ゆっくりいじめ系2569 ゆっくり地球を守っていってね!_前編

※原作キャラが出てきます、と言うか原作キャラばかり喋ります。
ゆっくり信仰していってね!の続きです。
※むきゅむきゅうるせぇ。
※ぱちゅりー大好きです。



「しーきゅー、しーきゅー、むきゅう」
「あーあー…こちら守矢航空宇宙センター司令部にとり、感度良好」
「むっきゅん!こちら第一隕石迎撃ロケット、核ぱちゅりー01」
「及び02」
「了解、これより点火作業にはいるわ!」
「「「むきゅーッ!」」」




ゆっくり地球を守っていってね! 前編




「号外ー!号外だよー!」

ここは守矢神社。
普段は閑散とした神社も、一人の烏天狗によって騒々しくなっていた。

「むきゅう、何事かしら」
「号外のようですね…ってあら?」

烏天狗に気を取られている早苗だったが、二人の妖怪の存在に気づいた。
あまり神社に来る事はないであろう、妖狐と……隙間妖怪。

「こ、こんにちは八雲さん」
「あらこんにちは、神様…出来れば戦神の方の神様はご在宅かしら?」
「え、ええ、境内にいらっしゃいますが…」
「そうですか、失礼しますわ」

素直に受け取る事のできない笑顔を浮かべながら、早苗の脇を通過する隙間妖怪。
一礼だけすると妖狐も後ろを付いて行く。

「何事かしら?」
「ただならぬ雰囲気を感じるわ……むきゅ?」

隙間妖怪を見送ると同時にぱちゅりーに一枚の紙切れが振ってきた。
紙には綺麗とは言い難い書き殴りの文字が綴られている。

「これは…あややさんの号外ね!」
「どれどれ?げん…そーきょーに…いん…せきが…おちる?」
「むきゅ、【げんそーきょーにいんせきがおちる】ね」
「なるほど、【幻想郷に隕石が落ちる】ね」

「むぎゅううううううううううううう!?」「ええええええええええええええええええ!!」
「号外ー号外だよー!来週には地球がなくなるよー!」


境内


「と、言うわけで…もうすぐ大きな隕石が落ちてくるのよ」
「ふーん…」

紫のために用意した茶菓子の煎餅をバリバリと頬張る神様。

「ふーんって、隕石よ隕石!落ちてきたら地上は一面焼け野原よ!?」
「焼け野原と言われてもねぇ」

彼女の名は八坂神奈子。
守矢神社の実質トップにして、ゆっくりの愛で神様(一部ゆっくり限定)

「私は元は風と山の神様で、今は蛇神様よ?大宇宙からの落し物をどうしろって言うのよ」
「もう、神様も吸血鬼も宇宙人も肝心な時に役に立たないんだから!」
「吸血鬼に何を頼るのよ…」
「ほら、この間ロケットで月に行こうとしたでしょ?」
「それ貴女の差し金じゃない」

未曾有の大事件だと言うのに、幻想郷のトップ会談は幻想郷らしくのほほんとしていた。
その影で、名前がゆっくりのくせにちっともゆっくりしていない核饅頭と河童の姿もあった。

「むぎゅううううううう!隕石よ!幻想郷に隕石が落ちてくるわ!」
「ありゃ~こりゃ大変だねぇ」
「こうなったらぱちぇ達で何とか食い止めるのよ!」
「「「むっきゅん!」」」
「何とかって言ってもねぇ…一応ボスに聞いてみるか」

こうしてにとりはぱちゅりーに言われるがまま、神奈子達のいる境内へと向かった。
そしてにとりが挨拶をしようとドアを開けた瞬間、ぱちゅりーは開口一番で叫びだす。

「むきゅっ!八坂様、隕石が落ちてくるわ!何とかしましょう!」

無茶苦茶である。

「ぱちゅりー!?何とかって、何故貴方が隕石の事を知ってるのよ…」
「むきゅん、あややさんの号外を読みましたわ!」
(あのクソ天狗……夜雀と一緒に焼き鳥にしてやる)

