『無口』
「お前ら美味しいご飯食べたくないか?」
この一言で虐待お兄ちゃんの家までホイホイ着いてきてしまった
ゆっくり家族。親れいむ親まりさと子れいむ2匹子まりさ2匹だ。
「ゆぎゃっ!!!」
「ゆべっ!!」
「らんぼうしないでね!!」
「いだいっ!!」
地下室に連れられてから箱の中に投げ込まれた。
「とりあえずこれでも食ってろ」
と彼は6枚のクッキーを投げ入れた。1匹1枚だ。
「むーしゃむーしゃ、しあわせぇ!!!」
「おいしいね!!」
「おじさん!いちまいだけじゃたりないよ!」
「かわいいれいむのためにもっともってきてn…ゆぅ~ん…なんだかねむくなってきたよ…」
「ゆわぁ~ぁぁぁ」
「ゆっくりねむるよ…」
「ゆぴぃゆぴぃ…」
クッキーには睡眠薬が盛られていた。クッキーを食べた後ゆっくり家族は眠ってしまった。
「さて、今のうちにやっちゃおう」
彼は刷毛と小麦粉、ぬるま湯、オレンジジュースを持っていた。
「まずはこいつか」
「ゆゆ~ん…おそらをとんでるよ~」
浮遊している夢でもみているのだろうか1匹の子まりさが摘み上げられた。
「ちょんちょんっと」
「ゆひゃ~ん…くすぐったいよ…」
「まだだな。もうちょっと」
「ゆひゅ~…くすg………」
「よし、1匹完了」
子まりさは箱の中に戻され残りのゆっくりにも同じ作業を繰り返した。
「じゃあここから出ようか」
一家が入っている箱を持ち上げ地下室を出た。
「!!!!!!!!!!!!!」
「!!!!!……!!!!!!」
「!!!!……」
数時間後ゆっくり達は目を覚ました。しかし何かがおかしい。
「お、起きたか」
「…!…!……!!!!!!」
「!!!!!!………」
「ピョンピョン跳ねてどうした?喋ってくれないとわからないよ?」
「!!!!!!!!」
ゆっくり達は喋ることができなかった。というより口が無かった。先程彼が小麦粉を解いたぬるま湯でゆっくりの口を塞いでいたのだ。
「う~ん、こうして見ると口が有るのと無いのじゃ凄い差だな。気持悪ぃ」
体の上半分は間違いなくゆっくりだが下半分は饅頭そのものだった。
「……うううううう…ううううう…」
「ぅ…ううう…ぅ…」
「へぇ!!!とりあえず声は出せるみたいだな」
口が無いといっても口内の組織まで潰したわけではない。一応声らしきものは出せるようだ。丁度ガムテープで口を塞いだ時と同じ感じだろう。
「声出ても五月蝿くないからいいか」
ちなみにここは台所である。ゆっくりと遊ぶ時は騒音対策で地下室だが今回はその心配が無いのでここで遊ぶことにしたのだ。
「じゃあ約束通りたっくさん食べていってね!!」
彼は箱の中にゆっくりの大好きなチョコレートにニンジン、ジャガイモ、タマネギをどっさりと置いた。
「!!!!!!!!!!!!!」
「うっううううう!!!!」
「!!!!!!ううううう!!!!」
山のようなご馳走を目の当たりにしたゆっくり達ははしゃぎだし一目散にお目当てのご馳走に向かった。喋れなくてもその表情から相当喜んでいることが分かる。
「………」
「……!!!!!!!!!!!」
「………~~~~……」
しかしゆっくり達はご馳走に口をつけなかった。
「というより口が無いでしょ。口が」
口が無ければ食べることはできない。ゆっくり達はいつものように食べようとしたが口が開かない。口が開かなければ食べるという行為はできない。
「すりすりぃ~ってか」
どうにかして食べようと口があった辺りを食べ物に擦り付けているか意味は無い。
「うううううううううううう!!!!!!!ううううううううううう!!!!!」
「ううううう~~~~~~~~~~~~うううううううう!!!!!!」
「う~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!ううううううう!!」
ゆっくりにはどこにそんなものがあるのかと聞きたいが鼻がある。ご馳走を食べる事ができないが美味しそうな匂いは漂ってくる。
「うううううう!!!!!!!」
「うっう!!!!!ううううう!!!」
ご馳走に触れられる、匂いもする、だけど食べることはできない。ゆっくりだけでなく動物ならこれほどの辛いことは無い。
ご馳走に体当たりをする子まりさ。体当たりをしたってチョコレートは君のお口の中に入らないぞ。
ご馳走に体を擦り付ける子れいむ。それだけチョコレートを体に擦りつけたら体中チョコレートの匂いだね。むしろ辛くならないかい?
