※原作キャラ登場注意
このSSに登場するお兄さんはチート能力持ちです。
虐待、と言うよりは、制裁・虐殺モノです。
それでもよければ、ホイホイにかかったGを見る目で読んでください。
「ゆぎゅうあああああああああ!!!やべでねえええええええ!!!ぼうやべででええええええええ!!!」
俺は、
ゆっくりの駆除屋を営んでいる。
報酬があろうとなかろうと、ゆっくりが5匹以上いるところならば、駆けつけて叩き潰す。
それが仕事だ。
そんな商売を「野蛮だ」などと言われることもある。
それでも俺はこの稼業を止めることはない。
それが俺の生きがいだからだ。
俺には、友人と呼べる人間がほとんどいない。
いつしか、その孤独感やら何やらを全てまとめて、最近この幻想郷に現れたデタラメナマモノ、ゆっくりにぶつけるようになっていた。
はじめのうちは、蹴ったり殴ったりする程度だったが、友人がいなくなった原因が虐待・駆除に使えると気付き、商売を始めた。
その原因とは、博麗の巫女や御阿礼の子が持つような人間にしては異質な能力の一種。
「跳ね返す程度の能力」。
俺と、俺が選んだものに接触するものを、思い通りの方向に跳ね返す能力。
おかげで、雪合戦で負けたことはないし、幻想郷でサッカーが流行ったときも、人里では最強の選手になれた。
そして、それが原因でどんどんと友人が減っていった。
逆に、妖怪の友人は一気に増えていった。
スペルカード戦をやってみないか、と誘われたこともあったが、俺がいては面白くなくなるので、丁重に断った。
前置きが長くなったな。
つまり、俺は厨お兄さんで、友達がいなくて、駆除屋であるってことを言いたかっただけなんだ。
長ったらしくて悪かった。
「だれどばなじでるどおおおお!!」
「あ?お前には関係ねーの」
俺は全力の50%の右足でれいむを葬り去った。
「今日の依頼はこれで終わりか…」
俺の周りには、血の海ならぬ餡子の海が広がっていた。
ここが馬鈴薯畑だったこともあり、水分はしっかりと吸収され、乾ききって土と混ざり合っているが。
今日の仕事は、「畑を荒らす害ゆっくりの駆除」だった。
依頼主は人里の東の端にある村の村長さん。
今回で5回目の依頼だ。
この村は何度もゆっくりに狙われ、そのたびに俺、もしくは村の鬼意さんによって駆逐されている。
それなのに懲りないのはさすが餡子脳。
毎回生き残った奴がそのことを忘れ、群を作ってやってくる。
まあ、虐待お兄さんにしてみれば、そっちのほうが都合はいいが。
「○○さん、いつもありがとうございます」
畑の隅の納屋のほうを見ると、初老の男性がいた。
彼が依頼主、村長さんである。
「いえいえ、こっちは趣味でやってるようなものですから」
やってるようなもの、ではなく、実際に趣味でやっているのだが。
「またゆっくりが出たらそのときはお願いします。これ、お代です」
そういって、村長さんは俺に封筒を差し出した。
受け取ると、それは予想以上に軽かった。
中には、1円札が5枚入っていた。
「あの…これ…」
「お気になさらずに。それくらい、この村はあなたに感謝しているんです」
返すのは失礼だと思い、懐に報酬を仕舞い、踵を返した。
「次は、50銭を前払いでお願いします」
俺はそれだけ言って、帰路についた。
村の財政も苦しいのに、無理をしてまで俺に金を払ってもらうわけにはいかない。
かと言って、無償でやるのもこちらも生活が一応かかっているので、そうするわけには行かない。
10分の1が妥当なとこだろう。
人里の北のはずれ、最も妖怪の山に近い居住地区に俺の家はある。
居住地区、と言っても村や町とかそんな立派なモンじゃない。
物好きな人間の家が3軒並ぶだけであとは草むらと田畑しかない。
俺の家はその3軒の内の真ん中にある。
「あ、○○さん。またお仕事ですか?」
この女性は尾根江さん。
お姉さん、ではなく尾根江さん。
物好きな人間の1人だ。
「今終わらせてきたところです。また東の村がゆっくりの被害にあいましてね」
「まあ、そうですか。じゃあ、今なら逃げたのが辺りにいるかしら?」
「ええ、多分。俺が逃がしていれば」
今は午の刻。
あいつ等が住処に着くのは申の刻くらいになるだろう。
東の村までは半刻と掛からずに行ける。
十分捕まえられるだろう。
さて、もうお分かりだろうが、彼女は虐待お姉さんである。
