ゆっくりいじめ系2688 れいむはしんぐるまざー

  • ゲスゆ有







「ゆっくりしていってね!」

日課である朝の散歩中に突然足元から甲高い声が上ってきた。
なんだろうと思いながら……まぁ既に予想はついてるが……足元を見下ろしてみると、やはりというか
なんというか、やたらとぷにぷにしてそうな生首がこっちを見上げてきていた。

「やっぱりゆっくりか」
「れいむはれいむだよ! ゆっくりしていってね!」

そう言ってれいむは誇らしげに胸を張る。

「はいはい、ゆっくりしていってねっと」

俺はいかにも気だるそうな感じを滲ませながらそう言って、せかせかとれいむの前を立ち去ろうとする。
が、そんな俺の様子を見てれいむは慌て、ゆっくりにあるまじきゆっくりしてなさを発揮して俺の前に
立ちはだかり、こう言った。

「まってね! にんげんさんはれいむにあまあまをおいていってね!」

それを聞いて俺はファッキューメーンと思った。いや別にゆっくりは男じゃないけれども、素直で可愛い
ゆっくりが好きである俺をがっかりさせる言葉の一つだったからだ。
無視してやってもよかったのだが、ついてこられても迷惑だ。
なんとか口でやりこめて乗り切ろうと思い、下を向いてこう言った。

「何でさ」
「ゆ? わからないの?」

俺の言葉を受けたれいむは心底不思議そうに頭の上に疑問符を浮かべて小首を傾げる。
あまあま……要するに人間のお菓子の要求をする野良ゆっくりは多い。
ほぼ全てのゆっくりは甘い物が大好きである。加えてゆっくりは何事も自分の都合のいいように解釈する
悪癖があり、飼いゆっくりの飼い主がゆっくりにご飯をやっているのを見ただけで頭と性格の悪い野良などは
人間はゆっくりの奴隷であると勘違いするなどよくある話だ。
そうでなくても、『ゆっくりはゆっくりしていればみんなをゆっくりさせられる』という意味不明の信念を
持っていたりもするので、『ゆっくりした自分ならお菓子をくれるはずだ』という理屈から人間にあまあまを
要求する事などはざらにあるのだ。
俺を苛立たせない理由ならいい。ゆっくりにお菓子をやる物好きな爺さんがその辺にいて、人間はお菓子を
くれるものだと思い込んでしまったとか、そういう俺にも納得しうる理由ならまぁいいや。俺はそう思い
ながら、れいむの言葉を待った。
が、しかし。このれいむが語った『理由』は――

「じゃあおしえてあげるね! れいむはしんぐるまざーなんだよ! すごくかわいそうなんだよ! だから
 やさしくしてあげないとだめなんだよ!」

俺の神経を卸し金で容赦なく削り取るような、吐き気を催すクソのようなものだった。

「お前のような奴がいるから戦争が無くならないんだ!(?)」

反射的に右の拳が足元のれいむに伸び、そのもち肌に突き刺さった。悲鳴を上げる暇すらなく、れいむは
バウンドして空に舞い上がる。
おそらをとんでるみたい。シェイクされた頭でそんな事を考えているのであろうれいむの脳天を、追撃の
ネリチャギが襲う。倒れている相手に頭の側から発動すればザコ即死がつく便利な技だ。

「ゆぶぇ?!」

衝撃で右の眼球を破裂させながら、れいむが叫び声を上げて地面に叩きつけられた。俺の足が頭の上に
乗っているので、今度はバウンドしない。
俺はそいつの頭から足をどけると、靴を脱いでそこにこびりついた餡子をそのへんの壁に擦り付けた。
餡子のついた靴でその辺を歩いたら虐待趣味の変態だと思われてしまうからだ。
と、そんな事をしている内に、既にずたぼろになっているれいむが起き上がる元気を取り戻していた。
もう相手にしないぞ、こんな薄汚いボロクズ。俺はそう心に決め、

「どぼじでごんなごどずるのぉぉぉ?! でいぶはじんぐるまざーなんだよぉ?! だがらゆっぐりざぜで
 あげないどだめなんだよぉぉぉぉぉ?!」

僅か二秒で決心した事実を闇に葬り去り、れいむの頭に鋭いチョップを浴びせた。

「ゆびぇ?! いだいぃぃぃぃぃ!! どぼじでごんなごぞずるのぉぉぉぉ?! がわいぞうなでいぶは
 ゆっぐりざぜであげなぎゃだめなんだよぉぉぉぉぉぉ?!」

悲鳴と共に、無くなった右目から涙と混じった液状の餡子がリズミカルに溢れ出す。
俺はそのれいむを掴みあげ、横っ面を思いっきり引っぱたいた。
左頬を打つ。頬からばしんと音が響く。
「ゆぎぇ?!」
「お前みたいな!」

