霊夢×ゆっくり系10 ゆっくり一家の生涯 『博麗神社編』(後編)

 ~ゆっくり一家の生涯『博麗神社編』(後編)』~

 ここは幻想郷の東の端の端、外の世界との境界に位置する博麗神社。
 神社の床下にはゆっくり霊夢の一家が住んでおり、今日もお母さん霊夢は可愛いプチ霊夢達のためにエサをせっ
 せと運んでいた。現在お母さん霊夢が育てているプチ霊夢は8匹、霊夢や魔理沙によって食べられ、増やされた
 りでこの数に至る。
「「おかあさん、おなかちゅいたよ~。」」
「すぐにごはんをとってくるからゆっくりまっててね。」
 子供達がいつまで経っても大きくならないことにまったく気が付かないお母さん霊夢は、毎日毎日終わることの
 無い子育てを続けていた。

 ある日霊夢は外の騒がしさで目を覚ました。
「なんなのよ、こんな朝っぱらから。」
 賽銭箱の辺りが騒がしいことに気が付くと、眠気は吹っ飛んだ。
 巫女服に着替えるとすぐさま賽銭箱へ向かう。
 賽銭箱はゆっくり一家に囲まれ体当たりされていた。
「あんたたち何やってんの!」
「「ゆ!」」
 お母さん霊夢とプチ霊夢は怒鳴り声でびくっとする。
「私の大切な賽銭箱に何してるの!事と場合によってはただじゃおかないわよ!」
 鬼の形相でゆっくり達に迫る霊夢であったが、お母さん霊夢は必死に説明しようとする。
「ち、ちがうの!れいむたちはわるいことしてないよ!」
「「ちがうの、ちがうの。」」
 必死に弁明しようとするゆっくり一家だったが、霊夢はさらに言い寄る。
 霊夢の迫力に押され、プチ霊夢たちは涙を流して震えていた。
「何が違うって言・・・」
「くら゛いよ゛おぉぉぉ!おがあさんだずげでえぇぇぇ。」
 突然賽銭箱の中から泣き声が聞こえた。そして霊夢はすべてを理解し穏やかな顔に戻った。
「ふぅ、何事かと思ったら子供が賽銭箱の中に落ちちゃったのね?」
「うん、れいむのかわいいこどもがこのはこのなかにおちちゃったの。あかいおねえさんおねがいたすけて。」
「「たちゅけて」」
(まったく、饅頭の分際で迷惑かけるんじゃないわよ。)
「わかったわ、すぐに助けてあげるから賽銭箱から離れて。」
 ゆっくり達を賽銭箱から離すお賽銭の取り出し口の鍵を開けた。
「な!?」
 賽銭箱中の光景を見て霊夢は凍りついた。プチ霊夢が紙切れをムシャムシャと食べていた。
 その紙切れには0が4つ描かれていた。万札である。
 お札のお賽銭など年に1度入っていれば良い方で、入っていたとしても0が3つのお札くらいだった。
 0が4つのお札など未だかつて賽銭箱の中に入っていたことは無かった。しかしその初めての高価なお賽銭は目
 の前でプチ霊夢に食べられていた。
 賽銭箱の中のプチ霊夢は出口が開かれると食べていた万札を銜(くわ)えたままお母さん霊夢に飛びつく。
「おがあざあぁん、こわかったよおぉぉぉ。」
「もうだいじょうぶだよ!おかあさんとゆっくりしようね!」
 お母さん霊夢は我が子にやさしく頬ずりをしてなぐさめてやった。
 しばらくするとお母さん霊夢は閉じ込められていた子供が加えている紙切れに気が付いた。
「ゆ?そのくちにくわえているものはなあに?」
「おなかがちゅいてめのまえにあったものをたべたの。ぜんぜんおいちくないよ!」
 プチ霊夢は銜えていた万札をペッっと吐き出した。

 ブチ!

