ゆっくりいじめ系2560 分からないだらけのゆん生

赤ちぇんはワクワクドキドキしていた。今は親のお腹の中だが、もうじきここから飛び出し誕生するのだ。

      • ゆっくりの赤ちゃんは動物型にしろ植物型にしろ、生まれる前から意志を持っていると言われている。皆まだ見ぬ外の世界や親の姿を
夢見ながらただ生まれる時をじっと待っているのだ。基本赤ゆは楽しいことや明るいことしかイメージしない。それは何故か?
      • 親の餡子やクリームなどを通じてある程度の情報を赤ゆの時点で得ている訳だが、無事に赤ちゃんを出産できるゆっくりは
大抵食事や環境に困らない幸せなゆっくりばかりであり、それ故楽しい未来しか遺伝しないのである。
なら、レイパーありすに無理やりすっきりさせられて生まれた赤ゆはどうか?結果は同じである。それは何故か?
簡単だ。ありすの記憶が色濃く受け継がれるからだ。レイパーありすはすっきりのことしか頭に無く、それ以外の雑念など存在しない。
つまりすっきり中は最高に幸せなのだ。その幸せな気持ちがそのまま赤ゆに流れてしまうという訳である。

そしてこれから生まれる赤ちぇんも同じだ。イメージする未来は果てしなく明るく幸せなもの・・・。
お母さんやお父さんといっぱいすりすりし、家族と仲良く御馳走をむ~しゃむ~しゃし、見たことの無い色々な景色を眺め、
友達と森を駆け巡り・・・それからそれから・・・。赤ちぇんは早く目を開いて景色を見たかった。
何となくイメージはできるけど詳しくは分からない。分からないなら分かるように頑張ればいい。分かればきっと幸せになれるはずだ。

(わかるよー・・・。うまれたらげんきよくあいさつするんだねー。うまくできるようにがんばるよー・・・。)

すると前を塞いでいた自分のお姉ちゃんらしきゆっくりが外に飛び出し、少し明るくなった。次は自分が生まれる番だ。
生まれたらお姉ちゃんといっぱい遊ぼう・・・でも、もしかしたら自分もお姉ちゃんで、妹がいるかもしれない。
後ろの様子は分からないが、もし妹がいたのなら沢山ぺ~ろぺ~ろして遊んであげよう。とても楽しみでならない。

(そとがきになるよー。はやくちぇんをうんでねー。)

動物型出産なのでまだ外の音や様子などは分からない。ちぇん種は分からないことを嫌い、分かることを至福とする。それ故他のゆっくりと比較しても
学習能力が高く、個体によってはぱちゅりー種やきめえ丸種を超える知識を所有するちぇんも少なくないという。
また、学ぶことを楽しむちぇんは基本素直な性格で、ペットとしても非常に人気が高かった。猫に似ている姿も人気の理由の1つだが・・・。

(そろそろうまれるよー・・・。どきどきするよー・・・。)

遂に生まれる時がやって来た。前に押し出されているのが分かる。親が頑張って自分を生んでくれているのだろう。期待に答えたい。
物心付いた時からお母さんとお父さんは自分を祝福してくれた。お腹の中にいてもお母さんの歌が聞こえてきたし、
元気に育ってねとお父さんも応援してくれた。きっと他の姉妹たちも歌を聞いてゆっくりしていたはずだ。だってあんなに上手な歌だもの。

(う・・・うまれるよ・・・!とびだすよー・・・!!)


      • ポーンッ!!!勢いよく産道から飛び出し、ポフッと柔らかい何かの上に着地する。コロッと転がり、挨拶の準備をする。
『ゆっくりしていってね!!!』・・・本能でこう叫ぶと分かっている。分かっているなら後は元気良く挨拶するだけだ。

「ゆ・・・ゆっきゅちしちぇいっちぇね!!!」

舌足らずだがしっかり言えた。赤ちぇんの顔が思わず綻ぶ・・・。だがそこから先は赤ちぇんの予想に反していた・・・。

「ゆ・・・?おかーしゃん・・・?おとーしゃん・・・?どきょ・・・?わきゃりゃにゃいよ・・・。」

赤ちぇんは戸惑った。赤ちぇんがいるのは何やら透明なケース状の容器であり、赤ちぇんを生んだはずの母親、そして応援してくれた父親も
そこにはいなかった・・・。涙目でキョロキョロしたが、やはり親はいなかった。だが幸いにも先に生まれたお姉ちゃんはいた。