右頬を打つ。右目からごぽりと泡立つ音が響く。

「ゆがぁ?!」
「自分ばっかりゆっくりしたいとか!」

左頬を打つ。頬からばしんと音が響く。

「ゆぐぅ?!」
「そんな考えのゲスがいるから!」

右頬を打つ。右目からごぽりと泡立つ音が響く。

「ゆげぇ?!」
「他の可愛いゆっくりまで!」

左頬を打つ。頬からばしんと音が響く。

「ゆごぉ?!」
「害獣呼ばわりっ!」

右頬を打つ。右目からごぽりと泡立つ音が響く。

「ゆぎゃぁ?!」
「されちまうんだ!」

左頬を打つ。頬からびしゃりと音が響く。

「ゆっぐ、えぐ……ゆんやぁぁぁぁぁぁ! もぉやだぁぁぁぁ! おうぢがえるぅぅぅぅぅぅ!!!」
「わかってんのか……よぉ! このゲスが!!」

そして、泣き喚くれいむを力いっぱい地面に叩きつけると、それっきりれいむは音を立てなくなった。
俺は餡子で汚れた右手をごしごしと手近な壁に擦り付けると、いそいそとその場を後にした。



おわり



あとがき
お題が終わらないのでつい
凄い手抜きだ






おまけ(むしろ本編?)

ずりずりと、ずりずりと。まるで芋虫のようにゆっくりと。しかし必死に、れいむは這っていた。
身じろぎする度に全身に激痛が走る。風が頬を撫でるたびに激痛が走る。身体を虫が這う度に激痛が走る。
朝露が肌を濡らす度に激痛が走る。木の枝が肌に掠る度に激痛が走る。
狂ってしまいそうな痛みの中で、それでもれいむははっきりと意識を保ちながらずりずりと這っていた。

死にたくない。
死にたくない。
死にたくない。
早く行かなきゃ。

頭の中は、それでいっぱいだった。
れいむが男に暴行を受けた場所からここまで、たったの20メートル。そして、ここかられいむが向かおうと
している場所までは、およそ30メートルほど。
普段なら鼻歌など歌いながらすぐに行ける道と距離でも、多量の餡子を失い、身体の所々が裂けてしまった
今のれいむにとっては苛烈な決死行であった。

死にたくない。
死にたくない。
死にたくない。
早く行かなきゃ。

れいむは足を速める。無理をすれば死期が近付くのは、頭ではわからなくとも感覚でわかっているはずだ。

死にたくない。
死にたくない。
でも早くしなきゃ。
早く行かなきゃ。

それでもやめない。やめられない。
れいむはゆっくりしたゆっくりだから。
しんぐるまざーのれいむはかわいそう。だから、ゆっくりしなきゃいけないんだから。
れいむは必死に這い続ける。

死にたくない。
そんな事より早くしなきゃ。
もっともっと急がなきゃ。
早く行かなきゃ。

既に半分以上の餡子を失い、意識は朦朧としている。にも関わらず、れいむの足は絶えず動き続けていた。
ただ一つの思いの為に。
ただ一つの信念の為に。
ただ一つのゆっくりの為に。
その、執念にも似た思いが通じたのかは定かではないが。
れいむはとうとう、目指していたその場所に辿りついた。
そこは、気の根っこの間にある大きな穴だった。丁度、成体のゆっくりよりも一回りだけ大きいくらいの。

「れ   む     ね」

傷だらけのれいむの小さく掠れた声が響く。本来ならば伝わらないであろうほどの、微かな声。しかし、
洞窟の中で反響した為か、その声はちゃんと、その穴の主へと届ける事が出来た。
ぼよん、ぼよんと何かが跳ねてくる音が響く。
そして、その主はどすんと音を立て、傷だらけのれいむの前に姿を現した。

「やっとかえってきたのこのうすのろれいむ! さっさとあまあまをだしてね! だしたらうすのろは
 ゆっくりしないでしんでね!」
「よこちぇー!」
「きゅじゅー!」

そこにいたのは。
れいむが言っていた、『かわいそうなしんぐるまざー』のれいむと、その子供達だった。
そう、れいむは全て、このしんぐるまざーのれいむ達の為にとあまあまを探しに出かけていたのだ。自分が
ゆっくりするためではなく、可哀想なれいむをゆっくりさせてあげるために。必死に。必死で。れいむが
欲しがっているあまあまを人間に貰いにいっていたのだ。
しんぐるまざーれいむは、傷だらけのれいむの姿を見つけると、仰天し、涙を流して声を上げた。