ご馳走に頭を下げ続ける親れいむ。ニンジンに土下座してもねぇ。口の中にテレポートしてくれるわけじゃないし。
ご馳走のカケラを口のあった辺りに擦り付ける子れいむ。考えたね。だけどみっちり隙間無く塞いじゃったから一切口の中には入らないよ。
ご馳走を帽子の中に入れたり出したりしている親まりさ。何やってるの?山のように野菜はあるんだから帽子の中に貯蔵しなくてもいいんだよ。
ご馳走をじっと見ている子まりさ。何かさっきから口の中からガッチガッチ音がするね。ああ、今流行のエアむーしゃむーしゃ?遠慮しなくてもいいんだよ。
「何で食べないの?遠慮しなくてもいいのに」
「「「「「「ううううう!!!」」」」」」
6匹は悲しそうな顔をして虐待お兄ちゃんを見上げた。
「食べないんだったら俺が食べちゃうぞ」
そう言って彼はチョコレートを箱の中から取り出し食べ始めた。
「むーしゃむーしゃ。よ~く噛まないとね。うん。美味しいね」
「「「「「「うーーーーー!!!!!!!」」」」」」
6匹は泣いていた。食べたくないのではない。食べられないのだ。涙を流しながら彼を見上げるが喋ることができないため何ら意思表示ができない。
「そろそろご飯作らなくちゃな。残念だなあ…野菜も食べないんだなんて…。勿体無いからその野菜貰っとくね」
「ううううう!!!!ううううううううううう!!!」
箱の中から野菜を取り出した。わざわざ親まりさが帽子の中に入れたニンジンまで帽子を取って取り出した。
「今日は何にしようかなぁ……」
彼は野菜を切り始めた。後ろでゆっくり達が呻いているが彼は笑いを噛み殺しながら黙々と料理をする。
「「「「「「うううううう!!!!!!!!!ううううううううう!!!」」」」」」
「よし完成」
料理を盛り付け食べ始めた。
「今日はみんな大好きカレーライスだよ。あ、君たちは確か辛いのはダメなんだよね。え~っと…大根でいいかな」
大根が箱の中に放り込まれた。もしかしたらとゆっくり達は大根に集まるがやはり口は開かない。
「やっぱりカレーは美味いよねえ」
「「「「「「ううううううう!!!!」」」」」」
6匹はカレーを美味しそうに食べる彼を見ながら泣いていた。確かにゆっくりは辛いものが食べられない。が、カレーの良い匂いに
腹の虫は鳴り止まない。箱の中のご馳走よりもカレーの匂いの方が強くまた濃い。もはやご馳走を諦めていたゆっくりもいたが
否応無しに鼻の中を駆け抜けるカレーの匂いに食欲がそそられる。
「ご馳走様」
「「「「「「ううう~~~~~~~」」」」」」
「あれ?大根食べないの?勿体無いなあ」
彼は箱から大根を取り出した。
「「「「「「う~う~う~……」」」」」」
「君達は本当に謙虚なんだね。気に入った。俺が飼ってあげようか?」
「「「「「「ううううううう!!」」」」」」
ぶんぶんと体を左右に回す6匹。嫌なのだろう。
「そうかそうか。喜んでるんだね」
「「「「「「ううううう!!!ううう!!ううう!!!!うう!!!!」」」」」」
加速して体を振り回す6匹。勿論彼には全部わかっている。
「喜びのあまり踊っちゃうなんて可愛いね!」
「「「「「「う……うう~~~~」」」」」」
何やっても無理だと諦め6匹は涙をゆっくりと流していた。本当に絶望するとこんな風になるらしいよ!