 霊夢は切れた。
「・・・ねぇあなた達、お菓子欲しくない?」
 霊夢の言葉を聞くとゆっくり達は先ほどのことを忘れたかのように騒ぎ出した。
「おかしほしい!」
「おかち♪おかち♪」
「・・・そこで待ってなさい。」
 ゆっくり達ををその場へ待機させ、あるものを取りに行った。
 戻ってきた霊夢をゆっくり一家はキラキラした目で見つめていた。
「・・・万札の恨みははらさせてもらうわ。ゆっくりとね!」
 ゆっくり一家に魔理沙からもらった睡眠液を吹きかけた。
「ゆ?ゆうぅぅぅ・・・zzzzz」

「ゆ?」
 お母さん霊夢は透明な箱の中で目を覚ました。
 すぐ傍ではプチ霊夢達がスヤスヤと眠っていた。箱の広さはお母さん霊夢3匹分ほど、周囲は透明な壁で覆われ、
 上部は筒抜けであったがゆっくりの跳躍力では届かない高さだった。
 霊夢はお母さん霊夢が目を覚ましたのに気が付くと箱を蹴った。
「さっさと起きなさい。」
 箱が大きくゆれるとプチ霊夢達も目を覚ます。
「おかちは?おかちは?」
 お菓子をあげると言ったことは憶えていたらしい。
「あかいおねえさん、ここはどこなの?おかしはどこなの?」
「お菓子をあげるためにここまで運んであげたのよ。」
 赤黒くどろっとした液体が盛られた皿をゆっくり達の入っている箱の中へ置いた。
「お汁粉というあま~いお菓子よ、食べなさい。」
 目の前に置かれた液体からおいしそうなあま~い匂いが漂ってくるとお母さん霊夢と7匹のプチ霊夢は一気に飛
 びついた。
「うっめ!これめっちゃうま!」
「「あまあま♪おいちい♪」」
 あっという間にゆっくり達はお汁粉をたいらげた。お母さん霊夢はお皿をきれいに舐め回し、子供についている
 お汁粉も舐めていた。子供たちはお母さんが体を綺麗にしてくれているのだと喜んでいたがもちろん今のお母さ
 ん霊夢の頭の中にあるのはお汁粉を少しでもたくさん食べたいという欲求だった。
「あかいおねえさん、もっとたべたいよ!」
「おちるこ♪もっともっと♪」
 ゆっくり一家は物足りない顔をして御代わりを要求してきた。
「すぐに作るから少し待ってなさい。よかったら作るところを見てみない?」
 ゆっくりというのは基本好奇心旺盛で後先考えず行動するという習性をもっている。
 ゆっくり達がおいしかったお菓子の作られる工程に興味を持たない筈が無かった。
「ゆっくりみたいよ!」
「「みたいみたい。」」
 予想通りゆっくり一家は提案にくいついてきた。
 そしてお母さん霊夢を持ち上げ、透明な箱に入れ蓋をして封印の札を貼った。
 この箱は以前アリスが神社へ遊びに来たときにもらったものだった。
(「いずれあなたにもこれが必要になる時が来るはずよ。」)
 あの時のアリスの言葉が脳裏に浮かぶ。いくつか箱をもらったが邪魔だったので倉庫に放り込んでおいたのだ。
「まさか本当に使う時が来るとは思ってもみなかったわ。アリスはこうなることがわかっていたのかしら?」
 アリスとのやり取りを思い出していると、お母さん霊夢の不満気な声が聞こえてきた。
「あかいおねえさんここせまいよ!ゆっくりできないよ!」
 適当な事を言ってもうしばらくの間は信頼させておくことにした。
「あらごめんなさい、お汁粉はね作るのに火を使うからとても危険なの。怪我をするのはいやでしょ?だから安全
 な箱に入ってもらったの。」
 さすがに嘘だとわかりそうなものだが、さすがゆっくりブレインだという反応が返ってきた。
「ゆ、そうだったの?うたがってごめんね!あかいおねえさん。」
(呆れる程⑨ね、なんでこいつら絶滅しないのかしら?)
 お母さん霊夢の入った箱を持ち上げると先に台所へ運んだ。