「わきゃりゅよ・・・。ちぇんのいもうちょだにぇ・・・。でもおかーしゃんがいにゃいんだよぅ・・・。」
「にゃぁぁ・・・。おねーしゃんがいっぱいいりゅよー。でもどうちておかーしゃんいにゃいのぉ~・・・。」
「わきゃりゃにゃいよ~・・・。おとーしゃんもいにゃいよー・・・。」

赤ちぇんと3匹の姉ちぇん、計4匹は互いに寄り添い合い、初めてのすりすりをした。本当はお母さんとお父さんともすりすりしたかったが、
いないのだからどうしようもない。そのせいかすりすりしようがぺろぺろしようが全然幸せになれなかった・・・。
すると長女のちぇんが暗くなった雰囲気を和らげようと妹たちを慰めた。

「げんきだそうよー!だいじょうぶだよ、きっとごはんをとりにいってるんだよー!だからみんないいこでまってようねー!!」
「にゃぁぁ・・・。わきゃりゅよー・・・。いいこにしちぇるよ・・・。」

長女は他の妹たちより随分早く生まれていたので一回り大きく、言葉もすでにしっかりしていた。妹たちが出てくるまでずっと1人だったため、
親がいなくても妹たちがいるだけで心が癒された。お父さんとお母さんが帰ってくるまでは自分がしっかりしないと・・・。

赤ちぇんが辺りを探ったりお姉ちゃんたちとすりすりしてる間、結局この赤ちぇんの妹は出てこなかった。自分が末っ子だったのかな?
考えているとふと下の床がウィーンッと開き、そこから餌と餌入れが出現した。長女ちぇんの話だと、食べ物は何故か毎回下から
やって来るらしい。赤ちぇんは早くも分からなかった。食べ物はお父さんが頑張って集めてきてくれるもののはずだ。
なのにどうして下から・・・?分からないことが増えてストレスが溜まってきた赤ちぇんを見て姉の1人が知ったかぶりで言った。

「わ・・・わきゃりゅよ!きっとおとーしゃんがしたにいりゅんだよー!ごはんをはきょんでくれてるにちぎゃいにゃいよー!!」
「ゆゆぅ~!?わきゃりゃにゃいよー・・・。おとーしゃんでちぇきちぇねー・・・。かきゅれんぼはあとにしちぇねー・・・。」

仕方なく出てきた食べ物を皆で円を囲んで食べた。おいしかったがどこか満たされなかった・・・。

「わきゃりゃにゃいよ・・・。どうちておかーしゃんもおとーしゃんもいにゃいの・・・?」

      • その夜4匹のちぇんは中に入っていた藁を集めて丸まって寝た。赤ちぇんは親の件はとりあえず忘れることにした。
自分にはお姉ちゃんが3人もいる。仮にお父さんとお母さんが帰ってこなくても大丈夫・・・そう言い聞かせ無理やり納得した。

「むにゃむにゃ・・・わきゃりゅよ~・・・。おとーしゃんおっきくちぇかっこいい・・・よ・・・ゆぅゆぅ・・・。」

赤ちぇんは父親と戯れる夢を見ていた。嬉しいはずだが、目からは何故か涙が流れていた。理由は分からなかった・・・。


次の日赤ちぇんはあくびをしながら目覚めた。だが昨日と様子がおかしい。辺りを見回してみる・・・。

「わきゃりゃにゃいよ・・・?おねーしゃんたち・・・どきょ?」

そう、一緒に仲良く寝ていたはずの姉ちぇんたちが全員いなくなっていたのである・・・。赤ちぇんは不安に支配された。

「しょっか!わきゃりゅよ!かきゅれんぼだねー!!さぎゃすよー!!」

赤ちぇんは広いケース内を探し回った。だがいくらぐるぐる回って探しても全く姉たちは見つからない。赤ちぇんの不安は的中した。
今この中には自分しかいない・・・どうして?昨日まではお姉ちゃんたちが歌を歌って寝かしつけてくれたのに・・・。
昨日のように出てきた食べ物を無言で食べるちぇん・・・寂しくてちっとも味が感じられなかった・・・。
赤ちぇんは再び分からなくなった。どうして親だけでなく、姉たちも消えてしまったのか・・・?
そもそもここはどこなのか・・・こんな透明な見えない壁のある空間など全く予想していなかった。
そして、今食べた食べ物は何て食べ物なのかも分からない。虫さん?それとも木の実さん?だが教えてくれる者などいなかった。