ゆっくりなのに正義感が異常に強いぱちゅりーなので、神奈子は隕石の件がぱちゅりーに知られればこうなる事は予想できた。
それだけに神奈子としては知られたくなかったのだが…

「まったく、それで?何とかって、何とするのよ」
「むきゅ、それは…」

言葉に詰まるぱちゅりー
取り合えず平和のために動こうと思っただけで、特に何も考えていない辺りは核があろうがなかろうが、ゆっくりのようだ。

「いいことぱちゅりー、世の中にはできる事とできない事があるの。これは出来ない事、つまりできる人が何とかする事なのよ」
「むきゅう?そんな凄い人がいるのですか?」
「例えば隕石と地球の間に隙間を開けて別の空間に飛ばすとか、隕石の境界を弄って崩壊させるととか、隕石を結界で防ぐとか」
「ちょっとちょっと」

名指しはしていないものの、明らかに私の事じゃないかと遮る紫。

「何よ、天下の大妖怪様ならそのくらい朝飯前でしょ」
「できたら相談なんてこないわよ!……それよりそのゆっくりの事なんだけど?」

紫はお気に入りの扇子で核ぱちぇりーを指す。
いつもの何かを企んでいるであろう、満面の笑みを持って。

「噂に聞いてるわよ、何でも凄い威力の爆弾なんですって?」
「爆弾じゃない!」

まさに目くじらを立てると言った状態の愛で神様。
怒鳴りながらゆっくりの爆弾扱いを否定をする、そして爆弾扱いされる原因を作ったにとりを睨むのも忘れない。
その剣幕に、流石の隙間妖怪も一歩退く。

(めがふれあはぱちぇが要求したシステムなのに…とほほ)
「ま、まぁまぁ、外と河童の技術はそれなりに知っているつもりよ。何もこの可愛いお饅頭を爆弾にしようってわけじゃないの」
「どう言う意味よ!」
「あら、こわいこわい、このお饅頭が爆弾のように爆発するのは、あの八咫烏と同じ原理のものをそこの河童が外の技術を模したからでしょ?」
「ひゅい!そ、そうです」

おどおどと答えるにとり。
よくよく見れば、大妖怪と神様が会談を行う席、本来なら河童とゆっくりが参加できる様な場所ではない。

「じゃあそのお饅頭の爆発する能力、そう…外の世界では核融合反応、と呼ぶのだったかしら?」
「は、はい!」
「そうね、美しさの欠片もないものだけど、威力だけはそれなりのものらしいの。それをこのお饅頭ではない何かに詰めて、隕石にぶつければ?」
「隕石も消滅させられる!?」
「ええそうよ、つまり貴方にお願いしたい事はね…」
「…ぱちゅりーのめがふれあの威力が半径10m、新型の核融合炉に外壁を大型化すればその威力は…」

技術屋の性か、にとりは紫の存在も忘れブツブツと呟きだす。

「あらあら、これで隕石を壊す方法は何とかなりそうね」
「何とかって、そんな物騒なものをどうするのよ」
「…そんな物騒なものを烏に突っ込んだのは貴女でしょうに」






翌日、“八雲隕石対策本部守矢支部”兼“守矢信仰増強対策室”

「と言うわけで今回、幻想郷を襲う未曾有の大災害に対して設計した『対隕石用有ゆっくりロケット八坂ぱちゅりー』です」
「おおー凄いわねぇ」
「むっきゅん!さすがにとりさんね!」
「えへへーそれほどで「ちょっとまてぇぇぇぇぇぇぇい!」ひゅいッ!?」