 台所の戸棚を開けると安い煎餅を取り出し二つに割った。
 それぞれの煎餅に慎重に小さな穴を開け糸を通し、プチ霊夢達の入った箱へ飛んでもぎりぎり届かない高さに垂
 らす。
「このお菓子に初めに飛びつけた2匹には特別なことをしてあげるわ。」
 お菓子と特別の二つの単語に反応しプチ霊夢達は我先にと煎餅に飛びつくが、もちろん届かない。
「「おかち、おかち、とどかないよおぉぉぉ。」」 
 あるプチ霊夢は他のプチ霊夢を踏み台ににしてお菓子にかぶりつき、すかさず霊夢は釣り上げる。
 それを見ていたプチ霊夢達も真似をしてお菓子へ飛びつこうとする。
 1匹の不幸なプチ霊夢は複数のプチ霊夢に同時に踏み台にされたためぺちゃんこになり命を落とした。
 そして残り1個の煎餅へプチ霊夢がかぶりつくと同じように釣り上げた。
「じゅるいよおぉぉぉ。」
 箱に残されたプチ霊夢達は一斉に不満を漏らした。
 不満を言うプチ霊夢達を無視して釣り上げた2匹を他のプチ霊夢達に気が付かれない様に鍋の中に入れて蓋をす
 る。
「特別なことをしてあげるからそこでゆっくり待ってなさい。」
 これから自分達に起こる事など知らない2匹はワクワクしながら霊夢の言う通りゆっくりと待っていた。
 霊夢は鍋に入れた2匹のプチ霊夢を残し、4匹のプチ霊夢(透明な箱ごと)を台所へ移動させた。

 4匹のプチ霊夢が入った透明な箱をお母さん霊夢の入った箱の横に置く。
 お母さん霊夢は子供達が近くに戻ってきてホッとした表情をしていた。しかし子供達の入っている箱の中でぺちゃ
 んこになり中身の餡子を撒き散らして死んでいる我が子を見つけて顔を硬直させ、そして次第に震え始めた。
「あ゛!あ゛!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!どうじで!?どうじでれいむのこどもがじんでるのおぉぉぉ!」
 お母さん霊夢の悲痛の叫びを聞きプチ霊夢達は動揺しだす。
「ゆ!わ、わるいのはこのちんだれいむだよ。」
「わたちたちがおかちをとろうとちたのをじゃまちたの。」
「れ、れいむたちはわるくないよ。」
 追求するお母さん霊夢と責任を死んだプチ霊夢に押し付ける子供達の間で口論となった。
 10分ほどその様子を眺めていたがいつまで経っても終わりそうになかったので次の行動に移す事にした。

 先ほどの部屋へ置いておいたプチ霊夢2匹を鍋ごと台所へ持ってくる。
「さあ今からお汁粉を作るわよ。」
 お汁粉という単語を聞くとゆっくり一家は口論を止め霊夢の方へ注目する。
 今のゆっくり一家の頭の中は(お汁粉≫死んだプチ霊夢)となっていた。なんとも現金なゆっくり一家だ。
 無言で鍋を火にかける。
「あかいおねえさん、そのなかになにがはいってるの?」
「「なになに?」」
 お母さん霊夢や4匹のプチ霊夢達は鍋の中身を知らない。
 鍋の中にいる2匹のプチ霊夢はどんなことが起きるのかと楽しみにしている。
 しかし次第に鍋の中に熱気がこもり始めると鍋の中の2匹の様子は豹変する。
「あちゅいよ!あちゅいよ!ここからだちて!」
 飛び跳ねて鍋から脱出しようとするが蓋は霊夢によって押さえつけられていてびくともしない。
 鍋の中の様子の変化にすぐ気が付いたのはお母さん霊夢だった。
「ゆ!そのなかにれいむのこどもがはいってるよ!はやくたすけてあげてね!」
 子供達は何が起こっているか理解できていないのか楽しそうにしている。
 お母さん霊夢の言葉を無視してひたすら鍋の蓋を押さえつける霊夢。
 鍋の中の2匹は顔を真っ赤にして汗をだらだら流しながら必死に脱出しようと悲鳴を上げながら飛び跳ねている。
 しばらくすると悲鳴は続いていたが鍋への振動がおさまった。
「そろそろね。」
 鍋の蓋を開けると2匹のプチ霊夢の体は熱で鍋の底に張り付いてしまっていた。
 すぐに2匹のプチ霊夢の体の半分ほどの高さへ水を注ぐ。
「きもちいい~♪おねえちゃんありがとぉ♪」
 その光景を見てお母さん霊夢はホッとし、4匹のプチ霊夢達はうらやましそうにしていた。
「あかいねえさん、れいむのこどもをたすけてくれてありがとう!」
「「みじゅあちょび!いいないいな!」」
 しかし鍋の水が沸騰しだすとゆっくり一家の様子は一変する。
「あちゅいよ!あちゅいよ!はやくだちて!」
 2匹のプチ霊夢が悲鳴を上げるが体が鍋の底に張り付いているため身動きが取れない。
 2匹の悲鳴を無視して蓋をして弱火にする。
「はやくれいむのこどもをたすけてあげてね!はやくしてね!」
「「はやくはやく」」
 ゆっくり一家の言葉を無視して鍋の様子を窺う。
「「ゆっぐりちたけっががこれぇだよおぉぉぉ!」」
 鍋の中から今までで一番大きな絶叫が聞こえ、静かになった。