「む~ちゃ・・・む~ちゃ・・・。わぎゃりゃにゃい・・・わぎゃりゃにゃいよぉ~・・・。にゃうううう~ん・・・。」

赤ちぇんは分からないことが多過ぎて精神的に追い詰められていた。さらに孤独感から来る不安と恐怖・・・。
寝る時も顔を砂で洗う時も食事の時もずっと1人・・・。分からない分からない分からない・・・。こんな生活分からない・・・。
赤ちぇんは必死に考えた。普通自分を生んでくれた母親がその場にいないのは明らかにおかしい。なのに姉たちも全員
母親を目撃していない・・・。どうして?そこが1番分からない。分からないからとりあえず保留にしておく。
そして姉たちが消えてしまった出来事・・・。これはある程度分かった。きっと自分を驚かそうとしているに違いない。
探しても見つからないどこかに隠れていて、寂しくて泣いたところを出てきて茶化す気なんだ。きっとそうだ。

「わきゃりゅよ・・・。はやくでてきちぇねー・・・。ちぇんはいいこにまちゅよー・・。」

だが何日経っても結局誰も赤ちぇんの前に姿を現さなかった。赤ちぇんは寂しくて寂しくて毎晩藁に包まりわんわん泣いた。
どうしてこんなに悲しいのかもよく分からない。お父さんもお母さんもお姉ちゃんたちも自分を捨てたのだろうか・・・?

「あいちゃいよ・・・わきゃりゃにゃい・・・おはにゃししちゃいよー・・・。」




それから1週間が過ぎ、赤ちぇんの精神的疲労は限界寸前だった。本来ゆっくりは常に仲間といる生物(?)である。
赤ゆの時は親や姉妹と過ごして生活の知恵や遊びを学び、成長して独立したらすぐにおうちを作り、伴侶を探す。
ゆっくりは常に誰か他のゆっくりと一緒にいなければならない。それはゆっくりが脆弱で脆いからである。
群れを築き『ゆっくりプレイス』などと言っているのも、仲間が沢山いて安心できるからだ。どんなに環境が良くても
1匹しかいなければそこは全然ゆっくりできない。捕食種や雨の猛威がことごとくゆっくりの命を蝕むからである。
      • この赤ちぇんも例外では無い。しかもこの赤ちぇんの場合、1日とはいえ最初に姉たちと一緒に過ごしている。
それが急にいなくなって孤独になったのだ。最初から孤独な場合より遥かに辛いはず・・・。それは外見にも表れていた。
赤ちぇんはあまり成長していなかった。食欲が落ちあまり食べなくなり、結果中身が増えず成長しなかったのだ。
知能も言葉もそのせいで生まれた時とほとんど変わらなかった。赤ちぇんにあるのは孤独感と絶望感のみ・・・。

「わ・・・わぎゃりゃ・・・にゃい・・・よ・・・。」

だが、ある時赤ちぇんに大きな転機が訪れた。生まれてから2週間後のことである。朝起きた時のこと・・・。

「ゆっきゅち・・・しちぇいっちぇね・・・。」

赤ちぇんは本能に従い挨拶をした。返事が無いことを承知でだ・・・。だがその日は違っていた・・・。

「やぁ!ゆっくりしていってね!!!」
「にゃぁっ!!?ゆっきゅち!!?ゆっきゅちしちぇいっちぇね!!!」
「ははっ!元気な子だ。ほら、す~す~りしような~。」

ケースの天井が開き、そこから巨大な何かが入ってきた。赤ちぇんは怖かったが、それ以上に孤独を無くしたかった。そっと近づく。

「しゅりしゅり・・・。わきゃりゅよ・・・!あっちゃきゃいよ・・・!しゅごくわきゃりゅよ・・・!!」
「どうしたんだい、泣いたりして?ほら、なでなでもしような~。」