ほんわかムードをぶち壊すのはいつも神様の仕事。

「なによ、有ゆっくりロケットって!何で無人じゃないのよ!」
「そっちですか…てっきり名称の事かと…」
「貴方はまたぱちゅりーを爆死させるつもりなの!?」

流石は山と風とゆっくりの愛で神、視点が違う。

「違いますよ、計画の説明をしますからゆっくり聞いてください」
「八坂様、落ち着いて下さい!」
「む、むぅ…」



「いいですか?今回の計画ではこの八坂ぱちゅりー号に2発の核弾頭を搭載し、隕石の阻止限界点前方に行きます。そこで機内誘導操作にて隕石を爆撃、目標を殲滅します!」
「で?」
「いやですから…ちゃんと専用ミサイルを使うので、ぱちぇ達を弾頭に使うわけじゃ…」
「どうして有ゆっくりなの!貴方でもいいじゃない!」

そんな無茶な。にとりの心の叫びが聞こえる。

「むきゅ、八坂様!そこはぱちゅりーが志願しましたわ!」
「……はぁ」

またかと言いたげな表情。
神奈子はぱちゅりー達が正義感に溢れすぎているのも、またその発言が無謀なれど正論なために、反論できない事を嫌と言うほど味わっている。

「何故、貴方達が行く必要があるの?」
「皆さんに恩返しがしたいからです!」

二言目には恩返し。
お決まりテンプレートな神様説得コースだ。
こうなると神奈子にぱちゅりー達を食い止める手段はない。

「じゃあ決まったようだね、私は紅魔館に行ってロケットの開発を行うから、ぱちぇ達は燃料の調達をお願い」
「燃料?」
「そうロケット燃料、本当は外のロケット燃料が最適なんだけど…ないもの強請りしてもしょうがないから、代用品を調達して欲しいの」

するとにとりはある通信機を差し出す。

「この前魔理沙に渡した通信機よ、何でも地底の溶岩はロケット燃料に転用できるっぽいわ、それを集めて欲しいの」
「むっきゅん!わかったわ!」



こうしてロケット開発が始まった。
48時間で9体もの核ゆっくりを作るにとりである。
まして今回は紅魔館によるロケット作成のノウハウや、未曾有の危機に対する永遠亭の協力、
そして珍しく(動かなかったら幻想郷が壊滅するため)紫が動いた事により、ロケットの開発は特筆する必要もなく順調に完成した。



一方燃料回収組と言えば…



「むぎゅううううううう!」
「あ、暑いわ…」
「頑張るのよ、何としても燃料をにとりさんに届けるのよ!」

何時も通り『こんな事もあろうかと』開発されていたゆっくり用耐熱服を身にまとい、耐熱性に優れた桶で地底の溶岩を汲み取る。
ゆっくり唯一の作業手段である口は使ず、簡易的な操作が出来る程度の外付アームで耐熱服のフックにワイヤーを通し、桶で溶岩を汲む。
その後はスィーに乗せて運搬するのだが、これがまたぱちゅりー達には一苦労だ。
スィーを動かすにはゆっくりと本体が接着している必要がある、そのため耐熱服を装着していると操作する事ができない。
この状況ではスィーはまさにただの台車。桶と同じようにワイヤーを使って引っ張るしかない。

「「「ゆーえす、ゆーえす!」」」
「むぎゅう…暑すぎるわ…このままでは大変な事になるわね…」
「ゆっ、なにやってんだい?」
「む、むきゅ!?」

台車を運搬するぱちゅりー達の前に一匹のゆっくりが現れた。
こんな灼熱の中でも活動できるゆっくりなど、ゆっくりもこうくらいのはず。

「ゆっくりしていってね、私達は地上のぱちゅりーよ、わけあって溶岩を運んでいるの」
「ふーん、あたいはゆーぎってんだ、よろしくな」
「むきゅ、ゆーぎは暑くないのかしら?」
「そうさね、もうなれてるからあつくないねぇ。それよりずいぶんたいへんそうじゃないか」
「むぎゅう…私達はぱちゅりーだけどちょっと力はあるの、でも流石に暑さには強くないのよ…」
「なるほど、そでふりあうもゆっくりのえんってね、ちょっとてつだってやるよ!ゆぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

