切れなくなったゆっくり達が出てきたところですぐさま成体れいむを捕まえ、足で挟みこんで動きを封じる。
当然体を捩って抵抗するが、ぎりぎりと脚全体を使って締め上げるとすぐに大人しくなった。
それから、どちらもまりさ種であった子ゆっくり2匹の髪を引っ掴んで手元に引き寄せた。

「さて、と・・・」

再びチャッカマンを手に取った青年は適当な子まりさの帽子の先端に火をつけた。
赤々と燃える炎がゆっくりと帽子を焼いてゆくが、火をつけられた本人はまだ気付いていない。
とはいえ、もう一匹の子まりさに指摘されてすぐに帽子の惨状を知ることになるのだが。

「ゆえーん、まりさのおぼうしがー!」

燃え盛る帽子を投げ捨てたことで子まりさは怪我をせずに済んだ。
しかし、彼女の帽子は燃え尽きてしまい、いまや見る影もない。当然、泣いた所でその現実は変わらない。

「帽子がない子はゆっくり出来ないね」
「ゆっ!?」
「そんなことないよ!おぼうしがなくてもまりさはれいむのおちびちゃんだよ!」
「五月蝿い。黙れ。殺すぞ」

手短に母れいむを脅した青年は指摘された事実に怯える子まりさに向かって言葉を重ねる。

「安全な時は守ってくれるだろうさ。でも、もし僕が“どっちかを潰すから、れいむが決めてね”って言ったらどうなるかな?」

子まりさはその言葉の意図と意味をゆっくりと咀嚼して、理解したところで涙を零し始めた。
そう、同じまりさ種で、帽子のない個体とある個体がいればよりゆっくり出来るお帽子ありの個体のほうが大事に決まっている。
よほどのゲスだとか、ほかに致命的な障害があるのならまだしも、この子まりさ同士ではそのような事態もありえない。

「ゆぴぇぇぇぇぇぇん!ゆっくりでぎないよぉー!?」
「だったらゆっくり出来るようになればいいんだよ。お帽子なら目の前にあるんだからさ?」

それは甘い誘惑。悪魔の狡猾な罠。
青年がチャッカマンで指したのは、もう1匹の子まりさの被っているお帽子だった。
が、子まりさはその誘惑を強い意思で跳ね除けた。

「ま、まりさ・・・ゆっくりできいないことはしないよ!」
「そうか。じゃあ、れいむ?どっちの子まりさを潰すか決めろ。ほかの事を喋ったらどっちも潰す」
「「ゆゆっ!?」」

その言葉に青年の足の中のれいむと2匹の子まりさが驚愕の表情を浮かべている。
何の冗談だ、そう思いながら彼の目を見つめるが、かえって本気であることを確信させられてしまった。
彼は2匹の子まりさを交互に見つめながら、れいむの頭を軽く叩いて、意思決定を促す。

「さあ、早くしろ」
「ゆぅ・・・あ、あっぢのご・・・ゆっぐ、ゆひぃ・・・」
「ゆっ!?ど、どうぢで・・・」
「それがお帽子がないって事なんだよ」

母の言葉を信じられないといった面持ちで受け止める帽子なし子まりさ。
しかし、個体識別への影響、水上移動の可不可。そして何より一緒にいてゆっくり出来るかどうか。
そう言った要因を加味した時、この決断は極めて理にかなっている。

「そうか。じゃあ、そっちの帽子あり。そいつを殺せ」
「ゆゆっ!?そ・・・そんなの、ゆっくりでぎないよ!?」
「じゃ、れいむを殺す。あっちの帽子無しもあとで僕が殺す」

帽子あり子まりさの逃げ道は完全に塞がれてしまった。
殺さなければ2匹が殺され、殺せば1匹で済む・・・ならばするべきことはひとつしかない。
それでもしばし戸惑う子まりさだったが、やがて意を決して帽子無し子まりさの元へと第一歩を踏み出した。
その瞬間、今まで想像したことさえないような強烈な痛みが餡子を駆け巡った。

「ゆびぃぃいい?!」

いつの間にか青年が手に持っていたチャッカマンを帽子あり子まりさの右目に押し当て、眼球を焼き払っていた。
あまりの衝撃にごろんごろんと地面を転げまわる帽子あり子まりさ。
不思議なもので、これだけ転げまわっても帽子が頭から落ちる気配は一向にない。

「さあ、まりさ?今のうちにこいつから帽子を奪ってもいいよ」
「ゆ・・・ゆぅ、でもぉ・・・」
「じゃあ、あのまりさに殺される?それとも僕に殺される?」
「ゆっ・・・ゆっぐりぃー・・・」
「か弱い子ゆっくりに殺されるのも、僕に嬲り殺されるのもすごくゆっくり出来ないよ?」

青年の言葉と視線に促されて帽子のない子まりさは未だに苦しんでいる姉妹をじっと見つめた。
「ゆぐぅー・・・ゆっぐ」などと呻いている彼女は無防備に底部を晒しており、そこを食いちぎってしまえばもう何も出来ない。
この姉妹から帽子を奪い取れば・・・

「そう、君はゆっくり出来るんだよ」

子まりさの心中を読み取ったかのようなその言葉がきっかけとなり、彼女は姉妹のもとへ跳ねていった。
母れいむは必死に制止するために叫ぼうとするが、青年に口を塞がれてしまっていて言葉を発することが出来ない。
もっとも、喋れたところであまつさえ「死ね」と言ったも同然の彼女が子まりさにかける言葉などないのだが。