赤ちぇんはその物体の正体が分からなかった。だが久しぶりの温もりに赤ちぇんは浸っていた・・・。
正体は人間の手である。その人間がそっとケースを覗くと、赤ちぇんはその巨大な手が体の一部だと分かった。
人間・・・遺伝された記憶により人間の存在は分かったが、それ以外は何も分からなかった。
ひょっとしたら、この人間さんはお母さんやお父さん、お姉ちゃんたちの居場所を知っているかもしれない・・・。
赤ちぇんを意を決して聞いてみた。

「にんげんしゃん・・・。ちぇんのおとーしゃんとおかーしゃんとおねーしゃんがどきょだかわきゃりゃにゃいんだよー・・・。」
「ほほう、それは可哀想に・・・。1人で寂しかっただろう。でもお兄さんに任せなさい。分かるように教えてやろう。」

お兄さんは赤ちぇんに言って聞かせた・・・。

「いいかい、君は家族に捨てられたんだ。」
「・・・ゆ・・・?」
「だっていつまで経っても帰ってこないんだろう?あれはね、君をお兄さんに任せてどっかに行っちゃったんだよ。こんなに子供いらないってね。
 だから親もいなかったし、姉妹たちもいきなり消えちゃったんだ。」
「わ・・・わきゃりゃにゃいよ!!だっちぇだっちぇ・・・。ちぇんはおねーしゃんたちとなきゃよくしちぇたよー・・・!!!」
「あれは良心の呵責で1日だけ一緒に過ごしたいって言った親の要望を聞いてあげたんだ。お兄さんはふざけるなって怒ったんだけどね・・・。  
 仕方ないから子供だけなら・・・ってことで1日だけ一緒にいさせてあげたんだ。本当にひどい話だよね~・・・。」
「ゆぐっわきゃりゃな・・・いよ・・・。」

赤ちぇんはショックで混乱した。自分は捨てられたいらない子・・・。だから親も姉妹も会いに来てくれない・・・。

「でも大丈夫。お兄さんは決してちぇんのことを見捨てないよ。ずっと一緒だ。お兄さんでよければ親になってあげれるよ。」
「ゆ・・・ゆぐ・・・わぎゃりゃにゃ・・・わぎゃりゃにゃいよ~・・・。」
「分からなくていい。まだ赤ゆの君には分からないことだ。辛いことは分からないままでいいんだ。お兄さんが新しい親なんだよ。」
「おにーしゃ・・・、おとーしゃんって・・・よんでいい・・・?」
「いいよ・・・。可哀想なちぇん。お兄さんが責任もって育ててあげるから。もう寂しい思いはさせないよ。」
「わ・・・わぎゃりゅよ・・・!!おとーしゃん・・・ゆぐっおとーしゃんがほんとうのおとーしゃんだよー・・・。」
「さあおいで、お兄さんのおうちでゆっくりしていこうね!」
「わ・・・わきゃりゅよー!わきゃりゅ・・・わきゃりゅよー!!」

赤ちぇんは嬉し過ぎて気絶してしまった。その赤ちぇんを赤ゆ用のボックスに入れ、お兄さんはそこから出た。

「いかがでしたか?その赤ちぇんは・・・。」
「ええ、とても懐いてますよ。このお店の赤ゆは素晴らしいですね。可愛がり甲斐がありますよ。それじゃっ!」
「よしよし、売上は上々・・・。これだからゆっくりの販売は止められん・・・。きひひひひ・・・っ!!!」