特に、人間に怯えるゆっくりを愛で、そこからどん底に叩き落す手法を好んでいるようだ。
俺は時々こうして、人間に恐怖を覚えたであろうゆっくりがいる場所を教えているのだ。
「じゃあ、行ってくるので、留守の間お願いします。それと、預かってた鍵です」
彼女は俺に2つの鍵を渡し、足早に東の村に歩いていった。
ここに住む俺たち、物好き人間にはよくあることである。
3人のうち誰かがいなくなるときは、誰かに鍵を預けておく。
そうしておけば、家にゆっくりや野獣が侵入しても対処できる。
家に入るときは、極力物に触らない、約束事はそれだけだ。
1度か2度、尾根江さんの洗濯物が散らかっていたときは、流石に触りそうになったが。
『ゆぎょあああああああああああ!!!!!!』
俺が家の扉を引いたとき、突然、隣からゆっくりの悲鳴が聞こえてきた。
原因は分かっている、もう1人の隣人、葉枷さんだ。
彼はゆっくりの研究をしている。
「葉枷さん、またですか」
「はい、毎度すいません」
俺は静かに隣の家のドアを開けた。
中には、餡子まみれの白衣を着た眼鏡の男性がいた。
彼こそがゆっくりの研究者、葉枷氏その人である。
「今回は何をしていたんですか?」
「ゆっくりのツボを調べていたんです」
「ツボ?」
「ええ、これを見てください」
そういって彼は白衣のポケットから折りたたまれた紙を取り出した。
その紙には正面、背面、両側面、上面、底面の6方向から見たれいむが描かれていた。
れいむには、いくつもの小さな点が書かれ、その点からは絵の外に線が伸び、その先にさまざまな説明が書いてあった。
にんっしんっできなくするツボ、目が飛び出すツボ、中身が液体になるツボなんてのまである。
「大変だったよ、何せもう5日間も寝ていない」
研究者にいがちだが、自分の研究以上に自分の苦労を自慢したがる人間。
彼もご多分に漏れず、その人種であった。
だが、彼の目の下のクマとやつれた頬からは、確かに苦労が感じられた。
「さっきの悲鳴は、どのツボを刺激したんですか?」
「このツボだよ」
そういって彼は、紙の右端の真ん中あたりに書かれた「痛いとしか感じれなくなるツボ」を示した。
そこから引かれた線は、ゆっくりの頭頂部、れいむのリボンの結び目の下あたりにある点につながっていた。
「ほら、一押しでこんなもんさ」
足元からゆっくりを拾い上げ、彼は俺に白目を向いて痙攣するれいむをを見せ付けた。
れいむは、うわ言のように「いだい…いだい…」と繰り返している。
「なんでまたこんなこと?」
「一箇所を押しただけで苦痛を与えられるなんて、加工所にでも売り込めばかなりの金になるだろ?」
なるほど。
今回は金銭目的か。
彼は、葉枷さんはさまざまな理由で実験を行う。
好奇心、依頼、金銭。
ちなみに、前回の彼の実験、「全ての種の中身を混ぜた
ゆっくり2匹の間に生まれる子ゆっくりは何種になるか」、という実験は、尾根江さんの発案であった。
結果は、何の装飾もない、顔がついただけの饅頭が生まれたのだった。
このとき、2人はかなり残念がっていた。
きめら丸でも生まれると期待したのだろうか。
「では、私はしばらく寝るので、これで」
彼がそういったので、俺は紙を彼に返し、自分も家に帰ることにした。
翌朝、うちの投書箱に1通の封書が入っていた。
駆除の依頼書だ。
内容はこうだ。
『最近、ドスまりさ率いる群が増長し、人間や妖怪、動物に被害を与えています。
餡子による川の汚染や、ゆっくりの巣作りによる土砂崩れなどが危惧されるので駆除を依頼します。
場所は妖怪の山西斜面、麓に白狼天狗を待てせておきますので、委細はそちらにて。
射命丸 文』
俺のところには、妖怪からの依頼もよく来る。
ただの人間だと怖がって行きたがらないが、俺なら来てくれるとふんでいるのだろう。
まあ、ゆっくりが5匹以上いるのなら、俺に断る理由などないし、別段妖怪も怖いと言うわけじゃない。
それに、妖怪は報酬を弾んでくれることが多いので、なおさら断れたものじゃない。
俺は朝食を済ませると、大きなかばんを背負い、辰の刻になる前に家を出た。
鍵は尾根江さんに預けた。
彼女の家に行ったとき、奥から憎たらしいまりさの声が聞こえてきた。
『おいばばあ!まりささまにごはんをゆっくりしないでもってくるんだぜ!』
殺してやりたくなった。
尾根江さんはまだ(自称)18歳だぞ。
少女臭溢れる彼女を「ばばあ」とは何事か。
このド饅頭が!