ゆっくり・・・ごべんね!?」

そう言ってお帽子のない子まりさは姉妹の無防備な底部に噛みつき、食いちぎった。
底部全体とは行かなかったが、底部前方の皮の大半を持って行かれ、帽子あり子まりさの中身が漏れる。
決して多量ではないが、小さな体にとっては失ってはならない命の素が、苦しみもがくたびに少しずつこぼれてゆく。

「そろーり、そろーり」

そんな姉妹に悟られないように頭のほうにこっそりと移動する帽子のない子まりさ。
口を使って彼女の帽子を咥え、破れたり傷つけたりしないようにゆっくりと、しかしゆっくりした速さで引っ張った。
それから舌と地面を上手く駆使して帽子を被り、いつものゆっくりした姿に戻った。

「ゆぅ・・・ま、まりさのおぼうし・・・かえしてね?」

一方、彼女に帽子を奪われた子まりさは思うように動かない底部を引きずって帽子を取り返そうと這いずってゆく。
ずーりずーりと1度這いずるたびに餡子が漏れ、確かな形で彼女の歩んだ軌跡を残す。
それでも大事なお帽子を取り返すために、またゆっくりするために。

「ゆゆっ、やめてね!これはまりさのおぼうしだよ!」
「ゆぐぅ!?」

が、底部を半分近く失った子まりさに自分と同じ体格の相手から帽子を奪い返す手段は無かった。
反撃に遭って、踏ん張ることも出来ずにころんころんと地面を転がり、その際に底部の皮を木の枝に引っ掛けてしまう。
そして起き上がろうと身をよじった瞬間に残されていた底部後ろ半分の皮が引っ掛けた枝に千切られる。

「ゆ゛っ・・・!」

それが彼女を死の淵へと追いやることになった。
先ほどまでと違って、少し動くたびにぼとりぼとりと落ちてゆく餡子。
じっとしていてもなお落ち着く様子を見せず、ただゆっくりと剥がれてゆく。

「もっと・・・ゆっくりしたかったよ・・・」

そうしてこの状況を打開する術を見出せないまま帽子を奪われた子まりさは息絶えた。
見守る家族の目には涙が浮かんでおり、帽子を奪った子まりさとて例外ではない。
歌えない子れいむも、喋れない母まりさも、青年に捕まった母れいむも、生き残った子まりさも、皆泣いていた。

「ゆう、おねーちゃん・・・ゆっくりごべんね。おかーさん!まりさとゆっくりしていってね!」

子まりさにとっては言ってしまえば自分が殺したようなものである。
しかし、いやだからこそ自分は絶対にゆっくりしてやろうと強く深く誓う。
もちろんゆっくりの知能ではそこまで明確に言語化できてはいないが、それでも間違いなくそんな事を考えていた。
子まりさだけではない。母れいむもまた同じことを考えていた。
娘に死ねというような酷い事をした。なのに娘は自分とゆっくりしようといってくれた。
姉妹同士殺しあうような真似をしたのは悲しいことだが、あんな状況では仕方ないだろう。
それに、こんな事をさせられて一番辛いのは子まりさ本人だ。
だから、自分が気を強く持って、彼女をゆっくりさせてあげないといけない。

「まりさ!」

母としての本能ゆえか、あるいは今までに培ってきた思い出ゆえか。
青年の手が口から離された瞬間に、餡子の奥底からとめどなくあふれ出してくるそんな熱い衝動に任せて叫んだ。
大きな口を一層大きく開き、底部も頬も目一杯に使って、頑張りすぎたせいで思わず目を閉じて。

「ゆっくりしていってね!」

今までのゆん生の中でもっともゆっくりしたゆっくりしていってね!だった。
だーりんのまりさがれいむにプロポーズした時のゆっくりしていってね!を超えるほどにゆっくりしている。
自分でも満足の会心のゆっくりしていってね!が言えたことが嬉しくなったれいむは最高の笑顔と共に目を開く。
そして子まりさを見つめた。

「・・・っ・・・ょ」

そこにあったのはつい先ほどまでれいむの口を塞いでいた青年の手だった。
その下に広がる黒い餡子だまりと、蚊の鳴くよりも小さな小さな断末魔。
れいむの笑顔は一瞬にして凍りつき、やがて絶望に侵されて真っ青になってゆく。
限界を超えた精神の揺れが彼女の心にどんな影響をもたらしたのかは知らないが、がたがた歯を鳴らしてと震えている。

「ど・・・どう、して・・・?」
「お前が言っただろ?」
「・・・ゆ゛っ!?」

突きつけられた言葉の重みに耐え切れなかったれいむは一層激しく震え始めた。
いや、それはもはや全身が余すところ無く痙攣しているような常軌を逸した震え方だった。
白目を剥き、泡を噴き、脂汗に似た甘い液体を全身から噴き出し、「ゆ゛っ・・・ゆ゛っぐいぃ・・・!?」などと呻く。

「・・・あっちの子を殺してね、ってね」
「ゆ゛ぁぁぁああぁぁあぁぁ・・・ぁぁああぁあ・・・」

青年のとどめの一言がきっかけとなって、れいむは言葉にならぬ言葉を発しながら大量の餡子を吐き出した。
バレーボールサイズよりは気持ち大きい程度の体からとめどなく餡子が溢れ出す。
その濁流は数秒間に渡ってとどまることを知らずに溢れ続け、勢いが弱まる頃にはれいむは何も分からなくなってしまっていた。

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最終更新:2022年01月31日 03:04
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