「どぼじであまあまもっでないのぉぉぉ?! にんげんがらうばっでごいっでいっだでしょぉぉぉぉ?!
 ぞんなごどもでぎないのぉぉ?! まざがでいぶをゆっぐりざぜるぎがないのぉぉぉごのぐずぅぅぅ!!」

しかし、驚き、そして涙を流した理由は、傷だらけのれいむが、あまあまを持っていない事に対しての
物であった。

「ちが  れ むは   がんば   ごめ       ゆっ  ちりょう   ね」

掠れた声でしんぐるまざーれいむへの謝罪と、自己の治療を頼む傷だらけのれいむ。
しかし、しんぐるまざーれいむ達は。

「うるさいよ! やくたたずはゆっくりしんでね! しんだあとでおわびのあまあまをもってきてね!」
「ちにぇ! ちにぇ!」
「きょんにゃきゅじゅはころちちゃえびゃいいりょ!」

傷だらけのれいむへの怒りを露にして、殺してしまえ、とまで言った。

「ゆっ! それもそうだね! れいむのおちびちゃんはかしこいね! きっとおっきくなったらこんな
 ぐずとはちがうりっぱなれいむにそだつよ!」
「「ゆっへん! しょれほどでみょにゃいよ!」」
「じゃあさっさところすね! おちびちゃん! おかーさんのかっこいいところゆっくりみててね!」
「「ゆっきゅちみりゅよ!」」

傷だらけのれいむは、堂々と自分を殺す算段をつけている親子の会話を聞いていても全く動じなかった。
先刻から、身体の痛みも、聞こえる音も。どこか遠くの出来事のように感じてくるようになっていたから
だった。
痛みが消えたわけじゃない。言葉が聞こえないわけじゃない。
ただ、それを理解する機能が失われかけているのだ。

ゆっせーのっ! ゆっ!!
ゆゆ~ん! おきゃーしゃんのじゃんぴゅしゅっごくゆっきゅちちちぇるにぇ~!

仲の良さそうな親子の声が耳に滑り込んでくる。
しんぐるまざーれいむのあんよを、たった一つになってしまった目で見上げながら、れいむは思う。

あぁ、ゆっくりしてもらえなかった。
たよりなくてごめんなさい。
もっとゆっくりさせてあげたかったのに。
れいむは、しんぐるまざーだから。
かわいそうだから。
やさしくしてあげないとだめなんだよ。
かわいそうなれいむ。
やくにたてなくてごめんね。
れいむはもうしんじゃうけど。
れいむはきっと。
かわいいこどもたちといっしょに。
わらいあって、それでげんきに。
ゆっくりしていっ






ぐしゃり、と。
しんぐるまざーれいむの足が、傷だらけのれいむの頭を踏み潰し、完全にれいむは息絶えた。
しんぐるまざーれいむは、子供達の前で誇らしげに胸を張る。が、次の瞬間。

「ゆ゛あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?! でいぶのぶりでぃなあんよがいだいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ?!」

顔色を変えて飛びあがり、家の中をごろごろと転がりまわった。
原因は、傷だらけのれいむの歯である。人間の打撃は、れいむの目と表皮をずたずたにし、上側の歯の
ほとんどをへし折ったが、下顎にある歯は一本たりとも欠けさせることはなかったのだ。ゲスゆっくりを
嫌っていた人間の執念が、しんぐるまざーれいむに牙を剥いたのだろうか。
しんぐるまざーれいむは子供達にあんよを舐めさせながら涙を流した。
れいむは思う。
それもこれも、全部役立たずのれいむのせいだ!
役立たずに見つけさせたこの家も、ゆっくりした自分には狭すぎてちっとも相応しくない!
そして、れいむは未だにずきずきと痛むあんよでふらふらと立ち上がりながら、大声で叫んだ。

「ごんなゆっぐりでぎないどごろにいられないよ! でいぶはもっどゆっぐりでぎるおうぢをざがずよ!」

その言葉が死亡フラグだからか。
あるいは、因果応報という奴か。
常識的に考えれば、こんな所で大声を上げたせいかもしれない。

「「「「「「「「「「「んほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」」」」」」」」」」
「「「「「「「「「「「うー! ゆっくりしね!!!!」」」」」」」」」」

突然、巣に大量のれいぱーありすとふらんが雪崩込んできたのだ。
れいむ一家はこの後、意気投合し結託したありすとふらんに犯され、子供を産まされ、子供を食べられ。
ちっともゆっくりできない数ヶ月を送った後に、朽ち果てて死んだ。




あとがき2
ゲスじゃないゆっくりにしんぐるまざー云々言わせてみる事を思いついたのでやってみた
ゲスの始末は本題じゃないのであえて適当に

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最終更新:2009年05月30日 22:52
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