「さぁ待ちに待ったお汁粉の出来上がりよ。」
 鍋の蓋を開けてゆっくり一家に見えるところまで鍋を持っていく。
 ゆっくり一家の見たものは・・・。
「あ゛!あ゛!あ゛!いやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
「「いやあぁぁぁぁぁ」」
 ゆっくり一家の目の前には赤黒くどろ~んとした液体に2匹のプチ霊夢の絶叫した顔の皮がデロデロになって浮
 かんでいた。
「ひどいよおぉぉぉぉぉ!れいむの、でいぶのかわいいこどもがあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!」
「「ぴぎゃあぁぁぁ!」」
 お母さん霊夢とプチゆっくり達は涙を流しながら絶叫した。
「あら、どうしたの?さっきはおいしそうに食べていたじゃない。まったく同じように作ったのよ?」
 先ほど食べたお汁粉は賽銭箱に閉じ込められていたプチ霊夢で作ったものだった。
「さ、ざっきのっで!あ゛!あ゛!ごめんねえぇぇぇぇぇ!」
 お母さん霊夢は先ほどのお汁粉が自分の子供だと気が付くと泣いて謝りだした。
 お汁粉を皿に盛り、お母さん霊夢を箱から取り出し皿の前に置いた。
 そしてそっと耳元で囁(ささや)いた。
「おいしそうに笑顔で声を出してお汁粉を食べなさい。逆らったらあなたのかわいい子供がどうなるかわかるわね?」
 お母さん霊夢はお汁粉に口をつけようとした。
「「おかあさんやめて!おねえちゃん(いもうと)をたべないでえぇぇぇ!」」
 子供達の制止を振り切ってお母さん霊夢は笑顔でお汁粉を食べ始める、子供達を守るために。
「うっめ、これめっちゃうっめ!」
 笑顔でひたすらお汁粉を食べるお母さん霊夢を見てプチ霊夢達は悲鳴を上げる。
「「どうちて!どうちて!そんなひどいごどするのおぉぉぉ!おかあさあぁぁぁん!」」
 お母さん霊夢は笑顔のまま涙を流しお汁粉をたいらげた。
 再びお母さん霊夢の耳元で囁く。
「あら、誰が涙を流していいって言った?約束を破ったのだから更に2匹を調理させてもらうわ。次に約束を破っ
 たらあなたの子供は0匹になるわね。」
 霊夢の言葉を聞くと再び箱の中に戻されたお母さん霊夢は体を震わせて無理やり笑顔を作り泣き止んだ。