「「「「むきゅーん…(ぽかーん…)」」」」

ゆっくりゆーぎが参加した事で作業の効率はかなり上がった。
暑さを物ともしないゆーぎの耐熱性に加え、核ぱちゅりーが3匹がかりで引っ張っていた台車を1匹で押していたのだ。

「むきゅう、凄いわね……むきゅ!?よく考えたらゆーぎは何も着ていないから、スィーを運転すればいいんじゃないかしら?」
「おっ、さすがぱちゅりーだ、かしこいねぇ、いっちょすぃーとやらをつかってみるか!」

そして。

「ゆ、ゆっくりしとくれぇぇぇぇええええええええええええええ!!」
「むきゅーん!置いてかないでぇぇぇぇ!!」

初スィーの運転。
まして今まで自分の身一つで生きてきたゆーぎは、何かを操作すると言う能力が致命的に乏しかった。
そんな暴走の結果、ゆーぎを乗せたスィーは壁にぶつかり横転。
ゆーぎは崖に投げ出されてしまった。

「ゆっ…ゆっくりしてないねぇ…」
「むきゅ、大丈夫!?」
「ゆゆゆ…なんとか…ゆっ?!」

気が付けばそこは崖にたまたまできた足場の様な場所。
少しでも動けば足場も崩れ、谷底の溶岩まで一直線だ。

「ゆっくりまいったねぇ…おーいぱちゅりー!あたいのことはかまわないから、ようがんをはやくはこびな!」
「でも!」
「なんだかしらないけど、からだのよわいぱちゅりーががんばってるんだ、たいへんなものだろう?あたいにかまわずはやくしな!」
「むきゅ、どうしましょうリーダー…」
「むきゅうー」

本来なら少しでも早く溶岩を持ち込む必要がある。
しかし何の理由も聞かずに、献身的に手伝ってくれたゆーぎを見捨てる事ができるだろうか。

「むっきゅん!一人がワイヤーをつけて降下するのよ!そしてみんなで引っ張るわ!」
「「「むきゅーんッ!!」」」

早速ゆっくりラペリング大作戦が始まった。
もたもたしていては溶岩が固まって、燃料として使えなくなる。
それに崖からゆーぎが転落してしまうかもしれない。

「みんないい?にとりさんのハイスピードハイクオリティ精神で行くわよ!」
「むきゅ、ラペリングぱちゅりースタンバイ完了よ!」
「「「ゆーえす、ゆーえす!」」」

全員の耐熱服のフックにワイヤーを通し降下ぱちゅりーに接続、息の合った連携プレイでゆっくりとラペリングぱちゅりーを降ろしていく。

「ゆっ、むっ、ゆっ…むっきゅり助けに来たわよ!」
「な、なにやってんだい!」
「いいからゆっくりしないで背中に乗りなさい!」

『ギギギ……』

「よっこいせっと」
「むきゅーん、いいわよー!」

ゆーぎを背中に乗せるとラペリングぱちぇは回収部隊に指示をだす。
上からはゆーえすと言ったゆっくり独特の掛け声が聞こえ、ラペリングぱちぇとゆーぎはゆっくりと引き上げられていった。
その距離5m。

「ゆーえす、ゆーえす!」
『ギギギギギ…』
「ゆーえす、ゆーえす!」
『ギギギ…ガキンッ!』
「ゆーえす、ゆーえす!」
『ギギギ…ググッ!』

「むきゅ、みんな無理せずあわてず急いでゆっくり引き上げてね!」
「「「「むきゅーん!」」」」
「……りーだー!もうちょっと上がったらゆーぎには先に飛んでもらうわ!」
「わかったわ!」
「ゆゆゆ、すまないねぇ…」
「何言ってるの、手伝いをしてもらった上に、元々はスィーを薦めた私達が悪かったのよ」