「はいはい、ゆっくりゆっくり(笑)」
彼女は笑顔だった。
大方、これからのまりさを想像しているのだろう。
「じゃあ、行ってきます」
「頑張ってくださいね。あ、もし捕まえられたら2匹くらいつれてきてください」
「わかりました」
彼女の頼みに首をたてに振り、俺は北に向けて歩き出した。
妖怪の山には半刻で着いた。
西側に回ると、白い髪に白い犬の耳を生やした少女が待っていた。
「○○さんですね?私は案内を任せられた犬走 椛です」
彼女は丁寧に腰を折り、お辞儀をした。
俺も「よろしく」と、軽く会釈をした。
「あなたに依頼したいのは、この斜面に住み着いた群の駆除です。ドスまりさが率いていて、ゆっくりたちはそれを盾にしています。こちらとしては、下手に山でドスパークを撃たれるわけには行きません。そこで、『この人なら大丈夫だから、任せておきなさい』と、文様があなたを呼んだのですが…」
彼女の顔は不安であることを俺に知らせた。
そうか、椛さんは俺の事を知らないのか。
「はい、大丈夫ですよ。ドスパークどころか、元祖マスタースパークでも無傷でいられる自信がありますから」
「そうですか…まあ、くれぐれも気をつけてください。常に見ていますので、何かあればこちらも向かいます」
「分かりました」
「では」
彼女はまた軽くお辞儀をすると、地面を蹴り、飛び上がった。
森の木の枝が揺れ、葉がガサガサと音を立てる。
ちっ…袴か…なんで文さんみたいにスカートじゃないんだよ…
「さて、群はこっちか…」
10分も歩いただろうか。
俺は1匹のぱちゅりーを見つけた。
そいつはズタボロで、ひどく弱っていた。
今にも生クリームを吐き出さんばかりだ。
「おい、お前、ドスの群のゆっくりか?」
「む…むきゅー…そ…うよ…」
「そうか。だいぶ辛そうだが、何があった?」
「いぬさんに…おそわれたの…」
「そうかそうか、可愛そうに。どれ、群まで連れてってやる」
俺はぱちゅりーを抱え上げた。
ぱちゅりーの方は、嬉しかったようで、幾分か顔にあのゆっくり特有のウザさが戻ってきていた。
「で、群はどこだ?」
「そこの…どうくつよ…」
緩やかな勾配の斜面を見上げると、確かにそこにはぽっかりと横穴が開いていた。
予想以上簡単に巣の場所を聞き出せた。
その上、こいつを連れて行けば、恩人だとか言って簡単に信用してくれるだろう。
「さ、着いたぞ」
しかし、この考えは速攻で否定される。
「ゆぅ…ありがと…」
洞窟の天井は高く、壁にはヒカリゴケが生え、かなり明るかった。
奥行きはあまりないが、いくつもの大穴が開き、部屋のようになっていた。
「ゆゆ!ぱちゅりー!」
真ん中にあった穴から、1匹のまりさが出てきた。
「ゆ!にんげんさん!」
なぜ最初に俺に気付かない。
「そっか!パチュリーはにんげんさんをどれいにしたんだね!」
………………は?