 少し大きめの鍋に油をたっぷり入れて火にかけた。
 残った4匹のプチ霊夢達は箱の隅で固まり涙を流し震えていた。そして箱の中から適当に2匹をつかみ取り出す。
「「おがあざぁんだずげでえぇぇ!」」
 つかまれた2匹はお母さん霊夢の方を見て泣き叫ぶが、お母さん霊夢はひたすらニコニコと笑っている。
「「どうぢで!?おがあざぁんわらっでないでだずげでえぇぇぇ!」」
 悲鳴を上げる2匹に小麦粉を薄くまぶし溶き卵をつける。穴あきお玉に2匹をのせて高温の油の上で静止させる。
「その液体の中に落ちちゃったらまず助からないわね、1匹だけなら助けてあげるわ。助かりたかったら相手を下
 に落としなさい。」
 霊夢の言葉を聞くと2匹は押し合い始めた。狭いお玉の上では飛び跳ねることは出来ないので、必死に押して相
 手を下に落とそうとする。
「ゆ、ゆ!わたちがここでゆっくりするの!」
「いやだよ、さっさとそっちがおちてね!」
 勝負はすぐについた。霊夢は穴あきお玉を少し傾けておいたのだ。
「あぢゅいよぉぉぉぉぉ!だずげでおがあさあぁぁぁん!」
 遠のく意識の中、お母さん霊夢に助けを求めるがただニコニコと笑っているだけだった。 
「あかいおねえちゃん、はやくみんなのところへもどちて!」
 勝ち残ったプチ霊夢は穴あきお玉の上でうれしそうにしていた。
「わかったわみんなのところへ行かせてあげるわ、先に死んだみんなのね。」
 穴あきお玉を更に傾けるとプチ霊夢は転がって高温の油の中へ落ちていった。
「どうぢで!?どうぢでえぇぇぇ!あぢゅいよぉぉぉぉぉ!」
 目の前には先ほど自分が落とした大きく口を開け絶望に歪んだ表情の揚げ饅頭がプカプカと浮かんでいた。
「いやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!」
 こうして揚げ饅頭が2個出来上がった。

 先程と同じようにお母さん霊夢の前に2個の揚げ饅頭を置き、笑顔でおいしそうに食べるように耳元で囁く。
「うっめ!めっちゃうっめ!さいこうだよ!」
 お母さん霊夢は涙を必死にこらえながら笑顔で揚げ饅頭を食べつくした。
 残った2匹のプチ霊夢は恐ろしさのあまり声もでないようで、ただ箱の隅で固まり涙を流し震えていた。
「約束よ残った2匹は助けてあげるわ。」
 お母さん霊夢の入った箱を開け、持ち上げると2匹のプチ霊夢の入った箱の中へ入れた。
 大切なわが子との再開を喜び、お母さん霊夢は擦り寄ろうとする。
「「こ、こっちにこないでね!ちかよらないでね!」」
 予想外の言葉にお母さん霊夢は動揺する。
「ど、どうしてそんなこというの?おかあさんだよ!」
「こどもをおいしそうにたべちゃうおかあさんとはゆっくりできないよ!」
「あんなことするおかあさんはだいっきらいだよ!」
 我が子から発せられた言葉が信じられないのかお母さん霊夢は体をブルブル震わせている。
「ち、ちがうんだよ!あれはあなたたちをまもるため・・・。」
「うそいわないでね!れいむたちはみてたよ!」
「おねえちゃんやいもうとをおいしそうにたべてるのをみてたよ!」
 口論は続きお母さん霊夢は次第に顔を赤くし膨れて怒り出す。
「そんなひどいこというのはれいむのこどもじゃないよ!そんなこどもはいらないよ!」
 お母さん霊夢はプチ霊夢にかぶりついた。
「やめでえ゛ぇぇぇぇぇ!おがあざあぁぁぁん!」
「おかあさんじゃないよ、あなたたちはれいむのこどもじゃないよ!」
 あっという間にプチ霊夢1匹をたいらげる。そしてもう1匹のプチ霊夢に照準を合わせる。
 お母さん霊夢の行動を見ていたプチ霊夢は箱の隅で震えていた。
「れ、れいむはおいしくないよ!こっちにこないでえぇぇぇ!」

 パク

 一口でプチ霊夢を口に入れるお母さん霊夢。口の中からは噛まれる度に絶叫が聞こえてくる。
「いだいよおぉぉぉ!いだいよおぉぉぉ!やめでえ゛ぇぇぇぇぇ!」
「うっめ♪めっちゃうっめ♪」
 こうしてゆっくり一家はお母さん霊夢を残してすべていなくなってしまった。