「親愛の印に美味しい美味しいシュークリームを用意してあげるね」
箱の中にふんわりとした美味しそうなシュークリームが置かれた。
「遠慮しないで食べてね。ああ、謙虚な君達のことだ。俺がいると食べにくいかもしれないね」
彼は台所を出て行った。
「ううううう!!!…う~~~~」
「う~~~~~うううう~~~」
少しは知能のある親ゆっくりは諦めて目を瞑ってしまった。子供も腹を空かせている。いつもならこういう時は「さぁおたべなさい!」
ができるが喋ることができないためそれもできない。おしゃべりもできない。歌も歌えない。今できることは睡眠かすっきりーだけだろう。
すっきりーなんかする気力も無い。寝ることしかできないのだ。
一方子供達は諦めていなかった。シュークリームに体当たりをしたり体を擦りつけたりするが食べられるわけではない。そのうちシュークリームが
破けカスタードクリームがとろりと流れてきた。子供達はカスタードに飛び込んだ。一心不乱にカスタードの海を泳ぐが口の中にカスタードは
入ってこない。それでもカスタードの中でじたばたしていた。
「れいむ、よく聞いて欲しい。お前昨日何も食べてないだろう」
次の日彼は親れいむを持ち上げそう聞いた。親れいむはうんうんと頷く。
「まりさ、お前もそうなのか?」
親まりさを持ち上げそう聞いた。親まりさもうんうんと頷く。
「もしかしたら口が開かない病気なんじゃないかな?」
「「ううううう!!!!うううう!!!」」
2匹は何度も頷いた。
「じゃあ治してあげないとな」
彼はどこかに行った。
「ううう!!うう!!うう、ううう!!!」
「うっううううううう!!!」
2匹は嬉し泣きをしていた。口が治ればまた思う存分むーしゃむーしゃができる。昨日見たご馳走を食べることができる。
「よし、じゃあ治そう」
彼が戻ってきた。まず親れいむが持ち上げられナイフが口のところにあてがわれた。親れいむは目を瞑っていた。これで…これでゆっくりでk
「あれ?シュークリームが無い」
ナイフの冷たい感覚が無くなり親れいむは目を開けた。
「なんだなんだ。ちゃんとシュークリームを食べたんじゃないか」
「う!!??????うううう!!!!!」
箱に残されていた親まりさは混乱していた。自分も子供も口が開かないのにどうやって食べたのだろうかと。
「うわっ!行儀の悪い食べ方だな。中身だけ食ったのか」
「う????????ううう!!???」
確かにシュークリームの皮だけが残っていた。
「「ぅぅ…ううう…」」
「「う~~~ぅうぅう…」」
皮から4匹の子ゆっくり達が出てきた。勿論彼らが食べたわけではない。口閉まってるし。夜中ずっとじたばたしていた為カスタードが体に染み込んだだけだ。
「ま、そういうところがゆっくりなんだな。ハハハ。お腹も膨れてるし。なんだ病気じゃなかったんだね。心配したよ」
「ううううう!!!!ううう!!!うううううううううう!!!」
親れいむは違うと反論するが通じない。結局親れいむは手術はされずに箱の中に戻された。ちなみに子ゆっくりの腹が膨れていたのは
カスタードが体の中に染み込みそれが栄養として吸収されたからである。空腹なのは昨日から同じだ。
「健康なのが分かったところでご飯をあげよう。そらっニンジンだよ」
箱の中にニンジンが投げ入れられた。
「君達くらい謙虚ならきっとすぐに金バッジだね」
「「「「「「ううううううううううううううううううううう………」」」」」」
ゆっくりとは不思議な生き物で息が吸えなくても生きていられる。しかも何も食べなくても意外としぶとく生き残ってくれる。
だからこのゆっくり家族は当分の間飲まず食わず吸わずでも生きていてくれるだろう。
と思っていたが口を治して貰えるところを邪魔された親ゆっくり達が次の日子ゆっくり達を押し潰して殺してしまった。
更に次の日2匹は黒ずんで死んでいた。交尾をして死んだようだ。微かな意識の中すっきりーをしすぎると死んでしまうことを思い出し
ずっと交尾をしていたのだろう。意外とこいつ等知恵が働くから侮れない。
完
虐兄『おい、「初めてのゆ虐」で思いついたネタを持ってきただろ』
虐おに『うるせぇ。小ネタには勿体無かったんだよ』
最終更新:2009年05月06日 03:17