『ギギギギギギ…ガッ!』

「「「むきゅ!?」」」
「むきゅきゅ!?おかしいわ、引っ張っても上がらない!」
「むきゅー!ラペリングぱちぇ、何があったの!?」

リーダーぱちぇが崖を覗き込むと、そこには露出した岩肌にフックが引っかかっているぱちぇの姿。
距離にしておよそ1mと言ったところ。

「むきゅん、どうもはまっちまったぜ!ってやつね…ゆーぎ?このくらいの高さなら飛べないかしら?」
「ゆゆ!?ゆーん…むりじゃなさそうだねぇ」
「じゃあ先に上に上がって頂戴、みんな!ゆーぎが先にそっちに行くわ!」

「「「むきゅっ!ゆっくり待機するわ」」」

「ゆー…ゆー…ゆっこらしょっと!」『ガキンッ!』

ゆっくり独特のぽいーんとした効果音とともに、いとも簡単に崖を登りきった。
飛び跳ねる際に妙な違和感があったのは気のせいだろうか?

「ゆふぅ、ゆっくりとびのったよ!」
「お疲れ様、らぺぱちぇ!じゃあ引き上げるわよ!」






「むきゅ、それは無理みたいね」






「むぎゅ!?」
「どうやらさっきの衝撃でフックが折れたみたいだわ」

リーダーぱちぇは慌てて崖を覗き込んだ。
するとそこには岩の出っ張りに引っかかったラペリングぱちぇ、そしてその背中のフックは…

「スィーはみんなで分散して引っ張っていたわ、だからスィーを運んでいる最中にフックが折れる事はなかったの」

ラペリングぱちゅりーは淡々と自分の現状について語りだした。

「むきゅ……でも今のような引っ張られる側にかかる重圧は……」

50kgのスィーを5匹で運べば、それは各自10kgの負荷で済む。
しかし25+3kgのゆっくりが引っ張られる際、引っ張られる側に掛かる重量は28kg。

「むぎゅぎゅ!?なんてこと!ぱちぇとした事がこんな簡単な事に気が付かないなんて!」
「むきゅー…リーダー、自分を責めないで。 誰かがやらないといけない事だったのよ」

フックの叫び声は先ほどよりもさらに大きなものへと変化していく。
片側のボルトは完全に折れ、空中を漂うようにゆらゆらと揺らめく。

「…リーダー、必ずロケットを飛ばして!そして幻想郷と八坂様をお守りして!」
「むぎゅ!?」




「ゆっくりしていってね!」




バキンッ!と一際大きな音が鳴り、ラペリングぱちぇは溶岩の流れる谷底へと落ちていった。

「むきゅう、むぎゅう、むぎゅぎゅうううう!」
「リーダー…しっかりして!」
「ラペリングぱちぇぇぇぇぇぇ!むきゅーん!」
「むぎゃぁぁぁぁぁ!」
「むぎゅぅぅぅぅぅ!」
「ぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅ!」

一匹のぱちゅりーが泣き出すと、全員が一斉に泣き出した。
それはさも落ちていったラペリングぱちぇを呼び起こすかの如く。
するとぱちゅりー達の耳にラペリングぱちぇの声が届いた!






「むぎゅわぁぁぁああああああああああ!





「むきゅ!?」
「ラペリングぱちぇ!?」

「むぎゃぁぁぁぁ!あ、あづいわぁぁぁぁ!むぎょぉぉぉぉぉぉ!!」

絶叫。
耐熱服の効果もあり、すぐに溶岩に触れる事はなかった。
しかし耐熱服と言えどもちろん限界はある。
まして熱気が伝わる程度の耐熱性だ、溶岩に落ちて無事なはずがない。