「はやくここからだしてね!」 
 プチ霊夢を食べ終えたお母さん霊夢は事の一部始終を見物していた霊夢に話しかける。
 霊夢は無言でお母さん霊夢を持ち上げる。
「こんなところじゃゆっくりできないよ!はやくおそとにだしてね!」
 しかしお母さん霊夢は先ほどまで入っていた体がちょうど入る大きさの透明な箱に入れられた。
「ゆ!どうして!?たすけてくれるっていったよ!」
「何勘違いしてるの?私が助けると言ったのは子供達よ?あなたを助けるなんて一言も言ってないわ。」
「ひどいよ!さっさとだして!ここじゃゆっくりできないよ!おうちにかえるよ!」
「あなたのおうちは一生その箱の中。これからは私がお饅頭を食べたい時だけ外に出て子供を生み、また箱の中に
 戻るのよ。あなた達ゆっくりに寿命があるのかは知らないけど死ぬまで私の饅頭生産機として生きるのよ。」
 霊夢の話を聞くとお母さん霊夢は涙を流し叫びだす。
「いやだあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!もっとゆっぐりざぜでえぇぇぇぇぇ!」
「うるさいわね、あなたは私が必要とする時以外は結界の中にいてもらうわ、もちろんその箱ごとね。外界から何
 の干渉もないとってもゆっくり出来る場所よ。」
「ごごがらだじ・・・」
 お母さん霊夢は箱ごと結界の中へ封印された。

「はぁ、せっかく神社の床下を提供してやってたのに恩を仇で返すなんて許せないわ。」
 霊夢はプチ霊夢に食べられた万札の切れ端を手に取り落ち込んでいた。
「あら?これは・・・」
 万札の切れ端の裏に書いてある文字に霊夢は気が付いた。
『子供銀行券』


 ここは魔法の森にある霧雨魔理沙の家。
 今日も魔理沙は博麗神社へ遊びに行く準備をしていた。
「今日あたりが賽銭を集める日かな。霊夢のやつおもちゃの万札を見てどんな反応するんだろうな、楽しみだぜ。」
 神社へ遊びに行った魔理沙は全治一ヶ月の重傷を負った。

 こうして魔理沙のちょっとした悪戯が原因でプチ霊夢達はその生涯を終え、お母さん霊夢はその生涯を饅頭生産
 機として生きることになったのであった。

 End
                                             作成者:ロウ 


 長い文章を最後まで読んでくださった方々にまずはお礼を申し上げます。
 ゆっくり達の生涯シリーズ第5弾『ゆっくり一家の生涯「博麗神社編」』はいかがでしたでしょうか?
 物語冒頭の博麗神社の設定はwikipediaの幻想郷の項目を参考にしました。
 前半はソフトに後半はハードに書かせていただきました。
 今回私が書いたゆっくりの繁殖方法は物語の都合上考えた苦肉の策のようなものなので、お気に召さない方はゆ
 っくりアリスなどに脳内変換していただくと良いかと思います。
 最近は新しいゆっくりの繁殖の方法や漫画職人の方々の投稿によりかなり楽しませていただいております。

 霊夢の使う結界は工夫の仕方によっては様々ないじめに使えるので面白いですね。
 もちろん結界に関しては幻想郷一の老婆ことスキマ妖怪の加齢臭バ(スキマ・・・・ぴちゅーん×10)
 失礼、幻想郷一の美少女にして妖怪の賢者八雲紫氏には遠く及びませんが。

 現在SSは冒頭部部だけですが3つほど頭の中に浮かんでいます。

 ・紅魔館を舞台にしたゆっくり一家のSS
 ・ゆっくりえーき(体はついてないよ)のSS(加工場が絡んできます)
 ・私の第1作で最後に部屋に残されたゆっくり魔理沙の末路(たぶん短いSSになると思います)

 現在リアルで忙しいためSSを書くのに時間がかかってしまいます。気長にゆっくりとお待ち下さい。


 おまけ(と言う名のチラシの裏)

 私の中でのゆっくり達の中身

 霊夢・・・・・・粒餡
 魔理沙・・・・・粒餡
 アリス・・・・・カスタードクリーム
 パチュリー・・・生クリーム
 ゆゆこ・・・・・桜餡
 れみりゃ・・・・肉まん
 フラン・・・・・あんまん
 れみりゃ希少種・手足や体も肉まん(成長して手足が生える、れみりゃ全体の1割にも満たない生息数)
 フラン希少種・・手足や体もあんまん(成長して手足が生える、フラン全体の1割にも満たない生息数)
 ゆかりん・・・・味噌餡(実際に味噌饅頭というものはあるよ)
 えーき・・・・・鶯餡(髪が緑だから)

 ちぇんとみょんは中身が粒餡では面白くないので現在考え中。
 その他のゆっくりは私の中ではまだ発見されておりません。

 おまけEnd

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最終更新:2008年09月14日 05:51
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