「みんな!ぱちゅりーがどれいといっしょにかえってきたよ!」
まりさはそのままさっき出てきた穴に入っていった。
途端に、ゆっくりどもが全方向からわらわらと出てくる。
「ゆゆ!ぱちゅりーすごい!」
「ぱちゅりーはやっぱりあたまいいね!」
ウザイ、ウザイ、限りなくウザイ、果てしなくウザイ。
「おいどれい!ドスさまがきたんだぜ!」
どこかからかまりさのの声が聞こえると、一番左にある大穴から、ドスまりさが姿を現した。
「ゆゆぅ!にんげんさんをどれいにするなんて、さすがむれのずのうだよ!ドスはうれしいよ!」
こいつまで勘違いしてやがる。
ここは、一つどっちが格上か見せてやらないとな。
「おいド饅頭、てめえら、こいつを潰されたいのか?」
俺はぱちゅりーを掴む手に軽く力を入れた。
ぱちゅりーの中の生クリームが上に移動するのがわかる。
そこで、すぐにゆっくりの中から声があがった。
「どれいのくせになまいきだよ!」
「黙れ。第一、誰がこんな紫バカ饅頭の奴隷になったと言った?」
この言葉にドスが反応した。
「ゆぅ!ぱちゅりーはばかじゃないよ!ゆっくりていせいしてね!」
「ああ、ゆっくりと1000年後くらいに訂正するよ」
俺は脆弱な饅頭を握る手に、さらに力をこめた。
「ゆ…ぎゅう…ドス…このどれい…に…どすぱーく…おびゃぼっ!」
ぱちゅりーは俺の手の中で、全身から生クリームを噴出して死んだ。
それに、ドスは激怒したようだ。
「ぱちゅりー!ぱちゅりー!このどれい…よくもぱちゅりーを…!」
「はぁ?勝手に俺のことを奴隷だとか言って俺を怒らせたのはお前等だろ?」
「だまってね!ばかなくそどれいはゆっくりしんでね!」
ドスは口を開き、その中に光の玉を発生させた。
「どれいはしね!」
「ぱちゅりーのかたきだよ!」
「きえてなくなってね!」
ゆっくりどもは口々に恨み言を言った。
2秒もすると、光の玉は光の柱としてこちらに向けて放たれた。
「ふん、雑魚が」
その光の柱に、俺の黄金の右脚が炸裂した。
右脚が触れた瞬間、光の柱は角度を変え、ドスを取り巻いていたゆっくりの塊の端の方に直撃した。
「ゆっゆっゆ!ばかなどれいがしんだよ!ゆっゆっゆ!………ゆ?」
ドスは高笑いした後、体全体を捻った。
俺が生きていたからだ。
「ゆ!?なんでどれいがいきてるの!?ドスパークでしんだはずだよ!」
「あんな軟弱なパクリのパクリ技で俺が死ぬか。むしろ、無傷で当たり前だ。それより、今ので死んだのはお前の群の饅頭たちだぞ?」
焦げたゆっくりたちの死体を指差すと、ほかのゆっくりから悲鳴が上がった。
「ゆぎゃああああああああああ!!!!!!」
「だんでえええええぇぇえぇえぇえ!!??」
「どぼじでえええええええええええぇええええぇぇえええ」
一番ひどかったのは、ドスパークを打ったドスであった。
「ゆふぅ…ドズが…ドズがびんだぼ…ゆひゃぁ…」
目は虚ろになり、だらしなく口は開かれ、口の端からは唾液が垂れ流されている。
ぶつぶつとうわ言を繰り返し、半分狂いかけだ。
ほっとけば、いつか自然に死ぬだろう。
だが、それでは俺の仕事にならない。
なので、俺はかばんからいくつか機械付きの四角いものを取り出し、半開きのドスの口の中に放り込んだ。
「さて、お前等には悪いことをしたな。これをやるからゆっくりしていってくれ」
洞窟の入り口付近で、俺はゆっくりどもに語りかけた。
返事などあるわけがないが。
そして、前の言葉にこう続けた。
「地獄でな。ヒャハハハハハハハハハハハ!!!ヒャーッヒャッヒャッヒャ!!!」
手に握られたスイッチを押し、爆音と爆風を背に受け、俺は洞窟を後にした。
俺の名は○○。
人里の最北で駆除屋を営む男。
全てのゆっくりのゆん生の最後を平等に華々しく、ド派手に彩ることを生業とする男。
人呼んで、「爆殺お兄さん」。
最終更新:2009年04月11日 00:39