「むぎゃぅ!むぎょっ!むぎゃぁぁぁぁあああああ!うぎょぎょぎょぎょ……」
「ラペリングぱちぇ…」
「むぎゅう!!」

溶岩の中で必死にもがく仲間を見守る事しかできない。
中身が餡子でなく、核融合炉のためにすぐに絶命する事もできず、ラペリングぱちゅりーは灼熱の業火を味わっていた。

「むっきゅーん!リーダー、めがふれあを使いましょう!」
「むきゅ!?」
「そうよ、あのままじゃラペリングぱちぇはとても助からないわ…ならいっその事」


「むぎおおおおおわぁぁぁぁぁぁぁあああああばばばばば!!」


「…ダメよ」
「むきゅ!?リーダー!?」
「こんなところでめがふれあしたら、辺り一体が崖ごと消滅するわ…」
「でも!」
「そ、そんな事より…は、速く溶岩を…運ぶのよ」
「むぎゅう!リーダー!そんな事よりってッ!!」



若手ぱちゅりーが見たリーダーの顔。
それは冷淡な判断とは裏腹に、これ以上ない悲しみと悲壮に包まれていた。



「…行くわよ」
「「「むきゅ…」」」


(ごめんなさい、ラペリングぱちぇ……必ずロケットは飛ばしてみせるわ!)


リーダーぱちゅりーの決意とラペリングぱちぇの悲鳴が熱波の洞窟にこだました。





ついにぱちゅりー達は守矢神社へと戻ってきた。
スィーには桶にして10杯分はあろう溶岩を乗せて。

「そう、そんな事があったんだね」
「むきゅう……ラペリングぱちぇのためにも、何としてもロケットを飛ばして頂戴!」
「わかったよ、任せときな」

にとりは溶岩の精製に取り掛かる。
隕石落着まで後3日。


その夜


「……すまないねぇ」
「ゆーぎが落ち込む事はないわ、すぃーに関しては元々私が言い出した事だし」
「でもあたいがちゃんとすぃーをうごかしていれば…」
「ゆーぎ、ゆっくりに“たられば”は厳禁よ」
「ゆっ!?」

ぱちゅりーは空を見上げた。
空には数々の美しい星、そして一際大きな光、落着予定の隕石。

「だったら、していれば、何て後悔をしている暇はないわ。私達ゆっくりは何時も危険と隣り合わせなのよ」
「ゆぅ…」
「それに落ち込むなんてゆーぎらしくないわよ!」
「ゆっ!?そうだね、いなくなったらぺりんぐぱちぇのためにもゆーぎもがんばるよ」
「むきゅ、お願いね」




隕石落着まで残り48時間。






あとがき

初の前後編です。
中身自体はかなり前からコツコツ作っていたもので、USBメモリを失くさなければもっと速く完成していたはず。

げすとじじいと吹雪の日が何だか高評価で嬉しい限りです、ありがとうございます。
でもどちらかと言えばこの作品のような超技術、厨ゆっくりが大好きなのです、ごめんなさい。

Q.ラペリングぱちぇってなんだよ
A.ぱちゅりー達はその時の分担によって名称が変わります。不変なのはリーダーぱちぇだけです。



今までに書いたゆっくり

ゆっくり信仰していってね!
ゆっくり新技術を導入していってね!
ゆっくり体調管理をしていってね!
虐待理由
協定
ゆっくりの能力を得たお兄さん
ゆっくり並列宇宙の旅
ゆっくり名言集
胴付戦隊ゆっくりじゃー
げすとじじいと吹雪の日




おまけーね

(クソッ、なんでゆっくりゆーぎなんているのよ!むしろなんでぱちゅりーが減ってるのよ!)
「…………」
(ああもう、後ろから嫌なオーラが溢れ出てるわ)
「…………にとり」
「ひゅい!?」
「ロケット準備の進捗はどうなの?もう48時間を切ったわよ」
「は、はい!何としても間に合わせます!!」
「そう……これ以上被害は出したくないものね」
「そ、そうですね!!」
「ぱちゅりー達にも…………貴方にも」
(ぴぎゃぁああああああ!!)

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最終更新:2009年05月01日 23:38
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