お兄さんが言ったことは全て嘘偽りである。・・・いくつかおかしい点があることに赤ちぇんは気付かなかった。
まず自分を含め、生まれた赤ゆが全てちぇん種であったこと。この時点ですでにおかしい。
普通複数生まれる場合、父親と母親と同じ種族の子がおおよそ5:5の割合で生まれるはずだ。多少ズレはあるものの、
全員同じ種族というのは自然界ではまず有り得ない。仮に自然界で発生するなら、それはレイパーありすによって生まれた子たちである。
レイパー化したありすは遺伝が非常に強く、レイパーのすっきりで生まれてくる子の大半は赤ありすになる。
つまりちぇん種ではこの現象は有り得ないのである。それに赤ちぇんは納得したが、捨てたなんてのも明らかに嘘だ。
動物型出産した親は植物型と比べ母性が高く、いくら沢山生まれたからと言って捨ててしまうなど有り得ない。
そもそも4匹など沢山の内に入らない。多い場合10匹以上の場合もあるのだ。1匹だけ捨てるというのも不自然だ。
なら赤ちぇんが経験した出来事は何だったのか・・・。もう分かった人もいるだろう・・・。

「先輩~!ゆっくりちぇんの優秀な赤ちゃんが欲しいって依頼が殺到してます!大儲けですよ!!」
「やはり流行に敏感な奴が得をする・・・。きひひ・・・っ。」

今世間で最先端の流行・・・それはゆっくりの飼育、特にちぇん種をペットにすることだった。
ちぇん種は前述で述べたように非常にペットとして人気が高い。このお兄さん、いや、鬼異惨はそこに目を付けたのだ。
ここはより優秀でより人間に懐く、つまり育てやすい赤ちぇんを販売する工場だったのだ。
親がいないのは、特殊な装置で人工的に赤ちぇんの元を生みだし、それを胎内を再現した装置に入れていたからだ。
これによって他の種族が生まれることは無い。効率的にちぇん種だけを増やせるという訳だ。
歌や応援する声などは全て装置の外からスピーカーで流したものである。つまり親など最初からいなかったのだ。
姉たちが消えたのは、赤ちぇんが寝てる間に人間によって間引かれたからだ。寝てる隙に機械で中身の質を検査し、
1番上等で見込みのある1匹を残し、他の赤ちぇんは全て排除されていた。残ったのがたまたまあの赤ちぇんだったのである。
ちなみに赤ちぇんが食べていたのはそういう過程で間引かれた何万という赤ちぇんのなれの果てである。
あの赤ちぇんの他にも、隔離されたケースで同じ生活をしていた赤ちぇんが山程いた。不合格の脱落者は残った赤ちぇんたちの
食料として活かされた。残された赤ちぇんたちは寂しさから必ず食欲が減退するので十分元が取れるのである。
1匹だけにしたのは思いっきり寂しがらせて孤独感を強め、他に頼れる存在を無くすためである。
通常ちぇん種は『ゆっくりらん』を『らんしゃま』と呼び、本能的に好意を寄せる傾向にあるが、溢れる程の孤独感や
絶望感により、それら余計な本能は記憶から抹消される。赤ちぇんの内ならそれぐらいの矯正簡単である。
後は飼い主になる人が飼いたい赤ちぇんに優しく接すれば完璧、飼い主に心酔する都合の良い赤ちぇんの完成である。

以上が真実だ・・・。無論あの赤ちぇんも、今まで買われていった赤ちぇんたちも知る由は無い・・・。
だが赤ちぇんたちは必ず幸せと主張するだろう。もう分かる必要も無いのだから色んな意味で確かに幸せだが。
人間が望むペット用の動物など存在しない。ならば人間の手によって作り出せばいい・・・犬などがいい例だ。
ちぇん種もまた、人間のエゴに巻き込まれた哀れな存在なのだ。そして、流行とはあっという間に消えていくもの・・・。
数年も経てば新しい流行が出現し、今の流行は廃れるだろう。その時ちぇんたちはどうなるのか?
それはその時が来るまで誰にも分からない。そう、分からないのだ・・・。
今日もこの工場では何万という赤ちぇんが誕生し、呪われた出生を知らず孤独な日々を送り、不要な者は潰されている。
この事実をちぇんたちは一生分からないままゆん生を終える。だが唯一の幸せは、元から家族などいないということが
分からないことと、選ばれた赤ちぇんは人間に愛され育てられることか・・・。
その幸せも人間が作った架空の幸せであることを、赤ちぇんは生涯分からないまま生き続けるだろう・・・。 Fin・・・


過去に書いた作品

2517 ちぇんマー投げ
2526 ゆンペルダウン
2550 痙攣鬼異惨の日曜日

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最終更新:2009年04月28日 11:11
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